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【4 食塩水の濃度】

(問題4) 濃さが5% の食塩水 $200g$ を水で薄めて 2% 以下の食塩水を作りたい。何$g$以上の水で薄めればよいか。

食塩水の問題では、濃度の定義式が難しい。濃度は、食塩$\div$水ではない。それでは食塩$50g$と水$50g$で濃度が100%になってしまう。正しくは
   $ \mbox{濃度}=\frac{\mbox{食塩の質量}}{\mbox{食塩水の質量}} $
である。
   
$x$ グラムの水を追加するとして、三者関係表を作ると上のようになる。
元の容器には食塩が何gあったのかを知る必要がある。濃度の定義式を変形すれば、
   $ \mbox{食塩}=\mbox{食塩水}\times\mbox{濃度} $
だから、
   $ 200 \times 0.05= 10\mbox{(グラム)} $
なのである。合併後(「計」)の濃度は
   $ \frac{10}{200+x}\leq 0.02 $
であるから、分母(正)を払って
   $ 10\leq 0.02(200+x) $
という1次不等式の解法に帰着できる。これを解くと
   $ x \geq 300 \mbox{(グラム)} $
で、水を300g以上足せばよいと分かる。

さて、テストにおける生徒の答案を見ると、次のような変わったやり方で正答に到達しているものが散見された。
$ 200\times \frac{5}{2} =500 $
$ \mbox{(答)} 300 g \mbox{以上} $■

(別解) 水を$200g$追加すれば、倍に薄まって濃度は2.5%になる。濃度は食塩水の質量に反比例する訳だ。
5%から2%へ2/5倍するには、食塩水全体はその逆数の5/2倍にすればよい。それは、$500g$だから元からある分を差し引いて$300g$を足せばよいと分かる。
   

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