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【入試問題研究】 信州大学 2019年度 前期日程
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【第1問】 初項 $a$ で公差 $d$ の等差数列の第1項から第 $n$ 項で与えられるデータの平均と分散を求めよ。

【解】$n$ 番目のデータは
   $X_{i}=a+(i-1)d$
だから、平均は
   $E(X)=\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}\{a+(i-1)d\}$
   $=\frac{1}{n}\{ n(a-d)+d \cdot \frac{n(n+1)}{2}\}$
   $=(a-d)+\frac{d(n+1)}{2}$ ……(答)
で、分散は
   $V(X)=E((X-E(X))^2)$
   $=\frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}\{ (a+(i-1)d)- (a-d)-\frac{d(n+1)}{2} \}^2$
   $=\frac{d^2}{n} \sum_{i=1}^{n}(i-\frac{n+1}{2})^2$
   $=\frac{d^2}{n} \sum_{i=1}^{n}\{i^2-(n+1)i+(\frac{n+1}{2})^2 \}$
   $=\frac{d^2}{n}\{ \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} -(n+1)\cdot \frac{n(n+1)}{2}+n(\frac{n+1}{2})^2 \}$
   $=\frac{d^2(n+1)}{12}\{ 2(2n+1)-3(n+1) \}$
   $=\frac{d^2(n+1)(n-1)}{12}$ ……(答)
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【第2問】座標平面上の $\vec{0}$ でないベクトル $\vec{a},\vec{b}$ は平行でないとする。$\vec{a}$ と $\vec{b}$ を位置ベクトルとする点をそれぞれ A, B とする。また、正の実数 $x,y$ に対して $x\vec{a}$ と $y\vec{b}$ を位置ベクトルとする点をそれぞれ P, Q とする。線分 PQ が線分 AB を $2:1$ に内分する点を通るとき、$xy$ の最小値を求めよ。ただし、位置ベクトルはすべて原点 O を基準に考える。

【解】
   
2線分の交点の位置ベクトルは実数 $t$ を使って
   $\frac{\vec{a}+2\vec{b}}{3}=(1-t)x\vec{a}+ty\vec{b}$
となる。ここで $\vec{a},\vec{b}$ は一次独立($\vec{0}$ でなく、平行でもないから)なので、係数が等しくなって、
   $(1-t)x=\frac{1}{3},x>0,t<1$,
   $ty=\frac{2}{3},y>0,t>0$
だから
   $x=\frac{1}{3(1-t)},y=\frac{2}{3t} \Rightarrow xy=\frac{2}{9t(1-t)}$
$xy$ の最小値を考えるには分母の $t(1-t)$ の最大を考えればよい。$0<t<1$ に注意して
   $t(1-t)\leq (\frac{t+(1-t)}{2})^2 =\frac{1}{4}$
よって $t=\frac{1}{2}$, すなわち $x=\frac{2}{3},y=\frac{4}{3}$ のとき、$xy$ は最小値
   $xy=\frac{2}{3}\times \frac{4}{3}=\frac{8}{9}$ ……(答)
をとる。
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【第3問】$n$ を $3$ 以上の整数とする。$1,2,\cdots,n$ の $n$ 個の数から異なる $3$ 個を選んで、それらを小さい順に $a,b,c$ とするとき、次の問いに答えよ。
(1) $n=8$ のとき、$a+b=c$ となる $3$ 個の数の組 $(a,b,c)$ は何通りあるか。
(2) 一般の $n$ について、$a+b=c$ となる $3$ 個の数の組 $(a,b,c)$ は何通りあるか。

【解】(1) 具体的に全部書き出せば
   $a=1:(a,b,c)=(1,2,3),(1,3,4),(1,4,5),(1,5,6),(1,6,7),(1,7,8)$,
   $a=2:(a,b,c)=(2,3,5),(2,4,6),(2,5,7),(2,6,8)$,
   $a=3:(a,b,c)=(3,4,7),(3,5,8)$
だから、全部で
   $6+4+2=12$通り ……(答)
(2)前問の解を真似して
   $a=1:(a,b,c)=(1,2,3),(1,3,4),\cdots,(1,n-1,n)$ の $n-2$通り、
   $a=2:(a,b,c)=(2,3,5),(2,4,6),\cdots,(2,n-2,n)$ の $n-4$通り、
   $a=3:(a,b,c)=(3,4,7),(3,5,8),\cdots,(3,n-3,n)$ の $n-6$通り、
   $\cdots \cdots \cdots \cdots $
このように攻めていくと、最後は $1$通りで終わるか、$2$通りで終わるかのどちらかである。そこで $n$ が奇数か偶数かで場合を分けよう。
(ア) $n$ が奇数のとき、すなわち $n=2k+1$ なら最後は
   $a=k:(a,b,c)=(k,k+1,2k+1)$ の $1$通り
で終わるから、全部で
   $1 +3+5+\cdots+(n-2)=(\frac{n-1}{2})^2$ ……(答)
(イ) $n$ が偶数のとき、すなわち $n=2k+2$ なら最後は
   $a=k:(a,b,c)=(k,k+1,2k+1),(k,k+2,2k+2)$ の $2$通り
で終わるから、全部で
   $2 +4+6+\cdots+(n-2)=2(1+2+\cdots+\frac{n-2}{2})=2\times \frac{n-2}{2}(\frac{n-2}{2}+1)/2=\frac{n(n-2)}{4}$ ……(答)
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【第4問】関数 $f(x)$ は、次をみたすとする。
   $f(x)=x^2-\frac{3x}{5}\int_{0}^{1}f(t)dt+4$
曲線 $C:y=f(x)$ と直線 $l:y=mx$ は、$x$ 座標が正の点で接しているとする。
(1) $m$ の値と接点の座標を求めよ。
(2) 直線 $x=1$, 直線 $l$, および曲線 $C$ で囲まれた領域の面積を求めよ。

【解】(1) $\int_{0}^{1} f(t)dt=k$ とおく。
   $f(x)=x^2-\frac{3kx}{5}+4$
を 0 から 1 まで積分して
   $[\frac{1}{3}x^3-\frac{3k}{10}x^2+4x]_{0}^{1}=\frac{1}{3}-\frac{3k}{10}+4=k$
   $\Rightarrow \frac{13}{10}k=\frac{13}{3}$
よって
   $k=\frac{10}{3},f(x)=x^2-2x+4$
これと $y=mx$ と連立して、$y$ を消去すれば
   $x^2-(m+2)x+4=0$ ……(*)
で、接することからこれの判別式が 0 になる。
   $(m+2)^2-16=0 \Rightarrow m=\pm 4-2=2,-6$
ところで $y=mx$ が第1象限を通るためには $m>0$ でなければならないから、$m=2$ ……(答)
接点の座標は (*) に $m=2$ を代入した、
   $x^2-4x+4=(x-2)^2=0$
を解いて
   $(x,y)=(2,4)$ ……(答)

(2) 下図のピンクの面積を求める。
   $\int_{1}^{2}(x^2-2x+4-2x)dx=[\frac{1}{3}x^3-2x^2+4x]_{1}^{2}$
   $=\frac{1}{3}\cdot 7-2\cdot 3+4 \cdot 1=\frac{1}{3}$ ……(答)
   
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【第5問】次の問いに答えよ。
(1) $a>1$ とする。不等式 $(1+t)^a \leq K(1+t^a)$ がすべての $t \geq 0$ に対して成り立つような実数 $K$ の最小値を求めよ。
(2) $\int_{0}^{\pi} (1+\sqrt[5]{1+\sin x})^{10} dx < 6080$ を示せ。ただし、$\pi<3.15$ であることを用いてよい。

【解】(1) $(1+t^a)>0$ で両辺を割って
   $\frac{(1+t)^a}{1+t^a} \leq K$
の成立条件を考える。左辺の関数の最大値を求めれば、それが我々が求めるべき $K$ の最小値ということになる。
   $f(t)= \frac{(1+t)^a}{1+t^a}$
を微分すると
   $f'(t)= \frac{a(1+t)^{a-1}(1+t^a)-(1+t)^a at^{a-1}}{(1+t^a)^2}$
   $= \frac{a(1+t)^{a-1}}{(1+t^a)^2} ((1+t^a)-(1+t) t^{a-1})$
   $= \frac{a(1+t)^{a-1}}{(1+t^a)^2} (1- t^{a-1})$
だから臨界点は
   $t^{a-1}=1$
なる点だが、これの解は $t=1$ のみである。なぜなら $t^{a-1}$ は単調増加関数だからである。よって $f'(t)$ の符号は $t=1$ の前後で正から負に変わるので、$f(1)$ が $f(x)$ の最大値である。それを求めると
   $f(1)=\frac{(1+1)^a}{1+1^a}=2^{a-1}$ ……(答)

(2) $t=\sqrt[5]{1+\sin x}$ と考える。
   $(1+t)^{a}\leq 2^{a-1}(1+t^a)$
が成り立つことが前問により分かったので、$a=10$ として
   $(1+\sqrt[5]{1+\sin x})^{10}\leq 2^{9}(1+\sqrt[5]{1+\sin x}^{10})=2^{9}(1+(1+\sin x)^2)$
これを積分しても不等式が成り立つから
   $\int_{0}^{\pi}(1+\sqrt[5]{1+\sin x})^{10} dx \leq 2^{9}\int_{0}^{\pi}(1+(1+\sin x)^2)dx$
右辺を計算しよう。途中で半角の公式:$\sin^\theta=\frac{1-\cos2\theta}{2}$ を使う。
   $2^{9}\int_{0}^{\pi}(1+(1+\sin x)^2)dx=2^{9}\int_{0}^{\pi}(2+2\sin x+\frac{1-\cos 2x}{2})dx$
   $=2^{9}[ \frac{5}{2}x-2\cos x-\frac{1}{4}\sin 2x]_{0}^{\pi}$
   $=2^{9}(\frac{5}{2}\pi+4)<2^6\times 20 \times 3.15 +2^1\times 1$
   $=2^6 \times 63 +2^11=2^6(63+32)=6080$■
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【第6問】次の問いに答えよ。
(1) $2^n-1$ が $3$ で割り切れるような自然数 $n$ をすべて求めよ。
(2) $n^n-1$ が $3$ で割り切れるような自然数 $n$ をすべて求めよ。

【解】(1) 実験してみる。$n=1,2,3,4,5,6$ を代入すれば
   $2^n-1=1,3,7,15,31,63$
だから、$n$ が偶数、すなわち
   $n=2k$ ($k$ は自然数) ……(答)
が答だと見当がつく。あとは証明だ。$n=2k$ だと、
   $2^n-1=2^{2k}-1=(2^k-1)(2^k+1)$
となる。$2^k-1,2^k,2^k+1$ は連続する3つの自然数だが、真ん中は 3では割り切れない。よって $2^k-1,2^k+1$ の2数のうちのどちらかが 3で割り切れるので、その積たる $2^n-1$ も 3で割り切れる。
一方、奇数乗では割り切れないことを示そう。$2^{2k}-1=3l$ とおく。
   $2^n-1=2^{2k+1}-1=2\cdot 2^{2k}-1=6l-1$
でたしかに 3で割り切れない。($k=0$ の場合が除かれているが、このときも 3で割り切れない。)

【別解】(1) $mod.3$ の合同式で考える。
   $2 \equiv 2(mod.3),2^2 \equiv 1(mod.3)$
だから、$2^n=2 \cdot 2 \cdot 2 \cdot \cdots \cdot 2$ において $2$ が偶数個だったらペアごとに $1$ になるから、全体でも積は $\equiv 1$, 奇数個だったら $2$ が $1$個だけペアから外れるから全体で積は $\equiv 2$.
よって $n$ が偶数の自然数のとき
   $2^n-1 \equiv 1 - 1 \equiv 0(mod.3)$
で 3で割り切れ、$n$ が奇数の自然数のとき
   $2^n-1 \equiv 2 - 1 \equiv 1(mod.3)$
で 3で割ると $1$ 余る。

【解】(2) 前問の別解のように $mod.3$ の合同式で考える。
(ア) $n \equiv 0(mod.3)$ のとき
   $n^n-1 \equiv 0^n-1 \equiv 0-1 \equiv 2(mod.3)$
(イ) $n \equiv 1(mod.3)$ のとき
   $n^n-1 \equiv 1^n-1 \equiv 1-1 \equiv 0(mod.3)$
(ウ) $n \equiv 2(mod.3)$ のとき
   $n^n-1 \equiv 2^n-1 \equiv 1-1,2-1(mod.3)$
$n$ が偶数か奇数かにより、$\equiv 0$ か $\equiv 1$ になる。
したがって、$\equiv 0(mod.3)$ になるのは(イ)の $n$ が $3k+1$ 型の自然数と、(ウ)の $3k+2$ 型の偶数である。
では、$3k+2$ 型の偶数とは何かというと、3 と 2 の最小公倍数は 6 だから
   $n \equiv 2,5(mod.6)$
のうちの前者である。
したがって 3で割り切れる場合の $n$ は
   $n \equiv 1(mod.3),n \equiv 2(mod.6)$
すなわち
   $n=3k+1,6k+2(k\mbox{は}k\geq0\mbox{なる整数})$ ……(答)
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【第7問】$n$ を自然数、$\theta$ を実数とするとき、次の問いに答えよ。
(1) $\cos(n+2)\theta-2\cos\theta\cos(n+1)\theta+\cos n\theta=0$ を示せ。
(2) $\cos\theta=x$ とおくとき、$\cos 5\theta$ を $x$ の式で表せ。
(3) $\cos^2 \frac{\pi}{10}$ の値を求めよ。

【解】(1) 加法定理より
   $\cos(n+2)\theta=\cos\theta\cos(n+1)\theta-\sin\theta\sin (n+1)\theta$
だから、左辺は
   $-\cos\theta\cos(n+1)\theta-\sin\theta\sin (n+1)\theta+\cos n\theta$
になる。ここで加法定理を逆に使って
   左辺$=-\cos(n+1-1)\theta+\cos n\theta$
   $=-\cos n\theta+\cos n\theta=0$■

(2) $n+2=5$ だから今証明した等式に $n=3$ を代入すれば
   $\cos5\theta=2\cos\theta \cos 4\theta-\cos 3\theta$
となる。次に2倍角、3倍角の公式を使う。それは
   $\cos 2\theta=2 \cos^2\theta-1$,
   $\cos 3\theta=\cos 2\theta \cos\theta-\sin 2\theta \sin \theta$
   $=(2\cos^2\theta-1)\cos\theta-2\sin^2\theta\cos\theta$
   $=(2\cos^2\theta-1)\cos\theta-2(1-\cos^2\theta)\cos\theta$
   $=4\cos^3\theta-3\cos\theta$
のことである。よって
   $\cos5\theta=2\cos\theta (2\cos^2 2\theta-1)-(4\cos^3\theta-3\cos\theta)$
   $=2\cos\theta \{2(2\cos^2\theta-1)^2-1 \}-(4\cos^3\theta-3\cos\theta)$
   $=2x\{2(2x^2-1)^2-1 \}-(4x^3-3x)$
   $=2x(8x^4-8x^2+1)-(4x^3-3x)$
   $=16x^5-20x^3+5x$ ……(答)

(3) 半角の公式から
   $\cos^2\frac{\pi}{10}=\frac{1+\cos(\pi/5)}{2}$
である。$\frac{\pi}{5}$ は前問で作った $5\theta$ の公式:
   $\cos 5\theta=16x^5-20x^3+5x,x=\cos\theta$
から求めることができる。$\theta=\frac{\pi}{5}$ を代入すれば
   $16x^5-20x^3+5x=-1$
が出てきて、これを解けばよい。因数定理を使って
   $(x+1)(16x^4-16x^3-4x^2+4x+1)=0$
と変形できる。あと、第2因子を因数分解するのだが下図のように田の字でできる。
   
よって、
   $(x+1)(4x^2-2x-1)^2=0$
これを解くと
   $x=-1,\frac{1\pm\sqrt{5}}{4}$
だが $x=\cos\frac{\pi}{5}>0$ だから
   $x=\cos\frac{\pi}{5}=\frac{1+\sqrt{5}}{4}$
したがって
   $\cos^2\frac{\pi}{10}=(1+\frac{1+\sqrt{5}}{4})/2=\frac{5+\sqrt{5}}{8}$ ……(答)

【別解】(3) の後半部分。$16x^4-16x^3-4x^2+4x+1=0$ を解くのに次の方法もある。相反方程式に似ているので、$x^2(\neq 0)$ で両辺を割って
   $16x^2-16x-4+\frac{4}{x}+\frac{1}{x^2}=0$
ここで $4x-\frac{1}{x}=t$ とおけば、$16x^2-8+\frac{1}{x^2}=t^2$ だから
   $t^2+8-4t-4=0 \Rightarrow (t-2)^2=0 \Rightarrow t=2$,
   $4x-\frac{1}{x}=2 \Rightarrow 4x^2-2x-1=0$
このように本解で出てきたのと同じ2次方程式を得る。
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