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和と積の法則

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【ダイアル錠の問題】
積の法則を使う問題を考えてみる。

(例題1) 数字合わせ式の鍵がある。数字の列は3段あり、各段は0から9までの数字で構成されている。何通りの数字の組合せが考えられるか。---

(解) 最大の数字は、999 だから999通りである、とウッカリ答えてしまいそう。
正解は$ _{10}\Pi_{3} = 10 \times 10 \times 10 = 10^{3} = 1000 \mbox{通り■} $

誤答の原因は000を数え落とすことにある。
上の例題で、なぜ $10 \times 10 \times 10$ なのだろうか。その説明方法を3つ考えてみる。

  1. この説明を直積表でやろうとすると、3次元だから難しい。縦・横・高さ各10列の立体的な表を作らねばならない。
  2. でなければ、樹形図だ。10本の枝がそれぞれ10本に枝分かれし、その先がまた10本に分かれている樹形図を考えればよい。でも枝分かれが多すぎて、必ずしも樹形図は分かりやすいものではない。
  3. 鍵の問題は鍵そのもの、あるいはスロットマシンをイメージすると分かりやすい。


【スロットマシン】
そこで、スロットマシンを説明しよう。


(例題2) あるスロットマシンには、3つの窓が開いており、それぞれから「ハート」「オレンジ」「チューリップ」「魚」の4種類の絵の中のどれかが出るようになっている。何通りの絵の出方があるか。---

(解)
 答はもちろん $ 4 \times 4 \times 4 = 4^{3} = 64 $ だ。■

このようになスロットマシンのイメージで場合の数の問題が解けることが多い。よく直積表や樹形図が使われるが、それはあくまで説明用。積の法則の適用問題ではスロットマシン(またはそれに代わるもの)が便利だ。

【和と積の法則、どっちが便利?】
積の法則でも和の法則でも解ける問題がある。どっちで解くのが便利だろうか。

(例題3) 1,2,3,4のうち異なる数字を使ってできる3桁の偶数は、何個か。---
(解1) 百の位、十の位、一の位の順に、枝分かれしていく樹形図を書くと、下図のようになる。

従って、個数は $ (1+2+1) + (1+1+0) + (2+1+1) + (1+0+1) = & 4+2+4+2 = 12 $
ここで和の法則を使った。■
(解2)上とは逆順に、一の位の方から樹形図を書くと下図になる。

個数は$ 2 \times 3 \times 2 = 12$■
こちらは積の法則だ。

どちらの解答も正しい訳だが、積の法則の方が便利だ。

【誤答分析 --- 足すの? 掛けるの?】
場合の数の問題というのは、ほとんどが足すか掛けるか、である。場合を大まかに分類したときは和の法則で、ペア(順序対)にして考えるときは積の法則を使えばよい。
たったこれだけなのだが、この2つの区別が難しい。どういう問題では足して、どういうときには掛けるのかを、よく我々は取り違える。
そういった誤答例を2つ挙げる。

【誤答例】
(例題4)男7人、女5人の中から、男3人、女2人の係を決める方法は何通りか。---
(誤解)
$ _{7}C_{3} + _{5}C_{2} $と足すのは間違い。(もちろん、掛けるのが正解である。)■


男の係が3人決まって、そこへ別に決めた女の係2人が加わって、これで合計5人決まったことになる。そう考えて何となく足し算になってしまうのだろう。
ここで樹形図を書いても、ピンとこない感じがする。直積表の方がよいと思う。

次は、足すべきときに掛けてしまう例。
(例題5)0,1,1,2,2,2のすべてを使ってできる6けたの整数は何個か。---
(誤解)

上1桁が1なのは、$ \frac{5!}{1! 1! 3!} = 20 \mbox{通り} $
上1桁が2なのは、$ \frac{5!}{1! 2! 2!} = 15 \mbox{通り} $
だから、全部で$20 \times 15 = 300$通りとやってしまうのは誤りだ。数字の順列だとなんでもかけ算だと思うのだろう。(正解は35通りである。)■


今度は樹形図を書いて、「上1桁1」の枝と「上1桁2」の枝に分かれていて、それぞれの枝から生えている葉の数同志を足す(和の法則を使う)のだ。


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