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【解】 $y=e^{-x} ?3 \Rightarrow e^{-x}=y+3 \Rightarrow -x=\log(y+3) \Rightarrow x=-\log(y+3)$
だから
   $V=\int_{-2}^{0} \pi \log^2 (y+3)dy $
   $=\pi ([ (y+3) \log^2(y+3)]_{-2}^{0} - \int_{-2}^{0} 2\log(y+3)dy )$
   $=\pi(3 \log^2 3 -[ 2(y+3) \log(y+3)]_{-2}^{0} + \int_{-2}^{0} 2 dy)$
   $=\pi(3 \log^2 3 -6\log 3 +4)$ ……(答)
このように部分積分を2回使う。

【問題4.3】 $p$ と $q$ を$ 0<p<1,0<q<1$ を満たす実数とする。第1象限で4つの曲線 $x^2=y,x^2=py,y^2=x,y^2=qx$ で囲まれた部分の面積 $S$ を求めよ。---

【解】 2曲線
   $x^2=ry, y^2=sx$
で囲まれた図形の面積を $S(r,s)$ とする。これは2曲線
   $y=x^2/r, y=\sqrt{sx}$
で囲まれた図形の面積だから
   $S(r,s) = \int_{0}^{\sqrt[3]{r^2s} }(\sqrt{sx}-x^2/r) dx$
   $=\frac{2}{3}rs -\frac{1}{3}s = \frac{rs}{3}$
と出ます。
   

あとは図を参照して
   $S(1,1) - S(p,1) -S(1,q) +S(p,q)$
   $=1/3 - p/3 -q/3 +pq/3$
   $=(1-p)(1-q)/3$ ……(答)

【問題4.4】 (1) 数直線上を運動する点Pの時刻$t$における速度$v$が$\sin \pi t$であるとする。$t=0$から$t=3$までに、Pの位置はどれだけ変化するか。また道のりを求めよ。
(2) 数直線上を運動する点Pの時刻$t$における速度$v$が$\cos 2t$であるとする。$t=0$から$t=\pi$ までに、Pの位置はどれだけ変化するか。また道のりを求めよ。---

【解】
(1) $v=|\sin \pi t|$のグラフは下図(上)です。
    
変位の方は、
   $\int_{0}^{3} \sin \pi t dt= [ -\frac{1}{\pi} \cos \pi t ]_{0}^{3} = \frac{2}{\pi}$ ……(答)
道のりの方は
   $\int_{0}^{1}+ \int_{1}^{2}+\int_{2}^{3}$ とわざわざ分けなくても図から $3\int_{0}^{1}$ でよいと分かります。
これは周期関数です。つまり
   |sin$\pi$t|=|sin$\pi$(t+n)| (nは整数)
が成り立ちます。三角関数の加法定理で証明できます。ということで道のりは
   $3\int_{0}^{1}\sin \pi t dt=3 [ -\frac{1}{\pi} \cos \pi t ]_{0}^{1} = \frac{6}{\pi}$ ……(答)
(2) v=|cos2t|のグラフは上図(下)です
変位の方は、
   $\int_{0}^{\pi} \cos 2 t dt= [ \frac{1}{2} \sin 2 t ]_{0}^{\pi} =0$ ……(答)
と分かります。
道のりは$y$軸に関して対称であること、すなわち
   |cos2t|=|cos2(-t)|
と周期性
   |cos2t|=|cos2(t+n$\pi$/2)| (nは整数)
の両方を使って、
   $\int_{0}^{\pi/4}+ \int_{\pi/4}^{\pi/2}+\int_{\pi/2}^{3\pi/2}+\int_{3\pi/2}^{2\pi}$
とわざわざ分けなくても図から $4\int_{0}^{\pi/4}$ でよいと分かります。ということで道のりは
   $4\int_{0}^{\pi/4}\cos 2 t dt=4 [ \frac{1}{2} \sin 2 t ]_{0}^{\pi/4} = 2$ ……(答)

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§5. ベキ級数展開

【問題3】 次の関数をMaclaurin展開して収束半径を求めよ。
(1) $y=e^{2x} $
(2) $y=\frac{1}{1+x}$
(3) $y=\log(1+x)$ ---

【解】
(1) $e^x = 1 + x + \frac{x^2}{2!} + \frac{x^3}{3!} + \cdots + \frac{x^k}{k!} +\cdots$
は収束半径∞。これに $2x$ を代入して
   $e^{2x} = 1 + 2x + \frac{4x^2}{2!} + \frac{8x^3}{3!} + \cdots +\frac{ 2^k \cdot x^k}{k!} + \cdots$
収束半径は同じく∞

(2) $\frac{1}{1+x} = 1 - x + x^2 - x^3 + … + (-1)^k \cdot x^k + \cdots$
は公比 $x$ の等比級数ですから、$|x| < 1$ で収束します。収束半径は 1

(3) $\log(1+x)$ は上記級数を項別積分して
   $\log(1+x) = x - \frac{x^2}{2} + \frac{x^3}{3} - \frac{x^4}{4} + \cdots + \frac{(-1)^k \cdot x^{k+1}}{k+1} + \cdots$
項別積分しても、収束半径は変わらないという定理があって、収束半径は1■


【問題22】 $x>1$ のとき $\log \frac{1}{1-\frac{1}{x}} = \displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k x^k}$ となることを示せ。---

【証明】 $y=1/x$ とおけば $|y|<1$ となる。よって、無限等比級数の公式より
   $1+y +y^2+\cdots =\frac{1}{1- y} $
この級数を項別積分すれば
   $y + \frac{1}{2} y^2 + \frac{1}{3}y^3 + \cdots =-\log (1-y) +C$
($C$ は積分定数)だが、$y=0$ を代入して $C=0$ と分かる。この等式において $y=1/x$ として元に戻せば
   $\frac{1}{x} +\frac{1}{2x^2} +\frac{1}{3x^3} + \cdots =-\log(1-\frac{1}{x}) =\log \frac{x}{x-1}=\log \frac{1}{1- \frac{1}{x}} $
これで所期の等式が得られた。■
【蛇足】 ここで項別積分を行ったが、項別積分して得られる級数も元の級数と収束半径は等しく、同じ範囲(収束域)で収束することは大学数学の内容である。

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