さっきは全部で6通りあったのだが、2通りずつが同一視されるから、実際に存在する順列は$6 \div 2=3$通りとなる。言い換えれば、6個の要素からなる集合を定義域とする関数があって、2つずつの要素が同じ要素に対応するのなら、$2:1$の対応だから値域は3個の要素からなる集合である。
【公式】 類別定理(仮称) $N$個のものを$m$個ずつ同一視したら
$N \div m$個
のものがあると解釈される。あるいは、$m$個ずつを束ねて1つの類(class)とすれば、
$N \div m$個
の類に分けられる。---
そこで結局こうなる。 3人のうち立ち位置が中の者だけに注目すればよく、3人のうちの誰にするかで、3通り …(答)
(3) 「あ」の立ち位置を初めに決める。この人を固定して、残り2人を並べる。2人を1列に並べるのと同じだから、$2!=2 \times 1=2$通り
…(答)
この事実を
$n$人を円形に並べる円順列は$(n-1)!$通り
のように表現する。
【問題】 7人の班員から班長、美化係、保健係各1名を選ぶ。ただし兼任は認めない。決め方は名通りあるか。---
【解】 班長の選び方は7通り。兼任を認めないから、美化係は残る6人の6通りの選び方がある。保健係も同様に考える。積の法則により
$7 \times 6 \times 5=210$通り …(答)
【別解】 選任すべき役職を「班長、美化係、保健係、補欠1、補欠2、補欠3、補欠4」の各1名(兼任なし)とすると、その選び方は$7!$通りである。ところが補欠は何番であっても同一視できるから、$7!$通りのうち$4!$通りずつ同じものと解釈できるから、実質的な選び方は
$\frac{7!}{(7-3)!}=\frac{7!}{4!}=7 \times 6 \times 5=210$(通り) …(答)
上に出てきた場合の数を「$7$個から$3$個を選んで並べる順列」と言い、$_{7}P_{3}$ と書く。
【公式】 $n$個から$r$個を選んで並べる順列は
$_{n}P_{r}=n \times (n-1) \times \cdots \times (n-r+1)=\frac{n!}{(n-r)!}$
【問題】 7人の班員から清掃係3名を選ぶ。選び方は名通りあるか。---
【解】 7人から係1、係2、係3を決める方法は、積の法則または順列を使って
$_{7}P_{3}=\frac{7!}{(7-3)!}=7 \times 6 \times 5$(通り)
だが、実際には係1、係2、係3は区別されない(同一視される)。係1、係2、係3の並べ方が$3!$通りあるから、類別定理により
$_{7}C_{3}=\frac{_{7}P_{3}}{3!}=\frac{7!}{3!(7-3)!}=35$(通り) …(答)
いまフライングして記号を使ってしまったが、上の答のように選ぶ順序を問わないとき、「$7$人から$3$人を選ぶ組合せ」と呼び、$_{7}C_{3}$と書く。
【公式】 $n$個から$r$個を選んぶ組合せは
$_{n}C_{r}=\frac{n!}{r! (n-r)!}$
【問題】 4人のメンバーの頭文字 A, A, B, B を並べ替えてグループ名にしたいと考えている。