上の表から確率分布を求めるが、対角線の左下と右上は対称だから半分だけ数えればよい。
…(答)
コインを1個投げて表が出たら100円貰える。この賭けでいくら儲かると期待できるだろうか。当然、表が出る確率が $\frac{1}{2}$ だから、半分の50円だろう。すなわち、期待できる金額は
$100 \times P(\mbox{表}) =100 \times \frac{1}{2}=50$ (円)
これを期待金額とか期待値と言う。
では、次の試行では期待値はどう計算したら、よいだろうか。
【問題】 外れのないくじが10本あり、賞金は次のようになっている。
1等1000円1本、2等500円2本、3等100円3本、4等50円4本
くじを1本引いたときに得る賞金の期待金額を求めよ。---
【解】 もしくじを10本全部買い占めれば、
$1000\times 1+500\times 2+100\times 3+50\times 4=2500$ (円)
だが、実際に引けるくじは1本だから、平均して(だから期待値を平均とも言う)
$\frac{1000\times 1+500\times 2+100\times 3+50\times 4}{10}=250$ (円) …(答)
これを書き直すと
$1000\times \frac{1}{10}+500\times \frac{2}{10}+100\times \frac{3}{10}+50\times \frac{4}{10}=250$ (円)
つまり、1本引いたときに得る賞金(確率変数)を $X$ とすれば、$X$ の期待値 $E(X)$ は
$E(X)=\displaystyle \displaystyle \sum_{k=1}^{4} x_{i} \times P(X=x_{i})$
ただし $x_{1}=1000,x_{2}=500,x_{3}=100,x_{4}=50$ とする。
標語的に書けば、$E(X)=\sum X \times P(X)$
下表を書けば、楽に計算ができる。
数学 I の「データの分析」において分散を学習した。そこでは分散とは、$(\mbox{データ値}-{平均値})^2$ の平均、であった。上の問題で平均が確率に置き換えたように、ここでも置き換えを行えば、確率変数
$X$ の分散 $V(X)$ とは
$V(X)=\sum (X-E(X))^2 \times P(X)$
先の問題で分散を計算すると、下表になる。