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十字を正方形にするパズル

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§1. 問題
§2. 6通りに場合分け
§3. 解答

§1. 問題

ギリシア十字(架)とは下図の黄色の部分のように正方形を 5つ合体したような図形である。これを裁ち合わせ(分割して再度合体)して 1つの大きな正方形を作れというのが問題である。ただし 4つのピースに分割して合体すること。

    

十字を構成している 5つの正方形の 1辺を $1$ とすれば、面積総計は $5$ だから、目指すべき大正方形の 1辺は $\sqrt{5}$ である。
そこで上図・右の 1辺が $\sqrt{5}$ の赤い格子模様の枠線を十字の上にかぶせればよい。
$\sqrt{5}=\sqrt{2^2+1^2}$ より、赤い直線の傾きは $\frac{1}{2}$ と $-2$ である。

問題は赤の格子点(直線の交点)を十字のどこの点に持って来ればよいかだ。
その候補の点が上図に示した A〜G と原点である。それぞれの座標を左下から書くと

$A(0,-1),B(\frac{1}{2},-1)$
$C(0,-\frac{1}{2}),D(\frac{1}{2},-\frac{1}{2})$
$O(0,0).E(\frac{1}{2},0)$
$F(0,\frac{1}{2}),G(\frac{1}{2},\frac{1}{2})$

である。これらの点を赤線の格子点とするとき、裁ち合わせがうまくいくか、順次調べるとしよう。
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§2. 6通りに場合分け

(1) まず $A(0,-1)$ が格子点になる場合。


黄色のアを点対称移動してピンクへ、
黄色のイも同様に水色へ、
黄色のウも同様に緑へ、
黄色のエも同様に灰色へ。
ア〜エと元の黄色で 5個のピースになって、失敗。

(2) $B(\frac{1}{2},-1)$
ところで $B$ と $C$ は下図のように向きを変えると同じになる。

    

$B$ の場合で考えよう。

黄色のアを点対称移動してピンクへ、
黄色のイは平行移動して水色へ、
黄色のウも平行移動して緑へ、
黄色のエも平行移動して灰色へ。
ア〜エと元の黄色で 5個のピースになって、失敗。

(3) $D(\frac{1}{2},-\frac{1}{2})$


アとイは平行移動、
ウは $90$度回転、
エとオは点対称移動。
ア〜オと元の黄色で 6個のピースになって、最悪。面心に格子点を持ってくるとダメなのかと一瞬めげる。

(4) 原点


黄色のアを点対称移動してピンクへ、
黄色のイを $90$度回転して水色へ、
黄色のウは $-90$度回転して緑へ。
やっと成功。これが第1の解答。

(5) $E(\frac{1}{2},0)$
実は $E$ と $F$ も下図のように同じである。

   

$E$ の場合で考えよう。

ア、イ、ウともに平行移動。
成功。これが第2の解答。

(6) $G(\frac{1}{2},\frac{1}{2})$


アは点対称移動、
イは $90$度回転、
ウは平行移動。
成功。これが第3の解答。

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§3. 解答

以下に解答を再録しておこう。

  

そしてこの解答で裁ち合わせしてできる正方形が下図である。

  

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