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【入試問題研究】 高知大学 2019年度 前期日程
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【第1問】 $c$ を実数とする。$x,y$ の多項式 $x^2+y^2-5-c(xy-2)$ を考える。このとき、次の問いに答えよ。
(1) $x^2+y^2-5-c(xy-2)=0$ がどのような実数 $c$ に対しても成り立つような実数 $x,y$ の組 $(x,y)$ をすべて求めよ。
(2) $c=2$ のとき、$x^2+y^2-5-c(xy-2)$ を $x,y$ の 1次式の積として表せ。
(3) $c=0$ のとき、$x^2+y^2-5-c(xy-2)$ は $x,y$ の 1次式の積として表されないことを示せ。すなわち、$x,y$ の多項式として $x^2+y^2-5=(px+qy+r)(sx+ty+u)$ をみたす実数 $p,q,r,s,t,u$ は存在しないことを示せ。
(4) $x^2+y^2-5-c(xy-2)$ が $x,y$ の1次式の積として表されるような $c$ の値をすべて求めよ。

【解】(1) デザルグの定理を使う。所与の式は 2直線
   $x^2+y^2-5=0,xy-2=0$
の交点を通る曲線を表す。あとはこの連立方程式を解けばよい。$y=\frac{2}{x}$ を第1式に代入して
   $^2+\frac{4}{x^2}-5=0 \Rightarrow x^4-5x^2+4=(x^2-1)(x^2-4)$
だから、$x=\pm 1,\pm 2$ を得る。よって交点は4つあって
   $(x,y)=(1,2),(-1,-2),(2,1),(-2,-1)$……(答)

(2) $x^2+y^2-5-2(xy-2)$
   $=(x-y)^2-1=(x-y+1)(x-y-1)$……(答)

(3) もし $x^2+y^2-5=(px+qy+r)(sx+ty+u)$ と因数分解できたとする。両辺を(右辺は展開して)係数比較すると
   $\left\{ \begin{array}{l} ps=1\\ qt=1\\ pt+qs=0\\ pu+rs=0\\ qu+rt=0\\ ru=-5 \end{array} \right.$
初めの2式から $p=\frac{1}{s},q=\frac{1}{t}$ を第3式に代入すると
   $\frac{t}{s}+\frac{s}{t}=0 \Leftrightarrow \frac{s^2+t^2}{st}=0$
が出てくる。すなわち $s=t=0$ だが、これは第1, 2式を満たさないから、矛盾である。よって、因数分解できない。■

(4) ちなみに
   $(px+qy+r)(sx+ty+u)=0$
は 2直線
   $px+qy+r=0,sx+ty+u=0$
の合併集合を表す。だから、$x^2+y^2-5-c(xy-2)=(px+qy+r)(sx+ty+u)$ と因数分解できたなら、
   $x^2+y^2-5-c(xy-2)=0$
の表す図形は、2直線の合併となる。ところが、この図形は (1) で求めた 4点を必ず通るのである。したがって 2直線
   $l_{1}:px+qy+r=0$
   $l_{2}:sx+ty+u=0$
は一方が 2点を通り、他方の直線が残りの 2点を通る。4点を2点ずつの2つのグループに分ける方法は $_{4}C_{2} \div 2=3$通りある。
   
(ア) $l_{1}$ が$(1,2),(-1,-2)$ を通り、$l_{2}$ が $(2,1),(-2,-1)$ を通るとき
   $l_{1}:2x-y=0,l_{2}:x-2y=0$
だから $(2x-y)(x-2y)=2x^2+2y^2-5xy$ を半分にして
   $x^2+y^2-\frac{5}{2}xy=x^2+y^2-5-\frac{5}{2}(xy-2)=(x-\frac{1}{2}y)(x-2y)$
となるので $c=\frac{5}{2}$
(イ) $l_{1}$ が$(1,2),(2,1)$ を通り、$l_{2}$ が $(-1,-2),(-2,-1)$ を通るとき
   $l_{1}:x+y-3=0,l_{2}:x+y+3=0$
だから $(x+y-3)(x+y+3)=x^2+y^2+2xy-9$ なので
   $x^2+y^2+2xy-9=x^2+y^2-5+2(xy-2)=(x+y-3)(x+y+3)$
となるので $c=-2$
(ウ) $l_{1}$ が$(1,2),(-2,-1)$ を通り、$l_{2}$ が $(-1,-2),(2,1)$ を通るとき
   $l_{1}:x-y+1=0,l_{2}:x-y-1=0$
だから $(x-y+1)(x-y-1)=x^2+y^2-2xy-1$ なので
   $x^2+y^2-2xy-1=x^2+y^2-5-2(xy-2)=(x-y+1)(x-y-1)$
となるので $c=2$
したがって求めるべき $c$ の値は $c=\frac{5}{2},-2,2$……(答)
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【第2問】 $a,b$ を $a>b>0$ をみたす実数とする。$xy$ 平面上の楕円 $\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1$ の焦点を $F,F'$ とし、楕円上の点 $A(0,b)$ をとる。さらに $O$ を原点とし、$\theta=\angle FAO(0 \leq \theta<\pi)$ とする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) $\cos\theta$ を $a,b$ を用いて表せ。
(2) 3点 $A,F,F'$ を通る円 $C$ の中心を $O'$ とするとき、扇形 $O'AF$ (中心角 $\angle AO'F$ が $\pi$ 未満のほう) の面積 $S$ を $a$ と $\theta$ を用いて表せ。
(3) 円 $x^2+y^2=b^2$ の面積とこの楕円の面積の比は $b:a$ であることを定積分を用いて示せ。
(4) (3) の面積比が $1:2$ のとき、(2) の面積 $S$ を $a$ の式で表せ。


【解】(1) $AF=a$ だから
   
   $\cos\theta=\frac{OA}{AF}=\frac{b}{a}$……(答)

(2) $\triangle O'AF$ は二等辺三角形だから、中心角は $\angle AO'F=\pi-2\theta$ となる。円 $O'$ の半径 $r=AO'=O'F$ は
   $\cos \theta=\frac{AF/2}{AO'}=\frac{a}{2r}$
より、$r=\frac{a}{2\cos\theta}$ と分かるから、扇形の面積 $S$ は
   $S=\pi r^2\cdot \frac{\pi-2\theta}{2\pi}=(\frac{a}{2\cos\theta})^2\cdot \frac{\pi-2\theta}{2}=\frac{a^2(\pi-2\theta)}{8\cos^2\theta}$……(答)

(3) いずれの面積も第1象限の部分を4倍すれば求まる。円と楕円の面積をそれぞれ $S_{1},S_{2}$ とすれば
   $S_{1}:S_{2}=S_{1}/4:S_{2}/4=\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-x^2}dx:\int_{0}^{a} b\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}dx=\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-x^2}dx:\frac{b}{a}\int_{0}^{a} \sqrt{a^2-x^2}dx$
後項だけ、置換してみよう(ここで円の面積の公式を使ってしまっては、定積分を用いたことにならない)。$x=\frac{a}{b}t,dx=\frac{a}{b}dt,t:0\mapsto b$ だから
   $\frac{b}{a}\int_{0}^{a} \sqrt{a^2-x^2}dx=\frac{b}{a}\int_{0}^{b}\sqrt{a^2-\frac{a^2}{b^2}t^2}\frac{a}{b}dt=\frac{a}{b}\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-t^2}dt$
したがって
   $S_{1}:S_{2}=\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-x^2}dx:\frac{a}{b}\int_{0}^{b}\sqrt{b^2-t^2}dt=b:a$■

(4) $b:a=1:2$ だから
   $\cos\theta=\frac{b}{a}=\frac{1}{2} \Rightarrow \theta=\frac{\pi}{3}$
よって、扇形の面積は
   $S=\frac{a^2(\pi-2\theta)}{8\cos^2\theta}=a^2(\pi-\frac{2\pi}{3})/\{ 8\cdot(\frac{1}{2})^2 \}=\frac{\pi}{6}a^2$……(答)
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【第3問】 実数 $x$ に対して、$f(x)=\frac{2^x}{2^x+\sqrt{2}}$ とおく。このとき、次の問いに答えよ。
(1) $f(x)=f(1-x)$ をみたす実数 $x$ を求めよ。
(2) すべての実数 $x$ に対して、$f(x)+f(1-x)$ の値を求めよ。
(3) $\sum_{n=1}^{2018}f(\frac{n}{2019})=\frac{2^{1/2019}}{2^{1/2019}+\sqrt{2}}+\cdots +\frac{2^{2/2019}}{2^{2/2019}+\sqrt{2}}=\frac{2^{2018/2019}}{2^{2018/2019}+\sqrt{2}}$ の値を求めよ。
(4) $\int_{-7/2}^{9/2}f(x)dx$ の値を求めよ。

【解】(1) $\frac{2^x}{2^x+\sqrt{2}}=\frac{2^{1-x}}{2^{1-x}+\sqrt{2}}$ の分母を払って
   $2^x(2^{1-x}+\sqrt{2})=2^{1-x}(2^x+\sqrt{2})$,
   $2+2^x\sqrt{2}=2+2^{1-x}\sqrt{2}$,
   $x=1-x$
よって $x=\frac{1}{2}$……(答)

(2) 通分すれば
   $f(x)+f(1-x)=\frac{2^x}{2^x+\sqrt{2}}+\frac{2^{1-x}}{2^{1-x}+\sqrt{2}} =\frac{2^x(2^{1-x}+\sqrt{2})+2^{1-x}(2^x+\sqrt{2})}{(2^x+\sqrt{2})(2^{1-x}+\sqrt{2})}$
   $=\frac{4+(2^x+2^{1-x})\sqrt{2}}{ 2+(2^x+2^{1-x})\sqrt{2}+2}=1$……(答)

(3) 列挙すれば
   $f(\frac{1}{2019})+ f(\frac{2}{2019})+ f(\frac{3}{2019})+\cdots+ f(\frac{2016}{2019})+ f(\frac{2017}{2019})+ f(\frac{2018}{2019})$
だが、前半と後半に分けると、前半は
   $f(\frac{1}{2019})+ f(\frac{2}{2019})+ f(\frac{3}{2019})+\cdots+f(\frac{1009}{2019})$
で、後半は逆順にして
   $f(\frac{2018}{2019})+ f(\frac{2017}{2019})+ f(\frac{2016}{2019})+\cdots+f(\frac{1010}{2019})$
すなわち
   $f(1-\frac{1}{2019})+ f(1-\frac{2}{2019})+ f(1-\frac{3}{2019})+\cdots+f(1-\frac{1009}{2019})$
だから、前半と後半を足せば
   $\underbrace{1+1+1+\cdots+1}_{1009\mbox{個}}=1009$……(答)

(4) $I=\int_{-7/2}^{9/2}f(x)dx=\int_{-7/2}^{9/2}\frac{2^x}{2^x+\sqrt{2}}dx$
を求めるのだが、
   $(2^x)'=2^x \log 2$
であったから
   $I=\frac{1}{\log 2}[ \log(2^x+\sqrt{2}) ]_{-7/2}^{9/2} = \frac{1}{\log 2}\log \frac{16\sqrt{2}+\sqrt{2}}{1/(8\sqrt{2})+\sqrt{2}}$
   $=\frac{1}{\log 2}\log \frac{17\sqrt{2}}{17\sqrt{2}/16}=\frac{\log 16}{\log 2}=\log_{2}16=4$……(答)
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【第4問】 次の問いに答えよ。
(1) $x>1$ をみたす実数 $x$ に対して、$x-\log x\geq 1$ であることを示せ。
(2) 正の整数 $n$ に対して、$2(\sqrt{n}-1)\geq \log n$ であることを示せ。
(3) 2以上の整数 $n$ に対して、
   $\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1} \log \frac{k}{n} \leq \int_{1/n}^{1} \log x dx\leq \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}\log \frac{k+1}{n}$
であることを示せ。
(4) $\lim_{n\rightarrow \infty}((\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log k)-\log n)$ を求めよ。

【解】(1) $f(x)=x-\log x$ とおく。$f(1)=1$ であり
   $f'(x)=1-\frac{1}{x}=\frac{x-1}{x}\geq 0$
だから、$x\geq 1$ において、$f(x)\geq 1$
よって、$x>1$ ならば当然成り立つ。■

(2) 2で割れば
   $\sqrt{n}-1\geq \log \sqrt{n}$
だが、$\sqrt{n}\geq 1$ だから、(1) で述べたように
   $\sqrt{n}-\log \sqrt{n}\geq 1$
となるので、不等式
   $\sqrt{n}-1\geq \log \sqrt{n}$
が成り立つ。■

(3) $\int_{1/n}^{1}\log x dx$ を区分求積すればよいと見当がつく。積分を不足和と過剰和で挟み打ちにする。$k=1,2,\cdots,n-1$ に対して
   $\frac{1}{n}\log\frac{k}{n} \leq \int_{k/n}^{(k+1)/n}\log x dx \leq \frac{1}{n}\log\frac{k+1}{n} $
   
これの和を取ると
   $\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}\log\frac{k}{n} \leq \int_{1/n}^{1}\log x dx \leq \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}\log\frac{k+1}{n} $■

(4) $(\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log k)-\log n=\frac{(\log1-\log n)+(\log 2-\log n)+\cdots +(\log n-\log n)}{n}$
   $=\frac{1}{n}(\log \frac{1}{n}+\log \frac{2}{n}+\cdots+\log \frac{n}{n})=\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n}$
これを2つの積分で挟み打ちにすればよい。まず、最後の項が 0だから
   $\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n}=\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}\log\frac{k}{n}\leq \int_{1/n}^{1}\log x dx$
を得る。反対側の不等式は
   $\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n}=\frac{1}{n}\log \frac{1}{n}+ \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}\log\frac{k+1}{n}\geq -\frac{\log n}{n}+ \int_{1/n}^{1}\log x dx$
よって
   $-\frac{\log n}{n}+ \int_{1/n}^{1}\log x dx \leq \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n} \leq \int_{1/n}^{1}\log x dx$……(*)
あとはこの不等式において $n\rightarrow \infty$ とすればよい。
2ヵ所に出てくる積分は、部分積分で
   $\int \log x dx=x \log x -\int dx=x\log x-x+C$
より
   $\int_{1/n}^{1}\log x dx =[x\log x-x]_{1/n}^{1}=\frac{1}{n}\log n-(1-\frac{1}{n}) \rightarrow -1$
である。なぜ極限がこうなるかというと、ふつうならロピタルの定理を使うところだが、ここでは (2) の結果を使って、$n\geq 1$ だから
   $0 \leq\frac{\log n}{n}\leq 2\cdot \frac{\sqrt{n}-1}{n}=2(\frac{1}{\sqrt{n}}-\frac{1}{n})$
となって、$n\rightarrow \infty$ のとき
   $0\leq \lim\frac{\log n}{n}\leq 0$
より、$\lim \frac{\log n}{n}=0$ と分かるからである。したがって、(*) の極限をとって
   $-0+(-1)\leq \lim \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n} \leq -1$,
   $\lim((\frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log k)-\log n)=\lim \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n}\log\frac{k}{n} =-1$……(答)
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