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【問題演習】複素数
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目 次

【問題1】 $a,b$を実数とする。複素数$\alpha=a+bi$とする。$\alpha$が中心$(-1,1)$,半径2の円の内側と境界線に存在するときの次の値の範囲を求めよ。

【問題2】 複素数平面上において、複素数$z$を表す点が、$|z−1−i|=2$を満たしながら動くとき次の問いに答えよ。

【問題3】 $\alpha^9=1$かつ$\alpha^3 \neq 1$を満たすすべての複素数$\alpha$と点$1+i$との距離の積を求めよ。---

【問題4】 $z=(1+\alpha i)/(1-\alpha i)(\alpha \neq -i )$において、$z$の絶対値が$1$ならば$\alpha$は実数であることを証明せよ。---

【問題5】 $\alpha=\cos(2/5)\pi+ i \sin(2/5)\pi$ とする。

【問題6】 点 $A(\alpha),B(\beta),C(\gamma)$ を頂点とする $\triangle ABC$ は $2i\alpha+(1-2i)\beta-\gamma=0$ を満たしている。次の問に答えよ。

【問題7】 複素数平面上の3点 $P_{1}(z_{1}),P_{2}(z_{2}),P_{3}(z_{3})$ が $(z_{2}-z_{1})/(z_{3}-z_{1})=1+\sqrt{3} i$ を満たすとき、

【問題8】 複素数平面において、$0$ を表す点を O, $-1+\sqrt{3}i$ を表す点を A とする。点 $z$ を直線 OA に関して対称移動した点を $w$ とするとき、$w$ を $z$ を用いて表せ。---

【問題9】 (1) $x^5-1 = (x-1)(x^2-2x\cos (2/5)\pi+1)(x^2-2x\cos(4/5)\pi+1)$ が成り立つことを示せ。


【問題1】 $a,b$を実数とする。複素数$\alpha=a+bi$とする。$\alpha$が中心$(-1,1)$,半径2の円の内側と境界線に存在するときの次の値の範囲を求めよ。
(1) $|\alpha+1-i|$
(2) $\beta=\alpha−1+i$とした時の$\beta$の偏角の範囲。---


【解】 $\alpha$が中心$-1+i$, 半径2の円の内側と境界線に存在する。
   
(1) $|\alpha+1-i| = |\alpha-(-1+i)|$は円の中心からの距離だ。半径2だから
   $0 \leq r \leq 2$
(2) $\beta=\alpha−1+i= \alpha-(1-i)$は円外の点$1-i$ から円板(disc)を見たときの偏角だから
   $\frac{\pi}{2} \leq \theta \leq \pi$
なぜなら、$1+i$は円の東端の点ですが、それは真北にあるので偏角90度です。$-1-i$は円の南端の点ですが、それを見れば真西にあるので偏角180度です。

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【問題2】 複素数平面上において、複素数$z$を表す点が、$|z−1−i|=2$を満たしながら動くとき次の問いに答えよ。
(1) $|z+1|$の最大値、最小値を求めよ。
(2)$w=(1−iz)/(1+iz)$を満たす$w$はどんな図形を描くか。---


【解】 $|z - (1+i)| = 2$は中心$1+i$, 半径2 の円。(下図)
   
(1) $|z - (-1)|$は$-1$ からの距離。この点から中心を通って一直線を引けば分かる。
(答) 最大値 $\sqrt{5} +2,$最小値 $\sqrt{5} -2$
(2) $w = (1-iz)/(1+iz)$の分母を払って
   $(1+iz)w = 1-iz$
これを$z$について解く。
   $i(w+1)z = 1-w$
   $(w+1)z = i(w-1)$
   $z = i\frac{w-1}{w+1}$
(分母≠0ですので、念のため)
$z$を$|z - (1+i)| = 2$に代入すると
   $|\frac{w+1+2i}{w+1}| = 2$ ……(*)
これはアポロニウスの円です(下図参照)。$-1-2i$ からと $-1$ からの距離の比が$2:1$なので、$-1-(2/3)i$と$-1+2i$を直径の両端とする円となり、これは中心が$-1+(2/3)i$で半径が$4/3$の円です。
   
これを計算で示しましょう。(*)の分母を払って2乗すると
   $(w+1+2i)(\bar{w}+1-2i)=4(w+1)(\bar{w}+1)$
展開して、変形すれば
   $3(w+1-\frac{2}{3}i)(\bar{w}+1+\frac{2}{3}i)=\frac{16}{3}$
よって
   $|w+1-\frac{2}{3}i|^2= \frac{16}{9}$
これで中心が$-1+(2/3)i$で半径が$4/3$と分かる。

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【問題3】 $\alpha^9=1$かつ$\alpha^3 \neq 1$を満たすすべての複素数$\alpha$と点$1+i$との距離の積を求めよ。---

【解】 $\alpha$は$1$の$9$乗根でかつ、$1$の$3$乗根でないものだから
   $\eta = \cos (2\pi/9) +i \sin (2\pi/9)$
とおけば
   $\alpha = \eta^{k} =\cos (2k\pi/9) +i \sin (2k\pi/9)(k=1,2,4,5,7,8)$
である。所期の距離の積は$w=1+i$とおけば
   $|w-\eta||w-\eta^{2}||w-\eta^{4}||w-\eta^{5}||w-\eta^{7}||w-\eta^{8}|$
   $=\frac{ |w-1||w-\eta^{2}||w-\eta^{3}||w-\eta^{4}|\cdots |w-\eta^{8}| }{ |w-1||w-\eta^{3}||w-\eta^{6}| }$
   $=\frac{|w^{9}-1 |}{|w^3-1|}$
となる。あとは$w=1+i$を代入すればよい。
   $w=\sqrt{2}(\cos (\pi/4) +i\sin (\pi/4))$
に注意して
   $w^9=(\sqrt{2})^9(\cos (9\pi/4) +i\sin (9\pi/4))=16\sqrt{2}(1/\sqrt{2}+i/\sqrt{2})=16+16i$
   $w^3=(\sqrt{2})^3(\cos (3\pi/4) +i\sin (3\pi/4))=2\sqrt{2}(-1/\sqrt{2}+i/\sqrt{2})=-2+2i$
となるから
   $\frac{|w^{9}-1 |}{|w^3-1|}=\frac{|15+16i|} {|-3+2i|}=\frac{\sqrt{225+256}}{\sqrt{9+4}}$
   $=\frac{\sqrt{481}}{\sqrt{13}} =\sqrt{37}$ ……(答)
【別解】
   $\frac{|w^{9}-1 |}{|w^3-1|}=|\frac{(w^3-1)(w^6+w^3+1)}{w^3-1} |=|w^6+w^3+1|$
ここに$w^3=-2+2i$を代入すれば
   $=|(-8i)+(-2+2i)+1|=|-1-6i|=\sqrt{37}$ ……(答)

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【問題4】 $z=(1+\alpha i)/(1-\alpha i)(\alpha \neq -i )$において、$z$の絶対値が$1$ならば$\alpha$は実数であることを証明せよ。---

【証明】 $|z|=1$ならば
   $|z|^2=z \bar{z}= 1$
   $\frac{1+\alpha i}{1-\alpha i} \cdot \frac{1-\bar{\alpha} i}{1+\bar{\alpha} i} =1$
   $(1+\alpha i)(1-\bar{\alpha} i)=(1-\alpha i)(1+\bar{\alpha} i)$
   $1+|\alpha|^2 +(\alpha-\bar{\alpha})i= 1+|\alpha|^2 -(\alpha-\bar{\alpha})i$
   $\alpha=\bar{\alpha}$
ある複素数がその共役複素数と等しいのは、虚部が$0$であるときに限る。よって、$\alpha$は実数である。■

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【問題5】 $\alpha=\cos(2/5)\pi+ i \sin(2/5)\pi$ とする。
⑴ $\alpha^5,\alpha^4+\alpha^3+\alpha^2+\alpha+1$の値をそれぞれ求めよ。
⑵ 方程式 $z^5=1$ の5つの解を$1,z_{1},z_{2},z_{3},z_{4}$ とし、複素数平面上でそれらが表す点をそれぞれ$A_{0},A_{1},A_{2},A_{3},A_{4}$ とするとき、4つの線分の長さの積 $A_{0}A_{1}\times A_{0}A_{2} \times A_{0}A_{3}\times A_{0}A_{4}$ の値を求めよ。---


【解】ド・モアブルの定理により
   $\alpha^5=(\cos(2/5)\pi+ i \sin(2/5)\pi)^5=\cos2\pi+ i \sin2\pi=1$ ……(答)
後者は
   $\alpha^5-1=(\alpha-1)(\alpha^4+\alpha^3+\alpha^2+\alpha+1)$
より
   $\alpha^4+\alpha^3+\alpha^2+\alpha+1=\frac{\alpha^5-1}{\alpha-1}=0$ ……(答)
⑵ が$z^5=1$ の5つの解は
   $1,\alpha,\alpha^2,\alpha^3,\alpha^4$
だから、求めたいものは次のものになります。
   $|(1-\alpha)(1-\alpha^2)(1-\alpha^3)(1-\alpha^4)|$
   $=|(1-\alpha-\alpha^2+\alpha^3)(1-\alpha^3-\alpha^4+\alpha^2)|$
ここで $\alpha^5=1$ を使いました。
   $= |1 -\alpha^3 -\alpha^4 +\alpha^2- \alpha +\alpha^4 + 1 -\alpha^3-\alpha^2 + 1 + \alpha -\alpha^4+\alpha^3 - \alpha -\alpha^2 + 1|$
   $=|4-(\alpha+\alpha^2+\alpha^3+\alpha^4)|$
   $=4-(-1)=5$ ……(答)
最後で前問の答の $1+\alpha+\alpha^2+\alpha^3+\alpha^4=0$ を使いました。
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【問題6】 点 $A(\alpha),B(\beta),C(\gamma)$ を頂点とする $\triangle ABC$ は $2i\alpha+(1-2i)\beta-\gamma=0$ を満たしている。次の問に答えよ。
(1) $\triangle ABC$ はどんな三角形か。
(2) $\triangle ABD$ が正三角形、かつ $\triangle ABC$ と $\triangle ABD$ が重ならないように点 $D(\delta)$ をとる。$\alpha=-1+3i,\gamma=3$ のとき, $\beta,\delta$, および $BC$と$BD$のなす角$\theta$ を求めよ。---


【解】 (1) 与式を変形して
   $\gamma -\beta=2i(\alpha-\beta)$
$2i$ 倍することは90°回転して長さを2倍することと同じだから、
   
上図のような $AB:BC:CA=1:2:\sqrt{5}$ の直角三角形になる。 ……(答)
(2) 与式より
   $\beta=\frac{\gamma -2i \alpha}{1-2i}$
だから
   $\beta=\frac{3 -2i(-1+3i)}{1-2i} =\frac{9+2i}{1-2i}= \frac{(9+2i)(1+2i)}{1+4}$
   $=1+4i$ ……(答)
   
正三角形ということから、$\delta-\alpha$ は $\beta-\alpha$ を60°回転したものである。よって
   $\delta-\alpha=\frac{1+\sqrt{3}i}{2} (\beta-\alpha)$
より
   $\delta=\frac{1+\sqrt{3}i}{2} (\beta-\alpha)+\alpha = \frac{1-\sqrt{3}i}{2} \alpha+ \frac{1+\sqrt{3}i}{2} \beta$
   $= \frac{1-\sqrt{3}i}{2} (-1+3i)+ \frac{1+\sqrt{3}i}{2} (1+4i)=\frac{-\sqrt{3}+(7+2\sqrt{3})i}{2}$ ……(答)
また、$BC$と$BD$のなす角は図より、90°と60°を合わせて
   $\theta=\frac{5}{6} \pi$ ……(答)
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【問題7】 複素数平面上の3点 $P_{1}(z_{1}),P_{2}(z_{2}),P_{3}(z_{3})$ が $(z_{2}-z_{1})/(z_{3}-z_{1})=1+\sqrt{3} i$ を満たすとき、
(1) $\angle P_{2}P_{1}P_{3}$ を求めよ。
(2) $P_{1}P_{2}:P_{1}P_{3}$ を求めよ。---

答え 2:1

【解】所与の複素数を極形式に直して
   $1+\sqrt{3} i=2 (\frac{1}{2} + i \frac{\sqrt{3}}{2} )=2(\cos \frac{\pi}{3} +i \sin \frac{\pi}{3})$
(1) 偏角を考えると
   $\angle P_{2}P_{1}P_{3}=\arg(\frac{z_{2}-z_{1}}{z_{3}-z_{1}} )=\frac{\pi}{3}$ ……(答)
(2) 絶対値を考えると
   $| \frac{z_{2}-z_{1}}{z_{3}-z_{1}} |= 2 \Rightarrow \frac{P_{1}P_{2}}{P_{1}P_{3}}=\frac{2}{1}$
よって
   $P_{1}P_{2} : P_{1}P_{3} =2:1$ ……(答)
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【問題8】 複素数平面において、$0$ を表す点を O, $-1+\sqrt{3}i$ を表す点を A とする。点 $z$ を直線 OA に関して対称移動した点を $w$ とするとき、$w$ を $z$ を用いて表せ。---

【解】 $-1+\sqrt{3}i$ の絶対値は $\sqrt{(-1)^2+3}=2$ だから、極形式で表わすと
   $-1+\sqrt{3}i = 2 (-\frac{1}{2} +i \frac{\sqrt{3}}{2})$
で、点 A を極座標で表わせば
   $(2,\frac{2}{3}\pi)$
である。点 $z$ の極座標を
   $z=(r,\theta)$
とし、点 $w$ の極座標
   $w=(r,\theta')$
と表わそう。
   
   $\frac{\theta + \theta'}{2}=\frac{2}{3}\pi$
より
   $w=(r,\theta')=(r, \frac{4}{3}\pi -\theta)$
ここで、$z$ と $w$ を掛けると、絶対値は積に、偏角は和になるから
   $zw=(r,\theta') \times (r,\theta')= (r^2,\frac{4}{3}\pi)=r^2(-\frac{1}{2}-i\frac{\sqrt{3}}{2})$
よって
   $w=\frac{|z|^2}{z}(-\frac{1}{2}-i\frac{\sqrt{3}}{2})$ ……(答)
ところで、$|z|^2=z \bar{z}$ だから
   $w=-\bar{z}(\frac{1}{2}+i\frac{\sqrt{3}}{2})$ ……(答)
としてもよい。
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【問題9】 (1) $x^5-1 = (x-1)(x^2-2x\cos (2/5)\pi+1)(x^2-2x\cos(4/5)\pi+1)$ が成り立つことを示せ。
(2) $\cos(2/5)\pi, \sin(4/5)\pi$ の値を求めよ。---


【解】(1) $z=r(\cos \theta+i \sin \theta)$ とおくとき、$z^5=1$ ならば絶対値は $1$ で偏角は全円の5等分点と分かるから、解は
   $z=\cos \frac{2k\pi}{5}+i \sin\frac{2k\pi}{5}\mbox{ }(k=0,1,2,3,4)$
   
である。だから
   $x^5-1$
   $=(x-1)\{ x -(\cos \frac{2}{5}\pi+i \sin\frac{2}{5}\pi)\}\{ x -(\cos \frac{4}{5}\pi+i \sin\frac{4}{5}\pi)\}$
   $\times \{ x -(\cos \frac{6}{5}\pi+i \sin\frac{6}{5}\pi)\}\{ x -(\cos \frac{8}{5}\pi+i\sin\frac{8}{5}\pi)\}$
と(複素係数の範囲で)因数分解できる。
ところで図を見るとすぐ分かるが、$k=1,4$ に対応する解と $k=2,3$ に対応する解は互いに共役である。よってこの5次式は
   $x^5-1$
   $=(x-1)\{ x -(\cos \frac{2}{5}\pi+i \sin\frac{2}{5}\pi)\}\{ x -(\cos \frac{2}{5}\pi-i \sin\frac{2}{5}\pi)\}$
   $\times \{ x -(\cos \frac{4}{5}\pi+i \sin\frac{4}{5}\pi)\}\{ x -(\cos \frac{4}{5}\pi-i \sin\frac{4}{5}\pi)\}$
と書き直せる。複素数の公式として
   $z=\cos\theta+i\sin\theta \Rightarrow \bar{z}=\cos\theta-i\sin\theta$
   $z+\bar{z}=2\cos\theta$
   $z\bar{z}=|z|^2=\cos^2\theta+\sin^2\theta=1$
があるので、これを適用すると
   $x^5-1=(x-1)( x^2 -2x\cos \frac{2}{5}\pi+1)( x^2 -2x\cos \frac{4}{5}\pi+1)$
という、実係数の範囲での因数分解の式になる。これが(1)の解答だ。
(2) 5次式 $x^5-1$ は因数定理と整除法により
   $x^5-1=(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)=0$ ……(*)
と因数分解できることはすぐ分かる。これの右辺が(1)で示したように
   $(x-1)(x^2-ax+1)(x^2-bx+1)$
となるから、一部を展開して(*)と係数比較すれば
   $-a-b=1,1+ab+1=1,-a-b=1 \Rightarrow a+b=-1,ab=-1$
だから $a,b$ は
   $t^2+t-1=0$
の2解である。よって
   $a,b=\frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}$
どっちがどっちかはコサインの正負で分かるので
   $\cos \frac{2}{5}\pi=\frac{-1 + \sqrt{5}}{4}$ ……(答)
   $\cos \frac{4}{5}\pi=\frac{-1 - \sqrt{5}}{4}$
サインの方は
   $\sin \frac{4}{5}\pi=\sqrt{1-(\frac{-1 - \sqrt{5}}{4})^2}=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}$……(答)
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