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この場合も、同じ等式が成り立つのである。実際、


$\rm \frac{AD}{DB} \cdot \frac{BE}{EC} \cdot \frac{CF}{FA}$
$\rm \frac{AF}{FF'} \cdot \frac{FF'}{FC} \cdot \frac{CF}{FA}=1$

となる。
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【第03講】 重心

【定理】三角形の頂点と対辺の中点を結ぶ3本の直線(中線と呼ぶ)は1点で会する。---

この点を三角形の重心という。
   
実際、

$\rm \frac{AR}{RB} \cdot \frac{BP}{PC} \cdot \frac{CQ}{QA}=\frac{1}{1} \cdot \frac{1}{1} \cdot \frac{1}{1}=1$

だから、チェバの定理の逆により1点で会することが分かる。

では重心$\rm G$は中線を何対何に内分するだろうか。今度は$\rm \triangle ABP$に対してメネラウスの定理を使う。

$\rm \frac{AR}{RB} \cdot \frac{BC}{CP} \cdot \frac{PG}{GA}=\frac{1}{1} \cdot \frac{2}{1} \cdot \frac{PG}{GA}=1$

より

$\rm \frac{AG}{GP}=\frac{2}{1}$

である。

ボール紙で三角形を作ると、物理的な意味での重心(質量中心)が上で求めた重心に一致する。三角形の重心を人差し指(を支点にして)の上に乗せると、三角形は釣り合う。また、(その理屈は難しいのだが)重心に芯棒を刺して独楽にするとよく回る。芯棒を刺さなくとも下の写真のように、三角形を回転させながら投げ飛ばせば重心を中心にして回っていることが分かる。

   

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