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部分分数分解

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§1. 分数の部分分数分解

部分分数分解とは、通分して足し算することの逆操作である。

【例】
分数
   $\frac{145}{168}$
を素数または素数の累乗を分母とする分数、および整数の和(または差)で表わせ。

アルゴリズム:

(1) 分母$=168$を素因数分解する。
   

(2) 異なる素数または素数の累乗を分母とする分数、および整数の和に等しいとおく。ただし、分子と整数は未知数とする。
   $\frac{145}{168}= \frac{x}{8} + \frac{y}{3} +\frac{z}{7} +k$

(3) 分母を払う。
   $145= 3 \cdot 7 x + 8 \cdot 7 y + 8 \cdot 3 z + 8 \cdot 3 \cdot 7 k$

(4) 分母を法とした合同式を作る。
   $3 \cdot 7 x \equiv 145 (mod.8) \Rightarrow 5x \equiv 1(mod.8)$
   $8 \cdot 7 y \equiv 145 (mod.3) \Rightarrow 2y \equiv 1(mod.3)$
   $8 \cdot 3 z \equiv 145 (mod.7) \Rightarrow 3z \equiv 5(mod.7)$

(5) 係数の逆元(掛けると$1$になる数)を合同式の両辺に掛ける。
   $5 \times 5 \equiv 1(mod.8)$より$5 \cdot 5 x \equiv 5 \cdot 1 \Rightarrow x \equiv 5 (mod.8)$
   $2 \times 2 \equiv 1(mod.3)$より$2 \cdot 2 y \equiv 2 \cdot 1 \Rightarrow y \equiv 2 (mod.3)$
   $3 \times 5 \equiv 1(mod.7)$より$5 \cdot 3 z \equiv 5 \cdot 5 \Rightarrow z \equiv 4 (mod.7)$

(6) 分子は分母より小さな整数として、分子を確定する。
   $\frac{145}{168}= \frac{5}{8} + \frac{2}{3} +\frac{4}{7} +k$

(7) 最後に、整数$k$を確定する。
   $\frac{145}{168}=\frac{105+112+96}{168}+k \Rightarrow k=\frac{145}{168}-\frac{313}{168} =-1$

【答その1】
   $\frac{145}{168}= \frac{5}{8} + \frac{2}{3} +\frac{4}{7} -1$

(8) 分母が素数の累乗$p^{r}$になっている分数をさらに変形したければ、分母を$p^{r},p^{r-1},\cdots,p^{2},p$に分解する。
   $\frac{5}{8} = \frac{a}{2} + \frac{b}{4} + \frac{c}{8} $
 これは分子を$p$進法($2$進法)に直すことと同じだ。$2$でどんどん割って余りを求めれば低位の数から分かり、最後の商が最高位の数である。
  
   $5_{(10)} = 101_{(2)} \Rightarrow 5= 1 \times 2^{2} + 0 \times 2^{1} + 1 \times 2^{0}$
   $\frac{5}{8} =\frac{1 \times 2^{2} + 0 \times 2^{1} + 1 \times 2^{0}} {8} = \frac{1}{2} + \frac{0}{4} + \frac{1}{8} $

【答その2】
   $\frac{145}{168}= \frac{1}{2} + \frac{1}{8} + \frac{2}{3} +\frac{4}{7} -1$



§2. 分数式の部分分数分解

こちらは数学Ⅲの積分をするときによく使うテクニックである。$\frac{1}{x+1}$や$\frac{1}{x^{2}+1}$に持って行ければ、$\log$や$\tan$が利用できる。

【例】
分数式
   $\frac{4}{x(x+2)^{2}}$
を部分分数分解せよ。

§1.では真分数(0<分子<分母なる)と整数の和に変換したように、ここでも真分数(分子の次数<分母の次数なる分数式)の和に変換する。

アルゴリズム:

(1) 分母を因数分解する。
   上記の例では既に因数分解されているから、この操作は飛ばす。

(2) 異なる既約分数式または既約分数式の累乗を分母とする分数式の和に等しいとおく。ただし、分子は分母より低次の多項式として、未定係数を使って表わす。
   $\frac{4}{x(x+2)^{2}}=\frac{a}{x}+\frac{bx+c}{(x+2)^{2}}$
  または
   $\frac{4}{x(x+2)^{2}}=\frac{a}{x} + \frac{b}{x+2}+ \frac{c}{(x+2)^{2}}$

(3) 分母を払う。
   $4 =a(x+2)^{2} + (bx+c)x$
  または
   $4 =a(x+2)^{2} + b x(x+2) +cx$

(4) 未定係数法(係数比較法)により未知数を確定する。
   $(a+b)x^{2} +(4a+c) x+ 4a \equiv 4 \Rightarrow a+b=0,4a+c=0,4a=4$
     $\Rightarrow a=1,b=-1,c=-4$
  または
   $(a+b)x^{2} +(4a+2b+c) x+ 4a \equiv 4 \Rightarrow a+b=0,4a+2b+c=0,4a=4$
     $\Rightarrow a=1,b=-1,c=-2$

(4’) 未定係数法(数値代入法)により未知数を確定する。
   例えば $x=0,-2,1$ を代入して
   $4=4a,4=-2(-2b+c),4=9a+b+c$より
     $\Rightarrow a=1,b=-1,c=-4$
  または
   $4=4a, 4=-2c, 4=9a+3b+c$より
     $\Rightarrow a=1,b=-1,c=-2$

【答】
   $\frac{4}{x(x+2)^{2}} =\frac{1}{x} - \frac{x-4}{(x+2)^{2}}$
  または
   $\frac{4}{x(x+2)^{2}} =\frac{1}{x} - \frac{1}{x+2}- \frac{2}{(x+2)^{2}}$


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