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【第1-3節】 漸化式(書きかけ)

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【第01講】 等差・等比数列
【第02講】 等差・等比混合型
【第03講】 3項間の漸化式

【第01講】 等差・等比数列

漸化式とは隣り合う項の間に成り立つ関係式のことであった。

(1) $a_{n+1}=a_{n}+d$ なら公差 $d$ の等差数列である。

(2) $a_{n+1}=r a_{n}$ なら公比 $r$ の等比数列である。

上記のことは自明ではあろう。「基本公式」を使って一般項を求めてみよう。

【(1)の一般項】 階差は $b_{k}=a_{k+1}-a_{k}=d$ だから

$\displaystyle a_{n}=a_{1}+\sum_{k=1}^{n-1} d=a_{1}+d(n-1)$

既習のものと同一だ。

【(2)の一般項】 階差は $b_{k}=a_{k+1}-a_{k}=(r-1)a_{k}$ だから

$\displaystyle a_{n}=a_{1}+(r-1)\sum_{k=1}^{n-1} a_{k}$

となるが、和の公式 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} a_{k}=\frac{a_{1}(r^{n-1}-1)}{r-1}$ が分かっていれば、

$a_{n}=a_{1}+(r-1)\cdot \frac{a_{1}(r^{n-1}-1)}{r-1}=a_{1}+{a_{1}(r^{n-1}-1)}=a_{1}r^{n-1}$

となるのだが、コレっておかしくないだろうか。一般項を求めるのに、和の公式を使うというのは話が逆転している。
そもそも考えてみれば、階差 $b_{k}=(r-1)a_{k}$ は公比 $r-1$ の等比数列であるのだが、まだ等比数列の一般項を求める途上であったのだから、階差が等比であることは分からない筈だ。等比を解明するのに等比を知っていなければならないというのは循環論法(同語反復)なのである。
等比と基本公式は相性が良くないと覚えておこう。
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【第02講】 等差・等比混合型

等差と等比の漸化式をチャンポンにしたような漸化式 $a_{n+1}=r a_{n}+d$ の一般項を求めよう。

【問題】 漸化式 $a_{n+1}=r a_{n}+d$ を満たす数列 $\{ a_{n} \} の一般項を求めよ。---

【解】 まず、階差は

$a_{k+2}=r a_{k+1}+d$
$a_{k+1}=r a_{k}+d$
を辺々引いて
$a_{k+2}- a_{k+1}=r(a_{k+1}- a_{k})$

となる。これは階差が初項 $a_{2}-a_{1}$, 公比 $r$ の等比数列であることを意味する。よって基本公式により

$a_{n}=a_{1}+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (a_{2}-a_{1})r^{k-1}$
$=a_{1}+ (a_{2}-a_{1})\frac{r^{n-1}-1}{r-1}$
$=a_{1}+ \{(r-1)a_{1}+d \}\frac{r^{n-1}-1}{r-1}$ …(答)

【別解】 もし $|r|<1$ なら階差はドンドンと小さく(ゼロに近く)なるので、$a_{n}$ は有限確定値に収束する。$\lim a_{n}=\alpha$ とおけば

$a_{n+1}=r a_{n}+d$ において $n \rightarrow \infty$ とすれば
$\alpha=r \alpha +d$,
$\alpha=\frac{d}{1-r}$

だから数列 $a_{n}-\alpha$ は 0 に収束する。その数列は

$a_{n+1}-\alpha=r a_{n}+d-\alpha$,
$a_{n+1}-\frac{d}{1-r}=r a_{n}+d-\frac{d}{1-r}$,
$a_{n+1}-\frac{d}{1-r}=r a_{n}-\frac{rd}{1-r}$,
$a_{n+1}-\frac{d}{1-r}=r (a_{n}-\frac{d}{1-r})$

となるので、初項 $a_{1}-\frac{d}{1-r}$, 公比 $r$ の等比数列である。よって

$a_{n}-\frac{d}{1-r}= (a_{1}-\frac{d}{1-r})r^{n-1}$,
$a_{n}= (a_{1}-\frac{d}{1-r})r^{n-1}+\frac{d}{1-r}$ …(答)

この問題の漸化式は上に述べたように $a_{n+2}-a_{n+1}=r(a_{n+1}-a_{n})$ に変形できた。さらに変形すれば

$a_{n+2}-(1+r)a_{n+1}+ra_{n}=0$,
$s a_{n+2}-s(1+r)a_{n+1}+rs a_{n}=0$,
$s-s(1+r)+rs=0$

つまり3項間の漸化式 $p a_{n+2}+q a_{n+1}+r a_{n}=0$ ($p+q+r=0$) を満たす数列は、別解の最後の答を見ると

一般項=(公比 $r$ の等比部分)+(公比 $1$ の等比部分)
(右辺第2項は(定数項部分)と呼んでもよい。)

となる訳だ。

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【第03講】 3項間の漸化式

3項間の漸化式

$p a_{n+2}+q a_{n+1}+r a_{n}=0$

を満たす数列の一般項を求めよう。前講と違い、ここでは $p+q+r=0$ を仮定しない。(0 でなくても可とする。)

少し大学の数学を使う。ズラシ子 $\lambda$ なる概念を導入する。これはインデックスを1つズラすもので、

$\lambda a_{n}=a_{n+1}$,
$\lambda^2 a_{n}=\lambda(\lambda a_{n})=\lambda a_{n+1}=a_{n+2}$

となる。これを使えば先の漸化式は

$p \lambda^2 a_{n}+q \lambda a_{n}+r a_{n}=0$,
$(p \lambda^2 +q \lambda +r) a_{n}=0$

ここで最後の2次方程式が異なる2つの実数解 $\alpha,\beta$ を持ったとしよう。

$p( \lambda-\alpha)( \lambda -\beta) a_{n}=0$

となるが、もし1次方程式だったら

$( \lambda-\alpha) a_{n}=0$,
$a_{n+1}=\alpha a_{n}$,
$a_{n}=A \alpha^{n-1}$

と公比 $\alpha$ の等比数列になる。これの類推により、2次方程式だったら

$a_{n}=A \alpha^{n-1}+B \beta^{n-1}$

のように等比の1次結合になる。(厳密な証明は省略。)

【問題】 $\alpha,\beta$ が2次方程式 $p \lambda^2 +q \lambda +r=0$ の実数解ならば

$a_{n}=A \alpha^{n-1}+B \beta^{n-1}$

は漸化式 $p a_{n+2}+q a_{n+1}+r a_{n}=0$ を満たすことを示せ。---

【証明】 漸化式に代入すれば

$p(A \alpha^{n+1}+B \beta^{n+1})+q(A \alpha^{n}+B \beta^{n})+r(A \alpha^{n-1}+B \beta^{n-1})$
$=(p \alpha^2+q \alpha+r)A \alpha^{n-1}+(p \beta^2+q \beta+r)B \beta^{n-1}$
$=0 \cdot A \alpha^{n-1}+0 \cdot B \beta^{n-1}=0$ ■

【問題】 フィボナッチの数列 $a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n},a_{1}=a_{2}=1$ の一般項を求めよ。---

【解】 $a_{1}=a_{2}=1$ のことを初期条件と呼ぶ。これが初めの一歩となり、漸化式が推進力となって、すべての項が決定される。(数学的帰納法の原理) 2次方程式 $\lambda^2=\lambda+1=0$ を解くと

$\lambda^2-\lambda-1=0$,
$\lambda=\frac{1+\sqrt{5}}{2}(=\alpha),\frac{1-\sqrt{5}}{2}(=\beta)$

だから

$a_{n}=A \alpha^{n-1}+B \beta^{n-1}$,
$a_{1}=A+B=1$,
$a_{2}=A \alpha+B \beta=1$

$A,B$ についての連立方程式を解くと

$A=\frac{\beta-1}{\beta-\alpha}=\frac{\sqrt{5}+1}{2\sqrt{5}}$,
$B=\frac{-\alpha+1}{\beta-\alpha}=\frac{\sqrt{5}-1}{2\sqrt{5}}$

だから、求める一般項は

$a_{n}=\frac{\sqrt{5}+1}{2\sqrt{5}}(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n-1}+\frac{\sqrt{5}-1}{2\sqrt{5}}(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n-1}$
$=\frac{1}{\sqrt{5}}(\frac{1+\sqrt{5}}{2})^{n}-\frac{1}{\sqrt{5}}(\frac{1-\sqrt{5}}{2})^{n}$ …(答)


3項間の漸化式 $p a_{n+2}+q a_{n+1}+r a_{n}=0$ を特殊化してみよう。$p+q+r=0$ という条件を付けてみる。

【問題】 $p a_{n+2}+q a_{n+1}+r a_{n}=0, p+q+r=0$ を満たす数列の一般項を求めよ。---

【解】 固有方程式は

$p \lambda^2+q \lambda+r=0$

だが、$p+q+r=0$ だから $\lambda=1$ を解に持つ(因数定理)。
(ア)もう一つの解が $\lambda=\alpha \neq 1$ ならば

$a_{n}=A 1^{n-1}+B \alpha^{n-1}$
$=A +B \alpha^{n-1}$

これは前講で述べたことと同一だ。
(イ)もう一つの解も $\lambda=1$ すなわち固有方程式が次のように重解を持つ場合。

$(\lambda-1)^2=0$,
$(\lambda^2-2\lambda+1)a_{n}=0$,
$a_{n+2}-2a_{n+1}+a_{n}=0$,
$a_{n+2}-a_{n+1}=a_{n+1}-a_{n}$,
$a_{n}-a_{n-1}=a_{n-1}-a_{n-2}=\cdots =a_{2}-a_{1}=$(一定)

これは等差数列である。

固有方程式が重解を持つ場合を考えてみよう。

【問題】 固有方程式が $(\lambda-\alpha)^2=0$ のとき、すなわち

$a_{n+2}-2\alpha a_{n+1}+\alpha^2 a_{n}=0$

を満たす数列の一般項を求めよ。---

【解】 前問の通り、$\alpha=1$ のときは等差数列:

$a_{n}=A+B n$
$=A \cdot 1^{n-1}+B n\cdot 1^{n-1}$

であった。これから類推すれば

$a_{n}=A \cdot \alpha^{n-1}+B n\cdot \alpha^{n-1}$

であろう。実際、これを漸化式に代入すると

$(A \alpha^{n+1}+B (n+2) \alpha^{n+1})-2\alpha(A \alpha^{n}+B (n+1) \alpha^{n})+\alpha^2(A \alpha^{n-1}+B n \alpha^{n-1})$
$=\alpha^{n+1}\{ A+B(n+2)-2A-2B(n+1)+A+Bn \}=0$ ■

これに関連して、微分方程式について考えてみよう。
【問題】 $a$ の関数 $y=f(x)$ が微分方程式 $\frac{dy}{dx}=\alpha y$ を満たす。$f(x)$ を求めよ。---

【解】 変数分離形だから

$\frac{dy}{y}=\alpha dx$,
$\int \frac{dy}{y}=\int \alpha dx$,
$\log |y|=\alpha x +c$,
$y=\pm e^{\alpha x+c}=\pm e^c \cdot e^{\alpha x}=C e^{\alpha x}$ …(答)

微分方程式の固有方程式が2つの実数解を持つ2次方程式の場合を考えよう。

【問題】 微分演算子 $D$ が2つの実数 $\alpha,\beta$ を解とする2次方程式を満たすとき、すなわち

$(D^2-(\alpha+\beta)D+\alpha\beta)f(x)=0$

であるとき、$f(x)$ を求めよ。---

【解】 微分演算子というのは $D:f(x) \mapsto f'(x)$ のことである。だからこの問題は微分方程式

$f''(x)-(\alpha+\beta)f'(x)+\alpha\beta f(x)=0$

を解け、と言うに等しい。固有方程式を因数分解すれば

$(D-\alpha)(D-\beta)f(x)=0$

だが、$(D-\alpha)f(x)=0$ だったら前問の答のように $f(x)=C e^{\alpha x}$ である。
(ア) $\alpha \neq \beta$ のとき、解は指数関数の1次結合になる、すなわち

$f(x)=A e^{\alpha x}+B e^{\beta x}$

である。実際、

$f'(x)=A \alpha e^{\alpha x}+B \beta e^{\beta x}$,
$f''(x)=A \alpha^2 e^{\alpha x}+B \beta^2 e^{\beta x}$,
$f''(x)-(\alpha+\beta)f'(x)+\alpha\beta f(x)$
$=A\{\alpha^2-(\alpha+\beta)\alpha+\alpha\beta\}e^{\alpha x}+B\{\beta^2-(\alpha+\beta)\beta+\alpha\beta\}e^{\beta x}$
$=A \cdot 0 e^{\alpha x}+B \cdot 0 e^{\beta x}=0$

(イ)$\alpha = \beta$ のとき、すなわち微分方程式が $(f''(x)-2\alpha f'(x)+\alpha^2 f(x)=0$ となるときだが、数列の漸化式からの類推で解は

$f(x)=A e^{\alpha x} +B x e^{\alpha x}$

となるであろう。実際、

$f'(x)=A \alpha e^{\alpha x}+B (1+\alpha x)e^{\alpha x}$,
$f''(x)=A \alpha^2 e^{\alpha x}+B (2\alpha+\alpha^2 x) e^{\alpha x}$,
$f''(x)-2\alpha f'(x)+\alpha^2 f(x)$
$=A\{\alpha^2-2\alpha^2+\alpha^2)e^{\alpha x}+B\{(2\alpha+\alpha^2 x)-2\alpha(1+\alpha x)+\alpha^2 x\}e^{\alpha x}=0$

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