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あとはこれを小数に直すのだが、

$0.\dot{a}bc \dot{d}=\frac{abcd}{9999}$

という循環小数を分数に直す公式を逆に使って、1 種類めは

$\frac{1}{11}=\frac{9}{99}=0.\dot{0} \dot{9}$

で、あとは掛け算をして

$\frac{2}{11}=2 \times 0.\dot{0} \dot{9} =0.\dot{1} \dot{8}$,
$\frac{4}{11}=4 \times 0.\dot{0} \dot{9}=0.\dot{3} \dot{6}$,
$\frac{8}{11}=8 \times 0.\dot{0} \dot{9}=0.\dot{7} \dot{2}$,
$ \frac{5}{11}=5 \times 0.\dot{0} \dot{9}=0.\dot{4} \dot{5}$

が全種類の循環節である。(循環節が大きさの順になっていなくて変だ、と思う読者はいないであろう。)
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§5. g進小数展開

【問題5-1】 10 は $mod.7$ の原始根になることを示し、したがって $\frac{1}{7}$ の循環節の長さが 6 であることを確認せよ。また、循環節の長さを 2 や 3 にするには何進小数展開すればよいか。---

(解) 10 の累乗を作ると

$10=3(mod.7) \rightarrow 10^2=9=2 \rightarrow 10^3=20=6 \rightarrow 10^4=60=4 \rightarrow 10^5=40=5 \rightarrow 10^6=50=1 ( \rightarrow 10)$

10 の位数は $7-1=6$ だから原始根。余りのサイクル(循環節)も長さが 6 である。

循環節の長さを 2 にするには、例えば上図のを飛び石のように飛んで回ればよい。その余りのサイクルは

$6=10^3 \rightarrow 1=10^6$

で公比は $\frac{10^6}{10^3}=10^3=6$ だから、6 進小数展開すればよい。余り→商変換したのが下図だ。


@ 1 を 6 倍して 6 を引いて 0
A 6 を 6 倍して 1 を引いて 35
これで 2 行目ができたので、最後は 7 で割る。

$\frac{1}{7}_{(10)}=\frac{1}{11}_{(6)}=0.\dot{0} \dot{5}_{(6)}$
となるが、筆算でやると下図なので、正しいことが分かる。

循環節の長さを 3 にするには、例えば上図のを飛び石のように飛んで回ればよい。ただしその方法は 2 通りあり、総コマ数=6 の双六を 2 コマずつ進む方法と、4 コマずつ進む方法である。
ここでは後者の方法を採用しよう。その余りのサイクルは

$4=10^4 \rightarrow 2=10^2\rightarrow 1=10^6$

で公比は $\frac{10^2}{10^4}=\frac{10^4}{10^6}=10^4=4$ だから、4 進小数展開すればよい。余り→商変換したのが下図だ。


$\frac{1}{7}_{(10)}=\frac{1}{13}_{(4)}=0.\dot{0}2 \dot{1}_{(4)}$
となり、筆算は下図。

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