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正5角形と三角比

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【正5角形を描く】


$\pi$ を自然数で割ると、
$ k\pi, \frac{k\pi}{2},\frac{k\pi}{3},\frac{k\pi}{4},\frac{k\pi}{5},\frac{k\pi}{6},\frac{k\pi}{7},\cdots $
の系列ができる。7 分割は作図できないので、7 以上はやめておくとして、気になるのは $k\pi/5$ である。
$k=1,2,3,4$ を代入すると、
$ 18^{\circ},36^{\circ},54^{\circ},72^{\circ} $
だが、この角に対する三角比の値を求めてみよう。

正5角形(とその対角線)を描くと分かるので、数学Iの範囲内で求まる。正5角形の1辺の長さを 1 とし、対角線の長さを $x$ としよう。
$\triangle ACD$ も $\triangle BGA$ もともに $(36^{\circ},72^{\circ},72^{\circ})$ の2等辺三角形だから相似である。
$ x: 1 = 1: x-1 $
(これが黄金比)であるので、外項の積=内項の積から2次方程式を作って、解けば
$ x = \frac{1+\sqrt{5}}{2} $
が対角線の長さと分かる。


【18°の三角比】


$18^{\circ}$ に対する値を求めるために $\triangle BGA$ を取り出して考える。頂角を2等分すれば $18^{\circ}$ だから
$ \sin 18^{\circ} = \frac{x-1}{2}= \frac{\sqrt{5}-1}{4} $
であり、コサインの方は $\cos^{2}\theta+\sin^{2}\theta=1$ を使って
$ \cos 18^{\circ} = \sqrt{1-\left(\frac{\sqrt{5}-1}{4}\right)^{2}} = \frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4} $
である。

【36°の三角比】


次に、$36^{\circ}$ に対する値を求めよう。2等辺三角形 $\triangle ABE$ の両底角が $36^{\circ}$ だから、頂角 $A$ から底辺に垂線を下して、底辺を2等分する。
底辺の半分が
$ \cos36^{\circ} = \frac{1+\sqrt{5}}{4} $
であり、垂線の長さが
$ \sin36^{\circ}= \sqrt{1 - \left(\frac{1+\sqrt{5}}{4}\right)^{2} } =\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4} $
である。

【別解】


数学IIの範囲で、$18^{\circ}, 36^{\circ}$ に対する値を求めるのなら、$\theta=18^{\circ}$ とおいて、
$ 2\theta + 3\theta = 90^{\circ} $
より、
$ \cos 2\theta = \cos(90^{\circ}-3\theta) = \sin 3\theta $
となって、2倍角・3倍角の公式を使って
$ 1-2\sin^{2}\theta=3\sin\theta-4\sin^{3}\theta $
なので、$x=\sin\theta$ とおいて、3次方程式
$ 4x^{3}-2x^{2}-3x+1=0 $
を解いて、
$ x= \sin18^{\circ}= \frac{\sqrt{5}-1}{4} $
が出てくる。

【正5角形の問題】


前述したことの応用として、正5角形のいろいろなところの長さや角の大きさを求める問題が作れる。
例えば、1辺が 1 の正5角形 $ABCDE$ の頂点 $A$ から辺 $CD$ へ下ろした垂線の長さ(前掲図参照)は、前節の黄金比 $x$ を利用して、
$ x \times \cos18^{\circ}= \frac{1+\sqrt{5}}{2} \cdot \frac{\sqrt{10+2\sqrt{5}}}{4}$
$ =\frac{\sqrt{6+2\sqrt{5}} \cdot \sqrt{10+2\sqrt{5}}}{8} = \frac{4\sqrt{5+2\sqrt{5}}}{8} $
$ =\frac{\sqrt{5+2\sqrt{5}}}{2} $
となる。

もう1つの応用例として、正5角形の中心から頂点までの長さ $r$ を求めよう。この値が分かれば、半径 $r$ の円で 1辺が 1 の正5角形が描ける。
上図を参照して
$ r \cos54^{\circ}=\frac{1}{2} $
を変形して、
$ r= \frac{1}{2 \cos54^{\circ}} = \frac{1}{2 \sin36^{\circ}} = \frac{2}{\sqrt{10-2\sqrt{5}}} $
$ =\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{5-\sqrt{5}} $
$ = \frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}} \cdot \sqrt{30+10\sqrt{5}}}{20} $
$ =\frac{\sqrt{5} \cdot \sqrt{10+2\sqrt{5}}}{10} $


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