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【入試問題研究】 千葉大学 2019年度 前期日程
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【第1問】 円に内接する四角形 ABCD において
   AB=5, BC=4, CD=4, DA=2
とする。また、対角線 AC と BD の交点を P とおく。
(1) 三角形 APB の外接円の半径を $R_{1}$, 三角形 APD の外接円の半径を $R_{2}$ とするとき、$\frac{R_{1}}{R_{2}}$ の値を求めよ。
(2) AC の長さを求めよ。


【解】
   

(1) 正弦定理より
   $2R_{1}=\frac{AB}{\sin \angle APB},2R_{2}=\frac{AD}{\sin \angle APD}$
だから
    $\frac{R_{1}}{R_{2}}=\frac{AB}{\sin \angle APB} \times \frac{\sin \angle APD}{AD}$
だが、$\sin \angle APB=\sin (\pi - \angle APD)=\sin \angle APD$ だから
    $\frac{R_{1}}{R_{2}}=\frac{AB}{AD} = \frac{5}{2}$……(答)

(2) 正弦定理を使って AC (の2乗) を二様に表すと
   $AC^2=AB^2+BC^2-2AB \cdot BC \cos \angle ABC =AD^2+CD^2-2AD \cdot CD \cos \angle ADC$
だが、$\cos \angle ABC=\cos (\pi - \angle ADC)=-\cos \angle ADC$ だから
   $AC^2=25+16-40 \cos \angle ABC =4+16+16 \cos \angle ABC$
よって
   $\cos \angle ABC =\frac{21}{56}=\frac{3}{8},AC^2=41-40 \cdot \frac{3}{8}=26$
   $AC=\sqrt{26}$……(答)
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【第2問】次の関数のグラフに関する以下の問いに答えよ。ただし、$m$ は実数とする。
   $y=|x^2-2mx|-m$
(1) $m=1$ のときのグラフの概形をかけ。
(2) グラフと $x$ 軸との共有点の個数を求めよ。

【解】(1) $y=|x^2-2x|-1$ だが、$y=x^2-2x=x(x-2)=(x-1)^2-1$ のグラフの $x$ 軸より下の部分を $x$ 軸について折り返し、次に $1$ だけ下へ引きずり降ろせばよい。
   
答は上図の青色のグラフである。

(2) 2曲線 $y=|x^2-2mx|,y=m$ の共有点の個数と解釈しよう。
   
$m>0$ のとき、前者のグラフの頂点の座標は $(m,|m^2-2m^2|)=(m,m^2)$ である。これの $y$ 座標と $m$ との大きさ比べになる。
(ア) $m^2<m$ すなわち $0<m<1$ のとき 2個
(イ) $m=1$ のとき 3個
(ウ) $1<m$ のとき 4個
$m=0$ のときは $y=x^2$ と $y=0$ だから1個で、
$m<0$ のときは $y=|x^2-2mx|$($x$ 軸以上) と $y=m$($x$ 軸より下) だから0個である。
まとめると
   $\left\{ \begin{array}{ll} m<0 & 0\mbox{個} \\ m=0 & 1\mbox{個} \\ 0<m<1 & 2\mbox{個} \\ m=1 & 3\mbox{個} \\ 1<m & 4\mbox{個} \end{array} \right.$……(答)
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【第3問】 正の約数の個数がちょうど $m$ 個であるような、$1900$ 以上の自然数の中で最小のものを $d_{m}$ とする。
(1) $d_{5}$ を求めよ。
(2) $d_{15}$ を求めよ。


【解】(1) 自然数 $n=p^e \cdot q^f \cdot \cdots$ ($p,q,\cdots$ は素数) の約数の個数は
   $m=(e+1)(f+1)\cdot \cdots$
である。今それが $5$ であるから
   $m=(4+1)\cdot 1 \cdot \cdots,n=p^4 \geq 1900$
よって
   $p^2 \geq 10\sqrt{19}>40$
これを満たす最小の素数 $p$ は $p=7$ である。実際、
   $n=7^4=2401>1900,m=5$
したがって、$d_{5}=2401$……(答)

(2) $m=15=5 \cdot 3$ だから
   $m=(4+1)(2+1)\cdot 1 \cdot \cdots,n=p^4 q^2\geq 1900$
よって
   $p^2 q \geq 10\sqrt{19}>40$

$p=2,3,5,7,\cdots$ と小さい順に試す。$q$ の方はなるべく小さくしなければいけないことから自動的に決まる。
(ア) $p=2$ ならば $q=11,p^2 q=44,n=1936$
(イ) $p=3$ ならば $q=5,p^2 q=45$ ア より大きいからダメ。
(ウ) $p=5$ ならば $q=2,p^2 q=50$ ア より大きいからダメ。
(エ) $p \geq 7$ ならば $q=2$ ウ より大きいからダメ。
結局、$d_{15}$ はア の場合である。$d_{15}=1936$……(答)
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【第4問】 コインが 5枚ある。さいころを振って出た目によって、これらのコインを 1枚ずつ 3つの箱 A, B, C のいずれかに入れていく。出た目が 1であればコインを 1枚、箱 A に入れる。出た目が 2か 3であればコインを 1枚、箱 B に入れる。出た目が 4か 5か 6であればコインを 1枚、箱 C に入れる。さいころを 5回振ったとき、次の問いに答えよ。
(1) 箱 A と箱 B にコインがそれぞれちょうど 2枚ずつ入っている確率を求めよ。
(2) A, B いずれの箱にもコインが 1枚以上入っている確率を求めよ。

【解】(1) 当然 C には 1個入る。よって、求めるべき確率は
   $\frac{5!}{2!2!1!} (\frac{1}{6})^2 (\frac{2}{6})^2 (\frac{3}{6})^1=30\times \frac{1^2\cdot2^2\cdot3^1}{6^5}=\frac{5}{108}$……(答)

(2) 余事象は「A空、またはB空」=「A空+B空-AB空」だから、その確率を 1から引く。よって、求めるべき確率は
   $1-\{ (\frac{5}{6})^5+ (\frac{4}{6})^5- (\frac{3}{6})^5\}=\frac{6^5-5^5-4^5+3^5}{6^5}=\frac{3870}{6^5}=\frac{215}{432}$……(答)
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【第5問】 三角形 ABC において $\angle A=45^\circ, \angle B=60^\circ$ である。頂点 A から辺 BC に引いた垂線と BC が交わる点を D とし、頂点 C から辺 AB に引いた垂線と AB が交わる点を E とする。また、$\vec{a}=\vec{CA},\vec{b}=\vec{CB}$ とする。このとき以下の問いに答えよ。
(1) $\vec{CE}$ を $\vec{a},\vec{b}$ を用いて表せ。
(2) 直線 CE と直線 AD の交点を H とするとき、$\vec{CH}$ を $\vec{a},\vec{b}$ を用いて表せ。

【解】(1) 下図において $BE$ の長さを 1とすれば
   

   $BE=1,BC=2,CE=\sqrt{3},AE=\sqrt{3},AB=\sqrt{3}+1,BD=\frac{\sqrt{3}+1}{2},CD=2-\frac{\sqrt{3}+1}{2}=\frac{3-\sqrt{3}}{2}$
である。よって
   $\vec{CE}=\vec{a}+\frac{\sqrt{3}}{\sqrt{3}+1}(\vec{b}-\vec{a})=\frac{\sqrt{3}-1}{2}\vec{a}+\frac{3-\sqrt{3}}{2}\vec{b}$……(答)

(2) $\vec{CH}$ を二様に表し、1次独立性を使う。$\vec{CH}=(1-t)\vec{CA}+t\vec{CD}$ とおけば、図から
   $\vec{CD}=(\frac{3-\sqrt{3}}{2}/2)\vec{b}=\frac{3-\sqrt{3}}{4}\vec{b}$
に注意して
   $\vec{CH}=(1-t)\vec{a}+t\frac{3-\sqrt{3}}{4}\vec{b}=s\vec{CE}$……(*)
前問の答を使えば
   $(1-t)\vec{a}+t\frac{3-\sqrt{3}}{4}\vec{b}=s(\frac{\sqrt{3}-1}{2}\vec{a}+\frac{3-\sqrt{3}}{2}\vec{b})$
$\vec{a},\vec{b}$ が1次独立だから、$\vec{a},\vec{b}$ の係数同士が等しくなる。よって
   $1-t=\frac{\sqrt{3}-1}{2}s,\frac{3-\sqrt{3}}{4}t=\frac{3-\sqrt{3}}{2}s$
この連立方程式を解けば
   $t=\frac{2(3-\sqrt{3}) }{3},s=\frac{3-\sqrt{3}}{3}$
(*)に代入して
   $\vec{CH}=\frac{2\sqrt{3}-3}{3}\vec{a}+(2-\sqrt{3})\vec{b}$……(答)
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【第6問】 $a$ は 0でない実数とし、$f(x)=ax^3+3ax^2+3x+3$ とおく。
(1) 関数 $y=f(x)$ のグラフ $C$ と導関数 $y=f'(x)$ のグラフ $C'$ が相異なる 3点で交わるような $a$ の範囲を求めよ。
(2) $a$ が (1) の範囲にあるとき $C$ と $C'$ で囲まれた 2つの図形の面積の和を求めよ。


【解】(1) $y=f(x)$ と $y=f'(x)=3ax^2+6ax+3$ との交点の $x$ 座標は
   $ax^3+3ax^2+3x+3=3ax^2+6ax+3$ ,
   $f(x)-f'(x)=x(ax^2+3-6a)=0$……(*)
の解である。これが異なる 3個の実数解であればよいのだから
   $ax^2+3-6a=0$
が $x=0$ 以外の相異なる 2つの実数解を持てばよい。
   $3-6a \neq 0,D/4=-a(3-6a)>0$
よって
   $a<0,\frac{1}{2}<a$……(答)

(2) $f(x)-f'(x)$ の定積分を求めればよいのだが、$f(x)-f'(x)$ は奇関数でそのグラフは下図のようであり、$f(x)-f'(x)=0$ (*) の解は $x=0,\pm \sqrt{\frac{6a-3}{a}}$ である。
   
だから、面積は片方の図形の面積を 2倍すれば求まる。
   $S=2\int_{0}^{\sqrt{(6a-3)/a}}|f(x)-f'(x)|dx=2\int_{0}^{\sqrt{(6a-3)/a}}|ax^3-(6a-3)x| dx$
   $=2|\int_{0}^{\sqrt{(6a-3)/a}}\{ax^3-(6a-3)x \} dx|=2 | [\frac{a}{4}x^4-\frac{3(a-1)}{2}x^2]_{0}^{\sqrt{(6a-3)/a}} |$
   $=2| \frac{a}{4}(\frac{3(2a-1)}{a})^2-\frac{3(a-1)}{2}\cdot\frac{3(2a-1)}{a}|$
   $=\frac{9(2a-1)^2}{2|a|}$……(答)
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【第7問】 $a_{1}=3,a_{2}=2$ とし、$n\geq 2$ のとき、
   $a_{n+1}=a_{n}^2+a_{n}-1$
として数列 $\{ a_{n} \}$ を定める。
(1) $n \geq 2$ のとき $a_{n+1}=a_{1}a_{2}\cdots a_{n}-1$ が成り立つことを証明せよ。
(2) $\sum_{i=1}^{n} a_{i}^2=a_{1}a_{2}\cdots a_{n}+100$ が成り立つような自然数 $n$ を求めよ。


【解】(1) 数学的帰納法による。$n=2$ のとき $a_{3}=a_{2}^2+a_{2}-1=2^2+2-1=5$ だがこのとき
   $a_{3}=a_{1}a_{2}-1=3 \times 2-1=5$
だから、たしかに成り立つ。
次に $a_{n+1}=a_{1}a_{2}\cdots a_{n}-1$ であると仮定する。このとき
   $a_{1}a_{2}\cdots a_{n}a_{n+1}-1=(a_{n+1}+1)a_{n+1}-1=a_{n+1}^2+a_{n+1}-1$
となるが、定義により右辺は $a_{n+2}$ に等しいから
   $a_{n+2}=a_{1}a_{2}\cdots a_{n}a_{n+1}-1$
となり、$n$ が $n+1$ に変わっても成り立つことが分かった。これで $n\geq 2$ なるすべての自然数 $n$ について等式が成り立つことが証明できた。■

(2) 定義式を $n=2$から$n$ まで総和する。すなわち
   $a_{3}=a_{2}^2+a_{2}-1$
   $a_{4}=a_{3}^2+a_{3}-1$
   $a_{5}=a_{4}^2+a_{4}-1$
   $\cdots \cdots $
   $a_{n+1}=a_{n}^2+a_{n}-1$
を辺々足すのである。そうすると
   $\sum_{i=3}^{n+1}a_{i}=\sum_{i=2}^{n}a_{i}^2+\sum_{i=2}^{n}a_{i}-(n-1)$
よって
   $\sum_{i=2}^{n}a_{i}^2=\sum_{i=3}^{n+1}a_{i}-\sum_{i=2}^{n}a_{i}+(n-1)$
$a_{2}^2$ が抜けているので、これを両辺に足して
   $\sum_{i=1}^{n}a_{i}^2=\sum_{i=3}^{n+1}a_{i}-\sum_{i=2}^{n}a_{i}+(n-1)+a_{1}^2$
   $=a_{n+1}-a_{2}+(n-1)+a_{1}^2=(a_{1}a_{2}\cdots a_{n}-1)-a_{2}+(n-1)+a_{1}^2$
   $=a_{1}a_{2}\cdots a_{n}+n+5$
したがって $n+5=100$ とすればよい。$n=95$……(答)
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【第8問】 三角形 ABC は $AB+AC=2BC$ を満たしている。また、角 A の二等分線と辺 BC の交点を D とするとき、$AD=15$ である。さらに、三角形 ABC の内接円の半径は 4 である。このとき以下の問いに答えよ。
(1) $\theta=\angle BAD$ とするとき $\sin\theta$ の値を求めよ。また、$A=\angle BAC$ とするとき、$\sin \theta$ と $\cos A$ の値を求めよ。
(2) 辺 BC の長さを求めよ。

【解】(1) 三角形の面積を二様に表す。
   
   $S=\frac{r}{2}(a+b+c)=\frac{1}{2}bx\sin\theta+\frac{1}{2}cx\sin\theta$
である。ここに $r=4$ は内接円の半径、$x=AD=15$ であり、また前提条件から $b+c=2a$ である。よって
   $S=6a=15a\sin\theta \Rightarrow \sin\theta=\frac{6a}{15a}=\frac{2}{5}$……(答)
これから、$\cos\theta=\pm\sqrt{1-(\frac{2}{5})^2}=\pm \frac{\sqrt{21}}{5}$ だが $\theta$ は $180^\circ$ 未満の半分だから符号は + なので、
   $\cos \theta=\frac{\sqrt{21}}{5}$,
   $\sin A=2\sin\theta\cos\theta=\frac{4\sqrt{21}}{25}$……(答)
   $\cos A=1-2\sin^2\theta=\frac{17}{25}$……(答)

(2) 余弦定理: $BC^2=AB^2+AC^2-2AB\cdot AC\cos A$ より
   $a^2=b^2+c^2-\frac{34}{25}bc=(b+c)^2-2bc-\frac{34}{25}bc=4a^2-\frac{84}{25}bc$……(*)
また、三角形の面積の公式: $S=\frac{1}{2}bc\sin A$ より
   $S=\frac{2\sqrt{21}}{25}bc$
であり、これと前問を解く過程で出てきた
   $S=6a$
を合わせて考えると
   $6a=\frac{2\sqrt{21}}{25}bc \Rightarrow bc=\frac{25\sqrt{21}}{7}a$
これを (*) に代入して
   $a^2=4a^2-12\sqrt{21}a \Rightarrow a=4\sqrt{21}$……(答)
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【第9問】 コインが 5枚ある。さいころを振って出た目によって、これらのコインを 1枚ずつ 3つの箱 A, B, C のいずれかに入れていく。出た目が 1であればコインを 1枚、箱 A に入れる。出た目が 2か 3であればコインを 1枚、箱 B に入れる。出た目が 4か 5か 6であればコインを 1枚、箱 C に入れる。さいころを 5回振ったとき、次の問いに答えよ。
(1) 箱 A と箱 B にコインがそれぞれちょうど 2枚ずつ入っている確率を求めよ。
(2) A, B, C いずれの箱にもコインが 1枚以上入っている確率を求めよ。
(3) 試行の後に箱 A を開けるとちょうど 2枚のコインが入っていた。このとき箱 B にコインがちょうど 2枚入っている確率を求めよ。


【解】(1) 当然 C には 1個入る。よって、求めるべき確率は
   $\frac{5!}{2!2!1!} (\frac{1}{6})^2 (\frac{2}{6})^2 (\frac{3}{6})^1=30\times \frac{1^2\cdot2^2\cdot3^1}{6^5}=\frac{5}{108}$……(答)

(2) 余事象は「A空、またはB空、またはC空」=「A空+B空+C空-AB空-BC空-CA空」だから、その確率を 1から引く。よって、求めるべき確率は
   $1-\{ (\frac{5}{6})^5+ (\frac{4}{6})^5+ (\frac{3}{6})^5 \}+\{ (\frac{3}{6})^5 (\frac{1}{6})^5 +(\frac{2}{6})^5\}=\frac{6^5-(5^5-4^5-3^5)+(3^5+1^2+2^5)}{6^5}$
   $\frac{7776-4392+276}{6^5}=\frac{3660}{6^5}=\frac{305}{348}$……(答)

(3) 条件付き確率である。「AにもBにもちょうど2枚」÷「Aにちょうど2枚」で求まるが、前項は既に (1) で求めてある。後項を求めると
   $\frac{5!}{2!3!} (\frac{1}{6})^2 (\frac{5}{6})^3=\frac{1250}{6^5}=\frac{625}{3\cdot 6^4}$
よって条件付き確率は
   $\frac{5}{108}\div \frac{625}{3\cdot 6^4}=\frac{36}{125}$……(答)
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【第10問】 座標平面上の円 $C$ は、点 $(0,0)$ を通り、中心が直線 $x+y=0$ 上にあり、さらに双曲線 $xy=1$ と接する。このとき、円 $C$ の方程式を求めよ。ただし、円と双曲線がある点で接するとは、その点における円の接線と双曲線の接線が一致することをいう。

【解】 円の中心を $(a,-a)$ とすれば、原点までの距離は $\sqrt{2}|a|$ だから、円の方程式は
   $(x-a)^2+(y+a)^2=2a^2$
接点の座標を $(t,\frac{1}{t})$ とおく。$y=\frac{1}{x}$ を微分すると $y'=-\frac{1}{x^2}$ だから、双曲線の接線の傾きは $-\frac{1}{t^2}$, 接点と円の中心を結ぶ半径の傾きは
   $\frac{1/t+a}{t-a}$
半径は接線と直交するから、傾きの積は $-1$ になる、すなわち
   $-\frac{1}{t^2} \times \frac{1/t+a}{t-a}=-1 \Rightarrow \frac{1}{t}+a=t^2(t-a) \Rightarrow 1+at=t^3(t-a)$……①
また、接点は円周上にあるから
   $(t-a)^2+(\frac{1}{t}+a)^2=2a^2 \Rightarrow t^2(t-a)^2+(1+at)^2=2a^2t^2$……②
あとは①と②の連立方程式を解けばよい。①を②に代入すれば
   $t^2(t-a)^2+t^6(t-a)^2=2a^2t^2 \Rightarrow (1+t^4)(t-a)^2=2a^2$
また①を $a$ について解くと
   $(t+t^3)a=t^4-1 \Rightarrow a=\frac{t^4-1}{t(t^2+1)}=\frac{t^2-1}{t}$
だが、これを上の式に代入すると
   $(1+t^4)(t-\frac{t^2-1}{t})^2=2(\frac{t^2-1}{t})^2 \Rightarrow 1+t^4=2(t^2-1)^2$,
   $t^4-4t^2+1=0$,
   $t^2=2\pm \sqrt{3}$
(ア) $t^2=2+ \sqrt{3}$ のとき $t=\pm \sqrt{2+ \sqrt{3}}=\pm \frac{\sqrt{4+ 2\sqrt{3}}}{\sqrt{2}}=\pm \frac{\sqrt{3}+ 1}{\sqrt{2}}$,
   $a=\frac{t^2-1}{t}=\pm(1+\sqrt{3})\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}+1}=\pm \sqrt{2}$,
   $C:(x\mp \sqrt{2})^2+(y\pm \sqrt{2})^2=4$
(イ) $t^2=2- \sqrt{3}$ のとき $t=\pm \sqrt{2- \sqrt{3}}=\pm \frac{\sqrt{3}- 1}{\sqrt{2}}$,
   $a=\frac{t^2-1}{t}=\pm(1-\sqrt{3})\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}-1}=\mp \sqrt{2}$,
   $C:(x\pm \sqrt{2})^2+(y\mp \sqrt{2})^2=4$
(ア) と (イ) の答は同じだから、結局、円は
   $C:(x\pm \sqrt{2})^2+(y\mp \sqrt{2})^2=4$……(答)
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【第11問】 $n$ を正の整数とする。
(1) $\int_{0}^{\pi/3} \tan^n \theta d \theta +\int_{0}^{\pi/3} \tan^{n+2} \theta d \theta$ を $n$ の式で表せ。
(2) $\int_{0}^{\pi/3} \tan^7 \theta d \theta$ を求めよ。

【解】(1) 1つの積分にまとめる。
   $\mbox{与式}=\int_{0}^{\pi/3} \tan^n \theta (1+\tan^2\theta) d \theta =\int_{0}^{\pi/3} \tan^n \theta \frac{1}{\cos^2\theta} d \theta $
   $=[\frac{1}{n+1}\tan^{n+1}\theta ]_{0}^{\pi/3} =\frac{\sqrt{3}^{n+1}}{n+1}=\frac{3^{(n+1)/2}}{n+1}$……(答)

(2) $n=1,3,5$ を代入すれば、
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan \theta d \theta +\int_{0}^{\pi/3} \tan^{3} \theta d \theta=\frac{3}{2}$,
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan^3 \theta d \theta +\int_{0}^{\pi/3} \tan^{5} \theta d \theta=\frac{9}{4}$,
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan^5 \theta d \theta +\int_{0}^{\pi/3} \tan^{7} \theta d \theta=\frac{27}{6}$
ここで $A-B+C$ のように、足し算と引算を交互に行えば
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan \theta d \theta+\int_{0}^{\pi/3} \tan^7 \theta d \theta=\frac{3}{2}-\frac{9}{4}+\frac{27}{6}=\frac{15}{4}$
となる。また、
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan \theta d \theta=\int_{0}^{\pi/3} \frac{\sin \theta}{\cos\theta} d \theta=[-\log|\cos\theta|]_{0}^{\pi/3}=-\log\frac{1}{2}+\log 1=\log 2$
だから
   $\int_{0}^{\pi/3} \tan^7 \theta d \theta=\frac{15}{4}-\log 2$……(答)
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【第12問】 数直線上に動点 P があり、はじめに原点にあるとする。$k=1,2,\cdots$ に対し、$k$ 回目にさいころを振ったとき、1, 2 の目が出たら P は正の方向に $\frac{1}{2^k}$ だけ移動し、3, 4 が出たら負の方向に $\frac{1}{2^k}$ だけ移動し、5, 6 が出たら移動しないとする。$n$ 回さいころを振った後の点 P の座標を $X_{n}$ とする。
(1) $0<X_{n}$ となる確率を求めよ。
(2) $\frac{1}{2}<X_{n}$ となる確率を求めよ。
(3) $l$ は $n$ 未満の正の整数とする。このとき、$\frac{1}{2^l}<X_{n}$ となる確率を求めよ。


【解】(1) 対称性から $0<X_{n}$ と$0>X_{n}$ の確率は等しい。これらの余事象:$X_{n}=0$ となる確率を求めよう。そのためには、さいころの出目はすべて 5 か 6 でなければならない。なぜなら、点 P の座標を 2進法の小数で表せば、
   正の方向に $0.01100100$進み、
   負の方向に $0.00011001$バックしたならば
P の座標は引き算して
   $0.01001011$
となる。ここで引き算をした 2数の同じ桁に両者とも "1" が現れることはない。だから、引き算して $0.00\cdots 0$になるのは
   正の方向に $0.00000000$進み、
   負の方向に $0.00000000$バックしたとき
である。ということは $X_{n}=0$ となるのは $n$ 回すべてで 5, 6 が出るときで、その確率は
   $(\frac{1}{3})^n$
よって求める確率は、これの余事象の確率の半分であるから
   $\frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^n \}$……(答)

(2) 初めの出目が $\frac{1}{2}$ 前進でなければならない。これがもし 0 以下であるなら、この後すべて正の方向に進んだとしても
   $\frac{1}{4}+\frac{1}{8}+\frac{1}{16}+\cdots <\frac{1}{4}(1+\frac{1}{2}+\cdots)=\frac{1}{4}\times \frac{1}{1-1/2}=\frac{1}{2}$
で $\frac{1}{2}$ に到達し得ない。だから、最初の出目は 1, 2 である。
その次はここ、$\frac{1}{2}$ を原点と思って、最後に正の位置に落ち着けばよい。その確率は前問の結果より
   $\frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^{n-1} \}$
だから、求めるべき確率は
   $\frac{1}{3} \times\frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^{n-1} \}= \frac{1}{6}\{ 1-(\frac{1}{3})^{n-1} \}$……(答)

(3) $\frac{1}{2^l}<X_{n}$ となるためには、さいころを $l$ 回振った直後、点は下図の赤点か、青点になければならない。
   
(ア) 赤点に来た場合、その後、最後に至るまでにそこから正方向へ動けばよい。ところで、点が $\frac{1}{2^l}$ に来る方法は 1通りでない。例えば $\frac{1}{2^3}$ だったら
   $\frac{0}{2}+ \frac{0}{2^2} +\frac{1}{2^3}$,
   $\frac{0}{2}+ \frac{1}{2^2} -\frac{1}{2^3}$,
   $\frac{1}{2}- \frac{1}{2^2}- \frac{1}{2^3}$
のように 3通りである。同様に、$\frac{1}{2^l}$ だったら $l$ 通りである。よって、この場合の確率は (1) の答を利用して
   $l \cdot (\frac{1}{3})^l \cdot \frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^{n-l} \}$
(イ) 青点に来た場合、その後はどうなっても大丈夫だ。青に来る確率は、
   (「原点に留まる」の余事象の確率の半分)-「赤に来る確率」
である。よってその確率は
   $\{ 1-(\frac{1}{3})^l \}\div 2-l \cdot (\frac{1}{3})^l$
結局、(ア)と(イ)を足して
   $l (\frac{1}{3})^l \cdot \frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^{n-l} \} +\frac{1}{2}\{ 1-(\frac{1}{3})^l \}-l (\frac{1}{3})^l$
   $=\frac{l}{2}(\frac{1}{3})^l -\frac{l}{2}(\frac{1}{3})^n+\frac{1}{2}-\frac{1}{2}(\frac{1}{3})^l-l(\frac{1}{3})^l$
   $=-\frac{l+1}{2}(\frac{1}{3})^l +\frac{1}{2}-\frac{l}{2}(\frac{1}{3})^n$……(答)

【蛇足】 問題文には「$l$ は $n$ 未満」とあるが、$l=n$ のときにも成り立つ。
この問題の難しいところは各点に到達する方法が 1通りでないというところだ。($0$ と $\pm \frac{1}{2}$ は例外。)
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【第13問】 $a$ は実数とする。座標平面上で連立不等式
   $\left\{ \begin{array}{l} y \geq x^2 \\ y \leq (2a+3)x-a(a+3) \end{array} \right.$
の表す領域を $D(a)$ とおく。いま、$x$ 座標も $y$ 座標も整数であるような点を格子点と呼ぶことにする。
(1) $n$ を整数とする。このとき $D(n)$ に含まれる格子点の個数を求めよ。
(2) 任意の実数 $a$ について、$D(a)$ に含まれる格子点の個数と $D(a+1)$ に含まれる格子点の個数は等しいことを示せ。


【解】(1) $f(x)=x^2,g(x)=(2a+3)x-a(a+3) $ とする。2曲線の交点の $x$ 座標は
   $x^2-(2a+3)x+a(a+3)=0 \Rightarrow (x-a)((x-a-3)=0 \Rightarrow x=a,a+3$
だから、$x=n,n+1,n+2n+3$ に対応する格子点の個数を数える。
(ア) $g(n)-f(n)+1=(2n+3)n-n(n+3)-n^2+1=1$個
(イ) $g(n+1)-f(n+1)+1=(2n+3)(n+1)-n(n+3)-(n+1)^2+1=3$個
(ウ) $g(n+2)-f(n+2)+1=(2n+3)(n+2)-n(n+3)-(n+2)^2+1=3$個
(エ) $g(n+3)-f(n+3)+1=(2n+3)(n+3)-n(n+3)-(n+3)^2+1=1$個
よって、合計 $1+3+3+1=8$個……(答)

(2) ● $D(a)$ の個数だが、$a$ が整数なら前問のように 8個である。正数でない場合は $a+d=n,0 0<d<1$ とする。よって $a=n-d$.
$x=a+d,a+d+1,a+d+2$ に対応する格子点を数える。
(ア) $g(a+d)-f(a+d)+1=(2a+3)(a+d)-a(a+3)-(a+d)^2+1=(2d+3)a+3d-3a-2da-d^2+1=-d^2+3d+1(小数点以下切捨て)$個
(イ) $g(a+d+1)-f(a+d+1)+1=(2a+3)(a+d+1)-a(a+3)-(a+d+1)^2+1=(2d+5)a+3(d+1)-3a-2(d+1)a-(d+1)^2+1=-d^2+d+3(小数点以下切捨て)$個
(ウ) $g(a+d+2)-f(a+d+2)+1=(2a+3)(a+d+2)-a(a+3)-(a+d+2)^2+1=(2d+7)a+3(d+2)-3a-2(d+2)a-(d+2)^2+1=-d^2-d+3(小数点以下切捨て)$個
合計は $[-d^2+3d+1]+[-d^2+d+3]+[-d^2-d+3]$個。($[\mbox{ }]$ はガウスの記号)
● $D(a+1)$ の個数だが、$h(x)=(2a+5)x-(a+1)(a+4) $ とする。
   $x^2-(2a+5)x+(a+1)(a+4)=0 \Rightarrow (x-a-1)((x-a-4)=0 \Rightarrow x=a+1,a+4$
だから、$a=n$ が整数なら $x=n+1,n+2n+3,n+4$ に対応する格子点の個数を数える。
(ア) $h(n+1)-f(n+1)+1=(2n+5)(n+1)-(n+1)(n+4)-(n+1)^2+1=1$個
(イ) $h(n+2)-f(n+2)+1=(2n+5)(n+2)-(n+1)(n+4)-(n+2)^2+1=3$個
(ウ) $h(n+3)-f(n+3)+1=(2n+5)(n+3)-(n+1)(n+4)-(n+3)^2+1=3$個
(エ) $h(n+4)-f(n+4)+1=(2n+5)(n+4)-(n+1)(n+4)-(n+4)^2+1=1$個
よって、合計 $1+3+3+1=8$個。これは$D(a)$ と同じだ。
整数値でない場合。$x=a+d+1,a+d+2,a+d+3$ に対応する格子点を数える。
(ア) $h(a+d+1)-f(a+d+1)+1=(2a+5)(a+d+1)-(a+1)(a+4)-(a+d+1)^2+1$
   $=(2d+7)a+5(d+1)-5a-4-2(d+1)a-(d+1)^2+1=-d^2+3d+1(小数点以下切捨て)$個
(イ) $h(a+d+2)-f(a+d+2)+1=(2a+5)(a+d+2)-(a+1)(a+4)-(a+d+2)^2+1$
   $=(2d+9)a+5(d+2)-5a-4-2(d+2)a-(d+2)^2+1=-d^2+d+3(小数点以下切捨て)$個
(ウ) $h(a+d+3)-f(a+d+3)+1=(2a+5)(a+d+3)-(a+1)(a+4)-(a+d+3)^2+1$
   $=(2d+11)a+5(d+3)-5a-4-2(d+3)a-(d+3)^2+1=-d^2-d+3(小数点以下切捨て)$個
合計は $[-d^2+3d+1]+[-d^2+d+3]+[-d^2-d+3]$個。これは $D(a)$ の $a$ が正数でない場合とまったく同じだ。
よって、$D(a)$ の個数と $D(a+1)$ の個数は等しい。■
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