$OP=k PH$ より
$\sqrt{x^2+y^2}=k |x-a|$
$x^2+y^2=k^2(x-a)^2$
だが、これに楕円の式を代入すれば
$x^2+3\{ 1- \frac{(x+3)^2}{12} \} =k^2 (x-a)^2$
整理して
$(4k^2-3)x^2 -(8ak^2-6)x +(4a^2k^2-3)=0$
これが $x$ の値の如何に関わらず成り立つのだから、$x$ についての恒等式である。よって
$\left\{ \begin{array}{lcl} 4k^2-3 & = &0 \\8ak^2-6 & =
&0 \\ 4a^2k^2-3 &= &0 \end{array} \right. $
題意から $k>0$ だから
$k=\sqrt{3}/2,a=1$……(答)
【蛇足】 実は、原点 $O$ はこの楕円は焦点の一つになっている。(計算すれば分かる。) 上に出てきた直線 $x=1$ を準線といい、比の値 $k=\sqrt{3}/2$ をこの楕円の離心率という。(周知のように離心率が $1$ ならば曲線は放物線になる。) いまのように離心率が $<1$なら楕円なのである。---
△HOPの面積 $S$ は
$S=\frac{1}{2} |x-a| |y|$
$=\frac{1}{2} |x-1|\sqrt{3 \{ 1- \frac{(x+3)^2}{12} \} }$
$=\frac{1}{4} \sqrt{(x-1)^2 (3-6x-x^2)}$……(答)
$\surd$ の中を $f(x)=(x-1)^2(3-6x-x^2)$ とおいて、その最大を微分法で求めると
$f'(x) =2(x-1)(3-6x-x^2)+(x-1)^2(-6-2x)$
$=2(x-1)(-2x^2-8x+6)$
$=-4(x-1)(x^2+4x-3)$
$f(x)$ の臨界点は3つあり、小さい順に
$x=-2 - \sqrt{7},-2 +\sqrt{7},1$
で、左から極大、極小、極大だが、先に求めたように $x$ が動く範囲は $-3-2\sqrt{3} \leq x \leq -3+2\sqrt{3}$
である。この範囲に落ちる臨界点は1つだけなので、
$x=-2 - \sqrt{7}$ のとき極大かつ最大である。……(答)
【問題11】 $x$軸を準線として、$y=x$ に $(3,3)$ で接している放物線がある。この放物線の焦点の座標を求めよ。また、この放物線の方程式を求めよ。---
【解】 放物線(パラボラ)には、軸に平行な光線は放物線との交点で反射して(入射角=反射角で)焦点を通過する、という性質がある。これがパラボラ・アンテナの原理である。しかも、交点と準線と間の距離と、交点と焦点との間の距離は等しくなる。
点 $(3,3)$ と準線 $y=0$ との距離が $3$ であり、平行光線の入射角が 45°だから、交点から$x$軸に平行に $3$ だけ進んだところに焦点があることになる。したがって、焦点は
$(0,3)$ ……(答)
である。頂点は焦点から準線に垂線を下ろしたときの中点に一致するから、頂点は
$(0,\frac{3}{2})$
である。よって、放物線の標準形 $x^2=4py$ を $y$軸方向に $3/2$ だけ平行移動したもので、$p=3/2$ であることが分かるから、求めるべき放物線の方程式は
$x^2=6(y-\frac{3}{2})$ ……(答)
【蛇足】 実際に点 $(3,3)$ における接線が $y=x$ であることを確かめておこう。放物線の $x^2 = 4p(y-p)$ の接点を $(x_{1},y_{1})$ とすると、そこでの接線は
$x_{1}x =2p(y-p+y_{1}-p)$
だから、たしかに
$3x=3(y-0) \Rightarrow y=x$
または、放物線の方程式を微分して
$2x=4py' \Rightarrow y'=1$
とやってもよい。
【問題12】 2点 $A(-2,0), B(1,0)$ からの距離の比が $2:1$ である点 $P$ の軌跡を求めよ。---
【解】 線分 $AB$ を $2:1$ に内分、外分する点をそれぞれ $Q,R$ とすれば、点 $P$ の描く曲線は $Q,R$ を直径の両端とする円である。……(答)
それを示すには以下に記す2つの定理(数Aに出てくる)を使う。
(定理1) 線分 $AB$ を内分する点を $C$ とする。$AC:CB=AP:PB$ となるように点 $P$ を取れば、$PC$ は $\angle APB$ の二等分線である。(左側の図参照)
なぜならば、$AP$ の延長上に $PB=PB'$ なる点 $B'$ を取れば、平行線の定理より $CP \parallel BB'$ となることと、二等辺三角形の底角定理、平行線の同位角と錯角から分かる。
(定理2) 線分 $AB$ を外分する点を $C$ とする。$AC:CB=AP:PB$ となるように点 $P$ を取れば、$PC$ は $\angle APB$ の外角の二等分線である。(右側の図参照)
なぜならば、$PA$ 上に $PB=PB'$ なる点 $B'$ を取れば、平行線の定理より $CP \parallel BB'$ となることと、二等辺三角形の底角定理、平行線の同位角と錯角から分かる。
上記2つの定理により、直線 $PQ$ は $\angle APB$ の二等分線であり、直線 $PR$ は $\angle APB$ の外角の二等分線であることから、$\angle
QPR=90^\circ$ となるからである。■