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【知恵袋から】図形と方程式
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【問題2】 (1) 不等式$x^2-2x+y^2-4y-4<0$がある。不等式を満たす領域を図示せよ。また、その領域の面積を求めよ。
【問題3】 次の円または直線の2つの交点と点Aを通る円の方程式を求めよ。
【問題4】 楕円$\frac{x^2}{9}+y^2=1$上の点Pと定点$A(a,0)$との距離$PA$の最小値を求めよ。ただし、$a$は実数の定数ととする。---
【問題5】 $xy$平面上に3点$O(0,0),A(1,0),B(0,1)$がある。
【問題6】 $x-2y+1=0$…①, $3x+2y-6=0$…②, $ax-3y+2=0$…③ で表される3直線があり、
【問題7】 次の媒介変数表示は、どのような曲線を表すか。---
【問題8】 $(x−1)^4+y^2=25$ …①のとき $f (x, y)=3(x−1)^2+4y$ の最大値,最小値をそれぞれ求めよ。---
【問題11】 $x$軸を準線として、$y=x$ に $(3,3)$ で接している放物線がある。この放物線の焦点の座標を求めよ。また、この放物線の方程式を求めよ。---
【問題12】 2点 $A(-2,0), B(1,0)$ からの距離の比が $2:1$ である点 $P$ の軌跡を求めよ。---
【問題13】 円 $x^2+y^2=2$ と直線 $y=x+1$ の交点を A, B とする。線分 AB の長さを求め、その中点の座標も求めよ。---
【問題14】 O を原点とする座標平面における曲線 $C:\frac{x^2}{4}+y^2=1$ 上に、点 $P(1,\frac{\sqrt{3}}{2})$ をとる。
【問題17】 $xy$ 平面上に定点 $A(-a,0),B(a,0)$ と $B$ を中心とする半径 $r$ の円 $C$ があり、 $a>0,r>0$ とする。
【問題19】 座標平面上に2点 $A(2,0),B(-2,0)$ がある。点 $P$ が、$\angle APB=30^\circ$ を満たしながら動くとき、点 $P$ の軌跡の方程式を求めよ。---
「YAHOO! 知恵袋」で筆者が回答したものの中から抜粋しました。
【問題1】 座標平面上に4点$O(0 ,0),A(2 ,0),B(u, v),C(2, 5)$をとる。ただし$u>2,0<v<(5/2)u$とする。そして、四角形OABCの内部に点$P(s
,t)$をとる。
(1) 三角形POAと四角形OABCの面積比は$3:10$とする。このとき、$t$を$u$の式で表すと$t=□$︎である。
(2) 三角形POCと三角形POAの面積比は$2:3$とする。このとき、点C,Aから直線OPに下ろした垂線の長さの比は□である。したがって、直線OPと線分CAの交点の座標は□であり、$s,t,u,v$によらず一定である。ゆえに、$s$を$t$の式で表すと$s=□$である。
(3) 三角形PABと三角形PBCの面積比は$2:3$とする。このとき、直線PBと線分CAの交点の座標は□であり、$s,t,u,v$によらず一定である。
(4) 三角形PCO,三角形POA,三角形PAB,三角形PBCの面積比は$2:3:2:3$とする。このとき、$v$を$u$の式で表すと、$v=□$︎であって、$u$のとりうる値の範囲は□︎である。---
【解】(1) $\triangle POA=t$ であり、OABCの面積は$5+5(u-2)/2$だから
$t=\frac{3}{10}\cdot \frac{5}{2}u,$
$t = (3/4)u$ ……(答)
(2) 2つの三角形の底辺が共通だから高さの比は$2:3$,したがって垂線の長さの比は$2:3$ ……(答)
交点をDとすれば、$AD:DC=3:2$だから$y座標は\frac{3}{5}\times 5=3$だからDの座標は
$(2, 3)$ ……(答)
であり、直線OPの傾きは $3/2$ となるから、$t=(3/2)s,$よって
$s = (2/3)t$ ……(答)
(3) 交点をEとすれば、今度は$AE:EC=2:3$だから$y座標は\frac{2}{5}\times 5=2$だからEの座標は
$(2, 2)$ ……(答)
(4) $2:3:2:3$だから、(1),(2),(3)の結果が使える。原点と点(2,3)を結ぶ直線
$y = (3/2)x$
と、点(2,2)と点$B(u,v)$を結ぶ直線
$y-2 = \frac{v-2}{u-2}(x-2)$
の交点がPということから、$v$ を求めます。2つの方程式を連立して
$(3/2)x -2 = \frac{v-2}{u-2}(x-2)$
この式の$x$ に
$s = (2/3)t = (1/2)u$
を代入すると
$\frac{3u-8}{4} =\frac{v-2}{u-2} \cdot \frac{(u-4)}{2}$
よって
$v=\frac{(u-2)(3u-8)}{2(u-4)}+2$
$=\frac{u(3u-10)}{2(u-4)}$ ……(答)
$u$の動く範囲は $u>2,0<v<(5/2)u$ より求めます。まず、後者から
$0 < \frac{u(3u-10)}{2(u-4)} < \frac{5}{2}u$
この不等式の解き方ですが、正数 $2(u-4)^2$ を両辺に掛けます。(正数でないと不等号が逆向きになるから。)
$0 < u(3u-10)(u-4) < 5u(u-4)^2$
この連立不等式を解くと
$0<u<10/3,4<u,$
$0<u<4,5<yu$
の共通部分だから
$0<u<10/3,5<u$
さらに、これと$u>2$との共通部分だから
$2<u<10/3, 5<u$ ……(答)
【問題2】 (1) 不等式$x^2-2x+y^2-4y-4<0$がある。不等式を満たす領域を図示せよ。また、その領域の面積を求めよ。
(2) 4つの不等式$2x+y \leq11,x+3y\leq13,x\geq0,y\geq0$が表す領域をDとする。点$(x,y)$が領域Dを動くとき、$2x+3y$がとる値の最大値を求めよ。---
【解】
(1) 円の標準形に変形して
$(x-1)^2+(y-2)^2<9$
この円の内部で、面積は$9 \pi$ ……(答)
(2) D は四角形の内部。
$2x+3y=k$とおいて、この直線がDとぶつかるように動かす。その中で$k$の最大値と最小値を求める。
最大値=$17,(x,y)=(4,3)$
最小値=$0,(x,y)=(0,0)$ ……(答)
【問題3】 次の円または直線の2つの交点と点Aを通る円の方程式を求めよ。
(1) $x^2+y^2=4, x^2+y^2-4x-2y-8=0, A(-2, 1)$
(2) $x^2+y^2-2x-4y-3=0, x+2y=5, A (3, 2)$ ---
【解】 2曲線 $F(x,y)=0, G(x,y)=0$ の交点を通る曲線の式は
$k F(x,y) + lG(x,y) = 0$ ……(*)
です。(デザルグの定理)
(1) $k(x^2+y^2-4)+l( x^2+y^2-4x-2y-8)=0$
が点Aを通るなら
$k+3l=0$
だから、$k=3,l=-1$として
$2x^2+2y^2+4x+2y-4=0$
すなわち
$x^2+y^2+2x+y-2=0$ ……(答)
(2) $k(x^2+y^2-2x-4y-3)+l( x+2y-5)=0$
が点Aを通るなら
$-4k+2l=0$
だから、$k=1,l=2$として
$x^2+y^2-13=0$ ……(答)
【問題4】 楕円$\frac{x^2}{9}+y^2=1$上の点Pと定点$A(a,0)$との距離$PA$の最小値を求めよ。ただし、$a$は実数の定数ととする。---
【解】 $P(x,y)$とする。
$f(x)=PA^2=(x-a)^2+y^2=(x-a)^2+1-x^2/9 $
$= (8/9)x^2 -2ax +a^2 +1$
$=\frac{8}{9}( x -\frac{9}{8}a )^2 -\frac{1}{8}a^2 +1$
ここで、$x$ の動く範囲は $-3 \leq x \leq 3$ なので、頂点の $x$ 座標の $(9/8)a$ がこの範囲に入るか、左または右に行くかで場合分けする。
(ア) $(9/8)a< -3 $ すなわち $a<-8/3$ のとき
$PA\mbox{の最小値}=\sqrt{f(-3)}=| a+3|$
(イ) $-3 \leq (9/8)a \leq 3 $ すなわち $-8/3 \leq a \leq 8/3$ のとき
$PA\mbox{の最小値}=\sqrt{1-a^2/8}$
(ウ) $3 <(9/8)a $ すなわち $8/3 < a $ のとき
$PA\mbox{の最小値}=\sqrt{f(3)}=| a-3|$
答のグラフは下図の通り。
【問題5】 $xy$平面上に3点$O(0,0),A(1,0),B(0,1)$がある。
(1) $a>0$とする。$OP:AP=1:a$を満たす点$P$の軌跡を求めよ。
(2) $a>0,b>0$とする。$OP:AP:BP=1:a:b$を満たす点$P$が存在するための$a,b$に対する条件を求め、$ab$平面上に図示せよ。---
【解】 (1) $a \neq 1$なら、
$OP^2:AP^2=x^2+y^2 : (x-1)^2+y^2=1:a^2$
$a^2(x^2+y^2)= (x-1)^2+y^2$
$(a^2-1)x^2+2x+(a^2-1)y^2=1$
$(x+\frac{1}{a^2-1})^2+y^2=(\frac{a}{a^2-1})^2$
だから、中心$(1/(1-a^2), 0 )$,半径$a/|1-a^2|$の円になります。 ……(答)
これは$OA$ を$1:a$ に内分する点と外分する点を直径の両端とする円(確かめてみましょう)で、アポロニウスの円と呼ばれています。
$a=1$なら垂直二等分線です。実際、
$x^2+y^2= (x-1)^2+y^2$
$x=1/2$
で、$OA$の垂直二等分線です。 ……(答)
(2)は、中心$(0, 1/(1-b^2), 0 )$,半径$b/|1-b^2|$の円とぶつかるか考えます。
(ア) $a \neq 1$かつ$b \neq 1 $のとき
2円が交わる条件は上図のように三角形ができればよいわけだから、半径を$r_{1},r_{2}$,中心間の距離を$d$とすれば
$|r_{1}-r_{2}| \leq d \leq r_{1}+r_{2}$
である。辺々を2乗して
$(\frac{a}{|1-a^2|}-\frac{b}{|1-b^2|})^2 \leq (\frac{1}{1-a^2})^2 +
(\frac{1}{1-b^2})^2 \leq (\frac{a}{|1-a^2|} + \frac{b}{|1-b^2|})^2$
$\frac{a^2}{(1-a^2)^2} - \frac{2ab}{|1-a^2||1-b^2|} + \frac{b^2}{(1-b^2)^2}
\leq \frac{1}{(1-a^2)^2}+\frac{1}{(1-b^2)^2} \leq \frac{a^2}{(1-a^2)^2}
+ \frac{2ab}{|1-a^2||1-b^2|} + \frac{b^2}{(1-b^2)^2}$
$\frac{-2ab}{|1-a^2||1-b^2| }\leq \frac{1-a^2}{(1-a^2)^2} +\frac{1-b^2}{(1-b^2)^2}
\leq \frac{2ab}{|1-a^2||1-b^2|} $
$| \frac{1}{1-a^2} +\frac{1}{1-b^2 } | \leq \frac{2ab}{|1-a^2||1-b^2|}
$
辺々に$|(1-a^2)(1-b^2)|$を掛けて
$|2-a^2-b^2)| \leq 2ab$
$-2ab \leq 2-a^2-b^2 \leq 2ab$
$(a-b)^2 \leq 2 \leq (a+b)^2$
よって
$a+b \geq \sqrt{2}$ かつ $-\sqrt{2} \leq a-b \leq \sqrt{2}$(ただし$a \neq
1,b \neq 1$)
である。
(イ) $a=1$かつ$b=1$、すなわち$(a,b)=(1,1)$のとき
縦線と横線の垂直2等分線だから、ぶつかる。
(ウ) ア、イ以外のとき
$a=1$のときは直線$x=1/2$だから、これに一方の円をぶつけるには、その円の半径を$1/2$以上にすればよい。だから
$\frac{b}{|1-b^2|} \geq \frac{1}{2}$
$-2b \leq 1-b^2 \leq 2b$
この連立2次不等式を解くと
$\sqrt{2}-1 \leq b \leq \sqrt{2}+1$(ただし$b \neq 1$)
である。$b=1$のときも、上と同様である。
ということは、アの答の但し書きで除いた部分(赤い線分)が充填されることになる。
結局、求めるべき領域は上図の、赤線を充填した水色部分(境界を含む)である。
【答】 $b \geq -a +\sqrt{2}$ かつ $a-\sqrt{2} \leq b \leq a+\sqrt{2}$
【問題6】 $x-2y+1=0$…①, $3x+2y-6=0$…②, $ax-3y+2=0$…③ で表される3直線があり、
(1) この3直線が三角形を作らないように定数$a$を定めよ。
(2) この3直線が直角三角形を作る定数$a$を定めよ。---
の出し方を教えてください。お願いします。
【解】 (1) 法線ベクトルが平行になればよい。
$a :-3 = 1 : -2 $
から、外項の積=内項の積で
$a=3/2$
または
$a :-3 = 3 : 2$
から
$a=-9/2$
あと、第3の直線が2直線の交点$(5/4, 9/8)$を通るときがあるので
$a(5/4)-3(9/8)+2=0 \Rightarrow 11/10$
【答】 $a=3/2,-9/2,11/10$
(2) 垂直は法線ベクトルの内積=0 により
$1 a +(-2)\cdot(-3)=0 \Rightarrow a=-6$
$3 a + 2\cdot (-3)=0\Rightarrow a=2$
【答】 $a=-6,2$
【問題7】 次の媒介変数表示は、どのような曲線を表すか。---
(1) $x=3 \cos\theta , y=3 \sin\theta$
(2) $x=5\cos\theta,y=2\sin\theta$
(3) $x=3/\cos\theta,y=4\tan\theta$
(4) $x=4\cos\theta+2 ,y=3\sin\theta−1$
【解】 $\cos^2 \theta +\sin^2 \theta=1$ に代入します。
(1) $(x/3)^2+(y/3)^2=1$ より
$x^2+y^2=9$
原点中心、半径 $3$ の円。
(2) $(x/5)^2+(y/2)^2=1$ より
$\frac{x^2}{25}+\frac{y^2}{4}=1$
原点中心、長軸 $10$, 短軸 $4$ の楕円。
(3) 先の公式の両辺を $\cos^2$ で割れば
$1+\tan^2\theta =\frac{1}{\cos^2\theta}$
だから
$1+(y/4)^2=(x/3)^2$
$\frac{x^2}{9} -\frac{y^2}{16}=1$
頂点が $(\pm 3,0)$ で漸近線が$y=\pm (4/3)x$ の双曲線。
(4) $\cos\theta =(x-2)/4,\sin\theta=(y+1)/3$ のように変形して
$\frac{(x-2)^2}{16}+\frac{(y+1)^2}{9}=1$
点$(2,-1)$ が中心、長軸 $8$, 短軸 $6$ の楕円。
【問題8】 $(x−1)^4+y^2=25$ …①のとき $f (x, y)=3(x−1)^2+4y$ の最大値,最小値をそれぞれ求めよ。---
【解】 $(x-1)^2=|t|$ とおけば、①は
$t^2+y^2=25$(円)
になり、$f(x,y)$ は
$3 |t| +4y=k$
という折線になる。
最大になるのは上側で接するときで、原点からの距離が半径に等しいときで
$\frac{|0+0-k|}{\sqrt{9+16}}=5 \Rightarrow k=25$
最小になるのは点 $(0,-5)$ にくっつくときで
$t=0,y=-5,k=-20$
【答】最大値 $k=25(t=\pm 3,x=1 \pm\sqrt{3},y=4)$
最小値 $k=-20(t=0,x=1,y=-5)$
【別解】 $3(x−1)^2+4y=k$ とおき、①と組ませて $y$ を消去すれば
$(x-1)^4+ \{ \frac{k-3(x-1)^2}{4 } \}^2=25$
$25(x-1)^4 -6k(x-1)^2+ k^2-400=0$
この方程式が実数解 $x$ を持つことから $k$ が満たすべき条件が分かるのだが、$x$ には変域に制限がかかっている。①から
$(x-1)^4 \leq (x−1)^4+y^2=25 \Rightarrow (x-1)^4 \leq 25$
なので
$0 \leq (x-1)^2 \leq 5$
結局、$t=(x-1)^2$ の2次関数
$f(t)=25t^2-6kt+k^2-400 (0 \leq t \leq 5)$
の最小値が $\leq 0$ になればよい。$f(5)=625-30k+k^2-400=(k-15)^2 \geq 0$ に注意して
(ア) $f(0)=k^2-400 \leq 0$ より
$-20 \leq k \leq 20$
または
(イ) $0 \leq \frac{3k}{25} \leq 5$ かつ $f(\frac{3k}{25})=\frac{16}{25}k^2-400\leq
0$ より
$0 \leq k \leq 25$
である。したがって
$-20 \leq k \leq 25$
【答】 最大値 $k=25(t=3,x=1 \pm \sqrt{3},y=4$
最小値 $k=-20(t=0,x=1,y=-5)$
【別解2】 $3(x−1)^2+4y=k$ と①から $y$ ではなく $x$ を消去すると、
$( \frac{k-4y}{3} )^2+y^2=25$
$g(y)=25y^2-8ky+k^2-225=0$ …③
この方程式が実数解 $y$ を持つような $k$ を考えればよいのだが、①より
$(x−1)^4,y^2 \leq (x−1)^4+y^2=25$
だから
$0 \leq (x-1)^2 \leq 5, -5 \leq y \leq 5$
が制限域になる。よってこの時点で
$-20 \leq k \leq 35$
でなければならないことが分かる。
$g(-5)=625+40k+k^2-225=(k+20)^2 \geq0$
$g(5)=625-40k+k^2-225=(k-20)^2 \geq0$
に注意すれば
$-5 \leq \frac{4k}{25} \leq 5$ かつ $f(\frac{4k}{25})=\frac{9}{25}k^2-225
\leq 0$
$-25 \leq k \leq 25$
だが、先の制限域と合わせれば
$-20 \leq k \leq 25$
最後に実際 $k=-20,k=25$ になりうるのかを調べる。
$k=25$ なら $g(y)=25y^2-200y+400=25(y-4)^2=0 \Rightarrow y=4, (x-1)^4=9 \Rightarrow
x=1 \pm \sqrt{3}$
$k=-20$ なら $(x-1)^2=0,y=-5 \Rightarrow x=1$
【蛇足】 【別解】、【別解2】では、$=k$ とおいた式を変形してそれを2乗している。2乗したことにより、同値関係が崩れ、必要条件を求めているだけになっている。そこで、最後に得た答の
$k$ の値を実際に取り得るのかを調べなければならない。すなわち、最大(小)値だけでなくそれを与える $x,y$ の値も求めるのである。
【問題9】 原点を $O$ とする座標平面において、極方程式で表される2つの曲線 $r=f(\theta)=3\cos\theta、r=g(\theta)=1+\cos\theta$
(ただし、$0 \leq \theta<2\pi$) を考える。また、極座標が $(f(\theta),\theta),(g(\theta),\theta)$
である点をそれぞれ $P,Q$ とする。
(1) 点 $P$ は、ある円の周上を動く。その円の中心の直交座標と、半径を求めよ。
(2) 点 $P(f(\theta),\theta)$ と点 $Q(g(\theta),\theta)$ の間の距離の最小値と最大値を求めよ。また、最大値、最小値をとるときの
$\theta$ の値をそれぞれ求めよ。
(3) 線分 $PQ$ の中点が原点 $O$ となるとき、点 $P$ の直交座標を求めよ。---
【解】 (1)は
$r =\sqrt{x^2+y^2},\cos\theta= x/r = x/\sqrt{x^2+y^2}$
を代入すれば、
$\sqrt{x^2+y^2}=3x/\sqrt{x^2+y^2}$
$x^2+y^2=3x$
$(x-\frac{3}{2})^2+y^2=\frac{9}{4}$
で、中心 $(3/2,0)$, 半径 $3/2$ の円です。
(2) 2曲線を図示すれば、下図のようになる。後者の曲線はカージオイド(心臓形)である。
2曲線のパラメータは独立に動くので、パラメータを区別して
$r_{1}=f(\theta_{1})=3\cos\theta_{1},r_{2}=g(\theta_{2})=1+\cos\theta_{2}$
とおいて、$PQ$ の最大・最小を考えよう。
(2-1)最小
2曲線は交わっているので、最小値は明らかに $0$ だが、その交点の座標を求めよう。ここで、第1曲線上の点は $0$ から $2\pi$ まで変化する間に円周を2周することに注意しよう。
(ア) $r_{1}=r_{2},\theta_{1}=\theta_{2}$ のとき
$3\cos\theta_{1}= 1+\cos\theta_{1}$
$\cos \theta_{1} =1/2$
$(\theta_{1},\theta_{2}) =(\pi/3, \pi/3),(5\pi/3,5\pi/3)$
(イ) $r_{1}=-r_{2},\theta_{1}=\theta_{2}\pm \pi$ のとき
$3\cos\theta_{1}= -(1-\cos\theta_{1})$
$\cos \theta_{1} =-1/2$
$(\theta_{1},\theta_{2}) =(2\pi/3, 5\pi/3),(4\pi/3,\pi/3)$
(ウ) $r_{1}=r_{2}=0$ のとき
$(\theta_{1},\theta_{2})=(\pi/2,\pi),(3\pi/2,\pi)$
【答】 最小値は $0$ で、$(\theta_{1},\theta_{2}) =(\pi/3, \pi/3),(5\pi/3,5\pi/3),(2\pi/3, 5\pi/3),(4\pi/3,\pi/3),(\pi/2,\pi),(3\pi/2,\pi)$ のとき
(2-2)最大
第2曲線上の点が、第1曲線(円)の中心から一番遠いところにあれば、それが最大値を与える。
その理由は上図を見て考えれば分かる。円の中心に太陽があると思えば、距離が最大になるのは太陽と両惑星が1列に並ぶときで、しかも相手の惑星が太陽の裏側に隠れるときである。
円の中心と点 $Q$ との間の距離を $d$ とすれば、余弦定理により
$d^2={r_{2}}^2 +(3/2)^2 -2 \cdot (3/2) r_{2} \cos \theta_{2}$
$=(1+\cos \theta_{2})^2 + 9/4 -3 (1+ \cos \theta_{2}) \cos \theta_{2}$
$=-2 \cos^2 \theta_{2} -\cos \theta_{2} +13/4$
$=-2(\cos\theta_{2}+1/4)^2+27/8$
したがって、$d$ の最大値は $\cos\theta_{2}=-1/4$ のときで、$\sqrt{27/8}$ であり、$PQ$ の最大値は
$\sqrt{\frac{27}{8}} +\frac{3}{2} =\frac{3 \sqrt{6}+6}{4} (\doteq 3.34)$
このときの点 $Q$ の座標を求めると
$Q= (r_{2}\cos\theta_{2},r_{2}\sin\theta_{2})=((3/4)\cdot (-1/4),(3/4)
\cdot( \pm \sqrt{15}/4)$
$=(-\frac{3}{16},\pm \frac{3 \sqrt{15}}{16})$
一方、$Q$ に対する $P$ は、$Q$ と点 $(3/2,0)$ を線分で結んで、それを $3/2$ の長さだけ延長したところにある。よって
$P=(\frac{24+9\sqrt{6}}{16},\mp \frac{3\sqrt{10}}{16})$
対応する偏角は
$\tan \theta_{1} = \mp \frac{\sqrt{10}}{8+3\sqrt{6}} =\mp \frac{4\sqrt{10}-3\sqrt{15}
}{5}$
および、この $\theta_{1}$ に $\pi$ か $2\pi$ を足したものである。
【答】 最大値は $\frac{3 \sqrt{6}+6}{4}$ で、そのときの偏角は
(i) 点 $Q$ が第2象限で点 $P$ が第4象限のときは
$(\theta_{1},\theta_{2}) =(\pi - \tan^{-1} (\frac{4\sqrt{10} -3\sqrt{15}}{5}),\cos^{-1}(-\frac{1}{4})),$
$(\theta_{1},\theta_{2}) =(2\pi - \tan^{-1} (\frac{4\sqrt{10} -3\sqrt{15}}{5}),\cos^{-1}(-\frac{1}{4}))$
(ii) 点 $Q$ が第3象限で点 $P$ が第1象限のときは
$(\theta_{1},\theta_{2}) =( \tan^{-1} (\frac{4\sqrt{10} - 3\sqrt{15}}{5}),2\pi-
\cos^{-1}(-\frac{1}{4})),$
$(\theta_{1},\theta_{2}) =(\pi + \tan^{-1} (\frac{4\sqrt{10} -3\sqrt{15}}{5}),2\pi
-\cos^{-1}(-\frac{1}{4}))$
(3) $PQ$ の中点が $O$ ということは、
(ア) $r_{1}=r_{2},\theta_{1}=\theta_{2} \pm \pi$ のとき
$3\cos\theta_{1}= 1-\cos\theta_{1}$
$\cos \theta_{1} =1/4$
$P=(r_{1}\cos\theta_{1},r_{1}\sin\theta_{1}) =(3/16, \pm 3\sqrt{15}/16)$
$Q=(-r_{1}\cos\theta_{1},-r_{1}\sin\theta_{1}) =(-3/16, \mp 3\sqrt{15}/16)$
(イ) $r_{1}=-r_{2},\theta_{1}=\theta_{2}$ のとき
$3\cos\theta_{1}= -(1+\cos\theta_{1})$
$\cos \theta_{1} =-1/4$
$P=(r_{1}\cos\theta_{1},r_{1}\sin\theta_{1}) =(3/16, \pm 3\sqrt{15}/16)$
$Q=(-r_{1}\cos\theta_{1},-r_{1}\sin\theta_{1}) =(-3/16, \mp 3\sqrt{15}/16)$
(ウ) $r_{1}=r_{2}=0$ のとき
$P=(0,0)$
$Q=(0,0)$
【答】 $(3/16, \pm 3\sqrt{15}/16),(0,0)$
【問題10】 極方程式 $r= \sqrt{3}/(2+\sqrt{3}\cos\theta)$ …①について、$O$ を原点とする。①で与えられた曲線上の点
$P(x,y)$ から、直線 $x=a$ に下ろした垂線を $PH$ とし、$k=OP/PH$ とおく。$P$ が①で与えられた曲線上を動くとき、$k$
が一定であるとする。このときの $a,k$ の値を求め、さらに△HOPの面積を求めよ。また、この面積が最大になるときの $x$ の値を求めよ。---
【解】 ①を変形すれば、
$r(2+\sqrt{3}\cos\theta)=\sqrt{3}$
$2r+\sqrt{3}x=\sqrt{3}$
$2 \sqrt{x^2+y^2}=\sqrt{3}(1-x)$
$4(x^2+y^2)=3(1-x)^2$
$x^2+6x+4y^2-3=0$
$(x+3)^2 +4y^2 =12$
$\frac{(x+3)^2}{12} +\frac{y^2}{3}=1$
これは楕円です。$x,y$ の動く範囲を求めておくと、中心から上下左右に長径、短径の半分だけ飛べばいいから
$-3-2\sqrt{3} \leq x \leq -3+2\sqrt{3},-\sqrt{3} \leq y \leq \sqrt{3}$
$OP=k PH$ より
$\sqrt{x^2+y^2}=k |x-a|$
$x^2+y^2=k^2(x-a)^2$
だが、これに楕円の式を代入すれば
$x^2+3\{ 1- \frac{(x+3)^2}{12} \} =k^2 (x-a)^2$
整理して
$(4k^2-3)x^2 -(8ak^2-6)x +(4a^2k^2-3)=0$
これが $x$ の値の如何に関わらず成り立つのだから、$x$ についての恒等式である。よって
$\left\{ \begin{array}{lcl} 4k^2-3 & = &0 \\8ak^2-6 & =
&0 \\ 4a^2k^2-3 &= &0 \end{array} \right. $
題意から $k>0$ だから
$k=\sqrt{3}/2,a=1$……(答)
【蛇足】 実は、原点 $O$ はこの楕円は焦点の一つになっている。(計算すれば分かる。) 上に出てきた直線 $x=1$ を準線といい、比の値 $k=\sqrt{3}/2$ をこの楕円の離心率という。(周知のように離心率が $1$ ならば曲線は放物線になる。) いまのように離心率が $<1$なら楕円なのである。---
△HOPの面積 $S$ は
$S=\frac{1}{2} |x-a| |y|$
$=\frac{1}{2} |x-1|\sqrt{3 \{ 1- \frac{(x+3)^2}{12} \} }$
$=\frac{1}{4} \sqrt{(x-1)^2 (3-6x-x^2)}$……(答)
$\surd$ の中を $f(x)=(x-1)^2(3-6x-x^2)$ とおいて、その最大を微分法で求めると
$f'(x) =2(x-1)(3-6x-x^2)+(x-1)^2(-6-2x)$
$=2(x-1)(-2x^2-8x+6)$
$=-4(x-1)(x^2+4x-3)$
$f(x)$ の臨界点は3つあり、小さい順に
$x=-2 - \sqrt{7},-2 +\sqrt{7},1$
で、左から極大、極小、極大だが、先に求めたように $x$ が動く範囲は $-3-2\sqrt{3} \leq x \leq -3+2\sqrt{3}$
である。この範囲に落ちる臨界点は1つだけなので、
$x=-2 - \sqrt{7}$ のとき極大かつ最大である。……(答)
【問題11】 $x$軸を準線として、$y=x$ に $(3,3)$ で接している放物線がある。この放物線の焦点の座標を求めよ。また、この放物線の方程式を求めよ。---
【解】 放物線(パラボラ)には、軸に平行な光線は放物線との交点で反射して(入射角=反射角で)焦点を通過する、という性質がある。これがパラボラ・アンテナの原理である。しかも、交点と準線と間の距離と、交点と焦点との間の距離は等しくなる。
点 $(3,3)$ と準線 $y=0$ との距離が $3$ であり、平行光線の入射角が 45°だから、交点から$x$軸に平行に $3$ だけ進んだところに焦点があることになる。したがって、焦点は
$(0,3)$ ……(答)
である。頂点は焦点から準線に垂線を下ろしたときの中点に一致するから、頂点は
$(0,\frac{3}{2})$
である。よって、放物線の標準形 $x^2=4py$ を $y$軸方向に $3/2$ だけ平行移動したもので、$p=3/2$ であることが分かるから、求めるべき放物線の方程式は
$x^2=6(y-\frac{3}{2})$ ……(答)
【蛇足】 実際に点 $(3,3)$ における接線が $y=x$ であることを確かめておこう。放物線の $x^2 = 4p(y-p)$ の接点を $(x_{1},y_{1})$ とすると、そこでの接線は
$x_{1}x =2p(y-p+y_{1}-p)$
だから、たしかに
$3x=3(y-0) \Rightarrow y=x$
または、放物線の方程式を微分して
$2x=4py' \Rightarrow y'=1$
とやってもよい。
【問題12】 2点 $A(-2,0), B(1,0)$ からの距離の比が $2:1$ である点 $P$ の軌跡を求めよ。---
【解】 線分 $AB$ を $2:1$ に内分、外分する点をそれぞれ $Q,R$ とすれば、点 $P$ の描く曲線は $Q,R$ を直径の両端とする円である。……(答)
それを示すには以下に記す2つの定理(数Aに出てくる)を使う。
(定理1) 線分 $AB$ を内分する点を $C$ とする。$AC:CB=AP:PB$ となるように点 $P$ を取れば、$PC$ は $\angle APB$ の二等分線である。(左側の図参照)
なぜならば、$AP$ の延長上に $PB=PB'$ なる点 $B'$ を取れば、平行線の定理より $CP \parallel BB'$ となることと、二等辺三角形の底角定理、平行線の同位角と錯角から分かる。
(定理2) 線分 $AB$ を外分する点を $C$ とする。$AC:CB=AP:PB$ となるように点 $P$ を取れば、$PC$ は $\angle APB$ の外角の二等分線である。(右側の図参照)
なぜならば、$PA$ 上に $PB=PB'$ なる点 $B'$ を取れば、平行線の定理より $CP \parallel BB'$ となることと、二等辺三角形の底角定理、平行線の同位角と錯角から分かる。
上記2つの定理により、直線 $PQ$ は $\angle APB$ の二等分線であり、直線 $PR$ は $\angle APB$ の外角の二等分線であることから、$\angle
QPR=90^\circ$ となるからである。■
【別解】 $P=(x,y)$ とおけば
$\sqrt{(x+2)^2+y^2}:\sqrt{(x-1)^2+y^2}=2:1$
より、外項の積=内項の積の両辺を2乗して
$(x+2)^2+y^2=4 \{(x-1)^2+y^2 \}$
$3x^2-12x +3y^2=0$
$(x-2)^2+y^2=4$
中心 $(2,0)$ で半径 $2$ の円である。……(答)
【蛇足】 この円をアポロニウスの円と呼ぶ。
【問題13】 円 $x^2+y^2=2$ と直線 $y=x+1$ の交点を A, B とする。線分 AB の長さを求め、その中点の座標も求めよ。---
【解1】 2式を連立して解くと
$x^2+(x+1)^2=2 \Rightarrow 2x^2+2x-1=0$ ……(1)
より
$A(\frac{-1+\sqrt{3}}{2},\frac{1+\sqrt{3}}{2})$
$B(\frac{-1-\sqrt{3}}{2},\frac{1-\sqrt{3}}{2})$
だから
$AB=\sqrt{ (\frac{-1+\sqrt{3}}{2} - \frac{-1-\sqrt{3}}{2})^2+ (\frac{1+\sqrt{3}}{2}-
\frac{1-\sqrt{3}}{2})^2}=\sqrt{6}$ ……(答)
$M=\frac{A+B}{2}=(-\frac{1}{2},\frac{1}{2})$ ……(答)
【解2】 (1) の2つの解を $\alpha,\beta$ とすれば
$\alpha+\beta=-1, \alpha\beta=-\frac{1}{2}$
だから
$|\beta-\alpha|^2 = (\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta=1+2=3$
線分 AB を斜辺とする直角二等辺三角形を考えれば
$AB=\sqrt{2} \times |\beta-\alpha| =\sqrt{6}$ ……(答)
中点の座標は
$(\frac{\alpha+\beta}{2},\frac{\alpha+\beta}{2}+1)=(-\frac{1}{2}, \frac{1}{2})$
……(答)
【解3】 原点と直線 $y=x+1$ の間の距離 $d$ は
$d=\frac{|1|}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=\frac{1}{\sqrt{2}}$
であり、円の半径は $r=\sqrt{2}$ だから、弦 AB の長さは
$AB=2 \times \sqrt{r^2-d^2}=2 \times \sqrt{\frac{3}{2}}=\sqrt{6}$ ……(答)
中点は円の中心から弦に下ろした垂線 $y=-x$ の足だから、2つの直線の交点である。よって
$y=x+1,y=-x \Rightarrow (x,y)=(-\frac{1}{2},-\frac{1}{2} )$ ……(答)
【問題14】 O を原点とする座標平面における曲線 $C:\frac{x^2}{4}+y^2=1$ 上に、点 $P(1,\frac{\sqrt{3}}{2})$
をとる。
(1) $C$ の接線で直線 OP に平行なものを求めよ。
(2) 点 Q が $C$上を動くとき、$\triangle OPQ$ の面積の最大値 $S$ と、最大値を与える Q の座標を求めよ。---
【解】 (1) 接点を $(x_{1},y_{1})$ とすると、楕円の接線の方程式は
$\frac{x_{1} x}{4}+y_{1} y=1$
となる。その傾きは
$-\frac{x_{1}}{4 y_{1}}$
だが、これが直線 OP の傾きに等しいから
$-\frac{x_{1}}{4 y_{1}} = \frac{\sqrt{3}}{2}$
よって
$x_{1}= -2 \sqrt{3} y_{1}$
ところで、点 $(x_{1},y_{1})$ は所与の曲線上にあるから
$\frac{x_{1}^2}{4}+y_{1}^2=1$
したがって
$(x_{1},y_{1}) =( \pm \sqrt{3}, \mp \frac{1}{2})$
求めるべき接線の方程式は
$\sqrt{3} x - 2 y=\pm 4$ ……(答)
(2) 三角形の底辺の
$OP=\sqrt{1+(\frac{\sqrt{3}}{2})^2} =\frac{\sqrt{7}}{2}$
に対し、高さを最大にするには点 Q が先の接点になればよい。よって最大値を与える Q は
$Q=( \pm \sqrt{3}, \mp \frac{1}{2})$ ……(答)
であり、最大の高さは点 Q と直線 $y= \frac{\sqrt{3}}{2} x$ の間の距離 $d$ に等しいから
$d=\frac{|\mp 1/2 -(\sqrt{3}/2)\cdot(\pm \sqrt{3})|}{\sqrt{1^2+(\sqrt{3}/2)^2}}
= \frac{4}{\sqrt{7}}$
よって面積の最大値は
$S=\frac{1}{2} \cdot \frac{\sqrt{7}}{2} \cdot \frac{4}{\sqrt{7}} =1$
……(答)
【問題15】 $AB=8,AC=3, \tan A=-5 \sqrt{7}/9$ の $\triangle ABC$ がある。$\triangle ABC$
の重心を $G$ とするとき、線分 $AG$ の長さはいくらか。---
【解】 点 A を原点とし、半直線 AB を $x$軸の正の部分とし、点 C を第 2 象限の点とする。3点の座標は
$A(0,0)$
$B(8,0)$
$C(3 \cos A,3 \sin A)$
となり、
$\tan A=- \frac{5 \sqrt{7}}{9}$
である。重心の公式:
$G=\frac{A+B+C}{3}$
より
$G=(\frac{8}{3}+\cos A,\sin A)$
よって
$AG=\sqrt{(\frac{8}{3}+\cos A )^2+(\sin A )^2}$
$=\sqrt{ \frac{64}{9} + \frac{16}{3} \cos A+1 }$
ところで
$\frac{1}{\cos^2 A}=1+\tan^2 A$
であるから
$\cos^2 A=1/\{ 1+(- \frac{5 \sqrt{7}}{9})^2 \}=\frac{81}{256}$
ところで、点 C は第2象限の点だから、$A$ は鈍角であることに注意して
$\cos A=-\frac{9}{16}$
$AG=\sqrt{ \frac{64}{9} - \frac{16}{3} \times \frac{9}{16} +1 }= \sqrt{\frac{46}{9}}=\frac{\sqrt{46}}{3}$ ……(答)
【問題16】 空間内に 3 点 $A(0, −2, 2),B(1, 1, 1),C(0, 0, 1)$ がある。点 $C$ を中心とする半径 1 の球を
$S$ として、$S$ 上の点を $P$ とする.また $xy$ 平面上の点を $Q(X, Y, 0)$ とする。点 $P$ は$CP \bot
AP$ を満たしながら動くとする。点 $Q$ が直線 $AP$ 上にあるとき,点 $Q$ の軌跡を求めよ。---
【解】 $CP \bot AP$ ということは $CP$ が半径だから、直線 $AP$ は球の接線であり、点 $P$ は球の接点である。点 $P(x,y,z)$
は直線 AQ 上の点だから、実数 $t$ を用いて
$\vec{OP}=(1-t) \vec{OA}+t \vec{OQ}=(1-t)(0,-2,2)+t(X,Y,0)$
と表わされる。よって
$P(x,y,z)=(tX,2t+Yt-2,-2t+2)$
である。また、$P$ は球の接点であるので
$x^2+y^2+(z-1)^2=1$
に代入してできる $t$ の2次方程式
$((tX)^2 +(2t+Yt-2)^2 +(-2t+1)^2=1$
$\{ X^2+(Y+2)^2+4 \} t^2 -4 \{ (Y+2)+1 \} t +4=0$
は重解を持つ。判別式=0となって
$D/4 = 4(Y+3)^2 -4 \{ X^2+(Y+2)^2+4 \} =0$
$2Y-X^2+1=0$
$Y=\frac{1}{2}X^2-\frac{1}{2}$
軌跡は $xy$ 平面上の放物線である。
【問題17】 $xy$ 平面上に定点 $A(-a,0),B(a,0)$ と $B$ を中心とする半径 $r$ の円 $C$ があり、 $a>0,r>0$
とする。
(1) $A$ が円 $C$ の内部にある
(2) $A$ が円 $C$ の外部にある
の各々の場合について、点 $A$ を通り、円 $C$ に接する円の中心 $P$ の描く軌跡の方程式を求めよ。---
【解】 (1) $r>2a$ のとき
$PA = r -PB $ となる。$P=(x,y)$ とおくと
$\sqrt{(x+a)^2 + y^2} = r- \sqrt{(x-a)^2 + y^2}$
両辺を2乗して
$(x+a)^2+ y^2 = r^2 -2r\sqrt{(x-a)^2 + y^2} + (x-a)^2 + y^2 $
移項して
$-4ax +r^2 = 2r\sqrt{(x-a)^2 + y^2}$
さらにこれも2乗すると
$( -\frac{2ax}{r} + \frac{r}{2})^2 = (x-a)^2 + y^2$
これを変形すれば、
$\frac{x^2}{r^2/4} + \frac{y^2}{(r^2-4a^2)/4}=1$
$\frac{x^2}{(r/2)^2} + \frac{y^2}{(\sqrt{r^2-4a^2}/2)^2}=1$ ……(答)
楕円である。
(2) $r<2a$ のとき
$PA=PB-r$ となる。$P=(x,y)$ とおくと
$\sqrt{(x+a)^2 + y^2} = \sqrt{(x-a)^2 + y^2}-r$
両辺を2乗して
$(x+a)^2+ y^2 = (x-a)^2 + y^2 -2r\sqrt{(x-a)^2 + y^2} +r^2 $
移項して
$-4ax +r^2 = 2r\sqrt{(x-a)^2 + y^2}$
さらにこれも2乗すると
$( -\frac{2ax}{r} + \frac{r}{2})^2 = (x-a)^2 + y^2$
これを変形すれば、
$\frac{x^2}{r^2/4} - \frac{y^2}{(4a^2-r^2)/4}=1$
$\frac{x^2}{(r/2)^2} - \frac{y^2}{(\sqrt{4a^2-r^2}/2)^2}=1$ ……(答)
双曲線である。
【問題18】 動点 $P(x, y)$ が連立不等式 $ y \geq 2x-2,y \geq -2x+2,y \leq 2$ が表す領域内にあるとき、$x^2+y^2$
の最大値、最小値を求めよ。---
【解】 最大は円 $x^2+y^2=r^2$ が点 $(x,y)=(2,2)$ を通るときだから、最大値は
$r^2=2^2+2^2=8 $ ……(答)
最小は円が $y=-2x+2$ に接するときだから、(原)点と直線との距離を2乗して
$r^2=( \frac{|-2 \cdot 0 -0+2|}{\sqrt{(-2)^2+(-1)^2}} )^2=\frac{4}{5}$
……(答)
そのときの点は、$y=\frac{1}{2}x$ との交点だから
$(x,y)=(\frac{4}{5},\frac{2}{5})$
【問題19】 座標平面上に2点 $A(2,0),B(-2,0)$ がある。点 $P$ が、$\angle APB=30^\circ$ を満たしながら動くとき、点 $P$ の軌跡の方程式を求めよ。---
【解】 点 $P$ は、長さが $4$ の弦 $AB$ を見込む円周角が $30^\circ$ の円周上にある。中心角は $60^\circ$ になるから、$AB$
を底辺とし円の中心を頂点とする二等辺三角形を作ると、正三角形になる。
よって、円の中心は $(0,2\sqrt{3})$ で半径は $4$ である。ただし弦 $AB$ より下にある円周部分は答に入らない。あともうひとつ、これを
$x$ 軸に関して折り返した図形も軌跡になる。
【答】 $x^2+(y-2\sqrt{3})^2=16,y \geq 0$ と $x^2+(y+2\sqrt{3})^2=16,y \leq 0$
【別解】 $P(x,y)$ とおく。余弦定理より
$AB^2=PA^2+PB^2-2PA\cdot PB \cos 30^\circ$
だから
$16=(x-2)^2+y^2+(x+2)^2+y^2 -2 \sqrt{ (x-2)^2+y^2} \sqrt{ (x+2)^2+y^2}
\cdot \frac{\sqrt{3}}{2}$
$\sqrt{3}\sqrt{ x^2+y^2+4-4x} \sqrt{ x^2+y^2+4+4x}=2(x^2+y^2-4)$ ……(*)
両辺を2乗して
$3 \{(x^2+y^2+4)^2-16x^2 \}=4(x^2+y^2-4)^2$
$3(x^2+y^2)^2+24(x^2+y^2)+48-48x^2=4(x^2+y^2)^2-32(x^2+y^2)+64$
$(x^2+y^2)^2-8x^2-56y^2+16=0$
$x^4+2x^2y^2+y^4-8x^2-56y^2+16=0$
これを平方完成しよう。(分かりにくければ、$x^2=A$ と置いて $A$ について平方完成すると言い換えてもよい。)
$(x^2+y^2-4)^2-(y^2-4)^2+y^4-56y^2+16=0$
$(x^2+y^2-4)^2-48y^2=0$
あとは因数分解して
$(x^2+y^2-4+4\sqrt{3}y)(x^2+y^2-4-4\sqrt{3}y)=0$
この方程式は2つの円を表わす。すなわち
$x^2+y^2-4 \pm 4\sqrt{3}y=0$
標準形にすると
$x^2+(y \pm 2\sqrt{3})^2=16$
この方程式を満たすことが軌跡であるための必要条件であるが、十分条件ではない。どこで同値性が崩れたのか、振り返ると(*)を2乗したところだ。2乗したことによって、$x^2+y^2-4<0$
という円の内部に含まれた円周部分(円周角が $30^\circ$ でなく $150^\circ$ である部分)が紛れ込んでしまった訳である。この部分を除去したものが正解となる。
【答】 $x^2+(y \pm 2\sqrt{3})^2=16 \mbox{かつ} x^2+y^2 \geq 4$
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