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4文字を1列に並べる方法は何通りか。---

【解】 1, 2, 3, 4 と番号をついたスロットに A, A, B, B の文字を入れる訳だが、そこで逆転の発想! 仮に「番号取りの考え方」と呼んでおくが、スロットが主人公ではなく文字の方を主人公と考えて、文字 A が1〜4の番号の中から2つ番号を取るのだ。だから

$_{4}C_{2}=\frac{4!}{2! 2!}=\frac{4 \times 3}{2 \times 1}=6$(通り) …(答)

【別解】 A1, A2, B1, B2 を1列に並べると考えると$4!$通り。だが実際にはA1, A2 は同一視されるから$2!$で割り、B1, B2 も同一視されるからだらに$2!$で割る。だから

$\frac{4!}{2! 2!}=6$(通り) …(答)

これを同じものを含む順列と言う。

【公式】 Aが$i$個、Bが$j$個、$\cdots$、Cが$k$個あって、全部合わせると$n=i+j+\cdots +k$個であるとする。これらを1列に並べる同じものを含む順列

$\frac{n!}{i! j! \cdots k!}$通り

これって、数学Uで習う多項係数と同じだ。当然A, B の2種類しかなければ二項係数(=組合せ)と同じになる。

【問題】 下図の中に長方形は何個あるか。---
   

【解】 12個ではない。縦線(赤数字の1〜5)を2つと、横線(青数字の1〜4)を2つを選べば長方形が決定される。したがって積の法則により

$_{5}C_{2} \times _{4}C_{2}=\frac{5 \times 4}{2 \times 1} \times \frac{4 \times 3}{2 \times 1}=10 \times 6=60$(個) …(答)

【別解】和の法則を使う。下図のように、小さい長方形(ア型)が12個、横に2個連結した長方形(イ型)が9個、$2 \times 2$のウ型が6個、$\cdots$ ある。
   
なぜ個数がすぐ分かるかと言うと、例えばウ型の場合、赤丸の個数を数えて6個とすればよい。数えた結果を与えられた与えられた図の中に書き込んで、それらを足せばよい。

$(12+9+6+3)+(8+6+4+2)+(4+3+2+1)=60$
(個) …(答)

せっかくだから、もう少し分析すると

$(4 \times 3+3 \times 3+ 2 \times 3+ 1 \times 3)+ (4 \times 2+3 \times 2+ 2 \times 2+ 1 \times 2)+ (4 \times 1+3 \times 1+ 2 \times 1+ 1 \times 1)$
$=(4+3+2+1)(3+2+1)$
$=\frac{4 \times 5}{2} \times \frac{3 \times 4}{2}$
$={_{5}C_{2}} \times {_{4}C_{2}}$

だから、最初の解と一致する。
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【第03講】 いろいろな順列

【問題】 男子5人、女子3人を1列に並べる。次の方法は何通りあるか。---
(1) 女子3人が隣り合う。
(2) 女子3人はどの2人も隣り合わない。

【解】(1) 女子3人をひもで縛る。(2人3脚のように。)これの並び方が$3!$通りある。

ひもで縛れば1人と見なせるから、あとは見掛け6人の並べ方になる。女子3人を並べて、6人を並べるから積の法則になり

$3! \times 6!=6 \times 720=4320$(通り) …(答)

(2) 男子を先に並べておいて、間に女子を挿入すると考える。隙間は6か所あるから


$5! \times _{6}P_{3}= 120 \times (6 \cdot 5 \cdot 4)=14400$(通り) …(答)

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【第04講】 最短経路

【問題】 下図のような街路がある。A地点からB地点までの最短経路は何本あるか。---

【解】 最短は1つではない。同じ道のりの経路が複数ある。その個数を求めるのである。(だから最短とは遠回りしいないということである。)
1つの経路を分析すると、例えば

→↓→↓↓→→→

のように分解できる。つまり、→を5個、↓を3個一列に並べる順列の個数を求めればよい。同じものを含む順列と考えれば

$\frac{(5+3)!}{5! 3!}=\frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1}=56$(通り) …(答)

だし、8か所のあるスロットから5か所選んで「→」を入れればよいから、組合せで

$_{8}C_{5}=\frac{8!}{5! 3!}=56$(通り)

【別解】 56人のランナーをA地点からB地点に向けて競走すると考える。ただしどのランナーも他者と同じ経路は走らない。ランナーたちの走りをある交差点に立って眺めてみると、北から何人、西から何人か来る。その人数を合計すれば、それがA地点からその交差点までの最短経路の個数になる。そこで、各交差点に最短経路の個数を記入すれば下図のようになる。

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