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【入試問題研究】 一橋大学 2019年度 前期日程
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【第1問】 $p$ を自然数とする。数列 $\{ a_{n} \}$ を
   $a_{1}=1,a_{2}=p^2,a_{n+2}=a_{n+1}-a_{n}+13$ $(n=1,2,3,\cdots)$
により定める。数列 $\{ a_{n} \}$ に平方数でない項が存在することを示せ。

【解】 第3項が平方数でなければそれで終わりだ。そこで $a_{3}=a^2$ ($a$ は自然数)と仮定する。
   $a_{3}=p^2-1+13=a^2 \Rightarrow a^2-p^2=12$
   $\Rightarrow (a+p)(a-p)=12$
因数分解を考えればよいのだが、$a>p\geq 1$ に注意すれば $a+p\geq3,a-p\geq1$, また $(a+p)-(a-p)=2p\geq 2$ より
   $(a+p,a-p)=(12,1),(6,2)$
だが、前者は$(a+p)+(a-p)=2a$ が奇数になりダメ。結局、後者から
   $a=4,p=2$
$p=2$ が確定したので、この数列は次のようになる。
   $a_{1}=1,a_{2}=4,a_{3}=16,a_{4}=25,a_{5}=22$
第5項が非平方数になる。
結局、いずれにしても第5項までに非平方数が必ず現れる。■
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【第2問】 原点を $O$ とする座標平面上の点 $Q$ は円 $x^2+y^2=1$ 上の $x \geq 0$ かつ $y\geq 0$ の部分を動く。点 $Q$ と点 $A(2,2)$ に対して
   $\vec{OP}=(\vec{OA} \cdot \vec{OQ})\vec{OQ}$
を満たす点 $P$ の軌跡を求め、図示せよ。

【解】 内積 $\vec{OA} \cdot \vec{OQ}=|\vec{OA} ||\vec{OQ}|\cos \theta=|\vec{OA} |\cos \theta$ というのは、$\vec{OA}$ の半直線 OQ への正射影(垂直に下ろしたときにできる影) の長さが $k>0$ である。$\vec{OP}$ が単位ベクトル $\vec{OQ}$ をスカラー $k$ 倍したものであるということは、$\vec{OP}$ は $\vec{OA}$ を半直線 OQ へ正射影したベクトルであるということを意味する。点 A から半直線 OQ へ下ろした垂線の足が P となる。$\angle APO=90^\circ$ であることになり、点 P は線分 OA を直径の両端とする円周上の点である。
   
その円は中心が $(1,1)$ で半径が $2\sqrt{2}\div2=\sqrt{2}$ であるから、方程式は
   $(x-1)^2+(y-1)^2=2$ ($x \geq 0$ かつ $y\geq 0$) ……(答)
制限をする範囲は、$\vec{OQ}$ の偏角、すなわち半直線 OP の偏角が $0^\circ \leq \phi \leq 90^\circ$ であることから出てくる。
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【第3問】 $f(x)=x^3-3x+2$ とする。また、$\alpha$ は $1$ より大きい実数とする。曲線 $C:y=f(x)$ 上の点 $P(\alpha,f(\alpha))$ における接線と $x$ 軸の交点を $Q$ とする。点 $Q$ を通る $C$ の接線の中で傾きが最小のものを $l$ とする。
(1) $l$ と$C$ の接点の $x$ 座標を $\alpha$ の式で表せ。
(2) $\alpha=2$ とする。$l$ と $C$ で囲まれた部分の面積を求めよ。

【解】(1) 点 $x=\alpha$ における接線は
   $y-(\alpha^3-3\alpha+2)=3(\alpha^2-1)(x-\alpha)$
であるから、点 $Q$ の座標は $y=0$ を代入して
   $x-\alpha=\frac{-(\alpha^3-3\alpha+2)}{3(\alpha^2-1)}$,
   $x=\frac{2(\alpha^3-1)}{3(\alpha^2-1)}=\frac{2(\alpha^2+\alpha+1)}{3(\alpha+1)}$
だから
   $Q=(\frac{2(\alpha^2+\alpha+1)}{3(\alpha+1)},0)$
$x=\alpha$ における接線以外でも点 $Q$ を通るものがあるだろう。その接線の接点の $x$ 座標を $\beta$ とすればその接線は
   $y-(\beta^3-3\beta+2)=3(\beta^2-1)(x-\beta)$ ……(*)
であるから、$x$ 軸との交点の座標は
   $(\frac{2(\beta^2+\beta+1)}{3(\beta+1)},0)$
これが $Q$ に一致するから
   $\frac{2(\beta^2+\beta+1)}{3(\beta+1)}=\frac{2(\alpha^2+\alpha+1)}{3(\alpha+1)}$
分母を払って
   $6(\alpha+1)(\beta^2+\beta+1)=6(\alpha^2+\alpha+1)(\beta+1)$,
   $(\alpha+1)\beta^2-\alpha^2\beta-\alpha^2=0$,
   $(\beta-\alpha)((\alpha+1)\beta+\alpha)=0$,
   $\beta=\alpha>1,-\frac{\alpha}{\alpha+1}<0$
傾き最小は後者だから、求めるべき接点の $x$ 座標は
   $\beta=-\frac{\alpha}{\alpha+1}$ ……(答)
(2) $alpha=2 \Rightarrow \beta=-\frac{2}{3}$ より接線 (*) の方程式は
   $y=-\frac{5}{3}x+\frac{70}{27}$
   
囲まれた図形の面積を求めるために、2曲線の交点の $x$ 座標を求める。
   $x^3-3x+2=-\frac{5}{3}x+\frac{70}{27}$ ,
   $x^3-\frac{4}{3}x-\frac{16}{27}=0$
接点の $x$ 座標 $=-\frac{2}{3}$ が重解になるから、$(x+\frac{2}{3})^2=x^2+\frac{4}{3}x+\frac{4}{9}$ で割ればよい。
   $(=x^2+\frac{4}{3}x+\frac{4}{9})(x-\frac{4}{3})=0$
したがって $x=-\frac{2}{3}$ から $\frac{4}{3}$ まで積分する。
   $\int_{-2/3}^{4/3} (-x^3+\frac{4}{3}x+\frac{16}{27})dx$
   $=[-\frac{1}{4}x^4+\frac{2}{3}x^2+\frac{16}{27}x ]_{-2/3}^{4/3} $
   $=-\frac{1}{4}(\frac{256}{81}-\frac{16}{81})+\frac{2}{3}(\frac{16}{9}-\frac{4}{9})+\frac{16}{27}(\frac{4}{3}+\frac{2}{3})$
   $=-\frac{1}{4}\cdot\frac{80}{27}+\frac{2}{3} \cdot \frac{12}{9}+\frac{16}{27} \cdot 2$
   $\frac{4}{3}$ ……(答)
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【第4問】 原点を $O$ とする座標平面上に、点 $(2,0)$ を中心とする半径 $2$ の円 $C_{1}$ と、点 $(1,0)$ を中心とする半径 $1$ の円 $C_{2}$ がある。点 $P$ を中心とする円 $C_{3}$ は $C_{1}$ に内接し、かつ $C_{2}$ に外接する。ただし、$P$ は $x$ 軸上にないものとする。$P$ を通り $x$ 軸に垂直な直線と $x$ 軸の交点を $Q$ とするとき、三角形 $OPQ$ の面積の最大値を求めよ。

【解】 点 $(1,0)$ を原点、$x$ 軸を始線と考えて、極座標 $(r,\theta)$ を導入する。円 $C_{3}$ の半径を $r$ とすれば、点 $P$ の極座標は $(1+r,\theta)$ になる。(下図参照。)
   

点 $P$ と 2円 $C_{1},C_{2}$ の中心の 3点でできる三角形に対し、余弦定理を適用すると
   $(2-r)^2=(1+r)^2+1^2-2(1+r)1\cos \theta$,
   $2-6r=-2(1+r)\cos\theta$,
   $3r-1=(r+1)\cos\theta$
となる。面積を求めるべき三角形の底辺と高さは
   $OQ=1+(1+r)\cos \theta=3r$,
   $PQ=(1+r)\sin\theta=(1+r)\sqrt{1-(\frac{3r-1}{r+1})^2}$
だから、その面積は
   $S=\frac{1}{2}3r(1+r)\sqrt{1-(\frac{3r-1}{r+1})^2}$
   $=\frac{3}{2}r\sqrt{-8r^2+8r}$
   $=\frac{3}{2}\sqrt{-8r^4+8r^3}$
これの最大は√ の中だけ考えればよい。しかも変域は $0<r<1$ である。$f(r)=-8r^4+8r^3$ とおけば
   $f'(r)=-32r^3+24r^2=-8r^2(4r-3)$
だから、$r=\frac{3}{4}$ の前後で増加から減少に変わる。よって、このときが最大で、最大値は
   $S=\frac{3}{2} \sqrt{-8(\frac{3}{4})^4+8(\frac{3}{4})^3}$
   $=\frac{3}{2} \sqrt{-\frac{81}{32}+\frac{27}{8}}$
   $=\frac{3}{2} \cdot \frac{3\sqrt{3}}{4\sqrt{2}}=\frac{9\sqrt{6}}{16}$ ……(答)
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【第5問】 左下の図のような縦 $3$ 列横 $3$ 列の $9$ 個のマスがある。異なる $3$ 個のマスを選び、それぞれに $1$ 枚ずつコインを置く。マスの選び方は、どれも同様に確からしいものとする。縦と横の各列について、点数を次のように定める。
 ● その列に置かれているコインが $1$ 枚以下のとき、$0$ 点
 ● その列に置かれているコインがちょうど $2$ 枚のとき、$1$ 点
 ● その列に置かれているコインが $3$ 枚のとき、$3$ 点
縦と横のすべての列の点数の合計を $S$ とする。たとえば、右下の図のようにコインが置かれている場合、縦の $1$ 列目と横の $2$ 列目の点数が $1$ 点、他の列の点数が $0$ 点であるから、$S=2$ となる。
(1) $S=3$ となる確率を求めよ。
(2) $S=1$ となる確率を求めよ。
(3) $S=2$ となる確率を求めよ。

   

【解】(1) まず、3個のコインの置き方が全部で、
   $_{9}C_{3}=\frac{9 \cdot 8\cdot 7}{3 \cdot 2\cdot 1}=3 \cdot 4 \cdot7$通り
ある。$S=3$ というのは縦か横のビンゴである。その置き方は、縦のビンゴと横のビンゴを合わせて
   $3+3=6$通り
である。よってその確率は
   $\frac{6}{3 \cdot 4 \cdot7}=\frac{1}{14}$ ……(答)
(2) まず 2枚のコインで 1点を獲得しよう。改めて、横の並びを「行」、縦の並びを「列」を呼ぼう。例えば第2行にコインを下図のように置いたとする。残り 1個のコインは、まだ置かれていない第2列の、第2行以外の場所(2ヵ所ある)に置かねばならない。
   
まとめると、行または列の選び方が 6通りあって、そこに 2個置く方法が $_{3}C_{2}=3$通りあり、そのそれぞれに対し、残りの置き場が 2ヵ所あるから、$6 \times 3 \times 2=36$通りである。よってその確率は
   $\frac{36}{3 \cdot 4 \cdot7}=\frac{3}{7}$ ……(答)
(3) 下図は問題にあった例と同じものだが、赤のコインを扇の要(かなめ)のようだから「要」と呼ぼう。
   
要の選び方は 9通りある。それに対して要と同じ行から 2個中 1個選んで、要と同じ列から 2個中 1個選ぶから、全部で $9 \times 2 \times 2=36$通りある。よってその確率は
   $\frac{36}{3 \cdot 4 \cdot7}=\frac{3}{7}$ ……(答)
【蛇足】 ついでだから $S=0$ となる確率を直接に求めてみよう。(余事象と考えて求めることも可能。) 第1行から 1マス選び($3$通り)、第2行からは先のコインとかぶらない所を選び($2$通り)、第3行は選ぶべきマスは自動的に決まる($1$通り)。だから、$3 \times 2 \times 1 =6$通りである。よってその確率は
   $\frac{6}{3 \cdot 4 \cdot7}=\frac{1}{14}$
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