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【知恵袋から】ベクトル
Copyright (C) virtual_high_school, 2016-19
【問題3】 1) 内積 $(\vec{i}+2\vec{j}+3\vec{k}) \cdot (2\vec{i}-3\vec{j}+\vec{k})$ を求めよ。
【問題6】 図1に示すように頂点のひとつが原点に一致するように置かれた立方体があります。3つの頂点を結んだ正三角形PQRに対して、頂点Sと原点を結んだ線分OSが、この正三角形の垂線となっていることを、
【問題9】 $\vec{a}=(2,1,1),\vec{b}=(1,2,-1)$のとき、$|\vec{a}+t\vec{b}|$の最小値とそのときの$t$の値を求めよ。($t$は実数とする。)---
【問題11】 $\bigtriangleup ABC$の外心$O$から直線$BC、CA、AB$に引いた垂線の足をそれぞれ$P、Q、R$とする。$0<t<1$の範囲で関係式
【問題12】 $xyz$空間内に2点$A(1,0,0),B(2,1,2)$ があるとき以下に答えよ。
【問題13】 $\mathbb{R^2}$において、$\vec{a_{1}}=(1,2), \vec{a_{2}}=(3,4)$が基底であることを証明せよ。---
【問題15】 三角形OABにおいて、次の式を満たす点Pの存在範囲を求めよ。---
【問題17】 △ABCの辺BCを3等分した点のうちBに近い方の点Dをとする。このとき、等式$2AB^2+AC^2=3(AD^2+2BD^2)$が成り立つことを証明せよ。---
【問題19】 $O(0,0),A(2,0),B(1,2)$ に対して点 $P$ が次の条件を満たしながら動くとき、点 $P$ の動く範囲を求めよ。---
「YAHOO! 知恵袋」で筆者が回答したものの中から抜粋しました。
【問題1】 平面上に点Oと三角形ABCがある。$\vec{OA} = \vec{a}, \vec{OB} = \vec{b}, \vec{OC} = -\vec{a}-3\vec{b}$とする。$\vec{OP}
= u\vec{a} + v\vec{b}$ という点Pが三角形ABCの内部とその境界線上を動くとき、点$(u,v)$の動く領域をuv平面上で図示せよ。---
【解】 極端な例を考えると答が分かります。
ベクトル $\vec{a},\vec{ b}$ の成分をそれぞれ (1, 0), (0, 1) とします。すなわち
$\vec{a}=(1, 0), \vec{b}=(0, 1)$
です。するとベクトル $-\vec{a}-3\vec{b}$ の成分は
$-\vec{a}-3\vec{b}=-(1, 0)-3(0, 1)=(-1, -3)$
です。uv平面上に3点 A'(1, 0), B'(0, 1), C'(-1, -3) を打点し、△A'B'C'の内部とその境界線を塗り絵しましょう。それが答です。
でもなぜ?---証明しましょう。
(1) 点 C は
$-\vec{a} -3\vec{b}$
ですから、a,bの係数の組 (-1, -3) は uv平面上の点 C'(-1,-3)を意味します。
(2) 線分AB上の点 Q は
$u_{0}\vec{ a} + v_{0} \vec{b}$ ただし $u_{0} + v_{0} =1, 0 \leq u_{0}\leq
1,0 \leq u_{0} \leq 1$
ですから、a,bの係数の組 $(u_{0}, v_{0})$ は uv平面内の線分 A'B'上の点Q'を意味します。
(3) △ABCの内部および境界線上の点 P は
$s \vec{OQ} + t\vec{ OC}$ ただし $s + t =1, 0 \leq s \leq 1, 0 \leq t \leq 1$
ですが
$s \vec{OQ} + t \vec{OC} = s (u_{0}\vec{ a} + v_{0} \vec{b}) + t (-\vec{a}-3\vec{b})$
$=(s \cdot u_{0} + t \cdot (-1))a + (s \cdot v_{0} +t \cdot (-3))\vec{b}$
でこれが
$\vec{OP} = u\vec{a} + v\vec{b}$
に等しいのだから、
$u=s \cdot u_{0} + t \cdot (-1), v= s \cdot v_{0} +t \cdot (-3)$ ただし$s
+ t =1, 0 \leq s \leq 1, 0 \leq t \leq 1$
ですから、在処を求めるべき uv平面上の点 $(u, v)$は 点$Q'(u_{0}, v_{0})$と点$C'(-1,-3)$を結ぶ線分 Q'C'上の点P'です。■
【問題2】 平行四辺形ABCDを底面とする四角錐O-ABCDがあり、辺OAを1:2に内分する点をP、辺OBの中点をQ、辺ODを3:1に内分する点をRとし、3点P,Q,Rを通る平面を$\alpha$とする。
(1) 2点O, Cを通る直線と$\alpha$の交点をTとするとき、OT:TCを求めよ。
(2) O-ABCDの体積は$\alpha$によってどのような比に分けられるか 。---
【解】
§1. 四角錐の底面が平行四辺形なので
$\vec{OC}=\vec{OB}+\vec{OD}-\vec{OA}$
で、仮定より
$\vec{OP}=(1/3)\vec{OA}$
$\vec{OQ}=(1/2)\vec{OB}$
$\vec{OR}=(3/4)\vec{OD}$
です。
§2. ベクトル$\vec{OT}$を2つの方法で表現します。すなわち
$\vec{OT} = k\vec{ OC} = k(\vec{OB}+\vec{OD}-\vec{OA})$
$ = -k\vec{OA} +k\vec{OB} + k\vec{OD}$
であり、かつ
$\vec{OT} = \vec{OP} + l(\vec{OQ}-\vec{OP}) +m(\vec{OR}-\vec{OP})$
$= (1/3)\vec{OA} + l \{ (1/2)\vec{OB} - (1/3)\vec{OA} \} + m \{ (3/4)\vec{OD} - (1/3)\vec{OA} \}$
$= \{ (1/3)- (1/3)l -(1/3)m \} \vec{OA} + (1/2)l \vec{OB} + (3/4)m\vec{OD}$
この2つの表現が一致するので、
$-k = (1/3)- (1/3)l -(1/3)m$
$k = (1/2)l$
$k = (3/4)m$
もちろんここでベクトルの1次独立性(3点A,B,Dが一直線上にないこと)を使っています。
上の3元連立方程式を解くと、
$k = 3, l = 6, m = 4$
ですので
$\vec{OT} = 3\vec{ OC}$
となります。ですから
$OT : TC = 3 : -2$
で外分になります。平面$\alpha$ が底面を突き破って地下側に頂点T ができます。
(1)の答は OT : TC = 3 : 2
§3. さて問(2)ですが、次の定理を使います。
(あ)△ABC において、AB'=a AB, AC'=b AC となるように新たな頂点B', C'をとったとき、面積は
△AB'C' = ab △ABC
とab倍になります。
これを発展させて、次の定理ができます。
(い)三角錐(=四面体)O-ABC において、OA'=a OA, OB'=b OB, OC'=c OC となるように新たな頂点A', B', C'をとったとき、三角錐O-A'B'C' の体積V はもとのO-ABC の体積と比べると
V[O-A'B'C'] = abc V[O-ABC]
とabc倍になります。
§4. 平面$\alpha$ と辺BC との交点S の位置ベクトルを求めましょう。
S は BC を s : 1-s に内分する点だとすると、ベクトル$\vec{OS}$を2つの方法で表現します。すなわち
$\vec{OS} = (1-s)\vec{OB} + s\vec{OC} $
$= -s\vec{OA} + \vec{OB} + s\vec{OD}$
であり、かつ
$\vec{OS} = \{ (1/3)- (1/3)l -(1/3)m \} \vec{OA} + (1/2)l \vec{OB} +
(3/4)m \vec{OD}$
この2つの表現が一致するので、
$-s = (1/3)- (1/3)l -(1/3)m$
$1 = (1/2)l$
$s = (3/4)m$
上の3元連立方程式を解くと、
$s = 3/5, l = 2, m = 4/5$
ですので、S は BC を 3 : 2 に内分する点だと分かります。
§5. 平面$\alpha$ と辺DC との交点S' の位置ベクトルを求めましょう。
S' は DC を s : 1-s に内分する点だとすると、ベクトルOS'を2つの方法で表現します。すなわち
$\vec{OS'} = (1-s)\vec{OD} + s\vec{OC} $
$= -s\vec{OA} + s\vec{OB} + \vec{OD}$
であり、かつ
$\vec{OS'} = \{ (1/3)- (1/3)l -(1/3)m \} \vec{OA} + (1/2)l \vec{OB}
+ (3/4)m \vec{OD}$
この2つの表現が一致するので、
$-s = (1/3)- (1/3)l -(1/3)m$
$s = (1/2)l$
$1 = (3/4)m$
上の3元連立方程式を解くと、
$s = 1/3, l = 2/3, m = 4/3$
ですので、S' は DC を 1 : 2 に内分する点だと分かります。
§6. もとの四角錐O-ABCD の体積を$V_{0}$ とし、O が頂点で、5角形PQSS'R を底面とする5角錐の体積を$V_{1}$とし、$V_{1}$
を求めます。
$V_{0}$ の底面は平行四辺形なので対角線BD は底面を2等分することになります。よって、三角錐O-ABD も三角錐O-BCD もともに体積は$
V_{0}/2$ です。
① 三角錐O-PQR の体積は
$\vec{OP}=(1/3)\vec{OA}$
$\vec{OQ}=(1/2)\vec{OB}$
$\vec{OR}=(3/4)\vec{OD}$
だから定理(い)により
$V[O-PQR] = (1/3)×(1/2)×(3/4)×V_{0}/2 =(1/16)V_{0}$
② 三角錐O-QTR の体積は
$\vec{OQ}=(1/2)\vec{OB}$
$\vec{OT}= 3 \vec{OC}$
$\vec{OR}=(3/4)\vec{OD}$
だから定理(い)により
$V[O-QTR] = (1/2)×3 ×(3/4)×V_{0}/2 =(9/16)V_{0}$
③ ①と②を足した後、地下に潜った部分を引かねばならない。「地下に潜った部分」というのは、三角錐T-SS'C の体積である。この三角錐T-SS'C
は見方を変えると、三角錐C-SS'T である。
三角錐C-SS'T の体積は
$\vec{CS} =(2/5)\vec{CB}$
$\vec{CS'}=(2/3)\vec{CD}$
$\vec{CT}= 2 \vec{CO}$
だから定理(い)により
$V[T-SS'C] = (2/5)×(2/3)×2×V_{0}/2 =(4/15)V_{0}$
④ ①~③より、
$V_{1} = (1/16)V0 + (9/16)V_{0} - (4/15)V_{0}$
$= (43/120)V_{0}$
【結論】
$V_{1} : V_{0}-V_{1} =\frac{43}{120}V_{0} : V_{0}-\frac{43}{120}V_{0}
= 43 : 77$
(43の方が頂点O を含む側です。)■
【解】 $\vec{i}, \vec{j}, \vec{k}$ は空間内の互いに直交する単位ベクトル(基本ベクトルという)です。成分表示すれば
$\vec{i }= (1, 0, 0)$
$\vec{j }= (0, 1, 0)$
$\vec{k }= (0, 0, 1)$
【公式】 $(x_{1}, y_{1}, z_{1})$ と $(x_{2}, y_{2}, z_{2})$ の内積は
$(x_{1}, y_{1}, z_{1}) \cdot (x_{2}, y_{2}, z_{2}) = x_{1} \times x_{2}
+ y_{1} \times y_{2} +z_{1} \times z_{2} $
また、2つのベクトルが直交 ⇔ 内積=0
1) の答 2-6+3 = -1
2) の答 6+0+0 = 6
4) の答 8-2a-2 = 0 より a = 3
【公式】 $\vec{a}・\vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|cosθ より、cosθ = (\vec{a}・\vec{b})/(|\vec{a}||\vec{b}|)$
【公式】 $\vec{ a}・\vec{a} = |\vec{a}||\vec{a}|cos0 = |\vec{a}|^{2}$ より、$|\vec{a}|
= \sqrt{(\vec{a}・\vec{a})}$
3) の答 cosθ = $\frac{12-6-2}{\sqrt{4+4+1} \sqrt{36+9+4}} = \frac{4}{3 \times
7} = \frac{4}{21}$■
【問題4】 $\vec{A}=\vec{i}-2\vec{j}-3\vec{k},\vec{B}=2\vec{i}+\vec{j}-\vec{k},\vec{C}=\vec{i}+3\vec{j}-2\vec{k}$のとき、
1) $(\vec{A} \times \vec{B}) \times \vec{C}$
2) $\vec{A} \times (\vec{B} \times \vec{C})$
を求めよ。---
【解】 これは外積の問題です。
【公式】 $(x_{1}, y_{1}, z_{1})$ と $(x_{2}, y_{2}, z_{2})$ の外積は
$ \left| \begin{array}{ccc} \vec{i} & x_{1} & x_{2} \\ \vec{j}
& y_{1} & y_{2} \\ \vec{k} & z_{1} & z_{2} \end{array}
\right|$ という行列式で計算できます。
1) の答 ( -5, 15, 20 )
2) の答 ( -1, -8, 5 )
1) と 2) のベクトル3重積は一致しないという問題です。■
【問題5】 △OABがあり、$\vec{OA}=\vec{a},\vec{OB}=\vec{b}$ とすると、$\vec{a}$の大きさは4、$\vec{b}$の大きさは5である。また、$\vec{a},\vec{b}$
のなす角を$\theta$ とすると、$\cos \theta=\frac{7}{20}$ である。
(1) 辺ABを3:2に内分する点をCとすると、
$\vec{OC}=\frac{(エ)}{(オ)}\vec{a} +\frac{(カ)}{(キ)}\vec{b}$
である。
(2) 点Bを通り直線OAに平行な直線と直線OCの交点をDとすると、$\vec{BD}=k\vec{OA}, \vec{OD}=l \vec{OC}$である。このとき、
$k=(ク)/(ケ)、l=(コ)/(サ)$
である。
(3) さらに、辺AB上に点EをOE⊥ABとなるようにとると、
$\vec{OE}=(シ)/(ス) \vec{a} + (セ)/(ソ) \vec{b}$
$\vec{DE}$の大きさは(タチ)/(ツ)
である。---
【解】 $| \vec{a}|^2 = 16, | \vec{b}|^2 = 25, \vec{a} \cdot \vec{b} = 7$ がすぐに分かります。
(1) ABを3:2に内分する点をCとすると、
$ \vec{OC} = \frac{2 \vec{OA}+3 \vec{OB}}{3+2} = \frac{2}{5} \vec{a}
+ \frac{3}{5} \vec{b}$
(2)
$ \vec{BD} = k \vec{OA }= k \vec{a},$
$ \vec{OD} = l \vec{OC} = \frac{2}{5}l \vec{a} + \frac{3}{5}l \vec{b}$
より、
$ \vec{OD} = \vec{OB} + \vec{BD}$
から
$\frac{2}{5}l \vec{a} + \frac{3}{5}l \vec{b}= k \vec{a} + \vec{b}$
よって
$k = \frac{2}{3}, l = \frac{5}{3}$
となって、
$\vec{BD} = \frac{2}{3} \vec{a}, $
$\vec{OD} = \frac{2}{3} \vec{a} + \vec{b}$
(3) OE⊥AB より
$\vec{OE} = t \vec{a} + (1-t) \vec{b}$
とおけば
$(t \vec{a} + (1-t) \vec{b})\cdot ( \vec{b}- \vec{a}) = 0$
から
$-t| \vec{a}|^2 +(t-(1-t)) \vec{a}・ \vec{b} +(1-t)| \vec{b}|^2 = 0$
$-16t +7(2t-1) +25(1-t) = 0$
すなわち
$-27t +18 = 0 $
$t = \frac{2}{3}$
よって
$\vec{OE} = \frac{2}{3} \vec{a} + \frac{1}{3} \vec{b}$
$ \vec{DE} = \vec{OE} - \vec{OD} = ( \frac{2}{3} \vec{a} + \frac{1}{3}
\vec{b} ) - (\frac{2}{3} \vec{a} + \vec{b} )= -\frac{2}{3} \vec{b}$
$| \vec{DE}|^2 = \frac{4}{9}| \vec{b}|^2 = \frac{100}{9}$
$| \vec{DE}| = \frac{10}{3}$
【答】 (エ)=2,(オ)=5,(カ)=3,(キ)=5,(ク)=2,(ケ)=3,(コ)=5,(サ)=3,(シ)=2,(ス)=3,(セ)=1,(ソ)=3,(タチ)=10,(ツ)=3
【問題6】 図1に示すように頂点のひとつが原点に一致するように置かれた立方体があります。3つの頂点を結んだ正三角形PQRに対して、頂点Sと原点を結んだ線分OSが、この正三角形の垂線となっていることを、ベクトルの内積を利用して示しなさい。---
【証明】 OS ⊥ PQ, OS ⊥ PR の2つを言えばよい。1辺の長さを1 として、一般性を失わない。
S=(1, 1, 1), P=(1, 1, 0), Q=(0, 1, 1), R=(1, 0, 1)
より次のベクトルの成分を計算。
$\vec{OS} = ( 1, 1, 1),$
$\vec{PQ} = (-1, 0, 1),$
$\vec{PR} = ( 0, -1, 1)$
内積を計算。
$\vec{OS}・\vec{PQ} = -1 + 0 + 1 = 0,$
$\vec{OS}・\vec{PR} = 0 - 1 + 1 = 0$■
【問題7】 次のベクトルを求めよ。---
(1) $\vec{a}=(3,4)$に垂直で、大きさが5のベクトル$\vec{p}$
(2) $\vec{a}=(2,\sqrt{5})$に垂直な単位ベクトル$\vec{e}$
(3) $\vec{a}=(-1,7)$と45°の角をなし、大きさが5であるベクトル$\vec{x}$
【解】 求めるベクトルを$(x, y)$とおく。その大きさから
$x^2 + y^2 = …$
と、所与のベクトルとの内積から
$a・b = |\vec{a}||\vec{b}|\cosθ$
で連立方程式を作ります。
(1)
$x^2 + y^2 = 25,$
$3x + 4y =0$
(答)$ (±4,∓3)$
(2)
$x^2 + y^2 = 1,$
$2x + \sqrt{5}y =0$
(答) $(±\sqrt{5}/3,∓2/3)$
(3)
$x^2 + y^2 = 25,$
$-x + 7y =5\sqrt{2}×5×(1/\sqrt{2})$
(答)$ (-4,3), (3,4)$
【問題8】 ベクトル$\vec{a},\vec{b}$が$|\vec{a}+\vec{b}|=11, |\vec{a}-\vec{b}|=7$を満たすときの内積$\vec{a}
\cdot \vec{b}$ を求めよ。---
【解】
$|\vec{a}+\vec{b}|^2 = (\vec{a}+\vec{b} \cdot(\vec{a}+\vec{b})$
$= \vec{a}\cdot\vec{a} +2\vec{a}\cdot\vec{b} + \vec{b}\cdot\vec{b} =
121$
と、
$|\vec{a}-\vec{b}|^2 = (\vec{a}-\vec{b})\cdot(\vec{a}-\vec{b})$
$= \vec{a}\cdot\vec{a} - 2\vec{a}\cdot\vec{b} + \vec{b}\cdot\vec{b}
= 49$
の辺々を引いて
$4\vec{a}\cdot\vec{b} = 72$
よって
$\vec{a}\cdot\vec{b} = 18$ ……(答)
【問題9】 $\vec{a}=(2,1,1),\vec{b}=(1,2,-1)$のとき、$|\vec{a}+t\vec{b}|$の最小値とそのときの$t$の値を求めよ。($t$は実数とする。)---
【解】
$|\vec{a}+t\vec{b}|^2 = (\vec{a}+t\vec{b})\cdot(\vec{a}+t\vec{b})$
$=|\vec{a}|^2 +2t \vec{a}\cdot\vec{b} +t^2|\vec{b}|^2$
$=6+ 6t +6t^2=6(t+ 1/2)^2+ 9/2$
【答】 $9/2(t=-1/2)$
【問題10】 $\vec{a}=(a_{1},a_{2}),\vec{b}=(b_{1},b_{2})$のとき、$\vec{a}//\vec{b}$ならば$a_{1}b_{2}-a_{2}b_{1}=0$が成り立つことを示せ。---
【解】 $(a_{1},a_{2}) = k(b_{1},b_{2})(ただしk\neq0)$ ……(*)
とおける。
$a_{1} = k b_{1}$
$a_{2} = k b_{2}$
これより
$a_{1}b_{2} =a_{2}b_{1}$
となり、
$a_{1}b_{2}-a_{2}b_{1}=0$■
【別解】$\cos\theta = \vec{a}\cdot\vec{b}/(|\vec{a}||\vec{b}|) =\pm 1$
分母払って両辺2乗すれば
$(\vec{a}\cdot \vec{b})^2 = |\vec{a}|^2 \times |\vec{b}|^2$
成分で表わせば
$(a_{1}b_{1} + a_{2}b_{2})^2 = (a_{1}^2 + a_{2}^2)(b_{1}^2 + b_{2}^2)$
一般に
$(a_{1}b_{1} + a_{2}b_{2})^2 ≦ (a_{1}^2 + a_{2}^2)(b_{1}^2 + b_{2}^2)$
が成り立ち、コーシー・シュバルツの不等式と言われています。ここで等号が成り立つのが
$a_{1} : b_{1} = a_{2} : b_{2}$
のときですが、これって(*)と同値です。■
【問題11】 $\bigtriangleup ABC$の外心$O$から直線$BC、CA、AB$に引いた垂線の足をそれぞれ$P、Q、R$とする。$0<t<1$の範囲で関係式
$(t+1)\vec{OP}+(t-1)\vec{OQ}-t(t+1)\vec{OR}=\vec{0}$
を満たすとき、
(1) $\vec{OA}$を$\vec{OB},\vec{OC}$を用いて表せ。
(2) $\angle BAC$の大きさを求めよ。---
【解】
$\vec{OP} = (\vec{OB} + \vec{OC})/2,$
$\vec{OQ} = (\vec{OA} + \vec{OC})/2,$
$\vec{OR} = (\vec{OA} + \vec{OB})/2$
を与式に代入し、両辺2倍し、整理すれば
$(t^2+1)\vec{OA} +(t^2-1)\vec{OB} -2t\vec{OC} =\vec{ 0}$
これより
$\vec{OA} = -\frac{t^2-1}{t^2+1}\vec{ OB} +\frac{2t}{t^2+1}\vec{ OC}$
……(*)
上式において、自分自身との内積を作ります。
$|\vec{OA}|^2 = \frac{(t^2-1)^2}{(t^2+1)^2} |\vec{OB}|^2 -\frac{4t(t^2-1)}{(t^2+1)^2}
\vec{OB}\cdot\vec{OC} +\frac{4t^2}{(t^1+1)} |\vec{OC}|^2$
$O$は外心だから、
$|\vec{OA}|^2=|\vec{OB}|^2 =|\vec{OC}|^2 =r^2$
$\vec{OB}\cdot\vec{OC} =r^2\cos(2\angle BAC)$
ここで$r$ は外接円の半径で、最後の式は中心角が円周角の2倍だから。
以上をさっきの等式に代入し、分母を払って$r^2$ で割れば、
$(t^2+1)^2 = (t^2-1)^2 -4t(t^2-1)\cos(2 \angle BAC) +4t^2,$
$4t(t^2-1)\cos(2\angle BAC) = 0,$
$\cos(2\angle BAC) = 0$
$2\angle BAC$は$0^\circ$から$360^\circ$だから
$2\angle BAC= 90^\circ,270^\circ$
$\angle BAC= 45^\circ,135^\circ$
このうち前者はありえない。(*)から3つのベクトル$\vec{OA},\vec{OB},\vec{OC}$はすべて同じ側を向くと分かるからだ。よって、$\angle
BAC$はもし存在するなら135度で、$\bigtriangleup ABC$は$\angle A$が鈍角の鈍角三角形で、外心は三角形の外部に来る。
では本当にこういう三角形が存在するかだが、例えば、$O(0, 0), A(0,\sqrt{2}), B(-1, 1), C(1, 1)$とすれば、$t = -1 +\sqrt{2}$ となって、OKだ。
【答】$\vec{OA} = -\frac{t^2-1}{t^2+1}\vec{ OB} +\frac{2t}{t^2+1}\vec{ OC}$,$\angle
BAC= 135^\circ$
【問題12】 $xyz$空間内に2点$A(1,0,0),B(2,1,2)$ があるとき以下に答えよ。
(1) 点$A$を通り、ベクトル$\vec{AB}$ に平行な直線$l$ の方程式を求めよ。
(2) 点$B$を通り、直線$l$に垂直な平面が$y$軸と交わる点の座標を求めよ。
(3) 点$B$を中心とし、原点$O$を通る球$S$の方程式を求めよ。
(4) 球$S$と直線$l$が交わる二つの点の座標を求めよ。---
【解】 (1) $\vec{p}=\vec{a}+t (\vec{b}-\vec{a})$より
$(x,y,z)=(1,0,0)+t(1,1,2)$
パラメータを消去すれば
$x-1=y=\frac{z}{2}$ ……(答)
(2) 法線ベクトルが $(1, 1 ,2)$だから、平面の方程式は
$1(x-2) +1(y-1) +2(z-2) = 0$
すなわち
$x +y +2z -7 = 0$
ここに$x = z = 0$を代入して、$y = 7$. よって交点は
$(0, 7, 0)$ ……(答)
(3) $(x-2)^2+(y-1)^2+(z-2)^2=r^2$ とおいて、$(x,y,z)=(0,0,0)$を代入。$r^2=9$
$(x-2)^2+(y-1)^2+(z-2)^2=9$ ……(答)
(4) パラメータ表示の方を代入してみよう。
$(1+t-2)^2+(t-1)^2+(2t-2)^2=9$,
$(t-1)^2=3/2$,
$t=1 \pm\frac{\sqrt{6}}{2}$
よって
$(x,y,z)=(1+1 \pm\frac{\sqrt{6}}{2},1 \pm\frac{\sqrt{6}}{2},2(1 \pm\frac{\sqrt{6}}{2}))$
$=(2 \pm\frac{\sqrt{6}}{2},1 \pm\frac{\sqrt{6}}{2},2 \pm\sqrt{6})$ ……(答)
【問題13】 $\mathbb{R^2}$において、$\vec{a_{1}}=(1,2), \vec{a_{2}}=(3,4)$が基底であることを証明せよ。---
【証明】 2次元ベクトル空間では、2個の一次独立なベクトルの組は基底になる。そこで行列式を計算すると
$\left| \begin{array}{cc} 1 & 3 \\ 2 & 4 \end{array} \right|
=-2$
で、0 でないから、1次独立。したがって所与のベクトルの組は基底になり得る。■
【別証明】 任意のベクトル$(x,y)$に対して
$(x,y)=m(1,2)+n(3,4)$
とおけば、
$m=\frac{-4x+3y}{2},n=\frac{2x-y}{2}$
である。よって、$\mathbb{R^2}$は$\vec{a_{1}}, \vec{a_{2}}$により生成されるので基底である。■
【問題14】 $AB=4, AD=2,\angle BAD=60^\circ$である平行四辺形ABCDにおいて、辺ABを$2:1$に内分する点をE. 辺CDの中点をFとし、線分EFと線分ACの交点をPとし、$\vec{AB}=\vec{b},
\vec{AD}=\vec{d}$ とする。
(1) 内積$\vec{AB} \cdot \vec{AD}$と、$\vec{AD}\cdot\vec{AC}$ はいくらか? また、$\vec{AE}$と$\vec{AF}$を$\vec{b}$と$\vec{d}$を用いて表せ。
(2) $\vec{AP}$を$\vec{b}$と$\vec{d}$を用いて表せ。また、三角形APEの面積を求めよ。
(4) 点Qを半直線ADの点とし$l>0$を満たす実数$l$をもちいて$\vec{AQ}=l \vec{AD}$と表す。点Qから直線ACに引いた垂線と直線ACとの交点をHとする。三角形APEの面積と三角形AQHの面積が等しくなるような点Qをとる。$\vec{AH}$と$\vec{QH}$を$l$を用いて表すとどうなるか。
(5) 三角形APEの面積と三角形AQHの面積が等しいとき、$l$はいくらか?Qは線分ADをどうする点か?下から選べ。
(a)ℓ:ℓ+1に内分, (b)ℓ:ℓ-1に内分, (c)ℓ:ℓ+1に外分, (d)ℓ:ℓ-1に外分する ---
【解】 (1) $\vec{AB} \cdot \vec{AD} = |\vec{AB}||\vec{AD}| \cos 60^\circ = 4$
……(答)
であり、
$\vec{AD}\cdot\vec{AC} =\vec{ AD}\cdot(\vec{AB}+\vec{AD})$
$= \vec{AD}\cdot\vec{AB} + |\vec{AD}|^2= 4 + 4 = 8$……(答)
また
$\vec{AE} = (2/3)\vec{b}$……(答)
$\vec{AF} = (\vec{AD} + \vec{AC})/2 = (\vec{d} + \vec{b} + \vec{d})/2
= (1/2)\vec{b} + \vec{d}$……(答)
(2) $\vec{AP}$を2通りの方法で表わす。
$\vec{AP} = s(\vec{b} + \vec{d})$,
$\vec{AP} = \vec{AE} + t(\vec{AF} - \vec{AE})=\frac{4-t}{6}\vec{b}+t\vec{d}$
この2つが等しいことから
$s = t= 4/7$
よって、
$\vec{AP} = (4/7)\vec{b} + (4/7)\vec{d}$……(答)
△APEは、平行四辺形ABCDの半分の三角形ABCと比べると、底辺は2/3で、高さは4/7である。だから、△APEの面積は平行四辺形の
$(1/2)・(2/3)・(4/7)=4/21$倍
ところで平行四辺形の面積は
$4・2・\sin 60^\circ =4\sqrt{3}$
だから
△APE$= (16/21)\sqrt{3}$……(答)
(4) 余弦定理で
$AC =\sqrt{16+4-2\cdot 4\cdot 2\cdot (-1/2)}=2\sqrt{7}$
$\cos ∠CAD = \frac{28+4-16}{2\cdot 2\sqrt{7}\cdot2}=\frac{2}{\sqrt{7}}$
$\sin ∠CAD =\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{7}}$
したがって
$AQ : QH : AH = \sqrt{7}:\sqrt{3}:2$
ここで$\vec{AQ} = l \vec{AD}$だから
$AQ=2l, AH =2l \cos ∠CAD, QH=2l \sin ∠CAD $
よって
△AQH$ = \frac{1}{2} AH \cdot QH$
$=\frac{1}{2} \cdot \frac{4l}{\sqrt{7}} \cdot \frac{2\sqrt{3}l}{\sqrt{7}}$
$=\frac{4\sqrt{3}}{7} l^2$
これが△APEの面積と等しいから
$l = \frac{2}{\sqrt{3}} $……(答)
$l>1$だから点Q はAD の外分点で、$l : l-1$ に外分する。答は(b)
【問題15】 三角形OABにおいて、次の式を満たす点Pの存在範囲を求めよ。---
$\vec{OP}=s\vec{OA}+\vec{tOB} ,0\leq s\leq 2,1\leq t \leq2$
【解】 極端な例を考えます
$O=(0,0),A=(1,0),B=(0,1)$
とすると、
$P=(x,y),x = s (0\leq s\leq 2),y = t (1\leq t \leq 2)$
これは下図の上の斜線部の長方形です。
あとは、格子を縦、横に伸ばしたり縮めたりし、金網みたいにひしゃげれば、できあがりです。
【答】 上図の斜線部の平行四辺形。
【問題16】 鋭角三角形ABCの外心Oから直線BC, CA, ABに下ろした垂線の足をそれぞれ P, Q, R とするとき$\vec{OP}+2\vec{OQ}+3\vec{OR}=\vec{0}$
が成立しているとするとき、$\angle A$の大きさを求めよ。---
【解】例えばOPは二等辺三角形OBCの底辺の垂直二等分線である。
そのため
$\vec{OP}=(\vec{OB}+\vec{OC})/2$
$\vec{OQ}=(\vec{OC}+\vec{OA})/2$
$\vec{OR}=(\vec{OA}+\vec{OB})/2$
である。$\vec{OA}=\vec{a}$, $\vec{OB}=\vec{b}$, $\vec{OC}=\vec{c}$ とすれば、所与の等式から
$\frac{\vec{b}+\vec{c}}{2}+2\frac{\vec{c}+\vec{a}}{2}+3\frac{\vec{a}+\vec{b}}{2}=\vec{0}$
2倍して整理すれば
$5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c}=\vec{0}$
この等式に$vec{a}$, $vec{b}$, $vec{c}$ を掛ける(内積をとる)とどうなるか。外接円の半径を$1$にすれば(相似に拡大・縮小すればよい)
$\vec{a} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=4\vec{a} \cdot \vec{b}
+3\vec{c} \cdot \vec{a} +5=0$
$\vec{b} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=5\vec{a} \cdot \vec{b}
+3\vec{b} \cdot \vec{c} +4=0$
$\vec{c} \cdot (5\vec{a}+4\vec{b}+3\vec{c})=4\vec{b} \cdot \vec{c} +5\vec{c}
\cdot \vec{a} +3=0$
これを$\vec{a} \cdot \vec{b}, \vec{b} \cdot \vec{c} ,\vec{c} \cdot \vec{a}$に関する3元連立方程式と考えて解くと
$ \vec{b} \cdot \vec{c} =0$
が分かる。したがって、$\vec{OB}$と $\vec{OC}$は直交する。
あとは点Aがどこにあるかを考える。外接円の優弧BCにあるか、劣弧BCにあるかのどちらかであり、後者なら$\triangle ABC$は鈍角三角形になってしまうから、点Aは優弧上にある。よって
$\angle A =45^{\circ}$ ……(答)
(もし劣弧上なら$135^{\circ}$)である。
【問題17】 △ABCの辺BCを3等分した点のうちBに近い方の点Dをとする。このとき、等式$2AB^2+AC^2=3(AD^2+2BD^2)$が成り立つことを証明せよ。---
【証明】
出てくるベクトルをすべて$\vec{AB},\vec{AC}$で表わせばよい。
$\vec{AD} = (2\vec{AB}+\vec{AC})/3$
だから
$\vec{BD} = \vec{AD}-\vec{AB} = (1/3)(-\vec{AB}+\vec{AC})$
これを使って、目的の式の右辺を計算しよう。
$|\vec{AD}|^2=(1/9) \{ 4|\vec{AB}|^2+4\vec{AB} \cdot \vec{AC}+|\vec{AC}|^2
\}$
$2|\vec{BD}|^2= (2/9) \{|\vec{AB}|^2-2\vec{AB}\cdot\vec{AC}+|\vec{AC}|^2\}$
この2つを足して3倍すると
$3(|\vec{AD}|^2+2|\vec{BD}|^2)=$$(3/9)\{ 6|\vec{AB}|^2+3|\vec{AC}|^2\}$
$=2 |\vec{AB}|^2+ |\vec{AC}|^2$
で、左辺に等しくなりました。■
【問題18】 4点 $O(0,0,0),A(1,1,4),B(4,−2,2),C(2,2,−2)$ を頂点とする四面体において、頂点Oから辺BCに下ろした垂線と辺BCとの交点をQ、頂点Aから三角形OBCを含む面に下ろした垂線とその面との交点をRとする。
⑴ 線分OQの長さを求めよ。
⑵ 三角形OBCの面積を求めよ。---
【解】
まず
$\vec{BC} =C-B= (-2, 4, -4)$
であり、
$|\vec{BC}| =\sqrt{4+16+16}=6$
である。$\vec{BC}$ を方向ベクトルと考えて、直線BCのベクトル方程式を作ると
$(x, y, z ) = (4, -2,2 ) + t (-2, 4, -4)$
だから
$\vec{OQ} = (4-2t, -2+4t, 2-4t)$
とおける。$vec{OQ}$ と先のベクトル $\vec{BC}$ が垂直(内積ゼロ)だから
$-2(4-2t)+4(-2+4t)-4(2-4t)=0 \Rightarrow t= 2/3$
よって
$Q=(8/3, 2/3, -2/3)$
$|\vec{OQ}|=\sqrt{64/9 + 4/9 + 4/9}=2\sqrt{2}$ ……(1)の【答】
$\triangle OBC = (1/2)\times |\vec{OQ}|\times |\vec{BC}|=6\sqrt{2}$
……(1)の【答】
【問題19】 $O(0,0),A(2,0),B(1,2)$ に対して点 $P$ が次の条件を満たしながら動くとき、点 $P$ の動く範囲を求めよ。---
$\vec{OP}=s\vec{OA}+t\vec{OB},0 \leq s \leq 1、1 \leq t \leq 3$
【解】 もし
$O=(0,0),A=(1,0),B=(0,1)$
だったらとすると、
$P=(x,y),x = s (0\leq s\leq 1),y = t (1\leq t \leq 3)$
これは下図の水色の長方形の周および内部です。
これをひしゃげれば(【問題15】参照)、答はピンク色の平行四辺形の周および内部と分かります。
【別解】 $s,t$ についての方程式
$s(2,0)+t(1,2)=(x,y)$
を解いて、
$s=(2x-y)/4, t=y/2$
これを $0 \leq s \leq 1,1 \leq t \leq 3$ に代入。
$0 \leq 2x-y \leq 4,2 \leq y \leq 6$
これを図示すればよい。
【問題20】 3点 $A(2,0,0),B(0,2,0),C(0,0,3)$ が定める平面に原点 $O$ から垂線 $OH$ を下ろす。$\vec{OH}$
を $\vec{OA},\vec{OB},\vec{OC}$ で表すとどうなるか。---
【解】平面の方程式は
$\frac{x}{2} + \frac{y}{2} + \frac{z}{3} = 1$
(これをヘッセの標準形という)である。法線ベクトルは
$t (\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, \frac{1}{3})$
で、このベクトルの終点が平面上にあることから式を立てると
$\frac{1}{4}t+ \frac{1}{4}t + \frac{1}{9}t = 1$
$\frac{11}{18}t=1 \rightarrow t=\frac{18}{11}$
と分かる。よって
$\vec{OH} = \frac{18}{11}(\frac{1}{2}, \frac{1}{2}, \frac{1}{3}) $
だが、これが
$a\vec{OA} + b\vec{OB} +c\vec{OC} =a(2,0,0)+b(0,2,0)+c(0,0,3)=(2a, 2b,
3c)$
と等しいから、
$2a=\frac{9}{11}, 2b=\frac{9}{11}, 3c=\frac{6}{11}$
したがって
$\vec{OH}=\frac{9}{22} \vec{OA} +\frac{9}{22}\vec{OB}+\frac{2}{11}\vec{OC}$
……(答)
【問題21】 $1$ 辺の長さが $1$の正四面体 $OABC$ において、辺 $OA$ を $3:1$ に内分する点を $D$, 辺 $OB$ を $2:1$
に内分する点を $E$, 辺 $AC$ を $2:1$ に内分する点を $F$ とする。$3$ 点 $D,E,F$ が定める平面を $\alpha$
とし、平面 $\alpha$ と辺 $BC$ との交点を $G$ とする。このとき、$\vec{OG}$ を $\vec{OB}$ と $\vec{OC}$
を用いて表わせ。---
【解】 $OA,OB,OC$ がそれぞれ $x$ 軸, $y$ 軸, $z$軸となるように斜交座標系を導入。
$D(3/4, 0, 0)$
$E( 0, 2/3, 0)$
$F(1/3, 0, 2/3)$
となる。
平面 $\alpha$ の方程式は、ヘッセの標準形により $x/(3/4) +y/(2/3)+z/k=1$ となるはずだが $F$ の座標を代入して、$k=
6/5$ と分かるので、
$\frac{4}{3}x +\frac{3}{2}y +\frac{5}{6}z = 1$
直線 $BC$ の方程式は
$\left\{ \begin{array}{ccl} x & = & 0 \\ y & =& t \\ z & =& 1-t \end{array} \right.$
これを $\alpha$ の式に代入して $t = 1/4$ となることから、交点 $G$ は
$(x,y,z) = (0,1/4,3/4)$
よって
$\vec{OG} = 0 \vec{OA} + (1/4) \vec{OB} +(3/4) \vec{OC}$
$= \frac{1}{4} \vec{OB} +\frac{3}{4} \vec{OC}$ ……(答)
【問題22】 空間内に四面体 OABC があり、辺 BC を 1:2 に内分する点を D, 線分 OD の中点を M, 線分 AM の中点を N とする。直線
BN と平面 OAC の交点を P とするとき、$\vec{OP}$ を $\vec{OA}$ と $\vec{OC}$ で表せ。---
【解】N の位置ベクトルを求めよう。
$\vec{OD}=\frac{2 \vec{OB}+\vec{OC}}{3}$
$\vec{OM}=\frac{1}{2} \vec{OD}= \frac{1}{3}\vec{OB} +\frac{1}{6}\vec{OC}$
$\vec{ON}=\frac{\vec{OA}+\vec{OM}}{2}= \frac{1}{2}\vec{OA}+\frac{1}{6}\vec{OB}
+\frac{1}{12}\vec{OC}$
次に、P の位置ベクトルを2通りの方法で表わし、それを等しいとおけばよい。まず
$\vec{OP}=\vec{ON}+x \vec{BN}=\vec{ON}+x (\vec{ON}-\vec{OB})$
$=(1+x)\vec{ON}-x \vec{OB}=(1+x)(\frac{1}{2}\vec{OA}+\frac{1}{6}\vec{OB}
+\frac{1}{12}\vec{OC})-x \vec{OB}$
であり、平面 OAC 上にあることから
$\vec{OP}=y \vec{OA}+z \vec{OC}$
これら2つのベクトルが等しいから
$(1+x)(\frac{1}{2}\vec{OA}+\frac{1}{6}\vec{OB} +\frac{1}{12}\vec{OC})-x
\vec{OB}=y \vec{OA}+z \vec{OC}$
よって
$\frac{1+x}{2}=y,\frac{1+x}{6}-x=0,\frac{1+x}{12}=z$
だから
$x=\frac{1}{5},y=\frac{3}{5},z=\frac{1}{10}$
したがって
$\vec{OP}=\frac{3}{5} \vec{OA} +\frac{1}{10}\vec{OC}$ ……(答)
【問題23】 空間内に $O(0,0,0),A(1,2,0),B(0,1,1),C(2,0,2)$ があり、$\vec{OP}=\vec{ OA}+m \vec{OB}+n
\vec{OC}$ で $0 \leq m \leq1, 0 \leq n \leq 2$ を動くとき点 $P$ の描く図形の面積を求めよ。---
【解】 点 $P$ の描く図形は、平行四辺形である。パラメータをいろいろ動かしてみよう。具体的に言うと、$(m,n)=(0,0), (1,0), (0,2), (1,2)$ を代入すれば
$\vec{OP_{1}}=\vec{OA}$
$\vec{OP_{2}}=\vec{OA}+(0,1,1)$
$\vec{OP_{3}}=\vec{OA}+ (4,0,4)$
$\vec{OP_{4}}=\vec{OA}+(0,1,1)+ (4,0,4)$
である。
点 $A$ から2つのベクトル $\vec{u}=(0,1,1),\vec{v}=(4,0,4)$ を生やして、これを隣り合う2辺として平行四辺形を作ればよい。さて、これの面積だが、三角形の2倍だから
$S=|\vec{u}||\vec{v}|\sin \theta$
ここで2辺のなす角 $\theta$ について考えると
$\cos \theta=\frac{\vec{u} \cdot \vec{v}}{|\vec{u}|| \vec{v}|}$
$=\frac{0 \cdot 4+1 \cdot 0+1 \cdot 4}{\sqrt{0^2+1^2+1^2}\sqrt{4^2+0^2+4^2}}=\frac{1}{2}$
$\Rightarrow \theta=60^\circ$
したがって
$S=\sqrt{2}\times 4\sqrt{2}\times \sin60^\circ=4\sqrt{3}$ ……(答)
のときどこに行くかを求める。
この4点で作る平行四辺形の面積を求める。
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