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【第1-2節】 いろいろな数列(書きかけ)

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【第01講】 差分・和分の基本公式
【第02講】 ベキの数列
【第03講】 等差・等比混合型
【第04講】 部分分数分解
【第05講】 有理化して足す

【第01講】 差分・和分の基本公式

数学Ⅱで関数を分析するにあたって、微分・積分を使った。数列の場合にこれらの道具に匹敵するものが差分・和分である。
差分とは階差のことであって、

$b_{n}=a_{n+1}-a_{n}$

という数列のことである。和分は第$n$部分和(=総和。初項から第$n$項までの和)のことであって、

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} a_{k}=a_{1}+a_{2}+a_{3}+ \cdots +a_{n}$

である。これを「$k=1$ から $k=n$ にわたる $a_{k}$ の和」とも言ったりする。


2乗数列 $a_{n}$ を調べてみよう。項を列挙すれば

$1^2, 2^2,3^2, \cdots, n^2,\cdots$

である。その階差は

$b_{n}=a_{n+1}-a_{n}=(n+1)^2-n^2=2n+1$ $(n \geq 1)$

で、等差数列である。積分が微分の反対であったように、和分は差分の反対だ。だから、この等差数列の総和をとると2乗数になるはず。実際、

$a_{2}-a_{1}=3$
$a_{3}-a_{2}=5$
$a_{4}-a_{3}=7$
$\cdots \cdots$
$a_{n}-a_{n-1}=2(n-1)+1=2n-1$

これらを辺々足せば、左辺は右斜め下の引いている項とキャンセルして、

$a_{n}-a_{1}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} (2k+1)=\frac{(3+2n-1)(n-1)}{2}=n^2-1$

よって

$a_{n}=a_{1}+(n^2-1)=n^2$

たしかに元の一般項に戻れることが分かった。

以上のことを敷衍しておく。

【公式】 (差分・和分の基本公式) 数列 $\{ a_{n} \}$ の階差数列 $a_{2}-a_{1}, a_{3}-a_{2},\cdots$ を

$b_{n}=a_{n+1}-a_{n}$ $(n \geq 1)$

とおけば、$a_{n}=a_{1}+\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_{k}$

【証明】 先の問題と同様に

$a_{2}-a_{1}=b_{1}$
$a_{3}-a_{2}=b_{2}$
$a_{4}-a_{3}=b_{3}$
$\cdots \cdots$
$a_{n}-a_{n-1}=b_{n-1}$

これらを辺々足して

$a_{n}-a_{1}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n-1} b_{k}$ ■


ここで Σ の法則(Σの線型性)をまとめておこう。和分は積分に似ていて、積分の公式:

(積分の線型性と呼ばれる) と同様な公式、すなわち

が成り立つ。それを証明しておこう。

【証明】 前半。加法の交換法則を使う。

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} (a_{k}+ b_{k})= (a_{1}+ b_{1}) +(a_{2}+ b_{2}) +\cdots +(a_{n}+ b_{n})$
$=(a_{1}+ a_{2} +\cdots +a_{n})+ ( b_{1}+ b_{2} +\cdots + b_{n})$
$=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} a_{k}+ \sum_{k=1}^{n} b_{k}$

後半。分配法則を使う。

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} c a_{k}= (c a_{1}+ c a_{2}+\cdots +c a_{n})$
$=c (a_{1}+ a_{2} +\cdots +a_{n})$
$=\displaystyle c \sum_{k=1}^{n} a_{k}$ ■

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【第02講】 ベキの数列

一般項が $n$ のべきである数列、すなわち

  1. $a_{n}=n$
  2. $a_{n}=n^2$
  3. $a_{n}=n^3$

なる数列を考えたい。これが分析できたら、$a_{n}$ が $n$ の多項式関数になる数列の問題も解決できよう。
ではベキ数列の和分(総和)公式を求めよう。

(ア) 1次のベキの和

【公式】 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k=\frac{n(n+1)}{2}$. ---

【証明】 等差数列の和の公式から導かれる。■

公式の右辺を書き直すと、$\frac{1}{2} n(n+1)=\frac{1}{2}\times _{n+1}P_{2}$. こんなところに順列が出てくる。係数の $\frac{1}{2}$ は $x$ を積分して出てくる $\frac{1}{2}x^2+C$ の係数と同じだ。


(イ) 2次のベキの和
前項の最後に述べたことをヒントにすると、順列 $_{n+1}P_{2}$ の和分は次数を1つ上げた順列の $\frac{1}{3}$ になりそうと推察できる。だとするなら、$_{n+1}P_{3}$ を差分する(階差をとる)と公式が出てきそうだ。実際、

$a_{k}=_{k+1}P_{3}=(k+1)k(k-1)$ とおく。
階差は $a_{k+1}-a_{k}=(k+2)(k+1)k - (k+1)k(k-1)=3(k+1)k$ だから、基本公式より
$a_{n+1}=a_{1}+\displaystyle 3 \sum_{k=1}^{n} (k+1)k$,
$(n+2)(n+1)n=\displaystyle 3 \sum_{k=1}^{n} (k+1)k$ から次の公式を得る。

【公式】 (2次式の和) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k(k+1)=\frac{1}{3} n(n+1)(n+2)$. ---

ふつうはこんな手は思いつかないだろうから、次のようにやる。$S(n)=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^2=a n^3+b n^2+c n+c$ とおく。$n=1,2,3,4$ を代入して

$\left\{ \begin{array}{l} a+b+c+d=1 \\ 8a+4b+2c+d=5 \\ 27 a+9 b+3c+d=14 \\ 64 a+16 b+4c+d=30 \end{array} \right.$

これを解くと、$a=\frac{1}{3},b=\frac{1}{2},c=\frac{1}{6},d=0$ となるので、

$S(n)=\frac{1}{3}n^3+\frac{1}{2}n^2+\frac{1}{6}n=\frac{1}{6}n(2n^2+3n+1)=\frac{n(n+1)(n+2)}{6}$

よって次の公式を得る。

【公式】 (2次式の和) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^2=\frac{n(n+1)(n+2)}{6}$ ---

($n=1,2,3,4$ 以外の値は試していないが、数学的帰納法を使えば正しく証明できる。)


(ウ) 3次のベキの和
教科書には出てこないかもしれないが、$n^3$ の総和を求めておこう。数列 $a_{n}=(n+2)(n+1)n(n-1)$ の階差は

$b_{n}=4 (n+2)(n+1)n$

だから、基本公式から

$a_{n+1}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} b_{k}=4 \sum (k+2)(k+1)k$,
$(n+3)(n+2)(n+1)n=4 \sum(k^3+3k^2+2k)$

両辺を 4 で割って

$\frac{n(n+1)(n+2)(n+3)}{4}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^3+3 \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}+2 \frac{n(n+1)}{2}$

移項すれば

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^3=\frac{n(n+1)(n+2)(n+3)}{4}-\frac{n(n+1)(2n+1)}{2}-n(n+1)$
$=\frac{n(n+1)}{4}\{ (n+2)(n+3)-2(2n+1)-4 \}=\frac{n(n+1)}{4}(n^2+n)$

よって、次の公式を得る。

【公式】 (4次式の和) $\displaystyle \sum_{k=1}^{n} k^3=\{ \frac{n(n+1)}{2}\}^2$

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【第03講】 等差・等比混合型

等差・等比混合型の数列とは次のような数列のことである。

【問題】 一般項が $a_{n}=n \cdot 2^n$ の数列の第$n$項までの和を求めよ。---

【解】 等比数列の和は、公比倍してズラして引いて求めた。(→ 数学 B 第1-1節【第04講】 参照。)同様に考えて、

$S=1 \cdot 2+2 \cdot 2^2+3 \cdot 2^3+4 \cdot 2^4+\cdots +n \cdot 2^{n}$
$2S=1 \cdot 2^2+2 \cdot 2^3+3 \cdot 2^4+\cdots +(n-1) \cdot 2^{n}+n \cdot 2^{n+1}$
辺々引いて
$-S=1 \cdot 2+1 \cdot 2^2+1 \cdot 2^3+1 \cdot 2^4+\cdots+1 \cdot 2^n-n \cdot 2^{n+1}$
$=\frac{2(2^n-1)}{2-1}-n \cdot 2^{n+1}$,
$S=n \cdot 2^{n+1}- 2(2^n-1)=(n-1)2^{n+1}+2$ …(答)

【別解】 $x^k$ を微分すると $kx^{k-1}$ のように、指数が前(係数)に落ちてくる。これを利用しよう。

$1+x+x^2+x^3+x^4+\cdots +x^n=\frac{x^{n+1}-1}{x-1}$
を微分すると
$1+2x+3x^2+4x^3+5x^4+\cdots +n x^{n-1}=\frac{n x^{n+1}-(n+1)x^n+1}{(x-1)^2}$
両辺を $x$ 倍して
$1x+2x^2+3x^3+4x^4+5x^5+\cdots +n x^{n}=\frac{x(n x^{n+1}-(n+1)x^n+1)}{(x-1)^2}$
$x=2$ を代入して
$1 \cdot 2+2 \cdot 2^2+3 \cdot 2^3+\cdots +n \cdot 2^{n}={2\{n 2^{n+1}-(n+1)2^n+1\}}$
$=2\{ (n-1)2^n+1\}$ …(答)

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【第04講】 部分分数分解

分数の和は、運よく部分分数分解でうまく求まる場合がある。分数式の分母が異なる因子に因数分解できるときは、部分分数分解できる。例えば

$\frac{1}{(ax+b)(cx+d)}=\frac{m}{ax+b}+\frac{n}{cx+d}$

のように、$\frac{\cdot}{AB}=\frac{\cdot}{A}+\frac{\cdot}{B}$ と直すことができる。異なる因子でない場合は部分分数分解は

$\frac{\cdot}{A^2}=\frac{\cdot}{A^2}+\frac{\cdot}{A}$

のようになるが、ここでの話には関係ない。

【問題】 一般項が $a_{n}=\frac{1}{n(n+1)}$ の数列の第$n$項までの和を求めよ。---

【解】 $\frac{1}{n(n+1)}=\frac{a}{n}-\frac{a}{n+1}$ のように、分子が一致してくれないと消えない。右辺は通分すれば $\frac{a(n+1)-an}{n(n+1)}$ だから $a=1$ である。

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k(k+1)}=\sum (\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1})$
$=(\frac{1}{1}-\frac{1}{2})(\frac{1}{2}-\frac{1}{3})(\frac{1}{3}-\frac{1}{4}) +\cdots +(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1})$
$n$ 両編成の列車の各連結部分がキャンセル(打ち消しあう)される。列車の運転席と車掌室だけが残されて
$=\frac{1}{1}-\frac{1}{n+1}=\frac{n}{n+1}$ …(答)


【問題】 一般項が $a_{n}=\frac{1}{n(n+2)}$ の数列の第$n$項までの和を求めよ。---

【解】 キャンセルの仕方が前問と少し異なる。

$\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k(k+2)}=\sum \frac{1}{2}(\frac{1}{k}-\frac{1}{k+2})$
$=\frac{1}{2} \{ (\frac{1}{1}-\frac{1}{3})(\frac{1}{2}-\frac{1}{4})(\frac{1}{3}-\frac{1}{5}) +\cdots +(\frac{1}{n-1}-\frac{1}{n+1})+(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+2}) \}$
列車の1両目と2両目の後尾にある連結器は別の車両とキャンセルするが、運転席と2両目の前部の連結器がキャンセルされずに生き残る。
それに呼応して、後ろの方でキャンセルされずに生き残るのは、車掌室と $n-1$ 両目の後部の連結器である。よって
$=\frac{1}{2} (\frac{1}{1}+\frac{1}{2}-\frac{1}{n+1}-\frac{1}{n+2} )$
$=\frac{3n^2+5n}{4(n+1)(n+2)}$ …(答)


このような問題ばかりやっていると部分分数分解ができさえすれば数列の和が求まるような錯覚に(生徒も教師も)陥る。分母が因数分解できる分数はすべて部分分数分解できるのだから、そうなってしまってはほとんどの分数の和が求まることになってしまう。ダメな具体例を挙げておこう。

$\frac{1}{n(2n+1)}=\frac{1}{n}-\frac{2}{2n+1}$

は部分分数分解できても、足したときにキャンセルできないので和が求まらない。

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【第05講】 有理化して足す

前講の部分分数分解して和をとる、とよく似たテクニックに有理化がある。

【問題】 一般項が $a_{n}=\frac{1}{\sqrt{n}+\sqrt{n+1}}$ の数列の第$n$項までの和を求めよ。---

【解】 $\frac{1}{\sqrt{n}+\sqrt{n+1}}=\frac{\sqrt{n+1}-\sqrt{n} }{ (n+1)-n}=\sqrt{n+1}-\sqrt{n}$ だから

$\sum a_{k}=(\sqrt{2}-\sqrt{1})+(\sqrt{3}-\sqrt{2})+(\sqrt{4}-\sqrt{3})+\cdots+(\sqrt{n+1}-\sqrt{n})$
$=-\sqrt{1}+\sqrt{n+1}=\sqrt{n+1}-1$ …(答)

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