[婆茶留高校数学科☆HP] SubTopPageに戻る

【入試問題研究】 埼玉大学 2019年度 前期日程 理・工学部
Copyright (C) virtual_high_school, 2019

【第1問】 次の問いに答えよ。
(1) 実数 $x,y$ が $(x-3)^2+(y-3)^2=8$ を満たすとき、$x+y$ と $xy$ のとりうる値の範囲をそれぞれ求めよ。
(2) $\alpha,\beta$ は $(\alpha-3)^2+(\beta-3)^2=8$ かつ $\alpha<\beta$ を満たす実数とする。また、$\alpha,\beta$ は2次方程式 $x^2-kx+\frac{5}{2}=0$ の2つの解であるとする。このとき $k,\alpha,\beta$ を求めよ。

【解】(1) この円はすっぽり第1象限に入っている。直線 $x+y=m$ や双曲線 $xy=n$ が円と交わればいいのだが、その交点は第1象限にあるので $m>0,n>0$ だけを考えればよい。
   
● 直線と円の方程式を連立して $y$ を消去すれば
   $(x-3)^2+(-x+m-3)^2=8 \Leftrightarrow 2x^2 -2mx +m^2-6m+10=0$
これに実数解が存在するのだから、判別式をとって
   $D/4=m^2-2(m^2-6m+10)=-m^2+12m-20 \geq 0$,
   $m^2-12m+20 =(m-2)(m-10) \leq 0 \Leftrightarrow 2\leq m \leq 10$,
   $2 \leq x+y \leq 10$ ……(答)
● 双曲線と円の方程式を連立して $y$ を消去すれば
   $(x-3)^2+(\frac{n}{x}-3)^2=8 \Leftrightarrow x^2-6x-\frac{6n}{x}+\frac{n^2}{x^2}+10=0$
ここで $x+\frac{n}{x}=t$ とおけば、$x^2+\frac{n^2}{x^2}=t^2-2n$ に注意して
   $t^2-6t+10-2n=0$ …①
が出てくる。ところで相加平均・相乗平均の関係から
   $t=x+\frac{n}{x}\geq 2\sqrt{n}$
だから、$t$ のこの範囲で①が 1個以上の実数解を持てばよい。まず①の判別式から
   $D/4=9-(10-2n)=2n-1 \geq 0 \Leftrightarrow n \geq \frac{1}{2}$
で、実数解のうち大きい方は
   $t=3+\sqrt{2n-1}$
だから、これが $\geq 2\sqrt{n}$ であればよい。よって
   $3+\sqrt{2n-1} \geq 2\sqrt{n}$,
   $\sqrt{2n-1} \geq 2\sqrt{n}-3$ …②
右辺が負であれば問題ないので、$n<\frac{9}{4}$ ならよい。先の条件と合わせれば
   $\frac{1}{2} \leq n < \frac{9}{4}$
そうでない場合は②の両辺を2乗して
   $2n-1 \geq4n -12\sqrt{n} +9$,
   $n-6\sqrt{n}+5 \leq 0$,
   $(\sqrt{n}-1)(\sqrt{n}-5) \leq 0$,
   $1 \leq \sqrt{n} \leq 5$,
   $1 \leq n \leq 25$
条件を合わせ考えれば
   $\frac{9}{4} \leq n \leq 25$.
したがって、合併集合をとって
   $\frac{1}{2} \leq n \leq 25$,
   $\frac{1}{2} \leq xy \leq 25$ ……(答)

【蛇足】 円の中心は $(3,3)$ で半径は $2\sqrt{2}$ だから、直線 $y=x$ と円との交点が $(3\pm \frac{2\sqrt{2}}{\sqrt{2}},3\pm \frac{2\sqrt{2}}{\sqrt{2}})=(5,5),(1,1)$ というのは暗算でも分かる。$x+y$ が最大、最小になるのはそれぞれこれらを代入して
   $x+y=5+5=10,x+y=1+1=2$
だから $2 \leq x+y \leq 10$ を得る。同様に $xy$ が最大になるのは上記の点の座標を代入して
   $xy=5\times 5=25$
だから $? \leq xy \leq 25$ を得る。問題は下限が暗算では分からないということだ。うっかり $xy=1\times 1=1$ を下限にするとマチガイである。$x^2-6x-\frac{6n}{x}+\frac{n^2}{x^2}+10=0$ を $x^2$ 倍すれば
   $x^4-6x^3+10x^2-6nx+n^2=0$
という4次方程式を得る。$n=1$ のとき左辺を $(x-1)^2$ で割ればたしかに
   $(x-1)^2(x^2-4x+1)=0$
となって $x=1$ は重解である。でも、こうではなく $x=1$ 以外の 2数で 2組の重解を持つ場合がある(上図参照)。このときは
   $x^4-6x^3+10x^2-6nx+n^2=(x-\alpha)^2(x-\beta)^2$
と因数分解できる。右辺を展開して両辺の係数を比較すると
   $\alpha+\beta=3,\alpha\beta=\frac{1}{2},n=\frac{1}{2}$
が出てくる。$n=\frac{1}{2}$ のときにも双曲線と円は接して、このときが最小の $n$ を与える。

【解】(2) 2次方程式の解と係数の関係より
   $\alpha+\beta=k,\alpha\beta=\frac{5}{2}$
であり、$(\alpha-3)^2+(\beta-3)^2=8$ より
   $(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta -6(\alpha+\beta)+10=0$
だから
   $k^2-6k-5+10=0 \Rightarrow (k-1)(k-5)=0 \Rightarrow k=1,5$
だが、前問の結果から
   $2 \leq k=\alpha+\beta \leq 10$
だから、
   $k=5$ ……(答)
となり、連立方程式
   $\left\{ \begin{array}{l} \alpha+\beta=5 \\ \alpha\beta=\frac{5}{2} \end{array} \right.$
を解いて
   $\alpha=\frac{5-\sqrt{15}}{2},\beta=\frac{5+\sqrt{15}}{2}$ ……(答)
 PageTopへ


【第2問】 一辺の長さが 1 の正四面体 OABC において、$\vec{OA}=\vec{a},\vec{OB}=\vec{b},\vec{OC}=\vec{c}$ とおく。辺 OB を $2:1$ に内分する点を P とし、線分 CP を $t:1-t$ に内分する点を Q とする$(0<t<1)$。次の問いに答えよ。
(1) $\vec{OQ}$ を $t,\vec{b},\vec{c}$ を用いて表せ。
(2) ベクトルの大きさ $|\vec{OQ}|$ と内積 $\vec{OA}\cdot\vec{OQ}$ を $t$ を用いて表せ。
(3) 三角形 OAQ の面積を $S(t)$ とする。$S(t)$ を求めよ。
(4) 面積 $S(t)$ を最小にする $t$ の値 $t_{0}$ と、最小の面積 $S(t_{0})$ を求めよ。

【解】(1) $\vec{OP}=\frac{2}{3}\vec{OB}=\frac{2}{3}\vec{b}$ に内分の公式をもう一度使って
   
   $\vec{OQ}=(1-t)\vec{OC}+t\vec{OP}=(1-t)\vec{c}+t\frac{2}{3}\vec{b}=\frac{2t}{3}\vec{b}+(1-t)\vec{c}$ ……(答)

(2) $|\vec{OQ}|=\sqrt{\vec{OQ}\cdot \vec{OQ}}$ を使えばよい。
   $|\vec{OQ}|^2=\frac{4t^2}{9}|\vec{b}|^2+\frac{4t(1-t)}{3}\vec{b}\cdot\vec{c}+(1-t)^2|\vec{c}|^2$
ところで 1辺 1の四面体だから
   $|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|=1$
であり、また
   $\vec{b}\cdot\vec{c}=|\vec{b}||\vec{c}|\cos 60^\circ=\frac{1}{2}$
等々だから
   $|\vec{OQ}|=\sqrt{\frac{4t^2}{9}+\frac{2t(1-t)}{3}+(1-t)^2}=\sqrt{\frac{7}{9}t^2-\frac{4}{3}t+1}$ ……(答)
また
   $\vec{OA}\cdot\vec{OQ}=\vec{a}\cdot(\frac{2t}{3}\vec{b}+(1-t)\vec{c})= \frac{2t}{3}\vec{a}\cdot\vec{b}+(1-t)\vec{a}\cdot\vec{c}$
   $= \frac{t}{3}+\frac{1-t}{2}=-\frac{1}{6}t+\frac{1}{2}$ ……(答)

(3) $\angle AOQ=\theta$ とおけば
   $S(t)=\frac{1}{2}|\vec{OA}||\vec{OQ}|\sin\theta$
だから、これを $\vec{OA}\cdot\vec{OQ}=|\vec{OA}||\vec{OQ}|\cos\theta$ を使って表現すればよい。
   $S(t)=\frac{1}{2}|\vec{OA}||\vec{OQ}|\sqrt{1-\cos^2\theta}=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{OA}|^2|\vec{OQ}|^2-|\vec{OA}|^2|\vec{OQ}|^2\cos^2\theta}$
   $=\frac{1}{2}\sqrt{|\vec{OQ}|^2-(\vec{OA}\cdot\vec{OQ})^2}$
前問の結果を用いて
   $S(t)=\frac{1}{2}\sqrt{\frac{7}{9}t^2-\frac{4}{3}t+1-(-\frac{1}{6}t+\frac{1}{2})^2}$
   $=\frac{1}{2}\sqrt{\frac{27}{36}t^2-\frac{7}{6}t+\frac{3}{4}}=\frac{\sqrt{3}}{4}\sqrt{t^2-\frac{14}{9}+1}$ ……(答)

(4) √ の中を平方完成する。
   $t^2-\frac{14}{9}+1=(t-\frac{7}{9})^2+\frac{32}{81}\geq \frac{32}{81}$
よって $t$ の値が
   $t_{0}=\frac{7}{9}$ ……(答)
のときに最小になり、最小値は
   $S(t_{0})=\frac{\sqrt{3}}{4}\sqrt{\frac{32}{81}}=\frac{\sqrt{6}}{9}$ ……(答)
 PageTopへ


【第3問】 数列 $\{a_{n}\},\{b_{n}\}$ を
   $a_{n}=\sum_{j=1}^{2n} \frac{(-1)^{j-1}}{j} =\frac{1}{1}-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots +\frac{1}{2n-1}-\frac{1}{2n}$
   $b_{n}=\sum_{j=1}^{n} \frac{1}{n+j}$
により定める。次の問いに答えよ。
(1) $b_{1},b_{2},b_{3}$ を求めよ。
(2) $a_{n}=b_{n}$ $(n=1,2,3,\cdots)$ を示せ。
(3) $\lim_{n \rightarrow \infty} a_{n}$ を求めよ。


【解】(1)定義に従えば
   $b_{1}=\sum_{j=1}^{1} \frac{1}{1+j}=\frac{1}{2}$,
   $b_{2}=\sum_{j=1}^{2} \frac{1}{2+j}=\frac{1}{3}+\frac{1}{4}=\frac{7}{12}$,
   $b_{3}=\sum_{j=1}^{3} \frac{1}{3+j}=\frac{1}{4}+\frac{1}{5}+\frac{1}{6}=\frac{37}{60}$ ……(答)

(2) 帰納的定義の考えによれば、数列は初項と2項間の漸化式により決まる。つまり、初項と漸化式が同じ2つの数列は相等しい(各項が等しい)のである。
数列 $\{a_{n}\}$ の初項は
   $a_{1}=\frac{1}{1}-\frac{1}{2}=\frac{1}{2}$
であり、漸化式は
   $a_{n+1}-a_{n}=\frac{1}{2n+1}-\frac{1}{2n+2}$
である。一方、数列 $\{b_{n}\}$ の初項も
   $b_{1}=\frac{1}{2}$
だったし、漸化式は
   $b_{n+1}-b_{n}=\sum_{j=1}^{n+1} \frac{1}{n+1+j}- \sum_{j=1}^{n} \frac{1}{n+j}$
   $=(\frac{1}{n+2}+\cdots +\frac{1}{2n}+\frac{1}{2n+1}+\frac{1}{2n+2})-(\frac{1}{n+1}+\frac{1}{n+2}+\cdots +\frac{1}{2n})$
   $=\frac{1}{2n+1}+\frac{1}{2n+2} -\frac{1}{n+1}=\frac{1}{2n+1}-\frac{1}{2n+2}$
だから、$\{a_{n}\}$ のそれとまったく同じだ。よって
   $a_{n}=b_{n}$ $(n=1,2,3,\cdots)$■

(3) これは定積分だ。
   $\lim_{n \rightarrow \infty} a_{n}=\lim b_{n}=\lim \sum_{j=1}^{n} \frac{1}{n+j}=\lim \sum_{j=1}^{n} \frac{1}{1+(j/n)}\cdot \frac{1}{n}$
$1+(j/n)=x_{j}$ とおけば $x_{0}=1$ から $x_{n}=2$ までの区間を $n$ 等分して、関数 $y=\frac{1}{x}$ を区分求積していることになる。よって、これは
   $\int_{1}^{2}\frac{1}{x}dx=[\log |x|]_{1}^{2}=\log 2$ ……(答)
 PageTopへ


【第4問】 $a$ は $0<a<1$ を満たすとする。$x>0$ において、関数
   $f(x)=\frac{\log x}{x^2},g(x)=a \log x$
を考える。次の問いに答えよ。必要ならば $\lim_{x\rightarrow \infty} \frac{\log x}{x}=0$ を用いてよい。
(1) 関数 $f(x)$ の増減、凹凸を調べ、$y=f(x)$ のグラフの概形を $xy$ 平面に描け。
(2) 曲線 $y=f(x)$ と曲線 $y=g(x)$ で囲まれた部分の面積を $S(a)$ とする。$S(a)$ を求めよ。
(3) $\lim_{a\rightarrow +0}S(a)$ を求めよ。

【解】(1)1階、2階微分をそれぞれ求めると、
   $f'(x)=\frac{(1/x)\cdot x^2-2x\log x}{x^4}=\frac{1-2\log x}{x^3}$,
   $f''(x)=\frac{-(2/x)\cdot x^3-3x^2(1-2\log x)}{x^6}=\frac{-5+6\log x}{x^4}$
臨界点は $\log x=\frac{1}{2} \Leftrightarrow x=\sqrt{e}$ で、この前後で正から負に変わるので、極大点は $(\sqrt{e},\frac{1}{2e})$ である。
変曲点は $\log x=\frac{5}{6} \Leftrightarrow x=e^{5/6}$ のところで、この前後で負(上に凸)から正(下に凸)に変わる。よって変曲点の座標は $(e^{5/6},\frac{5}{6}e^{-5/3})$ である。
$x$ 軸との交点は $(1,0)$ である。
極限だが、$x\rightarrow \infty$ のときは
   $\lim\frac{\log x}{x^2}=\lim\frac{1}{x}\cdot\frac{\log x}{x}=0\times 0=0$
で、$x\rightarrow +0$ のときは $x=\frac{1}{t}$ とおいて $t\rightarrow \infty$ とすると
   $\lim\frac{\log x}{x^2}=\lim t^2(-\log t)=\infty \times (-\infty)=-\infty$
よって、漸近線は $x$軸と $y$軸の 2本である。
$x=+0$ における接線の傾きだが、やはり$x=\frac{1}{t}$ とおいて $t\rightarrow \infty$ として
   $\lim\frac{1-2\log x}{x^3}=\lim t^3(1+2\log t)=\infty$
$y$軸が漸近線であることが再確認される。
これにより増減表とグラフは以下の通りである。
   
   

(2) 2つのグラフの交点を求めよう。$\frac{\log x}{x^2}=a \log x$ より
   $\log x(ax^2-1)=0$,
   $x=1,\frac{1}{\sqrt{a}}$
$\frac{1}{\sqrt{a}}>1$ に注意して
   $S(a)=\int_{1}^{1/\sqrt{a}} (\frac{\log x}{x^2}-a\log x)dx$
前項と後項に分けて計算しよう。前項は
   $\int_{1}^{1/\sqrt{a}} \frac{\log x}{x^2}dx=[-\frac{1}{x}\log x]_{1}^{1/\sqrt{a}} +\int_{1}^{1/\sqrt{a}} (\frac{1}{x})^2dx$
   $=\frac{1}{2}\sqrt{a}\log a+[-\frac{1}{x}]_{1}^{1/\sqrt{a}}$
   $=\frac{1}{2}\sqrt{a}\log a-\sqrt{a}+1$
で、後項は
   $\int_{1}^{1/\sqrt{a}} a\log xdx=[ax\log x]_{1}^{1/\sqrt{a}}-\int_{1}^{1/\sqrt{a}} adx$
   $=-\frac{1}{2}\sqrt{a}\log a-a(\frac{1}{\sqrt{a}}-1)$
   $=-\frac{1}{2}\sqrt{a}\log a-\sqrt{a}+a$
だから、差をとって
   $S(a)=\sqrt{a}\log a+1-a$ ……(答)

(3) $a=\frac{1}{b^2}$ と置き換えればよい。実際
   $\lim_{a\rightarrow +0}S(a)=\lim(\sqrt{a}\log a+1-a)$
   $=\lim_{b\rightarrow \infty}\frac{1}{b}(-2\log b)+1-0$
   $=\lim (-2\frac{\log b}{b})+1=1$ ……(答)
 PageTopへ


★「婆茶留高校」は架空の存在であり、実在の人物、団体とは関係ありません。
<-- クリックして婆茶留高校へメール送信 mailto: virtual_h_s@yahoo.co.jp 
URL:http://www.virtual-hs.com/ Powered by   Copyright(c) virtual_high_school, 2001-2021