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【第01講】 3乗の展開
【第02講】 3次式の因数分解
【第03講】 多項定理・二項定理
【第04講】 二項定理に関連した公式
$(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$を筆算で計算した後、この右辺に$a+b$を筆算で掛ければ、下図・左を得る。
その結果は
$(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$
である。これの係数だけを抜き出して筆算をしたのが上図・中である。これからパスカルの三角形(上図・右)が成り立つことが分かる。
【問題】$(a-b)^3,(2a+3b)^3$を展開せよ。---
【解】今作った公式に前者は$b := -b$を代入し、後者は$a :=2a, b:=3b$を代入する。
$(a-b)^3=a^3+3a^2(-b)+3a(-b)^2+(-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3$,
$(2a+3b)^3=(2a)^3+3(2a)^2(3b)+3(2a)(3b)^2+(3b)^3=8a^3+36a^2b+54ab^2+27b^3$
公式に代入したけど、筆算でやる方が正確でしかも早かったりする。各自の個性によるかもしれない。
まず2次式の因数分解の復習。
$a^2-b^2=(a-b)(a+b)$だが、初めの因子の$(a-b)$が含まれることはある意味当たり前なのである。$b :=a$を代入すれば、左辺は$a^2-a^2=0$になるが、右辺も0にするには$a-b$の因子があれば、$b
:=a$で$a-a=0$でうまくいく。
つまり、$b :=a$を代入して0になれば、その多項式は$(a-b)$を因子に持つ(因数分解できる)。この事実を因数定理と言う。
因数定理は先取りで認めてもらうとしても、割り算の方法が未習であった。そこでタイル図(田の字計算)でやってみよう。下図のアニメのようになる。
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パラパラまんが
したがって$a^3-b^3=(a-b)(a^2+ab+b^2)$と分かる。割り算をするのが嫌なら、こうしよう。前節で学んだ公式
$(a-b)^3=a^3-3a^2b+3ab^2-b^3$
を移項すれば
$a^3-b^3=(a-b)^3+3a^2b-3ab^2=(a-b)\{ (a-b)^2+3ab \}=(a-b)(a^2+ab+b^2)$
である。($(a-b)(a^2+ab+b^2)$を展開したら$a^3-b^3$になるから、この因数分解が成り立つと書いてある教科書があるけど、余りにも不自然な話だろう。)
【問題】$64a^3+27b^3$を因数分解せよ。---
【解】公式を使わないやり方を紹介しよう。$64a^3+27b^3=0$になるのは$64a^3=-27b^3$のとき。ここで両辺の3乗根をとると
$\sqrt[3]{64a^3}=\sqrt[3]{-27b^3}$
より$4a=-3b$(平方根と違って正でも負でもその(実の)3乗根は1つ、ちょうど1つ存在する。)結局、このとき$4a+3b=0$となるので、$4a+3b$を因子に持つ。
あとは田の字でも筆算による割り算を使う。
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パラパラまんが
よって$(4a+3b)(16a^2-12ab+9b^2)$……【答】