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のように関数が埋め込まれている。また$1$を赤くするには「条件付き書式」の機能を使う。

2〜19の間にある素数は

$2,3,5,7,11,13,17,19$

ですべてであるので、$10$が原始根になる法$n$は少なくとも素数でなければならない、と看取される。(証明は後述。)でも、素数でさえあればよいかというとそうではなく、素数であることは必要条件だが十分条件ではない。

Excelでさらに、$n$が$1$〜$100$の範囲内で、$10$が原始根になる$n$を得たいならば、素数に限定して調べると能率がよい。$1$〜$100$の間にある素数は

$2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97$

の25個だがこの中で$1/n$を小数に直したとき循環節の長さ=$n-1$になる$n$は、

$7,17,19,23,29,47,59,61,97$

の9個であることが分かる。(これら9個の素数に特別な意味はなく、我々がたまたま10進小数を採用しているという偶然による。7進法なり、8進法なりを採用すれば別の素数がその役を担うであろう。)

保留にしていた証明を書いておこう。

【定理】 法 $n(\geq 2)$ において $10$ が原始根ならば、$n$ は素数である。
(証明) もし $n$ が合成数であったとする。$n=n_{1} \cdot n_{2}(n_{1},n_{2}>1) $と因数分解できるが、$10$ が原始根であることから
   $10^{x} \equiv n_{1}(mod.n) (\mbox{ただし}1 \leq x < e)$
である $x$ が存在する。これに対し
   $10^{x} \cdot n_{2} \equiv n_{1} \cdot n_{2} \equiv 0 (mod.n)$
なので、両辺に $10^{e-x}$ を掛ければ
   $10^{e} \cdot n_{2} \equiv 0 \Rightarrow n_{2} \equiv 0(mod.n)$
となる。これは、$n_{2}$ が $n_{1}\cdot n_{2}$ で割り切れることを意味するので、$n_{2}=1$ となり矛盾。■

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