【解】 角の二等分線だから、$\angle$ACI$= \angle$BCI$=30^{\circ}$ である。よって、
$h=\frac{180^{\circ}-50^{\circ}-30^{\circ} \times 2}{2}=35^{\circ}$.
また、$k=180^{\circ}-h-30^{\circ} =115^{\circ}$.
三角形の外接円の中心をつづめて外心という。$\rm AB=BC=CA$ より外心がもしあるとしたら、各辺の垂直二等分線上になければならない。
実際、$\rm AB,BC$ の垂直二等分線の交点を$O$ とするとき、$\rm OA=OB,OB=OC$ より$\rm OA=OC$だから点$\rm
O$は$\rm AC$ の垂直二等分線上にあることになり、3直線は1点で会する。
【問題】 三角形 ABC の外心を O, $\angle$BAC$=50^{\circ}$, $\angle$ACO$=30^{\circ}$
とするとき、$l,m$ の角度を各々求めよ。(2010明星大学)---
【解】 円周角 $\angle$BAC$=50^{\circ}$ の2倍で $l=100^{\circ}$.
外心により二等辺三角形ができるから、$\angle$ACO$= \angle$CAO$=30^{\circ}$ である。よって、
$m=50^{\circ}-30^{\circ} =20^{\circ}$.
ここまでの間に何度か使った事実が三角形の相似比についての定理だ。
【定理】 $\rm AB_{1}:AB_{2}=AC_{1}:AC_{2}$
これを相似比が等しいという。($\rm AB_{1}:AC_{1}=AB_{2}:AC_{2}$も成り立つが、こちらは形状比が等しいという。)
また、
$\rm \frac{AB_{2}}{AB_{1}}=\frac{AB_{1}+B_{1}B_{2}}{AB_{1}}=1+ \frac{B_{1}B_{2}}{AB_{1}}$,
$\rm \frac{AC_{2}}{AC_{1}}=\frac{AC_{1}+C_{1}C_{2}}{AC_{1}}=1+ \frac{C_{1}C_{2}}{AC_{1}}$
だから、先の定理から
【定理】 $\rm AB_{1}:B_{1}B_{2}=AC_{1}:C_{1}C_{2}$
また、当然$\rm AB_{2}:B_{2}B_{3}=AC_{2}:C_{2}C_{3}$も成り立つから、それと組み合わせると
【定理】 $\rm B_{1}B_{2}:B_{2}B_{3}=C_{1}C_{2}:C_{2}C_{3}$
この定理を平行線定理と呼ぶ。これを応用して、罫線の入ったノートを使って任意の長さ(赤紙)を例えば7等分できる。下図参照。