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プトレマイオスの定理

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文献 [1] に、プトレマイオス(英名:トレミー)の定理が余弦定理で証明できるとある。(p.168)
これに触発されて証明してみた。


§1.プトレマイオスの定理とは

「円に内接する四角形 ABCD において、
   $AB \cdot CD + AD \cdot BC = AC \cdot BD$
が成り立つ。」
   
これがプトレマイオスの定理である。


§2.余弦定理による証明

上図において
   $AB=a, BC=b, CD=c, DA=d, AC=x, BD=y$
とおく。
円に内接する四角形の対角の和は180度だから、
   $\cos B=-\cos D,\cos A=- \cos C$
である。よって変形余弦定理により
   $\frac{a^2+b^2-x^2}{2ab}=-\frac{c^2+d^2-x^2}{2cd},$
   $\frac{a^2+d^2-y^2}{2ad}=-\frac{b^2+c^2-y^2}{2bc}$
第1式から
   $cd(a^2+b^2-x^2)=ab(x^2-c^2-d^2),$
   $(ab+cd)x^2= cd(a^2+b^2)+ab(c^2+d^2)$
だが、右辺を因数分解してみよう。
   $cd(a^2+b^2)+ab(c^2+d^2)=cda^2+b(c^2+d^2)a+b^2 cd$
   $=(ca+bd)(da+bc)=(ac+bd)(ad+bc)$
同様に第2式から
   $bc(a^2+d^2-y^2)=ad(y^2-b^2-c^2),$
   $(ad+bc)y^2= bc(a^2+d^2)+ad(b^2+c^2)$
だが、右辺を因数分解すると
   $bc(a^2+d^2)+ad(b^2+c^2)=bca^2+d(c^2+c^2)a+d^2 bc$
   $=(ba+dc)(ca+db)=(ab+cd)(ac+bd)$
まとめると
   $(ab+cd)x^2=(ac+bd)(ad+bc)$,
   $(ad+bc)y^2=(ab+cd)(ac+bd)$
辺々を掛け合わせると
   $(ab+cd)x^2(ad+bc)y^2=(ac+bd)^2 (ad+bc)(ab+cd)$
よって
   $x^2y^2=(ac+bd)^2$
すなわち
   $ac+bd=xy$ ■


§3.初等幾何的証明

初等幾何による証明は [1] に載っている。前図に示してあるように
   $\angle ABE=\angle CAD$
となるように点 E を線分 BD 上に取る。さすれば
   $\triangle ABE$ と $\triangle ACD$ は相似
だから、
   $AB:BE:EA=AC:CD:DA$,
   $AB \cdot CD= AC \cdot BE$ (1)
また
   $\triangle ABC$ と $\triangle AED$ は相似
だから、
   $AB:BC:CA=AE:ED:DA$,
   $AD \cdot BC = AC \cdot ED$ (2)
(1), (2) を辺々足して
   $AB \cdot CD+ AD \cdot BC = AC \cdot BE+AC \cdot ED=AC \cdot BD$ ■


§∞.文献

[1] 瀬山士郎: 数学にとって証明とはなにか(2019),(講談社ブルーバックス)  
   
 『なっとくする数学の証明』の復刻版である。


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