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$\vec{p}=\overrightarrow{OP}=\overrightarrow{OA}+\frac{m}{m+n}\overrightarrow{AB}$
$=\vec{a}+\frac{m}{m+n}(\vec{b}-\vec{a})$
$=\frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n}$ …(答)

ここで、$m=t,m+n=1$ と置き換えれば

$\vec{p}=(1-t)\vec{a}+t\vec{b}$

となる。こちらの方が便利であることが多い。

【問題】 3点 $O(\vec{0}), A(\vec{a}), B(\vec{b})$ からなる $\triangle OAB$ の周上または内部にある点 $P(\vec{p})$ を $\vec{a},\vec{b}$ を使って表せ。---

【解】 線分 $AB$ を $t:1-t$ $(0 \leq t \leq 1)$ に内分する点は

$(1-t)\vec{a}+t\vec{b}$

であり、内部または周上の点はこれを 0〜1倍に縮小したものだから、$0 \leq s \leq 1$ として

$\vec{p}=s \{(1-t)\vec{a}+t\vec{b}\} =s(1-t)\vec{a}+st\vec{b}$
$0 \leq s(1-t) \leq 1,0 \leq st \leq 1,0 \leq s(1-t)+st=s \leq 1$ だから、$x=s(1-t),y=st$ とおけば
$\vec{p}=x\vec{a}+y\vec{b}$ $(0 \leq x,y \leq 1,0 \leq x+y \leq 1)$ …(答)

上の問題の答は餅網をひしゃげたと考えるとすぐに求まる。

左側の青い三角形 (3点 $(0,0),(1,0),(0,1)$ が作る三角形)が、右側の赤い三角形に移ると考えるのである。

左の世界の点 $(x,y)$ は右側の $x\vec{a}+y\vec{b}$ に移るのだから、青の領域を $x,y$ で表せばよい。だから

$x \geq 0,y \geq 0,x+y \leq 1$

でもよいことが分かる。

【蛇足】 右側の世界で、2つのベクトル $\vec{a},\vec{b}$ を基本ベクトルだと思えば、斜めに交わる座標軸が設定できる。こうしてできる座標平面を斜交座標系と言う。
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【第06講】 直線のベクトル方程式

【問題】 点 $A(\vec{a})$ を通り、$\vec{0}$ でないベクトル $\vec{u}$ に平行な直線の方程式を求めよ。---

【解】 $t$ を任意の実数とすれば、直線上の点 $P(\vec{p})$ は

$\overrightarrow{OP}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AB}=\vec{a}+t\vec{u}$
だから、
$\vec{p}=\vec{a}+t\vec{u}$ …(答)

$t$ はパラメータ(媒介変数)と呼ばれる。

もし、$A(a_{1},a_{2}),\vec{u}=(u_{1},u_{2})$ ならば

$(x,y)=(a_{1},a_{2})+t(u_{1},u_{2})$,
$\left\{ \begin{array}{ll} x=a_{1}+tu_{1} \\ y=a_{2}+tu_{2} \end{array} \right.$
ここから加減法で $t$ を消去すると
$u_{2}(x-a_{1}) = u_{1}(y-a_{2})$
もし $u_{1},u_{2}$ がともに 0 でなければ、割り算できて
$\frac{x-a_{1}}{u_{1}} = \frac{y-a_{2}}{u_{2}}$

といろんな形の直線の方程式が得られる。
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