[婆茶留高校数学科☆HP] Top pageに戻る このページを閉じる
探したい言葉はここへ→

【知恵袋から】確率

Copyright (C) virtual_high_school, 2016-19

§1. サイコロ
§2. 袋の中の玉
§3. 並べる
§4. 乱歩

「YAHOO! 知恵袋」で筆者が回答したものの中から抜粋しました。

§1. サイコロ

【問題1.1】 ①10円硬貨1枚と50円硬貨1枚を同時に投げるとき、次の確率を求めよ。
   (1)2枚とも裏が出る確率
   (2)表と裏が1枚ずつ出る確率
②大小2個のサイコロを同時に投げるとき、次の確率を求めよ。
   (1)目の数が9になる確率
   (2)同じ目が出る確率
③赤球3個と白球4個の合計7個が入ってる袋から、同時に2個の球を取り出すとき、2個とも白球である確率を求めよ。また、赤球と白球が1個ずつである確率を求めよ。---


【解】① (1) (1/2)×(1/2)= 1/4 ……(答)
(2) 表裏と裏表があるので
   (1/2)×(1/2) + (1/2)×(1/2) = 1/2 ……(答)
②(1) 6+3, 5+4, 4+5, 3+6 の4通りだから
   (1/6)×(1/6)×4 = 1/9 ……(答)
(2) 片方は何でもいいから、とにかくある目が出る。もう一方がそれと同じ6個のうちの特定の目が出るのだから、
   1/6 ……(答)
③ 2個とも白は
   (4/7)×(3/6) = 2/7 ……(答)
後半は、赤白と白赤だから
   (3/7)×(4/6) + (4/7)×(3/6) = (2/7)×2 = 4/7 ……(答)

【問題1.2】 1から9までの番号札から1枚取り出し、番号を調べてから元に戻す試行を3回繰り返す。取り出した3枚の番号の和が偶数になる確率を求めよ。---

【解】 3枚とも偶数か、1枚だけ偶数だから
   $(\frac{4}{9})^3 + _{3}C_{1}×(\frac{4}{9})×(\frac{5}{9})^2$
   $=\frac{64}{729}+\frac{300}{729}=\frac{364}{729}$ ……(答)

【問題1.3】 2個のさいころを同時に投げるとき、出る目の最小値が3となるか、出る目の最大値が4となる確率を求めよ。---

【解】
   
出る目の最小値が3の確率は図(上)より、7/36
出る目の最大値が4の確率は図(下)より、7/36
   7/36 + 7/36
でいいかと言うと、ダメです。かぶっている部分があります。画像で黒丸で示したところを引かないといけません。
出る目の最小値が3 かつ 出る目の最大値が4 の確率は、2/36 なので、正解は
   7/36 + 7/36 - 2/36 = 12/36 = 1/3 ……(答)

【問題1.4】 3個のさいころを同時に投げるとき、目の積が5の倍数になる確率を求めよ。---

【解】 3数のうち一つ以上5であれば、5の倍数である。すべてが5以外である確率を求めて、1から引けばよい。
   $1-(\frac{5}{6})^3= \frac{91}{216}$ ……(答)

【問題1.5】 さいころを同時に3個ふるとき、さいころの出た目の積が6の倍数になる確率を求めよ。---

【解】余事象を考える方が簡単。
余事象は、「6が出ない」かつ「(2・4と3の両方が出る)ことがない」である。
そして、「(2・4と3の両方が出る)ことがない」は、
   「(2・4が出ない)または(3が出ない)」
だから、1~5のうち、「ア:2・4が出ない」確率+「イ:3が出ない」確率-「ウ:2・4も3も出ない」確率 を計算すればよい。
(ア) 1,3,5しか出ない確率
   $(\frac{3}{6})^3 = \frac{27}{216}$
(イ) 1,2,4,5しか出ない確率
   $(\frac{4}{6})^3 = \frac{64}{216}$
(ウ) 1,5しか出ない確率
   $(\frac{2}{6})^3 = \frac{8}{216}$
よって、余事象の確率は
   $\frac{64}{216} + \frac{27}{216} -\frac{8}{216} = \frac{83}{216}$
したがって、求める確率は
   $1 - \frac{83}{216} = \frac{133}{216}$ ……(答)

【問題1.6】 1個のサイコロを20回繰り返し投げるとき、偶数の目が12回でる確率は何パーセントか?---

【解】 ベルヌイ試行列とか独立試行の確率と言われています。その確率は
   $_{20}C_{12} ×(1/2)^{12} ×(1/2)^8$
   $= 125970 /(4096 × 256)$
   $=0.1201343$
で、約12%です。……(答)
電卓で計算できますし、二項分布を計算するサイトというのが Internet 上にいっぱいあります。

【問題1.7】 6枚のコインに1から6までの番号を1つずつ付け、初めにすべて表向きにして並べておき、以下の操作を繰り返す。
操作:サイコロを2個投げて、出た目の小さい方から大きい方までのコインを裏返す。ただし、2個のサイコロの目が同じ場合はその番号のコインのみを裏返す。
二回目の操作を終えたときに番号3と番号4のコインのうち、少なくとも一方の向きが表である確率を求めよ。---

   

【解】 「少なくとも一方の向きが表」の余事象=「3, 4ともにウラ」の確率を求めて、1 から引けばよい。
それを求める準備として、次の確率を求めよう。
(1)1回の操作で3が反転し、4が反転しない
大きい方の目が 3で小さい方の目が 3 以下だから、下表(○印)から5通りと分かる。
   
だから、その確率は
   $\frac{5}{36}$
(2)1回の操作で4が反転し、3が反転しない
4は大きい方から3番目だから、大小を逆にして考えれば(1)と同じ(表の×印)。だから、確率は
   $\frac{5}{36}$
(3)1回の操作で3, 4 がともに反転する
小さい目が(1,2,3)で、大きい目が(4,5,6) で、表の△印だから、その確率は
   $\frac{18}{36}=\frac{1}{2}$
(4)1回の操作で3 も 4 も反転しない
(小,大)の目が両方2以下か、5以上 になればよい。表の■印で、その確率は
   $\frac{8}{36}=\frac{2}{9}$
さて、2回の操作で「3, 4ともにウラ」になる場合は、
   (1)→(2)
   (2)→(1)
   (3)→(4)
   (4)→(3)
の4通りがあるから、これらの確率を合算すればよい。これを求めると
   $(\frac{5}{36} \times \frac{5}{36})\times 2+ (\frac{1}{2} \times \frac{2}{9}) \times 2 =\frac{169}{648}$
したがって、求めるべき確率は、1から引いて
   $1- \frac{169}{648}=\frac{479}{648}$ ……(答)

【問題1.8】 1個のサイコロを $n$回続けて振るとき、出る目の数を順に $x_{1},x_{2}, x_{3}, \cdots,x_{n}$ とする。次のそれぞれの確率を求めよ。ただし、$n \geq 3$ とする。
(1) $(x_{1}-3)^2+(x_{2}-3)^2+( x_{3}-3)^2+ \cdots +(x_{n}-3)^2=2$ となる確率。
(2) $(x_{1}-3)^2+(x_{2}-3)^2+( x_{3}-3)^2+ \cdots +(x_{n}-3)^2 \geq 3 $ となる確率。
(3) $(x_{1}-3)(x_{2}-3)( x_{3}-3) \cdots (x_{n}-3)=6$ となる確率。 ---


【解】(1) 平方数を足して $2$ になるのは
   $1^2+1^2+0^2+0^2+0^2+\cdots =2$
の場合しかない。そこで $n$ 回のうちのどこか $2$回で $x_{i}=2,4$ が出て、残りは $x_{j}=3$ が出ればよい。よって
   $_{n}C_{2} (\frac{2}{6})^2 (\frac{1}{6})^{n-2} =\frac{n(n-1)}{2} \cdot \frac{4}{6^{n}} =\frac{2n(n-1)}{6^{n}}$ ……(答)
(2) 余事象は
(ア) $0^2+0^2+0^2+0^2+0^2+\cdots =0$ の場合
すべての回で $x_{i}=3$ が出ればよいから
   $(\frac{1}{6})^n$
(イ) $1^2+0^2+0^2+0^2+0^2+\cdots =1$ の場合
$1$回だけ $x_{i}=2,4$ が出ればよいから
   $_{n}C_{1} (\frac{2}{6}) (\frac{1}{6})^{n-1} =n \cdot \frac{2}{6^{n}} =\frac{2n}{6^{n}}$
(ウ) $1^2+1^2+0^2+0^2+0^2+\cdots =2$ の場合
前問の答、そのものである。
よって、求めるべき確率は
   $1-\{(\frac{1}{6})^n + \frac{2n}{6^{n}} +\frac{2n(n-1)}{6^{n}} \}=\frac{6^n-1-2n^2}{6^n}$ ……(答)
(3) $x_{i}-3 =-2,-1,0,1,2,3$ だから、積が $6$ になるのは
   $3 \times 2 \times (\pm 1) \times (\pm 1) \times \cdots$
か、
   $3 \times (-2) \times (\pm 1) \times (\pm 1) \times \cdots$
のどちらかだ。2つの場合を一緒に扱って解こう。
どこの回で $x_{i}-3=3$ が出るのが$n$通りで、それ以外のどこかの回で $x_{j}-3=\pm 2$ が出るのが $n-1$通りである。そして、$3$ が出る回以外の $n-1$回の中から負数 $x_{k}-3= \pm 1$ が出る回を偶数回選ばねばならない。それが
   $_{n-1}C_{0}+_{n-1}C_{2}+_{n-1}C_{4}+ \cdots =2^{n-2}$
通りある。だから、積が $6$ になる目の出方は
   $n(n-1)2^{n-2}$通り
である。あるいは、下図のように箱を $n$ 個用意しておいて、$3$ と $2$ を1個ずつ入れ、残りの箱にはすべて $1$ を入れ、その後負号を$3$以外の偶数個の箱の中に入れる、と考えてもよい。
   
サイコロの目の出方は全部で $6^n$通りあるから、求めるべき確率は、
   $\frac{ n(n-1)2^{n-2}} {6^n}=\frac{n(n-1)}{4 \cdot 3^n}$ ……(答)
【蛇足】(3)で
   $_{m}C_{0}+_{m}C_{2}+_{m}C_{4}+ \cdots =2^{m-1}$
という公式を使った。この等式は、二項定理:
   $(1+x)^m= _{m}C_{0}+_{m}C_{1}x+_{m}C_{2}x^2+ _{m}C_{3}x^3 + \cdots $
に $x=1,-1$ を代入して
   $ _{m}C_{0}+_{m}C_{1}+_{m}C_{2}+ _{m}C_{3} + \cdots =2^m$
   $ _{m}C_{0}-_{m}C_{1}+_{m}C_{2}- _{m}C_{3} + \cdots =0$
を辺々足して2で割れば出てくる。

【問題1.9】 正二十面体、正八面体のサイコロを振りそこで出た目の数をそれぞれ A, Bとします。このときの $A \times (1.2+B \times 0.1)$ の期待値を求めよ。---

【解】 期待値は
   $\sum (\mbox{出た目の数} \times P_{i})$
だから
   $e=\displaystyle \sum_{a=1}^{20} \displaystyle \sum_{b=1}^{8} a \times (1.2+b \times 0.1) \times \frac{1}{20} \times \frac{1}{8}$
   $=\frac{1}{20} \times \frac{1}{8} \times \displaystyle \sum_{a=1}^{20} a \displaystyle \sum_{b=1}^{8} (1.2+b \times 0.1) $
   $=\frac{1}{160} \displaystyle \sum_{a=1}^{20} a (8 \times 1.2 + 0.1 \times \frac{8(8+1)}{2}) $
   $=\frac{13.2}{160}\displaystyle \sum_{a=1}^{20} a$
   $=\frac{13.2}{160}\times \frac{20(20+1)}{2}$
   $=\frac{13.2}{160}\times 210=17.325$ ……(答)
【別解】 期待値の公式より
   $e=E(A \times (1.2+B \times 0.1))=E(1.2 A+0.1 AB)$
   $=1.2E(A)+0.1E(AB)$
ここで2つの確率変数 $A, B$ は独立だから
   $E(AB)=E(A)E(B)$
が成り立つので
   $e=E(A) (1.2+0.1E(B))$
である。ところで、期待値は真ん中の値が出ることだから
   $E(A)=\frac{1+20}{2}=\frac{21}{2},$
   $E(B)=\frac{1+8}{2}=\frac{9}{2}$
となり、
   $e=\frac{21}{2} (1.2 +0.1 \times \frac{9}{2})$
   $=17.325$ ……(答)
【蛇足】 確率変数 $A,B$ が独立なら
   $E(XY)=E(X)E(Y)$
になります。なぜなら
   $左辺=\displaystyle \sum_{i,j} x_{i} y_{j} P(X=x_{i},Y=y_{j})$
   $=\displaystyle \sum_{i,j} x_{i} y_{j} P(X=x_{i})P(Y=y_{j})$
   $=\displaystyle \sum_{i} x_{i} P(X=x_{i}) \displaystyle \sum_{j} y_{j} P(Y=y_{j})$
   $=E(X)E(Y)$
となるからだ。
 PageTopへ


§2. 袋の中の玉

【問題2.1】 5 本のくじがあって、その中に 2 本の当たりくじが入っている。この中から同時に、2 本引いて、2 本とも当たれば、10,000 円もらえる。1 本しか当たらなければ、1,000 円もらえる。 もし、1 本も当たらなければ、5,000 円支払う。このくじの期待値を求めよ。---

【解】
2本当たりの確率$=(2/5)×(1/4) = 2/20 $
1本当たりの確率$=(2/5)×(3/4)×2 = 12/20$
0本当たりの確率$=(3/5)×(2/4) = 6/20$
よって
   $期待値= 1万 \times (2/20) + 千 \times (12/20) - 5000\times (6/20) $
   $= 2000/20 = 100円$ ……(答)

【問題2.2】 赤、青、黄、緑の 4色の玉が 1個ずつ合計 4個入っている袋から、玉を 1個取り出してその色を記録し袋に戻す試行を、繰り返し 4回行う。こうして記録された相異なる色の数を $X$ とするとき、$X$ の値が $k$ である確率 $P_{k}(k=1,2,3,4)$ を求めよ。---

【解】(ア)$k=1$ すなわちすべて同じ色
どの色が出るかで 4通りあるから
   $P_{1}=4 \times (\frac{1}{4})^4 =\frac{4}{256}=\frac{1}{64}$
(イ)$k=2$
●○○○タイプと、●●○○タイプがある。
前者は、色の選び方が $4 \times 3$ 通りで、玉の出る順が $_{4}C_{1}$ 通り。
後者は、色の選び方が $_{4}C_{2}$ 通りで、玉の出る順が $_{4}C_{2}$ 通り。
   $P_{2}=12 \times 4 \times (\frac{1}{4})^4 + 6 \times 6 \times (\frac{1}{4})^4 =\frac{48}{256}+\frac{36}{256}=\frac{84}{256}=\frac{21}{64}$
(ウ)$k=3$
●○△△タイプしかない。
色の選び方が $4 \times _{3}C_{2}$ 通りで、玉の出る順が $\frac{4!}{1!1!2!}$ 通り。
   $P_{3}=12 \times 12 \times (\frac{1}{4})^4 =\frac{144}{256}=\frac{9}{16}$
(エ)$k=4$ すなわち全色出る
異なる4色が出る順が $_{4}P_{4}=4!$ 通りある。
   $P_{4}=24 \times (\frac{1}{4})^4 =\frac{24}{256}=\frac{3}{32}$
【蛇足】検算してみると
   $\frac{4}{256}+ \frac{84}{256} +\frac{144}{256}+\frac{24}{256}=\frac{256}{256}=1$

【問題2.3】 赤玉1個と白玉5個が入ってる箱があります。次の操作を行います。箱から2個の玉を取り出し、取り出した玉のうち赤玉は箱に戻し白玉は箱に戻さない。
1) 操作を1回おこなうとき、赤玉白玉1個ずつ取り出す確率は?

2) 1回目に赤玉、白玉1個ずつ取り出したとき、2回目は赤玉1個、白玉ア個の合計(ア+1)個から2個取り出したことになる。
また1回目に白玉2個取り出したとき2回目は赤玉1個、白玉イ個の合計(イ+1)個から2個取り出したことになる。
ア、イを求めてください。

3) 1回目に白玉2個取り出し、2回目に赤玉1個と白玉1個取り出す確率はいくつか? また、このとき2回の操作の後、箱の中はいくつ玉がはいっているか?

4) 2回目に赤玉1個と白玉1個を取り出す確率は?

5) 操作を2回行った後、箱の中には3個玉がはいっている確率は?---

【解】
1) 操作を1回おこなうとき赤玉白玉1個ずつ取り出す確率
(赤1,白5)→赤白 だから
   $\frac{5}{ _{6}C_{2}} = \frac{1}{3}$ …答

2)(前半) 1回目に赤玉、白玉1個ずつとりだしたとき、
   (赤1,白5)→赤白 ⇒ (赤1,白4)
ア=4 ……答

2)(後半) 1回目に白玉2個取り出したとき
   (赤1,白5)→白白 ⇒ (赤1,白3)
イ=3 ……答

3) 1回目に白玉2個とりだし 「かつ」 2回目に赤玉1個と白玉1個取り出す確率は
   (赤1,白5)→白白 ⇒ (赤1,白3)→赤白
「かつ」だから積の法則で
   $\frac{_{5}C_{2}}{_{ 6}C_{2}} × \frac{_{3}C_{2}}{_{ 4}C_{2}} =\frac{ 1}{3}$
このとき2回の操作の後、箱の中には(赤1,白2)で計3個玉がはいっている。
3個 ……答

4) 2回目に赤玉1個と白玉1個を取り出す確率は
   (赤1,白5)→赤白 ⇒ (赤1,白4)→赤白

   (赤1,白5)→白白 ⇒ (赤1,白3)→赤白 …… 1/3
の確率を足すことになる。
前者は、$\frac{1}{3} × \frac{4}{_{ 5}C_{2}} = \frac{2}{15}$ なので
   2/15 + 1/3 = 7/15 ……答

5) 操作を2回行った後箱の中には3個玉がはいっているということは、玉の合計数は
   6個→5個→3個か、
   6個→4個→3個
の変化しかない。前者は
   (赤1,白5)→赤白 ⇒ (赤1,白4)→白白
で、後者は
   (赤1,白5)→白白 ⇒ (赤1,白3)→赤白 …… 1/3
だ。前者を計算すると
   $\frac{1}{3} × \frac{_{4}C_{2}} {_{5}C_{2}} = \frac{1}{5}$
なので
1/5 + 1/3 = 8/15 ……(答)

【問題2.4】 赤い玉が 5 個、白い玉が 7 個入っている袋の中から、3 個の玉を同時に取り出すものとする。このとき、取り出した玉の中に入っている赤い玉の個数の期待値を求めよ。---

【解】
赤0個の確率 $= _{7}C_{3} /_{ 12}C_{3} = 35/220$
赤1個の確率 $ =_{ 5}C_{1}×_{7}C_{2} /_{ 12}C_{3} = 105/220$
赤2個の確率 $= _{5}C_{2}×_{7}C_{1} /_{ 12}C_{3} = 70/220$
赤3個の確率 $= _{5}C_{3} / _{12}C_{3} = 10/220$
だから
   $0 \times (35/220) + 1 \times ( 105/220) + 2 \times ( 70/220 )+ 3 \times( 10/220)$
   $= 275/220 = 5/4$個 ……(答)

【問題2.5】 袋Xには白玉3個と黒玉2個、袋Yには白玉2個と黒玉3個が入っている。袋Xから2個の玉を取り出して袋Yに入れた後、よくかき混ぜて、袋Yから1個の玉を取り出す。白玉が出たときに、それが初めから袋Yに入っていた玉である確率を求めよ。---

【解】 まず、求めるべき条件付き確率 $P$ は
   $P =P(\mbox{白出る} \cap \mbox{元からの玉}) / P(\mbox{白出る} )$
であることに注意する。XからYへの玉の移動を、白白、白黒、黒黒の3つの場合に分けて考える。
(ア) Xから白白が移る確率は
   $\frac{3}{5} \times \frac{2}{4}=\frac{3}{10}$
   
このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
   $\frac{4}{7},$
   $\frac{2}{7}$
だから、白白が移動して白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
   $p_{1}=\frac{3}{10} \times \frac{4}{7} =\frac{12}{70},$
   $q_{1}=\frac{3}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{6}{70}$
(イ) Xから白黒が出る確率は
   $\frac{3}{5} \times \frac{2}{4} \times _{2}C_{1}=\frac{6}{10}$
   
このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
   $\frac{3}{7},$
   $\frac{2}{7}$
であるので、白黒が移動して白が出る確率は
   $p_{2}=\frac{6}{10} \times \frac{3}{7} =\frac{18}{70},$
   $q_{2}=\frac{6}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{12}{70}$
(ウ) Xから黒黒が移る確率は
   $\frac{2}{5} \times \frac{1}{4}=\frac{1}{10}$
   
このあと、Yから白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
   $\frac{2}{7},$
   $\frac{2}{7}$
であるので、白白が移動して白が出る確率と、元からあった白が出る確率はそれぞれ
   $p_{3}=\frac{1}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{2}{70},$
   $q_{3}=\frac{1}{10} \times \frac{2}{7} =\frac{2}{70}$
以上より、求めるべき条件付き確率は
   $P=(q_{1}+q_{2}+q_{3})/( p_{1}+p_{2}+p_{3})$
   $=(\frac{6}{70}+\frac{12}{70}+\frac{2}{70} )/(\frac{12}{70}+\frac{18}{70}+\frac{2}{70})$
   $=\frac{20}{70} / \frac{32}{70}=\frac{5}{8}$ ……(答)

【問題2.6】 5種類の数字 $-1,0,1,2,3$ が書かれた玉がそれぞれ2個ずつ、計10個袋に入っている。
(1) 袋から玉を同時に3個取り出すとき、それらの玉に書かれている最も大きな数と最も小さな数の差が2以上になる確率を求めよ。
(2) 袋から玉を同時に3個取り出し、それらの玉に書かれている数の和を記録してもとに戻すという反復試行を500回行う。ちょうど $n$個の 0 が記録される確率を$p_{n}$とおくとき、$p_{n+1}/p_{n}$ を $n$ の式で表せ。また、$p_{n}$ が最大となるときの $n$ を求めよ。---


【解】 (1) 10個から3個の玉を取る方法は $_{10}C_{3} = 120$通り。(ただし同じ番号であっても玉を区別する。)
余事象を考える。差が2未満は、
(ア) 2個の玉が $x$ で、もう1個の玉が $x+1$ のときか、
(イ) 2個の玉が $x+1$ で、もう1個の玉が $x$ のとき。
   $4 \times 2 + 4 \times 2 = 16$通り。
これの余事象の確率だから
   $1- \frac{16}{120} = \frac{104}{120} = \frac{13}{15}$ ……(答)
(2) 和がゼロになるのは
(ア) $-1, 0,1$ か
(イ) $-1,-1, 2$
のどちらかだから、1回の試行でゼロになる確率は
   $\frac{2 \times 2 \times 2 + 2}{120} = \frac{1}{12}$
反復試行(二項分布、ベルヌイ試行列)の公式から
   $p_{n}= _{500}C_{n} (\frac{1}{12})^n (\frac{11}{12})^{500-n}$
だから
   $\frac{p_{n+1} }{ p_{n}} = \frac{n! (500-n)!}{(n+1)!(499-n)! } \cdot \frac{1}{12} /\frac{11}{12}$
   $=\frac{500-n}{11n+11}$ ……(答)
ここで
   $\frac{p_{n+1}}{p_{n}} \geq 1$
を解くと
   $n \leq \frac{489}{12} = 40.75$
つまり
   $\frac{p_{41}}{p_{40}} >1, \frac{p_{42}}{p_{41}} <1$
$n=0$~$41$まで単調増加し、 $n=41$~$500$では単調減少する。すなわち、$n=41$ で最大。 ……(答)
 PageTopへ


§3. 並べる

【問題3.1】 10個の文字、HIGHSCHOOLを一列に並べる。
⑴ I,G,H,H,Hに関して、この順に並ぶ確率を求めよ。
⑵ O,H,H,H,Oに関してこの順に並ぶ確率を求めよ。---


【解】⑴ I,G,H1,H2,H3の並べ方は、5!通り。
H1,H2,H3を区別しないと考えると、これの並べ方が3!通り。
   $\frac{3!}{5!} = \frac{1}{20}$ ……(答)
⑵ O1,H1,H2,H3,O2の並べ方は、5!通り。
O1,O2を区別せず、H1,H2,H3も区別しないと考えると、これの並べ方が2!×3!通り。
   $\frac{2!\times 3!}{5!} = \frac{1}{10}$ ……(答)

【問題3.2】 2本の当たりくじを含む102本のくじを、一回に1本ずつ、くじがなくなるまで引き続ける。n回目に2本目の当たりくじが出る確率を求めよ。---

【解】 102本でなく6本だとし、n=4回目だとしてみましょう。 1回目から6回目までのくじの出方が例えば
   (  ,  ,  , n ,  ,  )
     ↓↓↓
   (×,○,×,○,×,×)
のようになればいいのです。
6ヵ所中2ヵ所に○を置くときに、n番目には○が来て n番目より前に もうひとつの○が来ればいいので、
   $_{6}C_{2} = \frac{6!}{2!4!} = 15$
通りのうちの
   $ n-1 = 3$
通りで、 答は 3/15 = 1/5 です。 これの類推で、本問の解答は
   $P =\frac{n-1}{_{102}C_{2}} =\frac{n-1}{5151}$ 
です。

【問題3.3】 集団検診での特定の病気のスクリーニング検査を考える。ある病気に罹患している場合に検査で陽性と判定される確率が0.99、罹患していないにも関わらず陽性と判定される(疑陽性)確率が0.02であるスクリーニング検査について
   ①検査を受ける人の罹患率が0.5のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患している確率は?
   ②検査を受ける人の罹患率が0.003のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患している確率は?
   ③検査を受ける人の罹患率が0.003のとき、陽性と判定された人が検査対象の病気に罹患していない確率は?---


【解】 二又の先がさらに二又に分かれた樹形図(下図)を書きます。
   
罹患率を p としました。 (ア)~(エ)の確率は積の法則で求まります。
さて、①と②の確率 P は
   $P =\frac{ \mbox{(ア)}}{\mbox{(ア + ウ)}} =\frac{0.99p}{0.99p +0.02(1-p)} =\frac{0.99p}{0.97p +0.02}$
で出ます。
① $p=0.5$ を代入して $P = 0.980198 \doteq 98\%$
② $p=0.003$ を代入して $P = 0.129638 \doteq 13\%$
③ これは②の余事象ですから $100\% -13\% = 87\%$

【問題3.4】 袋の中に$ 1,2,\cdots,11$ が1つずつ書かれたカードが計11 枚入っている。この袋の中から同時に2枚のカードを取り出す。取り出 した2枚のカードに書かれた数の和について、偶数となる事象を $A$ , 9 の倍数となる事象を $B$ とする。
( 1 ) 取り出した2枚のカードに書かれた数が 1 と 11 である確率を求めよ 。
( 2 ) $A$ が起こる確率を求めよ 。
( 3 ) $B$ が起こる確率を求めよ。また$A$ が起こったときの$B$ が起こる条件付き確率 を求めよ 。---


【解】 (1) $\frac{1}{ _{11}C_{2}} =\frac{ 1}{55}$ ……(答)
(2) 奇数になるのは、奇と偶が出るときだから
   $(6×5)/55= 6/11$
余事象なので
   $P(A) = 1 - 6/11 = 5/11$ ……(答)
(3) $P(B)$は
   (1,8),(2,7),(3,6),(4,5),(5,4),(6,3),(7,2),(8,1),(7,11),(8,10),(10,8),(11,7)
となればよいから
   $P(B) = 12/55$ ……(答)
後半は
   $P_{A}(B) = P(A∩B)/P(A)$
より、
   $P(A∩B)$

   (7,11),(8,10),(10,8),(11,7)
に該当するから
   $P(A∩B) = 4/55$
よって
   $P(A∩B)/P(A) = 4/55 ÷ 5/11 = 4/25$ ……(答)

【問題3.5】 AチームとBチームのサッカーの試合において、じゃんけんで勝った方を先攻とし、あいこの場合はAチームを先攻と決めた。このとき、3回の試合の先攻を決める場合にあいこが1度も起きず、Bチームが少なくとも一度は先攻になる確率を求めよ。---

【解】 3回連続、あいこ(1/3)が起きないのは
   $(1-1/3)^3 = (2/3)^3$
この中にはBが一度も先攻になれない(=3回ともA先攻の)確率
   $(1/3)^3$
が含まれているので、それを引く。
   $8/27 - 1/27=7/27$ ……(答)

【問題3.6】 次のようなマークシートがあります
   回答1 a b c
   回答2 a b c
   回答3 a b c
   回答4 a b c
   回答5 a b c
   回答6 a b c
(1) aを4つ、bを2つ、cを塗らないマークシートの塗り方は何通りですか?
(2) 回答1のマークシートの塗り方は何通りか。/また、マークシート全ての塗り方は全部で何通りか。/また、cだけ塗らないようにするマークシートの塗り方は何通りか。
(3) 回答1つに対してマークシートのa,b,cのいずれかを確率3分の1で適当にぬる。このとき回答1から回答6のマークシートにおいてa,b,cをそれぞれ1つ以上塗る確率はいくつか? /また、a,b,cをそれぞれ2つずつ塗る確率はいくつか?---

【解】 (1) a a b a a b
のように並べればいいです。
   $\frac{6!}{4!2!} = 15$ 通り ……(答)

(2-1) 回答1のマークシートの塗り方は何通りか?
   a か b か c の 3通り ……(答)

(2-2) マークシート全ての塗り方は
   $3×3×3×3×3×3 = 3^{6} = 729$ 通り……(答)

(2-3) cだけ塗らないようにするマークシートの塗り方は何通りか。
   $2×2×2×2×2×2 = 2^{6} = 64$ 通り……(答)

(3-1) タイプを3つに分けて考える。
【タイプ1】 abc aaa (4個+1個+1個型)
   a,b,cのうちどれを4個にするかで3通り、並べ方が6!/(4!1!1!)=30通りなので
   $3×30×(1/3)^{6} =\frac{90}{729}$
【タイプ2】 abc aab (3個+2個+1個型)
   a,b,cのうちどれを3個にし、どれを2個にするかで3×2=6通り、並べ方が6!/(3!2!1!)=60通りなので
   $6×60×(1/3)^{6} =\frac{360}{729}$
【タイプ3】 abc abc (2個+2個+2個型)
   並べ方が6!/(2!2!2!)=90通りなので
   $90×(1/3)^{6} =\frac{90}{729}$
☆タイプ1~3を合計して
   $\frac{90+360+90}{729} = \frac{540}{729} = \frac{20}{27}$……(答)

(3-2) 上記のうちの【タイプ3】だから
   $\frac{90}{729} = \frac{10}{81}$……(答)

【問題3.7】 じゃんけんを3人でして、負けたものから順に抜けていき、最後に残った1人を優勝者とする。あいこも一回と数えるとき、次の確率を求めよ。
(1) 1回目で優勝者が決まる確率
(2) 1回目終了後に2人残ってる確率
(3) ちょうど3回目で優勝者が決まる確率 ---


【解】(1) 1回目にA君が出した手より弱い手(その確率は $1/3$)をB君、C君の2人が出せばよいから
   $\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} =\frac{1}{9}$
優勝者は3通りあるから、3倍して求めるべき確率は、
   $\frac{1}{9} \times 3 =\frac{1}{3}$ ……(答)
(2) 1回目にA君が出した手より強い手をB君、C君の2人が出せばよいから……。
なんだ、前問と弱と強が入れ替わっただけだから、答は同じで
   $\frac{1}{3}$ ……(答)
ついでに1回目にあいこになる確率は余事象で
   $1-\frac{1}{3}-\frac{1}{3}=\frac{1}{3}$
(3)ちょうど3回目で優勝者が決まる場合を場合分けすると
① あいこ→あいこ→1人勝ち
   $\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} \times \frac{1}{3}=\frac{1}{27}$
② あいこ→1人負け→2人中1人勝ち
   $\frac{1}{3} \times \frac{1}{3} \times (\frac{1}{3} \times 2) =\frac{2}{27}$
③ 1人負け→2人であいこ→2人で1人勝ち
   $\frac{1}{3} \times (1-\frac{2}{3} ) \times \frac{2}{3} =\frac{2}{27}$
①~③を合計して求めるべき確率は、
   $\frac{1}{27}+\frac{2}{27}+\frac{2}{27}=\frac{5}{27}$ ……(答)

【問題3.8】 A, B, C, D, E, F の 6チームがあり、それぞれのチームは他のチームと 1試合ずつ試合を行う。各試合において、両チームの勝つ確率はどちらも $1/2$ で、引き分けはないものとする。
(1) 5戦全勝のチームが現れる確率を求めよ。
(2) 6チームの勝ち数がすべて異なる確率を求めよ。
(3) 4勝1敗のチームがちょうど3チーム現れる確率を求めよ。---

【解】 (1) 全部で $_{6}C_{2} = 15$ 試合行なわれます。(のべ勝ち数は 15チームである。) だから、試合結果は $2^{15}$ 通りで、これが分母になる。
あるチーム(選び方が 6通り)が 5勝します。残り10試合はどうでもいいから、$2^{10}$ 通り。
   $\frac{6 \times 2^{10}}{2^{15}} = \frac{3}{16}$ ……(答)
(2) どこが 5勝するかが 6通り、
残り 5チームのどこが 4勝するかが 5通り、
残り 4チームのどこが 3勝するかが 4通り、
残り 3チームのどこか 2勝するかが 3通り、
残り 2チームのどっちが 1勝するかが 2通り。(残った1チームは全敗。)
   $\frac{6 \times 5 \times 4 \times 3 \times 2}{2^{15}} = \frac{45}{2048}$ ……(答)
(3) どの 3チームが 4勝するかで $_{6}C_{3}=20$ 通り。この3チームを甲, 乙, 丙としよう。この3チームが相互に計3試合を闘うが、この3試合でのべ勝ち数=3が発生する。
のべ勝ち数=3を3チームで分け合うのだが、
   (甲, 乙, 丙)=(2勝,1勝,0勝) → 丙が4勝1敗にならないから、ありえない
   (甲, 乙, 丙)=(1勝,1勝,1勝) → いわゆる三すくみである(グー>チョキ>パー)
三すくみは甲>乙>丙 と 甲<乙<丙 の2種類がある。
甲, 乙, 丙以外の残り3チームは、(2勝,1勝,0勝)に分かれる(3!=6通り)か、三すくみ(2通りある)のどちらかだから、
   $\frac{20\times 2 \times (6+2)}{2^{15}} = \frac{5}{512}$ ……(答)

【問題3.9】 スペードA.J.Q.KとハートのJ.Q.Kが書かれたトランプのカードが1枚ずつある。
(1) この7枚を無作為に横一列に並べる並べ方は全部でいくつか?
(2) 左端がAである確率はいくらか? /また左端がスペードである確率はいくらか?
(3) スペードとハートが交互で並ぶ確率はいくらか?
(4) 3枚のハートが連続して並ぶ確率はいくらか? /どの2枚のハートも隣合わない確率はいくらか?
(5) .スペードのKとハートのKが隣あう確率はいくらか? /スペードのKとハートのKの間に2枚以上のカードがある確率はいくらか?---


【解】
(1) 7枚を横一列に並べる時並べ方
   7! = 5040 通り……(答)

(2-1) 左端がAである確率
   □●●●●●●
で、□に7枚中の1枚のエースが来るのだから
   1/7……(答)

(2-2) 左端がスペードである確率
   □●●●●●●
で、□に7枚中の4枚のスペードが来るのだから
   4/7……(答)

(3) スペードとハートが交互で並ぶ確率
まずスペード4枚を
   ●●●●
のように並べておく。
この隙間に
   |●|●|●|●|
のようにハートが入っていく。
1枚目のハートが所定の場所に入る確率は 3/5
2枚目のハートは
   |●|●|♡|●|●|
のように6ヵ所の隙間のうち、2ヵ所に入れるから 2/6
3枚目のハートは
   |●|●|♡|●|♡|●|
のように7ヵ所の隙間のうち、1ヵ所にしか入れないから 1/7
あとは積の法則で
   $\frac{3}{5} \times \frac{2}{6} \times \frac{1}{7} = \frac{1}{35}$……(答)

(4-1) 3枚のハートが連続して並ぶ確率
初めにスペード4枚とハートのJの計5枚を
   ● ♡ ●●●
のように並べておく。
この隙間に
   |●| ♡ |●|●|●|
のように残りのハートが入っていく。
ハートのQは6ヵ所の隙間のうち2ヵ所に入れるから 2/6
続いて、ハートのKは
   |●| ♡ | ♡ |●|●|●|
7ヵ所の隙間のうち3ヵ所に入れるから 3/7
積の法則により、
   $\frac{2}{6} \times \frac{3}{7} = \frac{1}{7}$ ……(答)

(4-2) どの2枚のハートも隣合わない確率
初めにスペード4枚を
   ●●●●
のように並べておく。
この隙間に
   |●|●|●|●|
ハート3枚が入っていく。
1枚目のハートは5ヵ所の隙間のうち5ヵ所に入れるから 5/5
   |●|●| ♡ |●|●|
2枚目のハートは6ヵ所の隙間のうち4ヵ所に入れるから 4/6
   |●|●| ♡ |●| ♡ |●|
3枚目のハートは7ヵ所の隙間のうち7-4=3ヵ所に入れるから 3/7
あとは積の法則で
   $\frac{5}{5} \times \frac{4}{6} \times \frac{3}{7} =\frac{ 2}{7}$……(答)

(5-1) スペードのKとハートのKが隣りあう確率
初めにハートのK以外の6枚を並べておく。
   |●|K|●|●|●|●|
ハートのKが7ヵ所の隙間のうち2ヵ所に入れるから、2/7……(答)

(5-2) スペードのKとハートのKの間に2枚以上のカードがある確率
これが難しい。3つに場合分けする。初めにハートのK以外の6枚を並べておく。
【ア】スペードのKが端にある場合
   |K|●|●|●|●|●|
スペードのKが端に来て(2/6)、
ハートのKが7ヵ所の隙間のうち4ヵ所に入れるから、
   (2/6)×(4/7) = 8/42
【イ】スペードのKが端から2枚目にある場合
   |●|K|●|●|●|●|
スペードのKが端から2枚目に来て(2/6)、
ハートのKが7ヵ所の隙間のうち3ヵ所に入れるから、
   (2/6)×(3/7) = 6/42
【ウ】スペードのKが端から3枚目にある場合
   |●|●|K|●|●|●|
スペードのKが端から3枚目に来て(2/6)、
ハートのKが7ヵ所の隙間のうち3ヵ所に入れるから、
   (2/6)×(3/7) = 6/42
【ア】~【ウ】を足し合わせて
   $\frac{8}{42}+\frac{6}{42}+\frac{6}{42} = \frac{20}{42} = \frac{10}{21}$……(答)
 PageTopへ


§4. 乱歩

【問題4.1】 数直線上において、pは原点、qは4のところに位置し、そこを出発点とする。1個のさいころを投げて、
   1、2の目が出ればpは+2、qは−2 移動。
   3の目が出ればpは+1、qは−1 移動。
   4、5、6の目が出ればp、qは移動しない。
(1) このとき、さいころを2回投げて、p、qの座標が等しくなる確率を求めよ。
(2) さいころを3回投げたとき、p≧qとなる確率を求めよ。---

【解】 [1] p、qの座標が等しくなる確率だが、
   (2歩ずつ歩み寄る)and(動かない) or
   (動かない)and(2歩ずつ歩み寄る) or
   (1歩ずつ歩み寄る)and(1歩ずつ歩み寄る)
だから
   $\frac{1}{3} \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{3} + \frac{1}{6} \cdot \frac{1}{6} = \frac{13}{36}$ ……(答)
[2] 3回投げたとき、p≧qとなる確率だが、これの余事象(p<q)は
   0歩,0歩,0歩 …… $\frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} = \frac{1}{8}$
   0歩,0歩,1歩 とこれの並べ替え…… $\frac{1}{2}\cdot \frac{1}{2}\cdot \frac{1}{6} \cdot 3 = \frac{1}{8}$
合わせて 1/4だから、求める確率は
   $1 - \frac{1}{4} =\frac{3}{4}$ ……(答)

【問題4.2】 正五角形の頂点を図のようにO,A,B,C,Dとする。
   
はじめに点PはOにありサイコロを投げ出た目の数だけ反時計回り(O→A→B→C→D)の向きに頂点を移動する。サイコロは最大3回まで投げられ点PがOに達した時、サイコロを投げるのを止めるものとする。
例えばサイコロを投げて出た目が順に1,5,3のとき点PはO→A→A→Dのように移動する。またサイコロを投げ出た目が順に2,3のとき点PはO→B→Oのように移動し点Oに達しているので3回目のサイコロは投げられない。
㈠ 3回までサイコロが投げられた場合で点Pの移動は例えばO→A→A→Oのように示される。このうち最も確率の高いものは何か。それを示しその時の確率を求めよ。
㈡ 2回サイコロを投げたとき、点PはCにあった。この時1回目の移動で点PがBにあった確率を求めよ。---


【解】 1回振ると、0~5コマ、進みます。その確率は1コマ前進だけ 2/6 で、他は 1/6 です。
3回振ったときの、ある進み方の確率は
   □×□×□
のようになります。□に入る数は 2/6 または 1/6 です。
また、□3個の積でなく、1~2個の積のこともあります(途中、Oで打ち止めした場合)

㈠ の答は、できるだけ大きい数を掛け合わせて
   (2/6)×(2/6)×(2/6) = 1/27
経路は
   O→A→B→C

㈡ 可能性がゼロでないのは
   O→A→C
   O→B→C
   O→C→C
   O→D→C
の4通りで、その確率はそれぞれ
   (2/6)×(1/6) = 2/36
   (1/6)×(2/6) = 2/36
   (1/6)×(1/6) = 1/36
   (1/6)×(1/6) = 1/36
で、合計は 6/36 である。したがって、1回目がBにあった(すなわちO→B→Cの)条件付き確率は
   $\frac{2/36}{6/36} = 1/3$ ……(答)

【問題4.3】 正五角形 ABCDE があり、点 P は次の規則に従って頂点を動いていく。
(操作) 硬貨とサイコロを 1個ずつ同時に投げる。表が出れば、反時計回りにさいころの目の数だけ頂点を動く。裏が出れば、時計回りにさいころの目の数だけ頂点を動く。
最初 P が A にあるとし、次の確率を求めよ。
(1) 1回目の操作後に P が A にある確率、Bにある確率、Cにある確率。
(2) 2回目の操作後に、P が A にある確率。
(3) 3回目の操作後までに、P が A にある回数が 2回である確率。ただし、最初に P があるのと、動いている間に A を通過するのは認めない。
(4) 3回目の操作後までに P が A にある回数が 2 であるという条件のもとで、2回目の操作後に P が A にあった条件つき確率。 ---

   

【解】(1) A にある(0°回転の)確率だが、5の目が出ればよいから
   $\frac{1}{6}$ ……(答)
Bにある(72°回転の)確率だが、「左回りで 1か 6の目が出る」か「右回りで 4の目が出る」ればよいから
   $\frac{1}{2} \times \frac{2}{6} + \frac{1}{2} \times \frac{1}{6} =\frac{3}{12}=\frac{1}{4}$ ……(答)
Cにある(144°回転の)確率だが、「左回りで 2の目が出る」か「右回りで 3の目が出る」ればよいから
   $\frac{1}{2} \times \frac{1}{6} + \frac{1}{2} \times \frac{1}{6} =\frac{2}{12}=\frac{1}{6}$ ……(答)
【検算】 全事象の確率を求めると
   $\frac{1}{6} + \frac{1}{4} \times 2 +\frac{1}{6} \times 2=1$
【解】(2) 次の(ア), (イ), (ウ)を足せばよい。
(ア) A→A→A、すなわち (0°回転) が2回
   $\frac{1}{6} \times \frac{1}{6}=\frac{1}{36}$
(イ) A→B(E)→A、すなわち (72°回転) と (-72°回転)が起きる、ただし順序は逆でもよい
   $\frac{1}{4} \times \frac{1}{4} \times 2=\frac{1}{8}$
(ウ) A→C(D)→A、すなわち (144°回転) と (-144°回転)が起きる、ただし順序は逆でもよい
   $\frac{1}{6} \times \frac{1}{6} \times 2=\frac{1}{18}$
結局
   $\frac{1}{36}+\frac{1}{8}+\frac{1}{18} = \frac{5}{24}$ ……(答)
(3) 次の(ア), (イ), (ウ)を足せばよい。
(ア) A→A以外→A→A
   A→A以外→Aの確率が、$\frac{5}{24}-\frac{1}{36}=\frac{13}{72}$で
   A→Aの確率が、$\frac{1}{6}$だから
   $\frac{13}{72} \times \frac{1}{6} =\frac{13}{432}$
(イ) A→A→A以外→A
   先と反対で
   $\frac{1}{6} \times \frac{13}{72} =\frac{13}{432}$
(ウ) A→A→A→A以外
   $\frac{1}{6} \times \frac{1}{6} \times (1-\frac{1}{6})=\frac{5}{216}$
結局
   $\frac{13}{432}+\frac{13}{432}+\frac{5}{216} = \frac{1}{12}$ ……(答)
(4) (3)の記法で言えば、この条件付き確率は
   $\frac{\mbox{ア+ウ}}{\mbox{ア+イ+ウ}} = \frac{13/432 + 5/216}{1/12}=\frac{23}{36}$ ……(答)
PageTopへ



[婆茶留高校数学科☆HP] Top pageに戻る このページを閉じる
探したい言葉はここへ→