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食塩水の濃度

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【例題】 濃さが $5\%$ の食塩水 $200g$ を水で薄めて $2\%$ 以下の食塩水を作りたい。何 $g$ 以上の水で薄めればよいか。---

【これって、何の問題?】
出題者の意図としては、1次不等式の応用として解いてほしかったのであって、$ x \geq \cdots $という形の解を期待していたのかもしれない。
しかし、冷静に考えてみると、「ちょうど $2\%$」の食塩水の作り方さえ分かれば、それでよいのだ。
なぜなら、それ以上に真水を加えれば、あとは薄くなるだけだから。したがって、「ちょうど $2\%$」になるときの解は唯一で、2次方程式のように解が複数あることはありえない。
ということは、1つ思いついた解以外に解はないわけで、あてずっぽうでも何でもいいから解を 1つ見つければよいのだ。
上の例題は本質的には 1次不等式ではなく 1次方程式の問題だ。

【算数的解法】
よく考えると答は「$300g$ 以上」となるのは当り前だ。
なぜなら、$200g$ だと倍に薄まって $2.5\%$ で、もう一声、$300g$ にすれば $2\%$ になりそうだ。
2 倍で濃度が半分なら反比例だろうから、2.5 倍で濃度は $1/2.5 = 2/5$ で、$5\%$ は $2\%$ になるだろう。
実際、$200g$ の $5\%$ は $10g$ で、$500g$ の $2\%$ も $10g$ だから、$300g$ の水を入れれば「ちょうど $2\%$」になる。

【濃度とは何か】
濃度の定義は、
   $ \mbox{濃度} = \frac{\mbox{食塩の質量}}{\mbox{食塩水の質量}} $
である。
「質量」であって「体積」ではないことに注意。濃度の問題を解くには、数学だけでなく化学の知識も必要だ。
もっとも、上の文章題では、質量か体積かで悩むことはない。問題文に質量のことしか出てこないのだから、体積を使って解こうにもできないからである。
なぜ、濃度が $ \mbox{濃度} = \frac{\mbox{食塩の質量}}{\mbox{水の質量}} $ ではない(分母に注目)のか? 食塩ならあまり水に溶けないからこの定義でもよさそうだが、濃硫酸だと $ \mbox{濃度} = \frac{\mbox{硫酸の質量}}{\mbox{水の質量}} $ で計算すると何百パーセントとかなってしまって、具合が悪い。$100\%$ を越えてはいけないというルールはないが、純粋な場合が $100\%$ になるように定義する方が美しいと化学者は考えたのであろう。
ともかく、
   $ \mbox{濃度} = \frac{\mbox{食塩の質量}}{\mbox{食塩水の質量}} $
という定義 ---第1用法を認めてもらえば、第2用法:
   $ \mbox{食塩の質量} =\mbox{濃度} \times {\mbox{食塩水の質量}} $
および、第3用法:
   $ \mbox{食塩水の質量} =\frac{\mbox{食塩の質量}}{\mbox{濃度}} $
を導くことは楽だろう。

【解答】
濃度は合併に関して加法性がない($2\%$と$3\%$を合わせて$5\%$になったりしない)。しかし、質量なら合併に関して加法性がある。そこに注目する。
加えるべき水の質量を $x [g]$ とおく。
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline & \mbox{食塩} & \mbox{食塩水} & \mbox{濃度} \\ \hline \mbox{初め} &   & 200 & 0.05 \\ \mbox{追加} & 0 & x & 0 \\ \hline \mbox{合併} &   &   & 0.02 \mbox{以下} \\ \hline \end{array} $
という表を作り、空所を埋めていくのである。
   
すると、下表ができ上がる。
$ \begin{array}{|c|l|l|l|}\hline   & \mbox{食塩} & \mbox{食塩水} & \mbox{濃度} \\ \hline
\mbox{初め} & 200 \times 0.05 & 200 & 0.05 \\
\mbox{追加} & 0 & x & 0 \\ \hline
\mbox{合併} & 200 \times 0.05 & 200+x & 0.02 \mbox{以下} \\ \hline
\end{array} $
表中最下行を見て、
   $ \frac{200 \times 0.05}{200 + x} \leq 0.02 $
が得られる。
題意から $(200 + x)$ は正と考えられるので、
   $ 200 \times 0.05 \leq 0.02 (200+x) $
と 1次不等式の問題の枠内で解くことにして、
   $ x \geq 300 [g] $
である。


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