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有理数と循環小数

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数学Ⅰのある教科書では、有理数を次のように定義している。

整数 $a$ と $0$ でない整数 $b$ を用いて $\frac{a}{b}$ と表すことのできる数を有理数という。

ここまではいい。その少し後で、次のように書いている。

一般に、有理数は整数、有限小数、循環小数のいずれかである。逆に、有限小数、循環小数は必ず分数の形に表すことができ、有理数である。

前半はいい。後半において「整数も分数の形に表すことができるんだけど……」 というツッコミも、まあ良しとしよう。問題は循環小数が分数の形に直せることを本文で記していないことである。それは数学Ⅲの無限等比級数の和まで先送りにされてしまっているのである。

そこで、ここでは循環小数が分数の形に直せるを示そう。

【定理】 $0.\dot{a}bc\cdots \dot{d}$ は次の分数に等しい。
   $\frac{abc \cdots d}{999 \cdots 9}$
(ただし、分母と分子の桁数は等しい。)

【証明】 $x=0.\dot{a}bc\cdots \dot{d}$ とおく。循環節の長さが $n$ ならば $10^n$ 倍して、元の数を引く。すなわち
   $10^n x=abc \cdots d.abc\cdots dabc\cdots d \cdots$
から
   $x=0.abc\cdots dabc\cdots d \cdots$
を引くと、
   $999\cdots 9 x=abc \cdots d$
よって
   $x=\frac{abc \cdots d}{999 \cdots 9}$ ■

例えば、$x=0.\dot{1}23\dot{4}$ ならば
   $x=\frac{1234}{9999}$
もっと簡単な例だと
   $0.333\cdots =\frac{3}{9}=\frac{1}{3}$
$3$ が $9$ に変わったら
   $0.999\cdots =\frac{9}{9}=1$
このことは次のように割り算を実行することによっても分かる。
   
$1=0.999\cdots$ というように 2通りの表し方があるのは、整数に限らない。例えば
   $0.123=0.122999\cdots$
のようにすべての整数、有限小数は循環小数でも表わすことができる。しかし、$0.123123\cdots$ のような循環小数を有限小数で表わすことはできない。
このように、2様にも表せたり、1様にしか表せなかったりという性質はけっこう面倒である。カントールの対角線論法で、
   $0.123000\cdots =0.122999\cdots$
という事実は表現方法の若干の工夫を余儀なくされる。


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