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§4. cos 2π/17 が求まった

$t_{2}=\zeta+\frac{1}{\zeta}$ を書き直すと

$t_{2}=(\cos\frac{2\pi}{17}+i \sin\frac{2\pi}{17})+( \cos\frac{2\pi}{17}-i \sin\frac{2\pi}{17})$
$=2 \cos\frac{2\pi}{17}$

だから、$t_{2}$ を半分にした値が §1 の図で $1$ の隣にある頂点の実部であるから、これで作図ができる。

最後に複号問題を解決しておこう。
我々は $\zeta=\cos\frac{2\pi}{17}+i \sin\frac{2\pi}{17}$ とおいた。ところが、$\cos\frac{4\pi}{17}+i \sin\frac{4\pi}{17}$ や $\cos\frac{6\pi}{17}+i \sin\frac{6\pi}{17}$ 等々とおいても、上と同じ 2次方程式が得られるのである。

2次方程式が 3つ出てきたが、各々で複号のどっちを取るかで 2通りずつの選択法があるので、全部で $2^3=8$ 個の解が出てくる。その解が(大きい順に並べると)、

$2 \cos\frac{2\pi}{17},2 \cos\frac{4\pi}{17},2 \cos\frac{6\pi}{17},2 \cos\frac{8\pi}{17},2 \cos\frac{10\pi}{17},2 \cos\frac{12\pi}{17},2 \cos\frac{14\pi}{17},2 \cos\frac{16\pi}{17}$

なのである。
このうち作図に不適なものを「除去」すればいいと先述したが、実はすべて作図に使える値なのである。
上の 8つの解のどれを使っても、正17角形の頂点が(実軸の上と下で) 2個取れる。あとは、$1$ とその頂点を両端とする弧をコンパスで 写し取って尺取虫のように円周を切っていけば、正17角形が描ける。

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参考 【「高校生のためのガロア群入門」のページの§8】 ←ここをクリック!

↑上のページには、2次方程式を導く計算の細部が記されている。

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