このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
$\frac{4}{7},$
$\frac{2}{7}$
だから、白白が移動して白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
$p_{1}=\frac{3}{10} \times \frac{4}{7} =\frac{12}{70},$
$q_{1}=\frac{3}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{6}{70}$
(イ) Xから白黒が出る確率は
$\frac{3}{5} \times \frac{2}{4} \times _{2}C_{1}=\frac{6}{10}$
このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
$\frac{3}{7},$
$\frac{2}{7}$
であるので、白黒が移動して白が出る確率は
$p_{2}=\frac{6}{10} \times \frac{3}{7} =\frac{18}{70},$
$q_{2}=\frac{6}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{12}{70}$
(ウ) Xから黒黒が移る確率は
$\frac{2}{5} \times \frac{1}{4}=\frac{1}{10}$
このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
$\frac{2}{7},$
$\frac{2}{7}$
であるので、白白が移動して白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
$p_{3}=\frac{1}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{2}{70},$
$q_{3}=\frac{1}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{2}{70}$
以上より、求めるべき条件付き確率は
$P=(q_{1}+q_{2}+q_{3})/( p_{1}+p_{2}+p_{3})$
$=(\frac{6}{70}+\frac{12}{70}+\frac{2}{70} )/(\frac{12}{70}+\frac{18}{70}+\frac{2}{70})$
$=\frac{20}{70} / \frac{32}{70}=\frac{5}{8}$ ……(答)
【問題2.6】 5種類の数字 $-1,0,1,2,3$ が書かれた玉がそれぞれ2個ずつ、計10個袋に入っている。
(1) 袋から玉を同時に3個取り出すとき、それらの玉に書かれている最も大きな数と最も小さな数の差が2以上になる確率を求めよ。
(2) 袋から玉を同時に3個取り出し、それらの玉に書かれている数の和を記録してもとに戻すという反復試行を500回行う。ちょうど $n$個の 0
が記録される確率を$p_{n}$とおくとき、$p_{n+1}/p_{n}$ を $n$ の式で表せ。また、$p_{n}$ が最大となるときの
$n$ を求めよ。---
【解】 (1) 10個から3個の玉を取る方法は $_{10}C_{3} = 120$通り。(ただし同じ番号であっても玉を区別する。)
余事象を考える。差が2未満は、
(ア) 2個の玉が $x$ で、もう1個の玉が $x+1$ のときか、
(イ) 2個の玉が $x+1$ で、もう1個の玉が $x$ のとき。
$4 \times 2 + 4 \times 2 = 16$通り。
これの余事象の確率だから
$1- \frac{16}{120} = \frac{104}{120} = \frac{13}{15}$ ……(答)
(2) 和がゼロになるのは
(ア) $-1, 0,1$ か
(イ) $-1,-1, 2$
のどちらかだから、1回の試行でゼロになる確率は
$\frac{2 \times 2 \times 2 + 2}{120} = \frac{1}{12}$
反復試行(二項分布、ベルヌイ試行列)の公式から
$p_{n}= _{500}C_{n} (\frac{1}{12})^n (\frac{11}{12})^{500-n}$
だから
$\frac{p_{n+1} }{ p_{n}} = \frac{n! (500-n)!}{(n+1)!(499-n)! } \cdot
\frac{1}{12} /\frac{11}{12}$
$=\frac{500-n}{11n+11}$ ……(答)
ここで
$\frac{p_{n+1}}{p_{n}} \geq 1$
を解くと
$n \leq \frac{489}{12} = 40.75$
つまり
$\frac{p_{41}}{p_{40}} >1, \frac{p_{42}}{p_{41}} <1$
$n=0$〜$41$まで単調増加し、 $n=41$〜$500$では単調減少する。すなわち、$n=41$ で最大。 ……(答)
【問題3.1】 10個の文字、HIGHSCHOOLを一列に並べる。
? I,G,H,H,Hに関して、この順に並ぶ確率を求めよ。
? O,H,H,H,Oに関してこの順に並ぶ確率を求めよ。---
【解】? I,G,H1,H2,H3の並べ方は、5!通り。
H1,H2,H3を区別しないと考えると、これの並べ方が3!通り。
$\frac{3!}{5!} = \frac{1}{20}$ ……(答)
? O1,H1,H2,H3,O2の並べ方は、5!通り。
O1,O2を区別せず、H1,H2,H3も区別しないと考えると、これの並べ方が2!×3!通り。
$\frac{2!\times 3!}{5!} = \frac{1}{10}$ ……(答)
【問題3.2】 2本の当たりくじを含む102本のくじを、一回に1本ずつ、くじがなくなるまで引き続ける。n回目に2本目の当たりくじが出る確率を求めよ。---
【解】 102本でなく6本だとし、n=4回目だとしてみましょう。 1回目から6回目までのくじの出方が例えば
( , , , n , , )
↓↓↓
(×,○,×,○,×,×)
のようになればいいのです。
6ヵ所中2ヵ所に○を置くときに、n番目には○が来て n番目より前に もうひとつの○が来ればいいので、
$_{6}C_{2} = \frac{6!}{2!4!} = 15$
通りのうちの
$ n-1 = 3$
通りで、 答は 3/15 = 1/5 です。 これの類推で、本問の解答は
$P =\frac{n-1}{_{102}C_{2}} =\frac{n-1}{5151}$
です。
【問題3.3】 集団検診での特定の病気のスクリーニング検査を考える。ある病気に罹患している場合に検査で陽性と判定される確率が0.99、罹患していないにも関わらず陽性と判定される(疑陽性)確率が0.02であるスクリーニング検査について
@検査を受ける人の罹患率が0.5のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患している確率は?
A検査を受ける人の罹患率が0.003のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患している確率は?
B検査を受ける人の罹患率が0.003のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患していない確率は?---
【解】 二又の先がさらに二又に分かれた樹形図(下図)を書きます。