【同型の3つの例題】
以上3つの例題は、パラドックスとかジレンマと呼ばれる変わった面白い問題であった。
3つに共通して言えることは、条件付き確率を使えば分かりやすく解明できるということである。しかも樹形図がまったく同じになるので、これら3つの問題は同型になるということも分かる。
また、3つとも条件付き確率なる概念を使わずに解明することもできるのだが、その場合には、3つは各々独自の方法で解決を図るようになる。(こっちの解法の方が初等的であるように見えるが、かえって理解するには難しいと思う。)
【練習問題】
5本中2本当たりのクジがある。阿部(A)君→馬場(B)君がこの順で1本ずつ引く。ただし引いたクジは元には戻さない。
(1) 下の樹形図を完成せよ。
(2) 馬場君が当たる確率はいくらか。
(3) 馬場君が当たったとき、阿部君も当たっている確率を求めよ。
【解】
(1)左の列は、$\frac{2}{5}, \frac{3}{5}$ であり、2列目は上から $\frac{1}{4}, \frac{3}{4},
\frac{2}{4}, \frac{2}{4}$ であり、右の列は ア$=\frac{2}{20}$, イ$=\frac{6}{20}$,
ウ$=\frac{6}{20}$, エ$=\frac{6}{20}$
アについて、 (A当たり)で(B当たり)の確率は、積の法則で $P(A \cap B) = P(A) \times P_{A}(B) $ となるが、$P_{A}(B) $のことを「Aが当たったときの、Bが当たる条件つき確率」という。だから$P_{A}(B)= \frac{P(A \cap B)}{P(A)} $だ。
(2) ア+ウ=$\frac{8}{20}=\frac{2}{5}$
(3)の条件付き確率はさっきと逆になる。アとウの世界の中で、アの起こる割合と考えればよい。
$P_{B}(A)= \frac{P(A \cap B)}{P(B)}$
$=\frac{\mbox{ア}}{\mbox{ア+ウ}} =\frac{\frac{2}{20}}{\frac{2}{20}+\frac{6}{20}}=\frac{1}{4}$
[婆茶留高校数学科☆HP] Top pageに戻る このページを閉じる 探したい言葉はここへ→