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コーシー・シュバルツの不等式
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(1) 実数 $a_{1},a_{2},\cdots,a_{n}$ 及び $b_{1},b_{2},\cdots,b_{n}$ に対して、
$ (a_{1}b_{1}+ a_{2}b_{2}+\cdots +a_{n}b_{n})^{2} \leq (a_{1}^{2}+a_{2}^{2}+\cdots+a_{n}^{2})(b_{1}^{2}+b_{2}^{2}+\cdots+b_{n}^{2})$
が成り立つ。
(2) 【証明】
$f(t) = (a_{1}t+b_{1})^{2}+ (a_{2}t+b_{2})^{2}+\cdots+ (a_{n}t+b_{n})^{2}
\geq 0$
変形すると
$f(t) = (a_{1}^{2}+a_{2}^{2}+\cdots+a_{n}^{2})t^{2} +2(a_{1}b_{1}+ a_{2}b_{2}+\cdots
+a_{n}b_{n})t+(b_{1}^{2}+b_{2}^{2}+\cdots+b_{n}^{2})\geq 0$
2次関数のグラフが $x$ 軸より上にあるということは、判別式 $D$ を使って
$ \frac{D}{4}=(a_{1}b_{1}+ a_{2}b_{2}+\cdots +a_{n}b_{n})^{2} - (a_{1}^{2}+a_{2}^{2}+\cdots+a_{n}^{2})(b_{1}^{2}+b_{2}^{2}+\cdots+b_{n}^{2})
\leq0$
よって、所与の不等式が成り立つ。
また等号が成り立つのは、
$a_{1}t+b_{1}=a_{2}t+b_{2}=\cdots= a_{n}t+b_{n}=0 $
のとき、すなわち
$a_{1}:b_{1}=a_{2}:b_{2}=\cdots= a_{n}:b_{n}$
のときである。
(3)この公式は、「 シュバルツ(シュワルツとも)の不等式」とも言うのだが、シュバルツはドイツ人だからそれに敵愾心を持つフランス人が「コーシー」の名前も入れろとごねてこの名前になった、と言われる。もちろんコーシーはフランス人だ。
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