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【問題演習】整数
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目 次

【問題1】 3つの自然数$45,63,n$の最大公約数が$9$、最小公倍数が$3150$であるとき$n$を求めよ。---

【問題2】 $p$ を奇数の素数とする。また集合 $S$ を $S=\{1,2,3,\cdots,p-1 \}$ とする。そして、ある平方数との差が $p$ の倍数となる正の整数の集合を $T$ とする。$S \cap T$ の要素の個数を求めよ。---

【問題3】 $4^{n}$ が $60!$ を割り切るような最大の $n$ を求めよ。---

【問題4】 $n,p$ を任意の自然数とするとき、$n$ の $p$ 乗と $n$ の $p+4$ 乗は一の位が一致することを示せ。---


【問題1】 3つの自然数$45,63,n$の最大公約数が$9$、最小公倍数が$3150$であるとき$n$を求めよ。---

【解】 $GCM = 3^2,$
$LCM = 3^2 \times 5^2 \times 7 \times 2 $
であり、
$45 = 3^2 \times 5$
$63 = 3^2 \times 7$
だから
$n = 3^2 \times5^2 \times2= 450$ ……(答)

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【問題2】 $p$ を奇数の素数とする。また集合 $S$ を $S=\{1,2,3,\cdots,p-1 \}$ とする。そして、ある平方数との差が $p$ の倍数となる正の整数の集合を $T$ とする。$S \cap T$ の要素の個数を求めよ。---

【解】 $mod  p$ の整数全体の集合を改めて $S$ とおく。ただし $0$ は除く。集合 $S$ から $S$ への写像として
   $f : x \mapsto x^2$
を考えます。
   
この写像は2対1 になります。すなわち 2個の要素にある1個の要素が対応します。実際、$f(x) \equiv f(y)$ ならば
   $x^2 - y^2 \equiv (x+y)(x-y) \equiv 0(mod  p)$
(ただし $0<x,y<p$) ですから、
   $x \equiv y, x \equiv p-y$
つまり、$1$~$p-1$ のうちの前半
   $x \equiv 1, 2, 3, \cdots, (p-1)/2$
の各々は、後半の
   $x = p-1, p-2, \cdots, (p-1)/2+1$
とどれかと1つと2乗合同になります。( $x^2 \equiv (p-x)^2$ だから当然です。)
$S$ の像 $f(S)=T$ は2乗数の集合ですが、その要素の個数は $S$ のちょうど半分で、 $(p-1)/2$個です。
【答】 $S \cap T$ の要素は $(p-1)/2$個
【蛇足】 ある数の2乗数を平方剰余といい、どの数の2乗にもならない数を平方非剰余という。上の「平方剰余と平方非剰余は同数ある」という事実はガウスが証明を与えたことで有名です。
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【問題3】 $4^{n}$ が $60!$ を割り切るような最大の $n$ を求めよ。---

【解】 $60!$ には $2$ という因数が何個含まれるか、考えます。
(ア) $2$ の倍数が $[60 \div 2]= 30$ 個ある。
(イ) $2^2=4$ の倍数が $[60 \div 4]=15$ 個ある。
(ウ) $2^3=8$ の倍数が $[60 \div 8] =7$ 個ある。
(エ) $2^4=16$ の倍数が $[60 \div 16]=3$ 個ある。
(オ) $2^5=32$ の倍数が $[60 \div 32]=1$ 個ある。
ここで、$[\mbox{ }]$ はガウスの記号です。(小数点以下切捨てです。)
合計すると、因数 $2$ が $30+15+7+3+1=56$個含まれると分かる。
$56$ 個を $2$ 個ずつペアにすれば $4$ ができるから、$4$ という因子は半分の $28$ 個あるということになります。
【答】 $28$ 個
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【問題4】 $n,p$ を任意の自然数とするとき、$n$ の $p$ 乗と $n$ の $p+4$ 乗は一の位が一致することを示せ。---

【証明】 $10$ を法 (mod) として表わせば
   $n^{p+4} \equiv n^p$
を証明せよ、ということだ。すなわち
   $n^p(n^4-1) \equiv 0 (mod.10)$ ……①
または
   $n^p(n^2+1)(n+1)(n-1) \equiv 0 (mod.10)$ ……②
を示せばよい。
(1) $n \equiv 0$ なら①は文句なしで成り立つ。
(2) ①を見て、4乗して $1$ になる数を探す。2乗で $\pm 1$ だから、
   $n \equiv \pm 1 \Rightarrow n^2 \equiv n^4 \equiv 1$
   $n \equiv \pm 3 \Rightarrow n^2 \equiv -1 \Rightarrow n^4 \equiv 1$
これで、$n \equiv 1,3,7,9$ のときが証明された。
【蛇足】 ここに挙げた4つの数 $n \equiv 1,3,7,9$ は法の $10$ と互いに素であり、そのような数はこの4つに限られる。このとき、この4数に対して
   $n^4 \equiv 1$
となる。この事実をフェルマーの小定理という。
(3) ②を見て、$2 \times 5 \equiv 0$ に注意する。$n$ が偶数なら②の左辺は $2$ の因子を持つ。$5$ の因子の方だが
   $n \equiv \pm 2$ なら $n^2+1 \equiv 5$
   $n \equiv 4$ なら $n+1 \equiv 5$
   $n \equiv 6$ なら $n-1 \equiv 5$
これで、$n \equiv 2,4,6,8$ のときが証明された。
【蛇足】 $2 \times 5 \equiv 0$ のように $0$ でないのに掛けて $0$ になる数を零因子という。法が素数でないときに起こる現象だ。
(4) 最後に残されたのが $n \equiv 5$ のときだ。②の左辺は $5$ の因子を持ち、
   $n+1$ ($n^2+1,n-1$でもいいのだが) が偶数になる
ことにより、この場合も②の等式が成り立つ。■
【別証明】 $n^{p+4} \equiv n^p(mod.10)$より
   $n^{p-1}n(n^2+1)(n+1)(n-1) \equiv 0$
を言えばよいのだが、$p-1 \geq 0$ だから $n^{p-1}$ が $1$ になることもあるので、この部分を取り除いて
   $n(n^2+1)(n+1)(n-1) $
に、$n \equiv 0,1,2,\cdots, 9$ を代入して、いずれも $\equiv 0$ になることが確認できる。■
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