[婆茶留高校数学科☆HP] Top pageに戻る このページを閉じる 探したい言葉はここへ→

放射運動
Copyright (C) virtual_high_school, 1999-2018

【問題1】 物をそっと落とす(自由落下)。落下速度$v[m/\mbox{秒}]$は、落とし始めてからの経過時間$t[\mbox{秒}]$に比例する。その比例定数(重力加速度)を$g=10[m/\mbox{秒}^{2}]$としよう。(より精確には$g=9.8[m/\mbox{秒}^{2}]$である。)

(1) 落下し始めて$t[\mbox{秒}]$後の速度$v[m/\mbox{秒}]$はいくらか。

(2) 落下し始めてから$t[\mbox{秒}]$間に落下する距離$s[m]$を求めよ。---

【解】(1) $v=gt=10t[m/\mbox{秒}]$
(2) $v-t$グラフにおける直角三角形の面積に当たるから、$s=\frac{1}{2}gt^{2} =5t^{2}[m]$■

【問題2】 野球の投手のマウンドは高くなっている。さて、投手が球を水平に$36[m/\mbox{秒}]=129.6[km/\mbox{時}]$の速度で捕手に向けて投げたとする。投手・捕手間の距離を$18[m]$(ルールでは投手板・本塁間が$18.44[m]$と決められている)として、球が捕手に届くまでに何$[m]$落ちるか計算せよ。---

【解】 かかる時間は$t=s/v=18/36=0.5[\mbox{秒}]$だから、
落下距離は$s=\frac{1}{2}gt^{2} =5 \times 0.5^{2}=1.25[m]$■
★投手がオーバースローで、頭の高さが球の出所で、打者の胸当たりに球が飛んでくるとして、……等、考えてみよう。

【問題3】 野球のホームラン・ボールの飛距離や滞空時間を調べよう。打球の初速度を水平、鉛直両方向ともに$25[m/\mbox{秒}]=90[km/\mbox{時}]$とする。(45°方向に打ち上げることになるので、打球の速さは$90\sqrt{2}[km/\mbox{時}]$。)以下、空気抵抗は考えない。

(1) 打球が最高点に達するまでの時間$T[\mbox{秒}]$を求めよ。

(2) 最高点の高さ$H_{V}[m]$を求めよ。

(3) 滞空時間を求めよ。

(4) 飛距離(水平距離)$H_{H}[m]$を求めよ。---

【解】 (1) 最高点では、球は上昇も下降もしない。だから、速度はゼロ。
上昇速度は無重力状態で打ち上げたと考えればよいから上向きに $v_{V}=25$、また下降速度は地球の重力により生ずるもので時間に比例し下向きに $gT=10T$で、この2つの速度が等しくなるので
   $gT=v_{V} \Rightarrow T=\frac{v_{V}}{g} = \frac{25}{10}=2.5[\mbox{秒}]$
(2) 無重力状態なら $v_{V}T$ だけ上昇するが、重力で $(1/2)gT^{2}$だけ引きずり下ろされるから
   $H_{V} = v_{V}T - \frac{1}{2}gT^{2}=25 \times \frac{5}{2} -5 \times (\frac{5}{2})^{2}=\frac{125}{4}= 31.25[m]$
(3) 地面に激突するまでの時間だから、上昇距離=下降距離とおいて
   $v_{V}t = \frac{1}{2}gt^{2} \Rightarrow t=\frac{2 v_{V}}{g} =\frac{2 \times 25}{10} = 5[\mbox{秒}]$
   
★これは最初に求めた$T$のちょうど2倍である。言い換えれば、最高になるのは地上に達する時間の半分である。時刻$2T$においては上昇距離=下降距離だから、その半分の時間なら、上昇距離は半分になり、下降距離は時間の2乗に比例するから1/4である。したがって、時刻$T$においては半分と1/4だから、上昇距離のちょうど半分だけ下降するという訳だ。これはある意味、大変面白い2次関数または落下運動の性質だ。
(3) 水平方向には$25[m/\mbox{秒}]$で等速運動するから、
   $H_{H}= v_{H} \times 2T=25 \times 5=125[m]$■

【問題4】 下図は、2次関数のグラフと$x$軸が異なる2点で交わっており、その2交点において接線を引く。緑色の直角三角形とオレンジ色の弓形の半分の面積の比はいくらか。---
   

次ページ