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【入試問題研究】 北海道大学 2019年度 後期日程 全学部
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【第1問】 $n$ を 3以上の自然数とする。当たりくじ2本を含む $n$本のくじがある。くじを引いて、当たりなら持ち点に 1を加算し、はずれなら持ち点は変わらないとする。最初の持ち点は 0とし、くじを引いてはもどすという試行を $n$回くり返す。
$k$ を 0以上の整数とする。$n$ 回の試行が終了した時点の持ち点が $k$ となる確率を $p_{n}(k)$ とする。
(1) 確率 $p_{n}(k)$ を求めよ。
(2) $\lim_{n \rightarrow \infty}p_{n}(k)$ を求めよ。ただし、$e$ を自然対数の底とするとき、$\lim_{n \rightarrow \infty}(1-\frac{2}{n})^n=e^{-2}$ であることを用いてもよい。
(3) $p(k)=\lim_{n \rightarrow \infty}p_{n}(k)$ と定める。値 $p(k)$ が最大となるような $k$ の値を求めよ。

【解】 (1) 反復試行の確率だから
   $p_{n}(k)= _{n}C_{k} (\frac{2}{n})^k (1-\frac{2}{n})^{n-k}$  ($k \leq n$のとき);
   $p_{n}(k)= 0$  ($k > n$のとき) ……(答)
(2) $n$ を大きくするから、$k \leq n$ として
   $p_{n}(k)= \frac{n(n-1)(n-2) \cdots (n-k+1)}{k!} (\frac{2}{n})^k (1-\frac{2}{n})^{n}(1-\frac{2}{n})^{-k}$
   $=1(1-\frac{1}{n})(1-\frac{2}{n})\cdots (1-\frac{k-1}{n}) \frac{2^k}{k!}(1-\frac{2}{n})^{n}(\frac{n}{n-2})^{k}$
   $\rightarrow 1\cdot 1\cdot 1\cdots 1 \cdot \frac{2^k}{k!} \cdot e^{-2} \cdot 1^k=e^{-2}\cdot \frac{2^k}{k!}$……(答)
(3) 数列がある項で最大になれば、少なくともその次の項は 1倍以下でなければならない。すなわち
   $r=\frac{p(k+1)}{p(k)} \leq 1$
(増えたり減ったりする数列ではこれだけでは答は決まらないけど。) よって
   $r=\frac{2^{k+1} k!}{2^k (k+1)!} = \frac{2}{k+1} \leq 1$
となって
   $k+1 \geq 2 \Leftrightarrow k \geq 1$
もし $k>1$ だと $r <1$ になってしまうから、第$k=2$項以降は減少する。ということは、最大になるのは第 $k=0$~$2$ 項のどれかだ。3つとも計算してしまえ。
 ・$p(0)=e^{-2} \cdot \frac{1}{0!} =e^{-2} $
 ・$p(0)=e^{-2} \cdot \frac{2}{1!}=2 e^{-2} $
 ・$p(0)=e^{-2} \cdot \frac{4}{2!}=2 e^{-2}$
したがって、最大になる $k$ は $k=1,2$ ……(答)
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【第2問】 $a,t$ は実数で、$a$ は 1以上とする。座標平面上の3点 $O(0,0),A(a,a-1),P(t,t^2+1)$ を頂点とする三角形の重心 $G$ の座標を $(X,Y)$ とする。
(1) $X$ と $Y$ を、$a$ と $t$ を用いて表せ。
(2) $a=1$ とする。$t$ が実数全体を動くとき、$G$ の軌跡を求め、座標平面上に図示せよ。
(3) $a$ が 1以上の実数全体を、$t$ が実数全体を動くとき、$G$ が通過する範囲を座標平面上に図示せよ。

【解】 (1) 重心の公式より
   $(X,Y)=(\frac{a+t}{3},\frac{a+t^2}{3})$
だから
   $X=\frac{a+t}{3},Y=\frac{a+t^2}{3}$ ……(答)
(2) $a=1$ だと $X=\frac{1+t}{3},Y=\frac{1+t^2}{3}$ だから、ここから $t$ を消去しよう。
   $3Y-1=(3X-1)^2$
より
   $Y=3X^2-2X+\frac{2}{3} =3(X-\frac{1}{3})^2+\frac{1}{3}$ ……(答)
グラフは下図。
   
(3) (1)の答から $t$ を消去すると
   $3Y-a=(3X-a)^2$
より
   $Y=3X^2-2aX+\frac{a^2+a}{3} =3(X-\frac{a}{3})^2+\frac{a}{3}$
この放物線の頂点:
   $(x_{0},y_{0})=(\frac{a}{3},\frac{a}{3})$  $(a \geq 1)$
は半直線 $y=x$ $(x \geq \frac{1}{3})$ 上を滑って行く。ところが、放物線はこの直線より右下に少し膨らんでいるので、右下端の点が滑って行く直線 $y=x+b$ の方程式を求めよう。
$y=3x^2-2x+\frac{2}{3}$ と連立して重解を持てばよいから、$3x^2-3x+\frac{2}{3}-b=0$ の判別式=0 より
   $9-12(\frac{2}{3}-b)=0 \Rightarrow b=-\frac{1}{12}$
だから、直線は $y=x-1/12$ であり、接点の座標は重解を求めて
   $x=\frac{3 \pm 0}{6}=\frac{1}{2}$ $y=\frac{1}{2}-\frac{1}{12}=\frac{5}{12}$
    ……(答)
したがってこの放物線が掃く範囲は上図の灰色部分である。(境界を含む。) ただし境界は、放物線$y=3x^2-2x+\frac{2}{3}$ の点 $(\frac{1}{2},\frac{5}{12})$ より左側の部分と、直線 $y=x-\frac{1}{12}$ のこの点より右側の部分を合体したものである。
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【第3問】 $r$ を正の実数とする。複素数平面上に、点 $\alpha$ を中心とする半径 $r$ の円 $C$ がある。ただし、$C$ は原点を通らないものとする。点 $z$ が円 $C$ 上を動くとき、点 $w=\frac{1}{z}$ の描く図形を $C'$ とする。
(1) $C'$ は円であることを示せ。さらに、$C'$ の中心と半径を $\alpha$ と $r$ で表せ。
(2) $C$ と $C'$ が一致するとき、$C$ の中心 $\alpha$ は実軸上または虚軸上にあることを示せ。


【解】 (1) $C$ の方程式: $|z-\alpha|^2=r^2$ すなわち
   $(z-\alpha)(\bar{z}-\bar{\alpha})=r^2$
に、$w=1/z$ を変形した、$z=1/w$ を代入すれば
   $(\frac{1}{w}-\alpha)(\frac{1}{\bar{w}}-\bar{\alpha})=r^2$
   $(1-\alpha w)(1-\bar{\alpha}\bar{w})=r^2 w \bar{w}$
   $(|\alpha|^2-r^2)w\bar{w}-\alpha w -\bar{\alpha}\bar{w}=-1$
   $w\bar{w}-\frac{\alpha}{|\alpha|^2-r^2} w -\frac{\bar{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2}\bar{w}=-\frac{1}{|\alpha|^2-r^2}$
   $(w-\frac{\bar{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2})( \bar{w} -\frac{\alpha}{|\alpha|^2-r^2})=\frac{|\alpha|^2}{(|\alpha|^2-r^2)^2} -\frac{1}{|\alpha|^2-r^2}$
   $(w-\frac{\bar{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2})( \bar{w} -\frac{\alpha}{|\alpha|^2-r^2})=\frac{r^2}{(|\alpha|^2-r^2)^2}$
したがって、$w$ の軌跡は、
   中心 $\frac{\bar{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2}$, 半径 $\frac{r}{||\alpha|^2-r^2|}$
の円である。■
(2) 2円の中心と半径が一致するから
   $\alpha=\frac{\bar{\alpha}}{|\alpha|^2-r^2},$ $r=\frac{r}{||\alpha|^2-r^2|}$
第2式から、
   $|\alpha|^2-r^2=\pm 1$
が出てきて、これを第1式に代入すれば
   $\alpha=\pm \bar{\alpha}$
$\alpha=x +iy$ とすれば
   $x+iy= \pm(x-iy) \Rightarrow y=0$または$x=0$
したがって、$\alpha$ は実軸上または虚軸上にある。■
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【第4問】 関数 $f(x)=\sqrt{x^2-1}$ $(x \geq 1)$ と関数 $g(t)=\frac{e^t+e^{-t}}{2}$ $(t \geq 0)$ を考える。ただし、$e$ は自然対数の底とする。
(1) $g(t)\geq 1$ を示せ。
(2) $a>0$ とする。定積分 $\int_{0}^{a} f(g(t))g'(t) dt$ を求めよ。
(3) 座標平面上の曲線 $y=f(x)$ を $C$ とする。 $p>1$ とし、$C$ 上の点 $(p,f(p))$ における接線を $l$ とする。このとき、曲線 $C$, 直線 $l$, $x$軸で囲まれた図形の面積 $S$ を $p$ で表せ。


【解】 (1) 相加平均と相乗平均の関係から
   $\frac{e^t+e^{-t}}{2} \geq \sqrt{e^t e^{-t}}=1$ ■
(2) $\int_{0}^{a} f(g(t))g'(t) dt$
   $=\int_{0}^{a} \sqrt{(\frac{e^t+e^{-t}}{2})^2-1} \cdot \frac{e^t-e^{-t}}{2} dt$
   $=\int_{0}^{a} \sqrt{(\frac{e^t-e^{-t}}{2})^2} \cdot \frac{e^t-e^{-t}}{2} dt$
   $=\int_{0}^{a} (\frac{e^t-e^{-t}}{2})^2 dt$
   $=\frac{1}{4}\int_{0}^{a} (e^{2t}+e^{-2t}-2) dt$
   $=\frac{1}{4} [\frac{1}{2}e^{2t}-\frac{1}{2}e^{-2t}-2t ]_{0}^{a}$
   $=\frac{1}{8}(e^{2a}-1)-\frac{1}{8}(e^{-2a}-1)-\frac{1}{2}(a-0)$
   $=\frac{1}{8}(e^{2a}-e^{-2a})-\frac{1}{2}a$ ……(答)
(3) 接線の方程式を求めると
   $y-\sqrt{p^2-1}=\frac{p}{\sqrt{p^2-1}}(x-p)$
これと $x$軸との交点の $x$座標は
   $x=p-\sqrt{p^2-1}\cdot\frac{\sqrt{p^2-1}}{p}=\frac{1}{p}$
   
求めるべき面積は、上図の三角形の面積からピンク色部分を引けばよい。三角形の面積は
   $S_{1}=\frac{1}{2}(p-\frac{1}{p})\sqrt{p^2-1}=\frac{(p^2-1)\sqrt{p^2-1}}{2p}$
ピンクの面積は
   $S_{2}=\int_{1}^{p} \sqrt{x^2-1}dx$
だが、$x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}$ と置換して
   $S_{2}=\int_{0}^{a} f(g(t))g'(t) dt$
ただし、ここで
   $p=\frac{e^a+e^{-a}}{2}$ ……(*)
これを $a$ について解くと、右辺は偶関数だから正と負の解が1つずつ出るが、大きい方(正の解)を $a$ とすればよい。
である。置換積分の結果は前問で求めてあるので
   $S_{2}=\frac{1}{8}(e^{2a}-e^{-2a})-\frac{1}{2}a$
あとはこれを $p$ の式に直せばよい。(*)の両辺に $2e^a$ を掛けて
   $e^{2a}-2pe^a+1=0$
これを $X=e^a$ についての2次方程式と考えて解けば
   $e^a=p +\sqrt{p^2-1}$
したがって
   $e^{2a}=2p^2-1+2p\sqrt{p^2-1}$
   $e^{-2a}=(\frac{1}{ p +\sqrt{p^2-1}})^2=(p -\sqrt{p^2-1})^2=2p^2-1-2p\sqrt{p^2-1}$
   $a=\log(p +\sqrt{p^2-1})$
だから
   $S_{2}=\frac{1}{8} \{ (2p^2-1+2p\sqrt{p^2-1})-(2p^2-1-2p\sqrt{p^2-1}) \}-\frac{1}{2}\log(p +\sqrt{p^2-1})$
   $=\frac{1}{2}p \sqrt{p^2-1}-\frac{1}{2}\log(p +\sqrt{p^2-1})$
よって
   $S=S_{1}-S_{2}=\frac{(p^2-1)\sqrt{p^2-1}}{2p}-\frac{1}{2}p \sqrt{p^2-1}+\frac{1}{2}\log(p +\sqrt{p^2-1})$
   $=-\frac{\sqrt{p^2-1}}{2p}+\frac{1}{2}\log(p +\sqrt{p^2-1})$ ……(答)
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