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【入試問題研究】 福島大学 2019年度 前期日程 理工学群
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【第1問】 以下の問いに答えよ。
(1) 関数 $y=\frac{\sin x+2\cos x}{2\sin x-\cos x}$ を微分しなさい。
(2) 次の等式を満たす実数 $a,b$ を求めなさい。ただし、$i$ は虚数単位とする。
   $\frac{1+3i}{2+i}=a+bi$
(3) 異なる 3つのさいころを同時に投げて、出た目をそれぞれ $a,b,c$ とする。このとき、$a,b,c$ を 3辺の長さとする二等辺三角形 (正三角形を含む) を作ることができる確率を求めなさい。
(4) $x^4+4x^3+5x^2+2x$ を因数分解しなさい。
(5) 七進法で表された次の数の計算の結果を七進法で表しなさい。
   $14520_{(7)} \div 110_{(7)}$


【解】(1) $y'=\frac{(\cos x-2\sin x)(2\sin x-\cos x)-(\sin x+2\cos x)(2\cos x+\sin x)}{(2\sin x-\cos x)^2}$
   $=\frac{-(2\sin x-\cos x)^2-(\sin x+2\cos x)^2}{(2\sin x-\cos x)^2}=\frac{-5(\sin^2 x+\cos^2 x)}{(2\sin x-\cos x)^2}$
   $=\frac{-5}{(2\sin x-\cos x)^2}$……(答)

(2) 左辺の分母を実数化して
   $\frac{(1+3i)(2-i)}{(2+i)(2-i)}=\frac{5+5i}{5}=1+i$
よって $a=b=1$……(答)

(3) 正三角形になるのは $(2,2,2)$ のように 3つとも同じ目が出るときで $6$ 通りある。
正三角形でない二等辺三角形は $(2,2,x)$ のようになればよいのだが、$2+2>x$ でなければならないから限定される。
   $(1,1,x)$ のとき 0通り、
   $(2,2,x)$ のとき $x=1,3$ の 2通り、
   $(3,3,x)$ のとき $x=1,2,4,5$ の 4通り、
   $(4,4,x)$ のとき $x=1,2,3,5,6$ の 5通り、
   $(5,5,x)$ のとき $x=1,2,3,4,6$ の 5通り、
   $(6,6,x)$ のとき $x=1,2,3,4,5$ の 5通り
で計 $0+2+4+5+5+5=21$ 通りだが、どの2つがゾロ目かで $_{3}C_{2}=3$ 通りの選び方がある。
結局、求めるべき確率は
   $\frac{6+3\times 21}{6^3}=\frac{69}{6^3}=\frac{23}{72}$……(答)

(4) くくり出して
   $x^4+4x^3+5x^2+2x=x(x^3+4x^3+5x+2)$
としたあと、因数定理で例えば $x=-1$ を代入して 0になるから、$x+1$ で割って
   $=x(x+1)(x^2+3x+2)=x(x+1)^2(x+2)$……(答)

(5) 繰り下がりが一切ないので十進法と同じように筆算で割り算をすればいい。ちょうど割り切れて商は $132_{(7)}$……(答)
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【第2問】 等差数列$ 50,58,46,44,\cdots$ について、以下の問いに答えなさい。
(1) この等差数列の一般項 $a_{n}$ を求めなさい。
(2) この等差数列の初項から第 $n$ 項までの和を $S_{n}$ とするとき、$S_{n}$ の値が最大となる $n$ の値をすべて求めなさい。また、このときの $S_{n}$ の値を求めなさい。

【解】(1) $a_{n}=50-2(n-1)=52-2n$……(答)

(2) 項の値は $\cdots,2,0,-2,\cdots$ のようにやがて 0 や負の値になる。正の項だけ足していけばどんどん部分和は大きくなる。見極めが難しいのが 0の扱い。
  $50+48+\cdots +2$
で最大だが、
  $50+48+\cdots +2+0$
も最大である。結局、$a_{n}>0$ なる最大の $n$ から $a_{n}\geq 0$ なる最大の $n$ までの $n$ がすべて答である。
   $a_{n}=52-2n>0 \rightarrow n<26$ より $n=25$
また
   $a_{n}=52-2n\geq 0 \rightarrow n \leq 26$ より $n=26$
だから、最大値を与えるのは $n=25,26$……(答)

和は $S_{n}=\frac{n(a_{1}+a_{n})}{2}$ だから
   $S_{25}=\frac{25(50+2)}{2}=650$,
   $S_{26}=\frac{26(50+0)}{2}=650$
でたしかにどちらも同じ最大値 $S_{25}=S_{26}=650$……(答)
を与える。
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【第3問】 $xy$ 平面上の 3点 $A(3,2),B(15,7),C(6,6)$ を頂点とする三角形 $ABC$ の内接円の中心を $D$ とする。このとき、以下の問いに答えなさい。
(1) $\vec{AB},|\vec{AB}|,\vec{AC},|\vec{AC}|$ をそれぞれ求めなさい。
(2) 直線 $AD$ と直線 $BC$ の交点 $E$ の座標を求めなさい。
(3) 直線 $AD$ の方程式を求めなさい。
(4) 点 $F$ が $x$ 軸上を動くとき、$|\vec{AF}|+|\vec{FB}|$ の最小値を求めなさい。


【解】(1) $\vec{AB}=B-A=(15,7)-(3,2)=(12,5),|\vec{AB}|=\sqrt{12^2+5^2}=13$……(答)
同様に
   $\vec{AC}=(3,4),|\vec{AC}|=5$……(答)

(2) $\angle BAC$ の二等分線の方向のベクトルを作るには、図のように菱形の対角線を求めればよい。
   
菱形は隣り合う 2辺の長さが等しいので、$\vec{AB},\vec{AC}$ がいずれも長さが 1になるように拡大・縮小する。そのためにはそのベクトルの長さで割れば(これを「正規化する」という)よい。よって
   $\vec{AE}=k(\frac{\vec{AB}}{|\vec{AB}|}+\frac{\vec{AC}}{|\vec{AB}|})=k(\frac{\vec{AB}}{13}+\frac{\vec{AC}}{5})$
となる。一方、$D$ は直線 $BC$ 上の点だから
   $\vec{AE}=s\vec{AB}+(1-s)\vec{AC}$
この 2つの表記について(ベクトルの1次独立性から)係数比較して
   $\frac{k}{13}=s,\frac{k}{5}=1-s \Rightarrow 13s=5(1-s) \Rightarrow s=\frac{5}{18}$
したがって
   $\vec{OE}=\vec{OA}+\vec{AE}=\vec{OA}+\frac{5}{18}\vec{AB}+\frac{13}{18}\vec{AC}$
   $=(3,2)+\frac{5}{18}(12,5)+\frac{13}{18}(3,4)=(3,2)+(\frac{11}{2},\frac{77}{18})=(\frac{17}{2},\frac{113}{18})$……(答)
【別解】 数学Aに出てくる定理だが、二等分線なら $BE:EC=AB:AC=13:5$ である。これから $\vec{OE}=\frac{5\vec{OB}+13\vec{OC}}{18}$ で求めることもできる。

(3) 直線のベクトル方程式は
   $\vec{OP}=\vec{OA}+t\vec{AE}$
だから、成分表示すれば
   $(x,y)=(3,2)+t(\frac{11}{2},\frac{77}{18})$
$t$ を消去すれば
   $\frac{x-3}{11/2}=\frac{y-2}{77/18}$
これで一応答だが分母を払って整理すると
   $\frac{77}{18}(x-3)=\frac{11}{2}(y-2) \Rightarrow 7(x-3)=9(y-2) \Rightarrow 7x-9y-3=0$……(答)

(4) これは有名なパズルの問題である。(図参照)
   
$x$ 軸を一直線に流れる河とし、点 $A$ にいる馬に河の $F$ の場所で水を飲ませたのち、点 $B$ にある小屋に連れて行く。最短距離を求めよという問題である。答えは周知のように、$A$ を $x$ 軸について対称移動した点を $A'$ とし、$A'$ と $B$ を直線で結べばよい。その直線と $x$ 軸との交点が $F$ である。
よって、$A'(3.-2)$ と求めて、
   $A'B=\sqrt{(15-3)^2+(7+2)^2}=\sqrt{225}=15$……(答)
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【第4問】 関数 $f(x)=kx^3-x$ がある。$y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との 3つの交点を $A(a,0),B(b,0),C(c,0)(a<b<c)$ とする。このとき、以下の問いに答えなさい。ただし、$k$ は正の定数とする。
(1) 点 $A,B,C$ の座標を、それぞれ求めなさい。
(2) $y=f(x)$ と点 $B$ で接する直線 $l_{1}$ の方程式と、$y=f(x)$ と点 $C$ で接する直線 $l_{2}$ の方程式を、それぞれ求めなさい。また、直線 $l_{1}$ と直線 $l_{2}$ の交点 $P$ の座標を求めなさい。
(3) 三角形 $BPC$ の面積を $S_{1}$, $y=f(x)$ のグラフと線分 $BC$ で囲まれた図形の面積を $S_{2}$ とするとき、$S_{1}$ と $S_{2}$ を、それぞれ求めなさい。また、
   $\lim_{k\rightarrow +0} \frac{S_{1}}{S_{2}}$
の値を求めなさい。ただし、点 $P$ は、上の (2) で求めた直線 $l_{1}$ と直線 $l_{2}$ の交点とする。


【解】(1) $f(x)=kx^3-x=x(kx^2-1)=0 \Rightarrow x=0,\pm \frac{1}{\sqrt{k}}$
より、$A(-\frac{1}{\sqrt{k}},0),B(0,0),C(-\frac{1}{\sqrt{k}},0)$……(答)

(2) 接線は $y-y_{0}=f'(x_{0})(x-x_{0}),f'(x_{0})=3kx_{0}^2-1$ だから
   $l_{1}:y=-x$,
   $l_{2}:y=2(x-\frac{1}{\sqrt{k}})$……(答)

交点は2式を連立して
   $2(x-\frac{1}{\sqrt{k}})=-x \Rightarrow x=\frac{2}{3\sqrt{k}},y=-\frac{2}{3\sqrt{k}}$
だから、$P(\frac{2}{3\sqrt{k}},-\frac{2}{3\sqrt{k}})$……(答)

(3) 三角形は底辺×高さ÷2 で、$PH$ を $P$ から $x$ 軸に下した垂線の長さとすると
   $S_{1}=\frac{1}{2}BC \cdot PH=\frac{1}{2}\cdot \frac{1}{\sqrt{k}}\cdot |-\frac{2}{3\sqrt{k}}|=\frac{1}{3k}$,
放物線の面積は
   $S_{2}=-\int_{0}^{1/\sqrt{k}} (kx^3-x)dx=[-\frac{k}{4}x^4+\frac{1}{2}x^2]_{0}^{1/\sqrt{k}} =-\frac{k}{4}\cdot \frac{1}{k^2}+\frac{1}{2} \cdot \frac{1}{k}=\frac{1}{4k}$……(答)

商の極限は
   $\lim_{k\rightarrow +0} \frac{S_{1}}{S_{2}}=\lim\frac{1/(3k)}{1/(4k)}=\lim\frac{4}{3}=\frac{4}{3}$……(答)
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