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【入試問題研究】 新潟大学 2019年度 前期日程
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【第1問】 座標空間において、1辺の長さが 1の立方体 $OABC-DEFG$ をなす 8つの頂点 $O(0,0,0),A(1,0,0),B(1,1,0),C(0,1,0)$ および $D(0,0,1),E(1,0,1),F(1,1,1),G(0,1,1)$ をとる。$\vec{OA}=\vec{a},\vec{OC}=\vec{c},\vec{OD}=\vec{d}$ とおく。辺上 $DE$ に点 $P(s,0,1)(0\leq s\leq 1)$, 辺 $CB$ 上に点 $Q(t,1,0)(0\leq t\leq 1)$ をとり、3点 $O,P,Q$ を含む平面と直線 $GF$ との交点を $R$ とする。また四角形 $OPQR$ の面積を $U$ とする。次の問いに答えよ。
(1) $\vec{OP},\vec{OQ},\vec{OR}$ を $\vec{a},\vec{c},\vec{d}$ および $s,t$ で表せ。
(2) 内積 $\vec{OP}\cdot \vec{OQ}$ を $s,t$ で表せ。また、$U$ を $s,t$ で表せ。
(3) 点 $R$ が辺 $GF$ 上にあるとき、$U$ の最大値、最小値を求めよ。またそのときの $s,t$ の値を求めよ。

【解】(1) $\vec{a}=(1,0,0),\vec{c}=(0,1,0),\vec{d}=(0,0,1)$ は基本ベクトルであるから、
   $\vec{OP}=(s,0,1)=s\vec{a}+\vec{d}$,
   $\vec{OQ}=(t,1,0)=t\vec{a}+\vec{c}$……(答)
はすぐ分かる。

問題は $\vec{OR}$ だ。実は立方体を平面できると切り口は一般に平行四辺形になる(特殊な場合には三角形になったりする)のである。下の写真はそれを示す教具だ。
   
したがって
   $\vec{OR}=\vec{OP}+\vec{OQ}$
であるのだが、それをベクトルを使って確認してみよう。点 $R$ は 2つのベクトル $\vec{OP},\vec{OQ}$ が張る平面上にあるから
   $\vec{OR}=k\vec{OP}+l\vec{OQ}$
で、かつ直線 $GF$ 上にあるから
   $\vec{OR}=m\vec{OG}+(1-m)\vec{OF}$
である。この 2つの表記法を等置して
   $k(s\vec{a}+\vec{d})+l(t\vec{a}+\vec{c})=(1-m)(\vec{c}+\vec{d})+m(\vec{a}+\vec{c}+\vec{d})$
とし、$\vec{a},\vec{c},\vec{d}$ の係数を比較して
   $ks+lt=m,l=1-m+m,k=1-m+m \Rightarrow k=1,l=1,m=s+t$
よって
   $\vec{OR}=\vec{OP}+\vec{OQ}$
でたしかに $OPRQ$ は平行四辺形である。
   $\vec{OR}=\vec{OP}+\vec{OQ}=(s\vec{a}+\vec{d})+(t\vec{a}+\vec{c})=(s+t)\vec{a}+\vec{c}+\vec{d}$……(答)

(2) 内積は
   $\vec{OP}\cdot \vec{OQ}=(s\vec{a}+\vec{d})\cdot(t\vec{a}+\vec{c})$
だが、垂直なベクトルの内積は 0で、1辺の長さが 1だから
   $(s\vec{a}+\vec{d})\cdot(t\vec{a}+\vec{c})=st|\vec{a}|^2+0+0+0=st$……(答)

平行四辺形の面積は $\angle POQ=\theta$ とおけば
   $U=|\vec{OP}||\vec{OQ}|\sin\theta=|\vec{OP}||\vec{OQ}|\sqrt{1-\cos^2\theta}$
   $=\sqrt{|\vec{OP}|^2|\vec{OQ}|^2-(|\vec{OP}||\vec{OQ}|\sin\theta)^2}=\sqrt{|\vec{OP}|^2|\vec{OQ}|^2-(\vec{OP}\cdot\vec{OQ})^2}$
よって
   $U=\sqrt{(s^2+0+1)(t^2+1+0)-(st)^2}=\sqrt{s^2+t^2+1}$……(答)

(3) 辺上にあるから (2) で使った $m=s+t$ の値が
   $0 \leq s+t \leq 1$
の範囲を動く。また問題文にあるように
   $0\leq s,t \leq 1$
である。この範囲内で $s^2+t^2+1=U^2$ の最大・最小を考える。$st$ 平面において $s^2+t^2=U^2-1$ は原点中心、半径 $\sqrt{U^2-1}$ の円を表すから、下図の黄色の領域とこの円が共有点を持つようにしなければならない。
   
この条件下で、半径が最大になるのは円が点 $(s,t)=(1,0),(0,1)$ のいずれかを通るときでそのときの半径は $\sqrt{U^2-1}=1 \Rightarrow U=\sqrt{2}$ である。
一方、半径が最小になるのは円が原点そのものになるときで、共有点は $(s,t)=(0,0)$ で半径は 0だから $\sqrt{U^2-1}=0 \Rightarrow U=1$
結局、最大値は $U=\sqrt{2},(s,t)=(1,0),(0,1)$ で、最小値は $U=1,(s,t)=(0,0)$……(答)
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【第2問】 多項式 $P(x)=x^{2n}-nx^{n+1}+nx^{n-1}-1$ について、次の問いに答えよ。ただし、$n$ は 2以上の整数とする。
(1) $Q(t)=P(t+1)$ とおく。多項式 $Q(t)$ の定数項、$t$ の係数および $t^2$ の係数は 0であることを示せ。
(2) $P(x)$ は $(x-1)^3$ で割り切れるが、$(x-1)^4$ では割り切れないことを示せ。
(3) 方程式 $P(x)=0$ の整数解は $1$ および $-1$ のみであることを示せ。

【解】(1) $Q(t)=(t+1)^{2n}-n(t+1)^{n+1}+n(t+1)^{n-1}-1$
である。二項定理によれば
   $(t+1)^N=\sum_{k=0}^{N} {_{N}C_{k}}t^{N-k}=\cdots +\frac{N(N-1)(N-2)}{6}t^3 +\frac{N(N-1)}{2}t^2+Nt+1$
である。よって、$Q(t)$ から定数項だけ抜き出せば
   $1^{2n}-n1^{n+1}+n1^{n-1}-1=1-n+n-1=0$
$t$ の 1次の項の係数だけ抜き出せば
   $2n-n(n+1)+n(n-1)=0$,
$t^2$ の係数だけ抜き出せば
   $\frac{2n(2n-1)}{2}-n\frac{(n+1)n}{2}+n\frac{(n-1)(n-2)}{2}=\frac{1}{2}\{ (4n^2-2n)-n^2(n+1)+n(n^2-3n+2)\}=0$
ただし、これは $n\geq3$ のときである。$n=2$ のときには最左辺の第3項がないのであるが、$n=2$ を代入すれば第3項が 0になるのでこれでよい。■

(2) 引き続いて、$t^3$ の係数だけ抜き出せば($n\geq 4$ のとき)
   $\frac{2n(2n-1)(2n-2)}{6}-n\frac{(n+1)n(n-1)}{6}+n\frac{(n-1)(n-2)(n-3)}{6}$
   $=\frac{1}{6}\{ (2n(4n^2-6n+2)-n^2(n^2-1)+n(n^3-6n^2+11n-6)\}=\frac{n(n+1)(n-1)}{3}$
$n=2,3$ のときは最左辺の第3項がないのであるが、$n=2,3$ を代入すれば第3項が 0になるのでこれでよい。いま $n\geq2$ なのであるから、$t^3$ の係数は 0にならない。
したがって $Q(t)$ の展開式を降ベキの順に書けば
   $Q(t)=t^{2n} +\cdots +\frac{n(n+1)(n-1)}{3}t^3+0t^2+0t+0=t^3\{ t^{2n-3}+\cdots+\frac{n(n+1)(n-1)}{3}\}$
$Q(t)=P(t+1)$ において $t+1=x$ とすれば
   $P(x)=Q(x-1)=(x-1)^3 \{ (x-1)^{2n-3}+\cdots+\frac{n(n+1)(n-1)}{3} \}$
これは $(x-1)^3$ で割り切れるが、$\{ \}$ 内が $(x-1)$ で割り切れない(定数項$\neq 0$ だから $x=1$ を代入しても 0にならない) から $P(x)$ は $(x-1)^4$ では割り切れない。■

(3) 整数解 $x=m$ を持ったとする。
   $P(m)=m^{2n}-nm^{n+1}+nm^{n-1}-1=0$,
   $m^{2n}-nm^{n+1}+nm^{n-1}=1$
両辺とも整数であるが、$n\geq 2$ だから左辺は $m$ で割り切れる。右辺は 1 だから $m$ は 1の約数ということになるが、約数は $1$ と $-1$ 以外にありえない。だから解があったとしても、$\pm 1$ 以外ではない。
そして実際に解は存在する。$(x-1)^3$ で割り切れるから、$x=1$ は解であり、$P(x)$ に $x=-1$ を代入すると
(ア) $n$ が偶数のとき
  $P(-1)=(-1)^{2n}-n(-1)^{n+1}+n(-1)^{n-1}-1=1+n-n-1=0$
(イ) $n$ が奇数のとき
  $P(-1)=1-n+n-1=0$
であるから、$x=-1$ も解である。■
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【第3問】 平行四辺形 $ABCD$ において、辺 $AB$ の長さを $p$, 辺 $BC$ の長さを $q$ とし、$\theta=\angle BAD$ とおく。ただし $p>q$ とする。平行四辺形 $ABCD$ の内部の点 $P$ と 4本の直線 $AB,BC,CD,DA$ との距離のうちで最小のものを $r$ とする。点 $P$ が平行四辺形 $ABCD$ の内部を動くときの $r$ の最大値を $R$ とし、最大値 $R$ を与える点 $P$ の軌跡を $L$ とする。次の問いに答えよ。
(1) 平行四辺形 $ABCD$ 内に $L$ を図示せよ。
(2) 半径 $R$ の円の中心が $L$ 上を動くとき、円およびその内部が通過する領域の面積を $S$ とする。$S$ を $p,q$ および $\theta$ で表せ。
(3) 平行四辺形 $ABCD$ の面積を $T$ とする。(2) で求めた $S$ に対して $\lim_{\theta\rightarrow +0}\frac{S}{T}$ を求めよ。

【解】(1) 4辺までの最短距離 $r$ を定数としよう。このような点 $P$ は4辺から距離 $r$ だけ平行四辺形の内側に入ったところにできる下図の緑色の平行四辺形である。
   
$r$ をだんだん大きくすれば緑の平行四辺形はどんどん小さくなって内側に入っていき、ついには $r$ が $R$ に達すれば線分になってしまう。(下図の緑の線分参照。)
   
線分 $L$ の位置や長さを調べよう。位置は、長い方の対辺 $AB,CD$ から等距離のところにある。対辺間の距離は $q \sin\theta$ だから、その半分
   $\frac{q \sin \theta}{2}$
だけ長辺から離れたところに $L$ はある。$L$ の端点($A$ に近い方) $P'$ から辺 $AB,AD$ に垂線を下し、垂線の足をそれぞれ $B',D'$ とする。$P'B'=P'D'=\frac{q\sin\theta}{2}$ だから $\triangle AP'B'$ と $\triangle AP'D'$ は合同になる。よって $\angle P'AB'=\angle P'AD'=\frac{\theta}{2}$ である。
   $\frac{P'B'}{AB'}=\tan(\frac{\pi}{2}-\frac{\theta}{2}) \Rightarrow AB'=\frac{q\sin\theta}{2}\cdot \frac{\cos(\theta/2)}{\sin(\theta/2)}$
2倍角の公式を使って
   $AB'=q\cos^2\frac{\theta}{2}$
よって、$L$ の端点は $A$ から $B$ へ向かって $q\cos^2\frac{\theta}{2}$ だけいった点 $B'$ の真上にある。次に $L$ の長さを求めておこう。
$C$ から直線 $AB$ に下した垂線の足を $H$ とする。$AH$ の長さは
   $p+q\cos\theta$
で、そこから $AB'$ を2個分引いた
   $p+q\cos\theta-2q\cos^2\frac{\theta}{2}=p+q(2\cos^2\frac{\theta}{2}-1)-2q\cos^2\frac{\theta}{2}=p-q$
が線分 $L$ の長さである。(蛇足:もし $p=q$ の菱形なら $L$ は 1点になることが分かる。)

この $L$ を定規とコンパスで作図するとしたら、次のようにすればよい。
 1. 2辺 $BC,DA$ の中点同士を直線で結ぶ。
 2. $\angle BAD,\angle BCD$ の二等分線を引き、1. の直線との交点をそれぞれ $L_{1},L_{2}$ とする。
 3. 2点 $L_{1},L_{2}$ を結んでできる線分が $L$ である。

(2) 面積 $S$ は、半径 $P'B'$ の半円 2個分と横の長さが $L$ の長方形の面積であるから
   $S=\pi(\frac{q\sin\theta}{2})^2+q\sin\theta(p-q)=\frac{\pi}{4}q^2\sin^2\theta+(p-q)q\sin\theta$……(答)
   

(3) 平行四辺形の面積は
   $pq\sin\theta$
だから
   $\lim\frac{S}{T}=\lim\frac{(\pi/4)q^2\sin^2\theta+(p-q)q\sin\theta}{pq\sin\theta}=\lim\frac{(\pi/4)q\sin\theta+(p-q)}{p}=\frac{p-q}{p}$……(答)
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【第4問】 半径がそれぞれ $a,b$ の円を $C_{a},C_{b}$ とする。$C_{a}$ 上に点 $A$, $C_{b}$ 上に点 $B$ をとる。はじめに 2点 $A,B$ を一致させ、$C_{b}$ を $C_{a}$ に外接させながら滑らないように回転させる。ここで、点 $B$ が再び $C_{a}$ 上に来るときを $C_{b}$ の回転の 1周期とする。次の問いに答えよ。ただし、必要があれば、自然数 $m,n$ の最大公約数を $gcd(m,n)$ で表せ。
(1) $a,b$ を自然数とする。$C_{b}$ 上の点 $B$ が $C_{a}$ 上の点 $A$ に再び一致するとき、$C_{b}$ は何周期回転しているか、$a,b$ を用いて表せ。
(2) $a,b$ を正の有理数とし、$a=\frac{p}{q},b=\frac{s}{t}$ とおく。ここで $p,q$ は互いに素な自然数とし、$s,t$ も互いに素な自然数とする。$C_{b}$ 上の点 $B$ が $C_{a}$ 上の点 $A$ に再び一致するとき、$C_{b}$ は何周期回転しているか、$p,q,s,t$ を用いて表せ。
(3) $a,b$ は互いに素な自然数とする。$k=1,2,\cdots,a$ に対して、$C_{b}$ が $k$ 周期回転したとき、点 $B$ が一致する $C_{a}$ 上の点を $A_{k}$ とする。このとき $\{ A_{1},A_{2},\cdots,A_{a}\}$ は $C_{a}$ をちょうど $a$ 等分することを示せ。

【解】(1) 1周期で $2\pi b$ の長さだけ、尺取虫のように進んでいく。$n$ 周期後に、円 $C_{a}$ を何周かして(1周とは限らぬ)元の位置に戻るから
   $2nb\pi=2Na\pi(N\mbox{は自然数})$
よって
   $n=\frac{Na}{b}$
ここで $gcd(a,b)=d,a=a'd,b=b'd$ とおこう。このとき $gcd(a',b')=1$ である。
   $n=\frac{Na'd}{b'd}=\frac{Na'}{b'}$
ここで $n$ が自然数、しかも最小の自然数になるようにしたい。$a'$ は $b'$ で約分できないから、$N$ は $b'$ で割り切れる最小の自然数、すなわち $N=b'$ そのものである。したがって
   $n=\frac{b'a'}{b'}=a'=\frac{a}{d}=\frac{a}{gcd(a,b)}$……(答)

(2) さきと同様に考えれば
   $n=\frac{Na}{b}=\frac{Np/q}{s/t}=\frac{Npt}{qs}$
ここで
   $gcd(p,s)=d_{1},p=p'd_{1},s=s'd_{1},gcd(p',s')=1$,
   $gcd(q,t)=d_{2},q=q'd_{2},t=t'd_{2},gcd(q',t')=1$
とおこう。すると
   $n=\frac{Np'd_{1}t'd_{2}}{q'd_{2}s'd_{1}}=\frac{Np't'}{q's'}$
ここで分子にある $p't'$ は分母の $q's'$ と約分することはできない。なぜなら $q'$ は $p'$ は互いに素である。それは $1=gcd(p,q)=gcd(p'd_{1},q'd_{2})$ から分かる。また、$q'$ は $t'$ とも互いに素であった。同様に、$s'$ は $p',t'$ のいずれとも互いに素である。
したがって、$N$ は $q's'$ で割り切れる最小の自然数、すなわち $q's'$ そのものである。だから
   $n=\frac{q's'p't'}{q's'}=p't'=\frac{p}{d_{1}}\cdot \frac{t}{d_{2}}=\frac{pt}{gcd(p,s)gcd(q,t)}$……(答)

(3) 複素数平面を考える。円 $C_{a}$ の中心を $0$ とし、同心円となる単位円を導入する。初めの点 $A$ の偏角を $0$ とし、円 $C_{a}$ のまわりを反時計回りに回転させるとする。この初めの点は単位円上の偏角が等しい点 $1$ に対応する。
   
1周期で、偏角にして
   $\frac{2\pi b}{2\pi a}\cdot 2\pi=\frac{2b\pi}{a}$
だけ移動するから、これに対応する単位円上の点は
   $\cos \frac{2b\pi}{a}+i\sin\frac{2b\pi}{a}$
尺取虫のように $k$ 周期($k=1,2,\cdots,a$)移動した後の位置は、
   $(\cos \frac{2b\pi}{a}+i\sin\frac{2b\pi}{a})^k=\cos \frac{2kb\pi}{a}+i\sin\frac{2kb\pi}{a}$……(*)
に対応する。($k=1,2,\cdots$ の順に点が並んでいるとは限らぬ。) これら $a$ 個の点が単位円上に 1か所に集まることなく均等に(等間隔に)散らばっていることを示せばよい。
まず、(*) の複素数は $1$ の $a$ 乗根である。すなわち $a$ 乗すると $1$ になる。実際
   $(\cos \frac{2kb\pi}{a}+i\sin\frac{2kb\pi}{a})^a=\cos 2kb\pi+i\sin 2kb\pi=1$
$a$ 個の複素数 (*) がすべて異なれば鳩の巣原理により、(*) が$a$ 個の $1$ の $a$ 乗根すべてをわたることになり、$a$ 等分が証明できたことになる。
ではなぜ異なるのか。$1\leq k'<k\leq a$ に対しもし
   $\cos \frac{2kb\pi}{a}+i\sin\frac{2kb\pi}{a}=\cos \frac{2k'b\pi}{a}+i\sin\frac{2k'b\pi}{a}$
ならば、左辺÷右辺で
   $\cos \frac{2(k-k')b\pi}{a}+i\sin\frac{2(k-k')b\pi}{a}=1 \Rightarrow \frac{2(k-k')b\pi}{a}=2N\pi \rightarrow \frac{(k-k')b}{a}=N$
$a$ は $b$ と互いに素だから、$k-k'$ は $a$ の倍数である。しかるに $0<k-k'<a$ だからこれはありえない。■
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【第5問】 $a$ は $-2<a<2$ をみたす定数とし、関数 $f(x)$ を
   $f(x)=\frac{\sin x+\cos x}{1+a\sin x \cos x}$
とする。次の問いに答えよ。
(1) $t=\sin x+\cos x$ とおいて、$f(x)$ を $t$ と $a$ を用いて表せ。また、$t$ のとりうる値の範囲を求めよ。
(2) $f(x)$ の最大値、最小値を求めよ。
(3) $a=-1$ と $a=1$ の場合に、$u=\sin x-\cos x$ とおいて、置換積分法により定積分 $\int_{0}^{\pi/2} f(x)dx$ を求めよ。

【解】(1) $t^2=1+2\sin x\cos x$ だから $\sin x\cos x=\frac{t^2-1}{2}$ となる。よって
   $g(t)=f(x(t))=\frac{t}{1+a(t^2-1)/2}=\frac{2t}{at^2-a+2}$……(答)

単振動の合成を行って
   $t=\sqrt{2}(\sin x\cdot \frac{1}{\sqrt{2}}+\cos x \cdot \frac{1}{\sqrt{2}})=\sqrt{2}\sin(x+\frac{\pi}{4})$,
   $-\sqrt{2}\leq t \leq \sqrt{2}$……(答)

(2) 微分すれば
   $g'(t)=\frac{2(at^2-a+2)-2t\cdot 2at}{(at^2-a+2)^2}=\frac{-2(at^2+a-2)}{(at^2-a+2)^2}$
これの零点を求めよう。もし $a>0$ とすれば分子は上に凸の放物線で、切片 $-2(a-2)>0$ だから、零点がある。それは
   $at^2+a-2=0 \Rightarrow t=\pm \sqrt{\frac{2-a}{a}}$
ところが $t$ の変域に制限がある。$\sqrt{\frac{2-a}{a}}<\sqrt{2}$ すなわち $a>\frac{2}{3}$ のときは零点が区間内に入ってくる。

ア) $a>\frac{2}{3}$ のとき
   $t=-\sqrt{\frac{2-a}{a}}$ が臨界点で、導関数は負から正に変わるから極小、$t=\sqrt{\frac{2-a}{a}}$ も臨界点で、導関数は正から負に変わるから極大。
   最大値は $g(\sqrt{\frac{2-a}{a}})=2\sqrt{\frac{2-a}{a}}/(4-2a)=\frac{1}{\sqrt{a(2-a)}}$,
   最小値は $g(-\sqrt{\frac{2-a}{a}})=-2\sqrt{\frac{2-a}{a}}/(4-2a)=-\frac{1}{\sqrt{a(2-a)}}$
イ) $0<a\leq \frac{2}{3}$ のとき
   全区間で導関数の分子が正だから単調増加。右端点、左端点がそれぞれ最大、最小である。
   最大値は $g(\sqrt{2})=\frac{2\sqrt{2}}{a+2}$,
   最小値は $g(-\sqrt{2})=-\frac{2\sqrt{2}}{a+2}$
ウ) $a<0$ のとき
   導関数の分子は下に凸の放物線で、切片 $-2(a-2)>0$ だから、零点はない。$g'(t)>0$ で単調増加。答は イ) に同じ。
エ) $a=0$ のとき
   $g'(t)=1>0$ でこれまた イ) に同じ。

まとめると
   $\mbox{最大値}=\left\{ \begin{array}{ll} \frac{1}{\sqrt{a(2-a)}} & (a>\frac{2}{3}\mbox{のとき}) \\ \frac{2\sqrt{2}}{a+2} & (a\leq \frac{2}{3}\mbox{のとき}) \end{array} \right.$
   $\mbox{最小値}=\left\{ \begin{array}{ll} -\frac{1}{\sqrt{a(2-a)}} & (a>\frac{2}{3}\mbox{のとき}) \\ -\frac{2\sqrt{2}}{a+2}& (a\leq \frac{2}{3}\mbox{のとき}) \end{array} \right.$……(答)

(3) $du=(\cos x+\sin x)dx$ で $u=-1 \mapsto 1$ であり、$u^2=1-2\sin x\cos x \Rightarrow \sin x\cos x=\frac{1-u^2}{2}$ に注意して
   $I=\int_{0}^{\pi/2} f(x)dx= \int_{0}^{\pi/2} \frac{\sin x+\cos x}{1+a\sin x \cos x}dx=\int_{-1}^{1} \frac{du}{1+a(1-u^2)/2}$

ア) $a=-1$ のとき
   $I=\int_{-1}^{1} \frac{du}{1-(1-u^2)/2}=\int_{-1}^{1} \frac{2du}{u^2+1}$
ここで $u=\tan \theta,du=\frac{d\theta}{\cos^2\theta},\theta=-\frac{\pi}{4}\mapsto \frac{\pi}{4}$ と置換して
   $I=\int_{-\pi/4}^{\pi/4} 2 d\theta=2[\theta]_{-\pi/4}^{\pi/4}=2(\frac{pi}{4}+\frac{pi}{4})=\pi$……(答)

イ) $a=1$ のとき
   $I=\int_{-1}^{1} \frac{du}{1+(1-u^2)/2}=\int_{-1}^{1} \frac{2du}{3-u^2}=\frac{1}{\sqrt{3}}\int_{-1}^{1}(\frac{1}{\sqrt{3}+u}+ \frac{1}{\sqrt{3}-u})$
   $=\frac{1}{\sqrt{3}}[\log|u+\sqrt{3}|-\log|u-\sqrt{3}|]_{-1}^{1}=\frac{1}{\sqrt{3}}[\log|\frac{u+\sqrt{3}}{u-\sqrt{3}}|]_{-1}^{1}$
   $=\frac{1}{\sqrt{3}}(\log|\frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{3}-1}|-\log|\frac{\sqrt{3}-1}{\sqrt{3}+1}|)$
   $=\frac{2}{\sqrt{3}}\log|\frac{\sqrt{3}+1}{\sqrt{3}-1}|=\frac{2}{\sqrt{3}}\log(2+\sqrt{3})$……(答)
で部分分数分解だ。
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【第6問】 次の問いに答えよ。
(1) 座標平面上で、不等式 $|y|\geq |x|+x+1$ の表す領域を図示せよ。
(2) $a$ を定数とし、$f(x)=|x-2|+(a+1)x-2$ とする。関数 $y=f(x)$ のグラフが $x$ 軸とちょうど 2点で交わるとする。そのとき、$a$ の値の範囲を求め、不等式 $f(x)\leq y \leq 0$ の表す領域の面積を $a$ で表せ。

【解】(1) 象限で場合分け。
ア) $x\geq0,y\geq 0$ のとき $y\geq2x+1$
イ) $x\leq0,y\geq 0$ のとき $y\geq 1$
ウ) $x\geq 0,y \leq 0$ のとき $y\leq -2x-1$
エ) $x\leq 0,y \leq 0$ のとき $y\leq -1$
   ……(答)

(2) $x$ 軸との交点の $x$ 座標を求めよう。
ア) $x\leq 2$ のとき
   $f(x)=-(x-2)+(a+1)x-2=ax=0$
$a\neq 0$ であれば、この範囲に交点が 1個ある。しかし、$a=0$ だと $x \leq 2$ のすべてが交点($x$ 軸に重なる)になってダメ。
イ) $x >2$ のとき
   $f(x)=(x-2)+(a+1)x-2=(a+2)x-4=0 \Rightarrow x=\frac{4}{a+2}$
$a=-2$ のときは交点がないのでダメ。さて、交点が $x>2$ の範囲内になければならないから
   $\frac{2}{a+2}>1$
という不等式を解けばよい。昔は正なる $(a+2)^2$ を両辺に掛けて解いたものだが、今の時代は次のようにやろう。
   $\frac{2}{a+2}-1>0 \Rightarrow \frac{-a}{a+2}>0 \Rightarrow \frac{a}{a+2}<0$
分母・分子が異符号ということだから
   $a(a+2)<0$
という不等式と同値である。よって $-2<a<0$
まとめれば、ア) と イ) の範囲に 1個ずつ交点を持てばよいから、$-2<a<0$……(答)

$f(x)$ のグラフは折れ線で、$x=2$ の所で折れ曲がる。$f(2)=2a$ だから、下図のピンク部分の面積を求めることになる。
   
その面積は
   $S=\frac{1}{2}\frac{4}{a+2}\cdot |2a|=\frac{-4a}{a+2}$……(答)
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【第7問】 座標平面上に放物線 $C_{1}:y=x^2$ と $C_{2}:y=x^2+c^2$ を考える。ただし、$c$ は正の定数とする。$C_{1}$ 上の点 $(a,a^2)$ から $C_{2}$ に接線 $l_{1},l_{2}$ を引き、接点の $x$ 座標をそれぞれ $b_{1},b_{2}(b_{1}<b_{2})$ とする。次の問いに答えよ。
(1) $a-b_{1}=b_{2}-a=c$ が成り立つことを示せ。
(2) $C_{2}$ と接線 $l_{1},l_{2}$ で囲まれた部分の面積を $c$ で表せ。

【解】(1) $x=b_{i}$ における接線の方程式は
   $y-(b_{i}^2+c^2)=2b_{i}(x-b_{i})$
である。これが $(a,a^2)$ を通るから
   $a^2-(b_{i}^2+c^2)=2b_{i}(a-b_{i}) \Rightarrow b_{i}^2-2ab_{i} +a^2-c^2=0$……(*)
すなわち
   $b_{1}^2-2ab_{1} +a^2-c^2=0$,
   $b_{2}^2-2ab_{2} +a^2-c^2=0$
が同時に成り立つ。辺々引けば
   $(b_{1}-b_{2})(b_{1}+b_{2}-2a)=0$
$b_{1}\neq b_{2}$ だから
   $b_{1}+b_{2}=2a$……①
辺々足せば
   $(b_{1}+b_{2})^2-2b_{1}b_{2}-2a(b_{1}+b_{2})+2(a^2-c^2)=0$
さきの結果を代入して
   $4a^2-2b_{1}b_{2}-4a^2+2(a^2-c^2)=0 \Rightarrow b_{1}b_{2}=a^2-c^2$……②
(これらの結果①, ②は、(*) の2次方程式の解と係数の関係からも出せる。)
①より、$a-b_{1}=b_{2}-a$ になるので、この値を $k$ とおく。
   $-k^2=(b_{1}-a)(b_{2}-a)=b_{1}b_{2}-a(b_{1}+b_{2})+a^2=(a^2-c^2)-2a^2+a^2=-c^2$
$2k=(a-b_{1})+(b_{2}-a)=b_{2}-b_{1}>0$ より $k=c$. よって $a-b_{1}=b_{2}-a=k=c$■

(2) $x=a$ から $b_{i}$ までグラフ間の面積は
   $S_{i}=\int_{a}^{b_{i}} \{ (x^2+c^2)-(2b_{i}(x-b_{i})+(b_{i}^2+c^2) \}dx=[\frac{1}{3}x^3-b_{i}x^2+b_{i}^2 x]_{a}^{b_{i}} $
   $=(\frac{1}{3}b_{i}^3-b_{i}^3+b_{i}^3)-(\frac{1}{3}a^3-a^2b_{i}+ab_{i}^2)=\frac{1}{3}b_{i}^3-ab_{i}^2+a^2b_{i}-\frac{1}{3}a^3$
よって求めるべき面積は
   $S=\int_{a}^{b_{2}}-\int_{a}^{b_{1}}=S_{2}-S_{1}=\frac{1}{3}(b_{2}^3-b_{1}^3)-a(b_{2}^2-b_{1}^2)+a^2(b_{2}-b_{1})$
   $=(b_{2}-b_{1})\{ \frac{1}{3}(b_{1}^2+b_{1}b_{2}+b_{2}^2)-a(b_{1}+b_{2})+a^2\}$
ここで、$b_{1}^2+b_{1}b_{2}+b_{2}^2=(b_{1}+b_{2})^2-b_{1}b_{2}=4a^2-(a^2-c^2)=3a^2+c^2$ であり、
   $b_{2}-b_{1}=\sqrt{(b_{1}+b_{2})^2-4b_{1}b_{2}} =\sqrt{4a^2-4(a^2-c^2)}=2c$
に注意すれば
   $S=2c\{\frac{1}{3}(3a^2+c^2)-2a^2+a^2\}=\frac{2}{3}c^3$……(答)
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