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あとは、格子を縦、横に伸ばしたり縮めたりし、金網みたいにひしゃげれば、できあがりです。
【答】 上図の斜線部の平行四辺形。

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【問題16】 鋭角三角形ABCの外心Oから直線BC, CA, ABに下ろした垂線の足をそれぞれ P, Q, R とするとき$\vec{OP}+2\vec{OQ}+3\vec{OR}=\vec{0}$ が成立しているとするとき、$\angle A$の大きさを求めよ。---

【解】例えばOPは二等辺三角形OBCの底辺の垂直二等分線である。
   
そのため
   $\vec{OP}=(\vec{OB}+\vec{OC})/2$
   $\vec{OQ}=(\vec{OC}+\vec{OA})/2$
   $\vec{OR}=(\vec{OA}+\vec{OB})/2$
である。$\vec{OA}=\vec{a}$, $\vec{OB}=\vec{b}$, $\vec{OC}=\vec{c}$ とすれば、所与の等式から
   $\frac{\vec{b}+\vec{c}}{2}+2\frac{\vec{c}+\vec{a}}{2}+3\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2}=\vec{0}$
2倍して整理すれば
   $5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c}=\vec{0}$
この等式に$vec{a}$, $vec{b}$, $vec{c}$ を掛ける(内積をとる)とどうなるか。外接円の半径を$1$にすれば(相似に拡大・縮小すればよい)
   $\vec{a} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=4\vec{a} \cdot \vec{b} +3\vec{c} \cdot \vec{a} +5=0$
   $\vec{b} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=5\vec{a} \cdot \vec{b} +3\vec{b} \cdot \vec{c} +4=0$
   $\vec{c} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=4\vec{b} \cdot \vec{c} +5\vec{c} \cdot \vec{a} +3=0$
これを$\vec{a} \cdot \vec{b}, \vec{b} \cdot \vec{c} ,\vec{c} \cdot \vec{a}$に関する3元連立方程式と考えて解くと
   $ \vec{b} \cdot \vec{c} =0$
が分かる。したがって、$\vec{OB}$と $\vec{OC}$は直交する。
   
あとは点Aがどこにあるかを考える。外接円の優弧BCにあるか、劣弧BCにあるかのどちらかであり、後者なら$\triangle ABC$は鈍角三角形になってしまうから、点Aは優弧上にある。よって
   $\angle A =45^{\circ}$ ……(答)
(もし劣弧上なら$135^{\circ}$)である。

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【問題17】 △ABCの辺BCを3等分した点のうちBに近い方の点Dをとする。このとき、等式$2AB^2+AC^2=3(AD^2+2BD^2)$が成り立つことを証明せよ。---

【証明】
   

出てくるベクトルをすべて$\vec{AB},\vec{AC}$で表わせばよい。
   $\vec{AD} = (2\vec{AB}+\vec{AC})/3$
だから
   $\vec{BD} = \vec{AD}-\vec{AB} = (1/3)(-\vec{AB}+\vec{AC})$
これを使って、目的の式の右辺を計算しよう。
   $|\vec{AD}|^2=(1/9) \{ 4|\vec{AB}|^2+4\vec{AB} \cdot \vec{AC}+|\vec{AC}|^2 \}$
   $2|\vec{BD}|^2= (2/9) \{|\vec{AB}|^2-2\vec{AB}\cdot\vec{AC}+|\vec{AC}|^2\}$
この2つを足して3倍すると
   $3(|\vec{AD}|^2+2|\vec{BD}|^2)=$$(3/9)\{ 6|\vec{AB}|^2+3|\vec{AC}|^2\}$
   $=2 |\vec{AB}|^2+ |\vec{AC}|^2$
で、左辺に等しくなりました。■

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【問題18】 4点 $O(0,0,0),A(1,1,4),B(4,?2,2),C(2,2,?2)$ を頂点とする四面体において、頂点Oから辺BCに下ろした垂線と辺BCとの交点をQ、頂点Aから三角形OBCを含む面に下ろした垂線とその面との交点をRとする。
? 線分OQの長さを求めよ。
? 三角形OBCの面積を求めよ。---


【解】
   
まず
   $\vec{BC} =C-B= (-2, 4, -4)$
であり、
   $|\vec{BC}| =\sqrt{4+16+16}=6$
である。$\vec{BC}$ を方向ベクトルと考えて、直線BCのベクトル方程式を作ると
   $(x, y, z ) = (4, -2,2 ) + t (-2, 4, -4)$
だから
   $\vec{OQ} = (4-2t, -2+4t, 2-4t)$
とおける。$vec{OQ}$ と先のベクトル $\vec{BC}$ が垂直(内積ゼロ)だから
   $-2(4-2t)+4(-2+4t)-4(2-4t)=0 \Rightarrow t= 2/3$
よって
   $Q=(8/3, 2/3, -2/3)$
   $|\vec{OQ}|=\sqrt{64/9 + 4/9 + 4/9}=2\sqrt{2}$ ……(1)の【答】
   $\triangle OBC = (1/2)\times |\vec{OQ}|\times |\vec{BC}|=6\sqrt{2}$ ……(1)の【答】

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