放物線の焦点と準線
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放物線とはパラボラ・アンテナのパラボラのことだ。放物線$y=ax^{2},a>0,$の上方から$y$軸に平行に光線(電波)を放つと、どのように反射するだろうか。
【問題1】 放物線$y=ax^{2}$の$x=x_{0}$における接線の方程式を求めよ。---
【解】 $y'(x_{0}) =2ax_{0}$
だから、接線は
$y =2ax_{0}(x-x_{0})+ax_{0}^{2}$■
【問題2】 放物線$y=ax^{2}$の$x=x_{0}$における法線の方程式を求めよ。---
【解】 法線は接線と垂直だから、その傾きは$-1/y'(x_{0}) =-1/(2ax_{0})$である。よって、法線は
$y =-\frac{1}{2ax_{0}}(x-x_{0})+ax_{0}^{2}$■

【問題3】 接線、法線と$y$軸との交点をそれぞれ$C,N$とする。この2点の座標を求めよ。---
【解】 それぞれの方程式に$x=0$を代入して、
$C(0, -ax_{0}^{2})$
$N(0, \frac{1}{2a} +ax_{0}^{2})$■
【問題4】 放物線上で$x$座標が$2x_{0}$である点を$Q$とする。法線$NP$を対称軸として、2点$Q$と$C$は線対称になる。$y$軸に平行な入射光が$NQ$の中点$M$を通れば、反射光は$NC$の中点$F$を通る。$F$の座標を求めよ。---
【解】 $F$は$NC$の中点だから、前問の答より
$F(0, \frac{1}{4a})$■
★放物線上の点$P$は任意だから、放物線の軸に平行な光線の反射光はすべて点$F(0, \frac{1}{4a})$を通ることが分かった。この点を放物線の焦点と言う。
【問題5】 線分$PF$の長さを求めよ。---
【解】 図から分かるように、$PF=PM$である。$M$の座標を求めると
$M=\frac{N+Q}{2} =\frac{(0, \frac{1}{2a} +ax_{0}^{2})+(2x_{0},3ax_{0}^{2})}{2}
=(x_{0},\frac{1}{4a}+2ax_{0}^{2})$
だから、
$PF=PM=\frac{1}{4a}+ax_{0}^{2}$■
★$PM$の長さは放物線上の点$P$の$y$座標より$\frac{1}{4a}$だけ長い。だからもし$x$軸と平行な直線$y=-\frac{1}{4a}$(この直線を準線と言う)を引けば、点$P$から準線までの距離と、焦点までの距離$PF$が等しいことになる。
