[婆茶留高校数学科☆HP] Top pageに戻る このページを閉じる

速度の問題

Copyright (C) virtual_high_school, 2017


【例題】
自動車で $300 km$ の道のりを移動する。
高速道路では時速 $100km$, 一般道では時速 $50km$ で走るものとする。
午前 $9$ 時に出発して、到着時刻を午後 $1$ 時 $30$ 分から午後 $2$ 時にするには高速道路を走る距離を何 $km$ 以上、何 $km$ 以下にすればよいか。---

【解答】
求めるべきものを $x$ とおくのが自然なので、高速道路を走る距離を $x[km]$ とおく。
速度という言葉が出てくるので、速度の定義:
   $ \mbox{速度} = \frac{\mbox{距離}}{\mbox{時間}} $
を思い出す。ここに、距離、時間、速度の 3 者が出てきたので、
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline
  & 距離 & 時間 & 速度 \\ \hline
高速 & x &   & 100 \\
一般道 &   &   & 50 \\ \hline
合計 & 300 & 4.5 ~ 5 &   \\ \hline
\end{array}$
という表を作ればよいと分かる。
次に空所を埋めていくのであるが、速度の定義式を変形して、
   $ \mbox{時間}=\frac{\mbox{距離}}{\mbox{速度}} $
という関係式(内包量の第3用法)を使うことになる。
こうして、下表ができ上がる。
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline
  & 距離 & 時間 & 速度 \\ \hline
高速 & x & x/100 & 100 \\
一般道 & 300-x & (300-x)/50 & 50 \\ \hline
合併 & 300 & 4.5 ~ 5 & --- \\ \hline
\end{array} $
問題文は、到着時刻(走行時間)がどういう条件を満たすべきかを述べているので、その陳述をそのまま不等式(または方程式)に翻訳するのが素直だ。そこで、表中の「時間」の列に着目する。
時間は合併に関して加法性があるから、連立不等式
   $ 4.5 \leq \frac{x}{100} + \frac{300-x}{50} \leq 5 $
が出てくる。(第2式で足し算をしている。)
あとはこの不等式を解いて、答は、
   $ \mbox{ (答) } 100km \mbox{以上 } 150km \mbox{以下} $
となる。なお、表中右下の「---」は計算不要を意味しているが、表には無駄な計算を抑止する効用もある。

【算数的解法】
まず、$1$ 時半に着く方である。全部高速を使うと、たった $3$ 時間で到着してしまう。これでは早く着きすぎる。
$1.5$ 倍の $4$ 時間半かけて行かねばならない。一般道は高速の $2$ 倍時間がかかるのだから、全コースの半分($150km$)を高速で($1$ 時間半)走って、残り半分を一般道で $2$ 倍時間($3$ 時間)をかけて走れば、$1.5$ 倍になるはずだ。
あるいはこんな考え方もできる。$100km$ を高速でなく一般道で走ると $1$ 時間余分にかかるのだから、$1$ 時間半を $1$ 時間で割って、$1.5$, すなわち $100km \times 1.5 = 150km$ を一般道にすればよい。
(答) の前半部分の $100km$ の方は、次のように簡単に暗算できる。
全部を一般道で行ったら、$6$ 時間かかる。$1$ 時間節約するには$100km$ だけ高速を使えばよい、と。

【類題】
案内状を作ることになったので制作費を調べた。
制作費は、$100$ 部までは $5000$ 円、$100$ 部をこえた分は $1$ 部につき $42$ 円であるという。
$1$ 部あたりの単価が $45$ 円以下であるのは、何部以上作るときか。---

【解答】
まず、作るべき部数を $x [\mbox{部}]$ とおく。
使うべき内包量の第1用法を考えて、
   $ \mbox{単価} = \frac{\mbox{価格}}{\mbox{部数}} $
なる公式を書き出す。下表を作る。
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline
  & 価格 & 部数 & 単価 \\ \hline
基本部分 & 5000 & 100 &   \\
追加部分 &   &   & 42 \\ \hline
合併 &   & x & 45以下 \\ \hline
\end{array} $
基本料金の単価は、内包量の第1用法により算出する。
ここは計算しなくても、この問題を不等式で解くことはできるのだが、ここを求めておかなくては、部数を多くするほど割安になる(単価は部数の単調減少関数)ことが分からず、算数的解法すら理解不能になる。
追加料金の部数は、部数の加法性から引き算で出る。
追加分の価格を計算するために、第1用法の分母を払って第2用法の形に直して、
   $ \mbox{価格}= \mbox{単価} \times {\mbox{部数}} $
を利用する。空所を埋めると、下のようになる。
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline
  & 価格 & 部数 & 単価 \\ \hline
基本 & 5000 & 100 & 50 \\
追加 & 42(x-100) & x-100 & 42 \\ \hline
合併 & A & x & 45以下 \\ \hline
\end{array} $
価格の加法性を使って、
   $ A =5000+42(x-100) $
で、再度内包量の第1用法で
   $ \frac{5000+42(x-100)}{x} \leq 45 $
が出てきて、この不等式を解くことに帰着できた。


★「婆茶留高校」は架空の存在であり、実在の人物、団体とは関係ありません。
<-- クリックして婆茶留高校へメール送信 mailto: virtual_h_s@yahoo.co.jp 
婆茶留高校数学科HP http://www.virtual-hs.com/ Powered by   Copyright(c) virtual_high_school, 2001-2022