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【入試問題研究】 岡山大学 2019年度 前期日程 理・工・ほか
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【第1問】 A と B の二人がじゃんけんをする。1回ごとに、勝った方は 2点、負けた方は 0点、あいこの場合はどちらも 1点ずつを得るものとする。$n$ 回目のじゃんけんを終えた時点での A の得点の合計を $a_{n}$,
B の得点の合計を $b_{n}$ とする。以下の問いに答えよ。
(1) $a_{3}=3$ となる確率を求めよ。
(2) $a_{5}=5$ となる確率を求めよ。
(3) $a_{5}\geq b_{5}$ となる確率を求めよ。

【解】(1) $3=1+1+1=2+1+0$ だから A が「3分け」か「1勝1敗1分け」する。
   $(\frac{1}{3})^3 +\frac{3!}{1!1!1!}(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})=(\frac{1}{3})^3 (1+6)=\frac{7}{27}$……(答)

(2) $5=1+1+1+1+1=2+1+1+1+0=2+2+1+0+0$ だから A が「5分け」か「1勝1敗3分け」か「2勝2敗1分け」する。
   $(\frac{1}{3})^5 +\frac{5!}{1!1!3!}(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})^3+\frac{5!}{2!2!1!}(\frac{1}{3})^2(\frac{1}{3})^2(\frac{1}{3})$
   $=(\frac{1}{3})^5 (1+20+30)=\frac{51}{3^5}=\frac{17}{81}$……(答)

(3) 余事象の $a_{5}< b_{5}$ (B勝利)の確率を計算する。B が勝つのは、B が
「5勝」「4勝」「3勝」「2勝1敗2分け」「2勝0敗3分け」「1勝4分け」である。
   $(\frac{1}{3})^5 +\frac{5!}{4!1!}(\frac{1}{3})^4(\frac{2}{3})+\frac{5!}{3!2!}(\frac{1}{3})^3(\frac{2}{3})^2$
     $+\frac{5!}{2!1!2!}(\frac{1}{3})^2(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})^2+\frac{5!}{2!3!}(\frac{1}{3})^2(\frac{1}{3})^3+\frac{5!}{1!4!}(\frac{1}{3})(\frac{1}{3})^4$
   $=(\frac{1}{3})^5(1+10+40+30+10+5)=\frac{96}{3^5}=\frac{32}{81}$
よって求めるべき確率は
   $1-\frac{32}{81}=\frac{49}{81}$……(答)
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【第2問】 $a,b$ を正の数とする。数列 $\{x_{n}\}$ を
   $x_{1}=a,x_{2}=b,x_{n+2}=\frac{1+x_{n+1}}{x_{n}}(n=1,2,3,\cdots)$
により定める。以下の問いに答えよ。
(1) $x_{6},x_{7}$ を $a,b$ を用いて表せ。
(2) $x_{n}(n=1,2,3,\cdots)$ がすべて自然数になるような $a,b$ の組をすべて求めよ。

【解】(1) 各項を順次求めると
   $x_{3}=\frac{1+x_{2}}{x_{1}}=\frac{1+b}{a}$,
   $x_{4}=\frac{1+x_{3}}{x_{2}}=(1+\frac{1+b}{a})/b=\frac{1+a+b}{ab}$,
   $x_{5}=\frac{1+x_{4}}{x_{3}}=(1+\frac{1+a+b}{ab})/\frac{1+b}{a}=\frac{(1+a)(1+b)}{b(1+b)}=\frac{1+a}{b}$,
   $x_{6}=\frac{1+x_{5}}{x_{4}}=(1+\frac{1+a}{b})/\frac{1+a+b}{ab}=a$,……(答)
   $x_{7}=\frac{1+x_{6}}{x_{5}}=(1+a)/\frac{1+a}{b}=b$,……(答)
   $\cdots \cdots$
となる。

(2) 第6, 7項で $a,b$ が出てきたから振り出しに戻ることになる。すなわち
   $a \rightarrow b \rightarrow \frac{1+b}{a}\rightarrow \frac{1+a+b}{ab} \rightarrow =\frac{1+a}{b} \rightarrow\rightarrow$
の繰り返しである。この5項すべてが自然数というのだが、
   $\frac{1+a+b}{ab}=\frac{1+b}{a} \times \frac{1+a}{b}-1$
だから $\frac{1+b}{a},\frac{1+a}{b}$ がともに自然数ならあまり気にすることはない。$a,b$ を自然数とする。
$\frac{1+b}{a}$ も自然数だから $1+b$ は $a$ の倍数である。よって
   $1+b\geq a$
また $\frac{1+a}{b}$ も自然数だから $1+a$ は $b$ の倍数である。よって
   $1+a\geq b \Leftrightarrow a\geq b-1$
まとめると
   $b-1 \leq a \leq b+1 \Leftrightarrow a=b,b\pm 1$
(ア) $a=b$ のとき
 $x_{3}=\frac{1+b}{b}=\frac{1}{b}+1$ が自然数だから $b=1$
 よって求めるべき組は $(a,b)=(1,1)$
(イ) $a=b+1$ のとき
 $x_{5}=\frac{2+b}{b}=\frac{2}{b}+1$ が自然数だから $b$ は2の約数、すなわち $b=1,2$
 よって求めるべき組は $(a,b)=(2,1),(3,2)$
(ウ) $a=b-1$ のとき
 $x_{3}=\frac{1+b}{b-1}=1+\frac{2}{b-1}$ が自然数だから $b-1$ は2の約数、すなわち $b-1=1,2$
 よって求めるべき組は $(a,b)=(1,2),(2,3)$
以上に出てきたのは全項自然数であるための必要条件であって、まだ十分条件かどうか分かっていない。そこで
   $(a,b)=(1,1),(2,1),(3,2),(1,2),(2,3)$……(答)
を $x_{3}=\frac{1+b}{a},x_{5}=\frac{1+a}{b},x_{4}=\frac{(1+a)(1+b)}{ab}-1=x_{3}x_{5}-1$ に代入して自然数になるかを確認する。
 $(a,b)=(1,1) \Rightarrow x_{3}=2,x_{5}=2,x_{4}=3$
 $(a,b)=(2,1) \Rightarrow x_{3}=1,x_{5}=3,x_{4}=2$
 $(a,b)=(3,2) \Rightarrow x_{3}=1,x_{5}=2,x_{4}=1$
 $(a,b)=(1,2) \Rightarrow x_{3}=3,x_{5}=1,x_{4}=2$
 $(a,b)=(2,3) \Rightarrow x_{3}=2,x_{5}=1,x_{4}=1$
全部OKだから、十分条件でもあったのだ。
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【第3問】 次の 3つの等式
   $z\bar{w}=\bar{z}w,|z-1|=1,|z-w|=2$
を満たす複素数 $z,w$ について、次の問いに答えよ。ただし $z\neq 0$ とし、$z$ の偏角を $\theta$ と表す。
(1) 複素数平面において 3点 $0,z,w$ は一直線上にあることを示せ。
(2) $z$ と $w$ を $theta$ を用いて表せ。
(3) $\theta$ は $0\leq \theta <\frac{\pi}{2}$ の範囲を動くとする。このとき $w$ のとりうる値について、その虚部の最大の値を求めよ。

【解】(1) $w \neq 0$ のときは両辺を $\bar{z}\bar{w}$ で割って
   $\frac{z}{\bar{z}}=\frac{w}{\bar{w}}$
とする。$z=r(\cos \theta+i\sin\theta),w=R(\cos \Theta+i\sin\Theta)$ とおけば
   $\frac{r(\cos \theta+i\sin\theta)}{r(\cos \theta-i\sin\theta)}=\frac{R(\cos \Theta+i\sin\Theta)}{R(\cos \Theta-i\sin\Theta)}$,
   $(\cos \theta+i\sin\theta)^2=(\cos \Theta+i\sin\Theta)^2$,
   $\cos 2\theta+i\sin2\theta=\cos 2\Theta+i\sin 2\Theta)$,
   $2\theta-2\Theta=2n\pi$,
   $\theta-\Theta=n\pi$
よって
   $w=R \{\cos (\theta+2n\pi)+i\sin(\theta+2n\pi)\}$ または $w=R \{\cos (\theta+(2n+1)\pi)+i\sin(\theta+(2n+1)\pi)\}$
だから
   $w=R (\cos \theta+i\sin\theta)$ または $w=-R (\cos \theta+i\sin\theta)$
したがって
   $\frac{w-0}{z-0}=\pm \frac{R}{r}$
が実数となって $0,z,w$ が一直線上にあると分かる。
他方、$w \neq 0$ のときだが、$0,z,w=0$ が一直線上にあるのは当然である。■

(2) $|z-1|=1$ より $z$ は 1 を中心とする半径 1 の円周上にある。円周角の定理により $z$ と $1$ と $x$ 軸が作る角は $\theta$ の 2倍になる。よって
   $z=1+\cos 2\theta+i\sin 2\theta$……(答)
   

一方、$|w-z|=2$ より $w$ は $z$ を中心とする半径 2 の円周上にあり、$0,z,w$ が一直線上であることが分かっているから$w$ と $z$ と $x$ 軸の平行線が作る角は $\theta$ または $-\theta$ としてよい。(図参照)よって
   $w=z+2(\cos \theta+i\sin\theta)=1+\cos 2\theta+i\sin 2\theta \pm2(\cos \theta+i\sin\theta)$
   $=1+\cos 2\theta \pm 2\cos\theta+i(\sin 2\theta \pm 2\sin\theta)$……(答)

(3) $w$ の虚部 $Im$ は
   $Im=\sin 2\theta \pm 2\sin\theta (0\leq \theta <\frac{\pi}{2})$
である。最大を考えるのだから、複号の'+'の方だけ調べればよい。
$\frac{d}{d\theta}Im=2 \cos 2\theta+2\cos\theta=2(2\cos^2\theta-1+\cos\theta)=2(2\cos\theta-1)(\cos\theta+1)$
変域に注意して、臨界点は $\cos\theta=\frac{1}{2},\theta=\frac{\pi}{3}$ である。この $\theta$ の値の前後で $\frac{d}{d\theta}Im$ の符号は正から負に変わる。
よって、最大値は $\theta=\frac{\pi}{3}$ のときで
   $Im=\sin \frac{2\pi}{3} + 2\sin\frac{\pi}{3}=\frac{3\sqrt{3}}{2}$……(答)
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【第4問】 座標平面において線分 $L:y=x(0\leq x \leq 1)$, 曲線 $C:y=x^2-x+1(0 \leq x \leq 1)$ および $y$ 軸で囲まれた図形を $D$ とする。以下の問いに答えよ。
(1) $C$ 上の点 $P(t,t^2-t+1)$ から $L$ に下した垂線と $L$ の交点を $Q$ とする。線分 $OQ$ の長さ $u$ を $t$ で表せ。ただし $O$ は原点とする。
(2) (1) の $P,Q$ について線分 $PQ$ の長さを $t$ を用いて表せ。
(3) 図形 $D$ を直線 $y=x$ のまわりに 1回転してできる立体の体積を求めよ。

【解】(1) 垂線:
   $y-(t^2-t+1)=-(x-t)$
と $y=x$ との交点 $Q$ は
   $x-(t^2-t+1)=-(x-t) \Rightarrow x=\frac{t^2+1}{2}$
より $Q(\frac{t^2+1}{2},\frac{t^2+1}{2})$ である。$OQ$ は直角二等辺三角形の斜辺だから
   $u=\sqrt{2}\cdot \frac{t^2+1}{2}=\frac{t^2+1}{\sqrt{2}}$……(答)
   

(2) 点 $P(t,t^2-t+1)$ と直線 $x-y=0$ の間の距離は
   $PQ=\frac{|t-(t^2-t+1)|}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=\frac{|t^2-2t+1|}{\sqrt{2}}=\frac{(t-1)^2}{\sqrt{2}}$……(答)

(3) 直線 $y=x$ を $u$ 軸と考えて積分する。$t=0$ に対応する垂線の下側にできる部分を回転すると円錐ができるのでその体積を $V_{1}$ とし、残りの部分を回転した立体の体積を $V_{2}$ としよう。
$t=0$ のとき、$OQ=u=\frac{1}{\sqrt{2}},PQ=\frac{1}{\sqrt{2}}$ だから
   $V_{1}=\frac{1}{3}\pi PQ^2 \cdot OQ=\frac{1}{3}\pi (\frac{1}{\sqrt{2}})^3=\frac{\pi}{6\sqrt{2}}$
残余は
   $V_{2}=\pi\int_{t=0}^{1}PQ^2 du$
だが、変数変換により $du=\sqrt{2}tdt$ だから
   $V_{2}=\pi\int_{0}^{1}\{ \frac{(t-1)^2}{\sqrt{2}} \}^2 \sqrt{2}tdt=\frac{\pi}{\sqrt{2}}\int_{0}^{1} t(t-1)^4 dt$
ここで、また $t-1=s$ と置換積分すると
   $V_{2}=\frac{\pi}{\sqrt{2}}\int_{-1}^{0} s^4(s+1) ds=\frac{\pi}{\sqrt{2}}[\frac{1}{6}s^6+\frac{1}{5}s^5]_{-1}^{0}$
   $=\frac{\pi}{30\sqrt{2}}$
よって求めるべき体積は
   $V=V_{1}+V_{2}=\frac{\pi}{6\sqrt{2}}+\frac{\pi}{30\sqrt{2}}=\frac{\pi}{5\sqrt{2}}$……(答)
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