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単振動の合成とベクトルの内積

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昔は「単振動の合成」と呼ぶのがふつうだったが、最近は「三角関数の合成」と言うことが多いようだ。
合成とは言っても合成関数ではなく、三角関数の単なる和であるのだから、あまりいい名前ではない。
「単振動の合成」を言い換えるのなら、もう少しいい名称を使ってほしいものだと思う。
「三角関数の和の変形」と呼ぼうかとも思うのだが、$\cos A+\cos A$ を直すのも、「和の変形」になってしまうので、この名称もよくない。

【内積の利用】
$ a\cos\theta + b\sin\theta $
を2つのベクトル
$ \vec{v}=\left[ \begin{array}{c} a \\ b \end{array} \right] ,\mbox{ } \vec{u}= \left[ \begin{array}{c} \cos \theta \\ \sin \theta \end{array} \right] $ ……(1)
の内積だと考えるとよい。

(1) は簡単に
$ | \vec{v}|| \vec{u}| \cos(\theta-\alpha) = \sqrt{a^{2}+b^{2}} \cos(\theta-\alpha) $
と変形される。
ここで2つのベクトルの位置関係によっては角は、$\theta-\alpha$ ではなく $\alpha-\theta$ になるのではないかと心配になりそうだが、$\cos$ は偶関数だからどっちでもよいのだ。
だから、合成は $r\sin(\cdots)$ より $r\cos(\cdots)$ に変形する方が楽だ。


【教科書流のやり方】


教科書に出てくる問題は前節の問題とは異なり、(1) ではなく
$ a \sin \theta + b \cos \theta $
という式を、しかも $\cos$ ではなく $\sin$ の式に変形せよ、というものだ。
まず、係数が成分となる
$ \vec{v} = \left[ \begin{array}{c} a \\ b \end{array} \right] $
というベクトルを考える。このベクトルの長さは
$ r= |\vec{v}| = \sqrt{a^{2}+b^{2}} $
であり、偏角を $\alpha$ とする。偏角の範囲は
$ 0 \leq \alpha < 2\pi $
でも
$ - \pi \leq \alpha < \pi $
でも、どちらに設定してもよい。

さて、このベクトル $\vec{v}$ を $\theta$ だけ回転してみると、上図ができる。
回転してできる新しいベクトルは、長さが $r= \sqrt{a^{2}+b^{2}}$ で変わらず、偏角は $\theta+\alpha$ になるから、新ベクトルの $y$ 成分($x$軸からの高さ)は
$ a \sin \theta + b \cos \theta = \sqrt{a^{2}+b^{2}} \sin(\theta + \alpha ) $
となる。


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