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確率が計算できる試行とは
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【同程度に確からしい試行リスト】
高校の確率で扱う問題はかなり限定されている。原則として「同程度に確からしい」試行を扱う。
では、同程度に確からしい(等確率になる)試行は、どんなものを扱うものか。
それをリスト・アップすると、次のようになる。
(A)サイコロ,コイン,ルーレット, 乱数サイ(正20面体),乱数 |
(B)トランプ,くじ引き,袋の中の玉 |
これ以外のものは特に問題文中で指示しない限り同程度ではない。
(A)は「回転する(ころがる)」ものであり,(B)は「抽出する」ものである。
以上は単一試行であるが、これらを組み合わせると複合試行になる。
その際に、後者は復元抽出と非復元抽出の2つを区別する必要が起きる。(A)の複合試行には復元抽出に相当するものしかない。
(B)を復元抽出する場合は、(A)と同じものと考えてもよくなる。(いちいち元に戻すくじ引きは、ルーレットと同じである。)
【単一試行の確率】
例題1 | 5本中3本当たりのくじがある。A、B2人がこの順に1本ずつ引くとき、Bが当たる確率 |
【解1】 | 両手で同時にくじを2本引き、左手のくじをA君に渡し、右手のくじをB君に渡すと考えればよい。![]() Aの当たる確率とBの当たる確率が等しいことは、左手から手を開くか右手から開くかの違いだけだから、当然である。Bの当たる確率は、Aの当たる確率が 3/5 であるのと同じ理由により 3/5 である。 |
【解2】 | これは私が「トランプ配り」と呼んでいる試行だ。1番から5番までの5枚のカードをよく切る。そして上から順に5人に1枚ずつ配る。いまはA,Bの2人だったが,あと3人いるものと考える。すると、A,Bに何番のカードが来る確率も相等しいことは見やすい。![]() ところで何番が当たりかを決めていなかったので、全員にトランプを配り終わった後で当選番号を決定しよう。(実際,宝くじはこのやり方だ。)これだとAもBも当たる確率は等しいにきまってる。【解1】は,引くとその場で当たりかどうかが分かるスピードくじをイメージしておいて解いた解法であったのだ。問題文にはスピードくじとは書いていなかったので,宝くじ方式で解けばよい。もちろんどちらの方式でも答は同じである。 5枚中所望の3枚のカードのどれかが来ればいいのだから、3/5 |
例題2 | A、B、C、D、Eの5人が、くじ引きで順番を決めて1列に並ぶとき、A、Bが隣り合う確率 |
【解】 | A以外の4人は既に1列に並んでいるとする。(Aは残ったくじを引くだけだが、1〜5のどれが出るも均等である。) AはBの右隣りか左隣りに割り込んで座ればよい。座れる場所は植木算で全部で 4+1 = 5ヶ所あって、これが5本のくじに対応する。このうちBの両隣りの番号くじを引けばよいのだから、Bがどこにいようと確率 2/5 になる。 ![]() (別解:$\frac{4! \times 2}{5!} = \frac{2}{5}$) |
【複合試行の確率】
単一試行を学習した後に,複合試行を学ぶことになる。複合試行の例を列記する。
いま,同時に振るとも,右手→左手の順に継起的に振るとも言わなかった。どちらでも同じだからだ。
この2つもまったく同じ試行と考えてよい。
問題文には「同時」とも「継起的」とも書かないのが正しい。どっちでも同じだからだ。複合試行の確率は積の法則で求めることになる。
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